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~輝く日の宮の章~
第60話春の人事は暫しの別れ
しおりを挟む「播磨の守!?蔵人の中将が?」
「はい。今年の除目で決まりました。数日後には都を離れて任地先に赴くとの事です」
「急すぎない?いや、その前に、何で中将が国司になるの?はっ!まさか蔵人の中将はなにかやらかしたとか?」
「いいえ、そうではありません。恐らく、此度の除目は内大臣様の意向でしょう。宮中に居てはいずれ内紛に巻き込まれるといくと考えたのでしょう」
「内紛……」
話が大事(おおごと)になってる。
これってやっぱり僕と兄上の跡取り問題?
「内大臣様は、従三位の御息所様を通じて内裏の情報も正確に把握なさっています。しかし、政治の世界は利害関係が更に絡み合う場所。
実直な蔵人の中将様では、揚げ足取りをされてもおかしくありません。
先帝の内親王様が入内なさった事も憂慮なされておいでなのでしょう。皇位争いに御子息が巻き込まれないための策でしょう。
国司と成れば三、四年は都に戻ることはありません。その間に、若君は元服されるでしょうから、任期明けには一息つくと判断されたと思われます」
もしかしなくても、僕の立場って想像以上にヤバくない?
「若君が元服後も皇族でいるか、それとも臣下に降りられるかで、公卿方も方向転換ができますからね。
臣籍を得るならば問題はありませんが、皇族のままであった場合は、皇位を狙っていると判断されかねません。そういった意味でも内大臣様の決断は家を守る事の特化したものがあります。
自分に何かあっても御子息がいらっしゃいますからね。その証拠に御子息の『中将』の位もそのままにされるという異例の措置をなさって御出でですから」
ああ、国司として地方に行く事ばかり目がいっていたけど、蔵人の中将は、国司と中将の位を同時に兼任している。
ここまで位の差がある任命も稀だ。
都で政争があっても地方にいる中将夫妻に害が及ばないように、政争後は都に戻り易くするためのものだろう。
実に巧妙だ。
流石、内大臣といった処だろう。
彼らが中立でいてくれるのは正直有難い。
そうでないと大勢の公家達の逃げ場がないからね。
播磨の赴く前に、夫婦揃って『桐壺』に挨拶に来た。
二人とも手紙を欠かさずに送ってくれると約束してくれたけど、中将大丈夫かな?マメな方じゃないのに。
◇◇◇◇◇◇◇◇
播磨:兵庫県。
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