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~外伝 運命を捻じ曲げられた女人たち~
第116話とある人事異動~女学校を建設・職業婦人 花散里の君~
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新しい御代になったことから、女性の社会進出を活発化させようと考えて、女学校を建設した。
まあ、建設といっても御所内にある使用していない建物をリフォームしただけなんだけどね。
何でこんなことをしているのかというと、両親を亡くした上流貴族の女性のためともいえるし、しっかりとした後ろ盾も財産も無い桐壺帝の後宮の妃たちのためでもあった。
中流の家柄や若い妃達はまだマシだけど、美しい盛りを過ぎた妃たちは今後の将来に不安を感じていることは手に取るように分かる。
皆が、弘徽殿の女御のように帝の御子を産んで立派な後ろ盾がある訳じゃない。
なにしろ、桐壺帝は二十年近く在位していた。
時流は変わるし、親だって亡くなっている場合もある。兄弟が出世していれば話は別だけど、そんなに上手くはいかない。大臣家に生まれたからといって息子が優秀という訳ではないし、朱雀帝の御代は桐壺帝の御代と違って『実力主義』を押し通しているから余計に競争が激しくなるのは必定だ。
後宮入りした姉妹の面倒をみられる人が一体幾人残れるか、ってとこだからね。
女御たちもそのことを理解しているので話が実にスムーズに進む。
男よりも女の方が逞しいよ。
教養を身に着けている女御たちは主に礼儀作法を教え、その中から特技分野を専門に教えていく事になった。
音楽、和歌、漢文、詩文、香道、書道。
中納言家や中将家出身の更衣は、裁縫や染物に秀でている女性が多く、更に家政学にも敏感だった。要は、家の家計を上手く回せるということだ。
なので、裁縫、染物、算術、家裁全般を教えてもらう事にした。
「源氏の君、この度の采配、誠にありがとうございます。姉の麗景殿の女御共々、感謝の念がつきません」
穏やかに微笑む少女は麗景殿の女御の妹君。
麗景殿の女御の大臣家は既に父親が他界している上に、兄弟仲もあまりいいとはいえない環境だ。姉妹仲は良好なのに……。やっぱり異母兄弟が多いと何かと苦労するのかもしれないな。右大臣家はめっちゃ仲いいけどね。でも、それって結構珍しいみたいだ。だって左大臣なんか、余所に子供を儲けているくせに屋敷で一切その会話をださない位だもん。葵の上も異母姉妹と交流は全くと言ってないらしい。
「見事な衣ですね。それも御自分で染めたのですか?」
「はい。取り柄の無い私ですが、染物と縫い物は大好きなんです」
「いやいや、それだけ見事な染物なら立派な長所ですよ」
「お恥ずかしいですわ。これはそれほど良い衣ではありませんのよ?」
ニコニコ笑う妹君。
ふっくらとしてお世辞にも美人とはいい難い少女だけど、ほんわかした雰囲気がなんか落ち着くんだよね。なんだろ?彼女の姉である女御も温和な人柄だ。雰囲気がよく似てる。ああ!そうだ、お母さんって雰囲気がするんだよね!!
裁縫がこれだけ得意なんだから料理を覚えたら美味しい物を作れそうだな。結婚したら良妻賢母になりそうな少女だ。家庭的で母性に溢れてる!
ふっ、桐壺の更衣とはある意味正反対だから一層理想的なお母さんになってくれそうだ。
後に彼女は、右大臣家の長男の継室となる事を今の僕は全く知らなかった。
自身の子供のみならず、生さぬ仲の継子達にも我が子同様の愛情を注ぎ立派に育て上げる三の君は、「妻の鏡」と称されることになる。
まあ、建設といっても御所内にある使用していない建物をリフォームしただけなんだけどね。
何でこんなことをしているのかというと、両親を亡くした上流貴族の女性のためともいえるし、しっかりとした後ろ盾も財産も無い桐壺帝の後宮の妃たちのためでもあった。
中流の家柄や若い妃達はまだマシだけど、美しい盛りを過ぎた妃たちは今後の将来に不安を感じていることは手に取るように分かる。
皆が、弘徽殿の女御のように帝の御子を産んで立派な後ろ盾がある訳じゃない。
なにしろ、桐壺帝は二十年近く在位していた。
時流は変わるし、親だって亡くなっている場合もある。兄弟が出世していれば話は別だけど、そんなに上手くはいかない。大臣家に生まれたからといって息子が優秀という訳ではないし、朱雀帝の御代は桐壺帝の御代と違って『実力主義』を押し通しているから余計に競争が激しくなるのは必定だ。
後宮入りした姉妹の面倒をみられる人が一体幾人残れるか、ってとこだからね。
女御たちもそのことを理解しているので話が実にスムーズに進む。
男よりも女の方が逞しいよ。
教養を身に着けている女御たちは主に礼儀作法を教え、その中から特技分野を専門に教えていく事になった。
音楽、和歌、漢文、詩文、香道、書道。
中納言家や中将家出身の更衣は、裁縫や染物に秀でている女性が多く、更に家政学にも敏感だった。要は、家の家計を上手く回せるということだ。
なので、裁縫、染物、算術、家裁全般を教えてもらう事にした。
「源氏の君、この度の采配、誠にありがとうございます。姉の麗景殿の女御共々、感謝の念がつきません」
穏やかに微笑む少女は麗景殿の女御の妹君。
麗景殿の女御の大臣家は既に父親が他界している上に、兄弟仲もあまりいいとはいえない環境だ。姉妹仲は良好なのに……。やっぱり異母兄弟が多いと何かと苦労するのかもしれないな。右大臣家はめっちゃ仲いいけどね。でも、それって結構珍しいみたいだ。だって左大臣なんか、余所に子供を儲けているくせに屋敷で一切その会話をださない位だもん。葵の上も異母姉妹と交流は全くと言ってないらしい。
「見事な衣ですね。それも御自分で染めたのですか?」
「はい。取り柄の無い私ですが、染物と縫い物は大好きなんです」
「いやいや、それだけ見事な染物なら立派な長所ですよ」
「お恥ずかしいですわ。これはそれほど良い衣ではありませんのよ?」
ニコニコ笑う妹君。
ふっくらとしてお世辞にも美人とはいい難い少女だけど、ほんわかした雰囲気がなんか落ち着くんだよね。なんだろ?彼女の姉である女御も温和な人柄だ。雰囲気がよく似てる。ああ!そうだ、お母さんって雰囲気がするんだよね!!
裁縫がこれだけ得意なんだから料理を覚えたら美味しい物を作れそうだな。結婚したら良妻賢母になりそうな少女だ。家庭的で母性に溢れてる!
ふっ、桐壺の更衣とはある意味正反対だから一層理想的なお母さんになってくれそうだ。
後に彼女は、右大臣家の長男の継室となる事を今の僕は全く知らなかった。
自身の子供のみならず、生さぬ仲の継子達にも我が子同様の愛情を注ぎ立派に育て上げる三の君は、「妻の鏡」と称されることになる。
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