81 / 82
第三章
80.八州公1
「拝礼?おかしなことを仰るのね。『八州公の当主は皇帝に拝礼する必要はない』。これは常識の範疇では?それとも初代皇帝の決定を無に帰す理由をお教え願えますか。ああ、もしかして皇帝を敬えとでも言うのかしら?それは申し訳ありませんわね。わたくし、愚王に下げるほど安い頭を持っていませんの。ごめんあそばせ」
見る者を魅了する妖艶な美貌で微笑みながら毒を吐くのは坎家の新当主、坎 照。彼女の言葉に朝儀は騒然となった。
「そもそも、わたくし達、八州公が集いましたのは偏に巽家嫡出の誕生を祝うため。朝儀に出て愚王の顔を見る為ではございませんわ。お間違えにならないようお願いいたしますわ」
クスリと笑う坎州公に対し、ざわめきは酷くなった。
しかし、それは皇帝陛下の臣下たちのみで、他の八州公は平然としていた。寧ろ、彼女の言葉を肯定するかのような態度の者さえいる。特に若い坤家の双子当主は目を輝かせながら坎州公を見ているし、他の州公達も良い笑顔だった。
まぁ、一人だけ目を瞑って憮然としている州公もいるけれど。
お父様、何だか一気に老けたようだわ。何かあったのかしら?
「随分ないわれようだ」
「まぁ!当然ですわ。そうでなければ、何処かの奸臣達がおかしな誤解をしてしまいますもの。わたくし達がわざわざ集まったのは皇帝陛下のため、だと。ふふふ。そんな筈ありませんのにね。ですが、しっかりと否定しておかなければ悪知恵と足の引っ張り合いだけは超一流の方々がアホな噂を流しかねませんからね」
クイッと扇子で口元を隠しながらも、目は一切笑ってなどいない。陛下も坎州公にはタジタジのようだわ。
幾ら、八州公と言えどもこれは不敬ではないかしら?
そう思うものの、坎州公を止められる者は誰もいない。
こうして、朝儀の終了まで坎州公の独断場であったことは言うまでもない。
見る者を魅了する妖艶な美貌で微笑みながら毒を吐くのは坎家の新当主、坎 照。彼女の言葉に朝儀は騒然となった。
「そもそも、わたくし達、八州公が集いましたのは偏に巽家嫡出の誕生を祝うため。朝儀に出て愚王の顔を見る為ではございませんわ。お間違えにならないようお願いいたしますわ」
クスリと笑う坎州公に対し、ざわめきは酷くなった。
しかし、それは皇帝陛下の臣下たちのみで、他の八州公は平然としていた。寧ろ、彼女の言葉を肯定するかのような態度の者さえいる。特に若い坤家の双子当主は目を輝かせながら坎州公を見ているし、他の州公達も良い笑顔だった。
まぁ、一人だけ目を瞑って憮然としている州公もいるけれど。
お父様、何だか一気に老けたようだわ。何かあったのかしら?
「随分ないわれようだ」
「まぁ!当然ですわ。そうでなければ、何処かの奸臣達がおかしな誤解をしてしまいますもの。わたくし達がわざわざ集まったのは皇帝陛下のため、だと。ふふふ。そんな筈ありませんのにね。ですが、しっかりと否定しておかなければ悪知恵と足の引っ張り合いだけは超一流の方々がアホな噂を流しかねませんからね」
クイッと扇子で口元を隠しながらも、目は一切笑ってなどいない。陛下も坎州公にはタジタジのようだわ。
幾ら、八州公と言えどもこれは不敬ではないかしら?
そう思うものの、坎州公を止められる者は誰もいない。
こうして、朝儀の終了まで坎州公の独断場であったことは言うまでもない。
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。