向日葵のような輝く君に

和賀ミヲナ

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1話

1-3 保健室

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これは久しぶりの大醜態を曝してしまったぞ…

出来ることならこのまま顔を一生俯かせておきたいくらいだ。

きっと顔をあげた途端…

『はあ?アナタ何してるの?馬鹿じゃない?』

と冷たく嘲笑う原田の顔があるに違いない。


数秒の沈黙。


「…ふふっ。あ…あははははっ!あははははっ…だ、大丈夫?
篠原く…あはははっ!ごめん、
でもおかしい~泥だらけで…きゃははっ」


そこにはお腹を抱えて爆笑する原田がいた。

へ…?原田が笑ってる?

あのいつも無表情な原田…が?


信じられなくてしばらくポカンとしてた俺だけど、窓に映る自分の姿を見たら…

確かに…黒人さながらに全身泥だらけ。
真っ黒クロスケな俺はどこからどう見ても滑稽すぎる。


「あはははははっ!いやいや~
俺、いまのスライディング、
神の域に達してたよな!?すごくね!?」


「うん。うん!すごかったよ~面白すぎる!
ヤバい、お腹痛い!」

満面の笑顔で応える原田に、俺は内心びっくりした。

なんだ…原田もこんな風に素直に笑うんだなって。
ちょっと…可愛いかも。

か…可愛いだって!?
いやいや、ナイナイ!
これは恋愛感情とかではなく、子どもや犬猫に感じるような愛着だ!


「あ、ダメだ…笑ってる場合じゃないよね。保健室行かなきゃ。大丈夫?立てる?怪我してない?」

すっと原田の手が俺に優しく差し出された。

白くて華奢で…なんだかすぐに折れそうな腕だ。

「…ありがとう。」

泥だらけの俺なのに、そんなの微塵も気にせずに俺に手を差し延べた原田にまた感心させられた。


握った原田の手は柔らかくて、かなり温かかった。体温が少し高いのかな?

女の子の手を体育の授業以外で触ることなんてまずないから、触れた瞬間に少しどきっとした。


原田に連れられて、保健室を覗くと…

小太りの40代くらいの女性が、
長椅子に座ってまったりとコーヒーを飲んでいた。

この学校の校医、朝倉喜代美あさくらきよみ先生だ。

温和で気さくな人柄だからか生徒に人気があって、昼休みには保健室まで恋愛相談にくる生徒も多い。


喜代美先生は原田に気付くと、ニコッと人懐っこい笑顔を見せた。

「原田さん、どうしたの?また熱でもでた?」

心配そうに近付き原田のおでこを触ろうとした。

原田はよく熱を出すのか…?

そういえばさっきも手が少し熱かったもんな…


「あ、違うんです。喜代美先生。私じゃなくて篠原くんが…お花に水をあげてたら、滑って転んでしまって。」

その時初めて、俺の姿が目に入った喜代美先生は「あらっ!これはひどい!!大丈夫!?」とつぶらな瞳を精一杯真ん丸とさせて驚いた。

すぐについたてで仕切った部屋で、濡れタオルを用意してもらい、泥を全て拭き落として新しい制服に着替えさせてもらった。
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