向日葵のような輝く君に

和賀ミヲナ

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1話

1-10 失言

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その日の夜、原田から携帯に謝罪の電話がかかってきた。

「今日はごめんね。
篠原くんが保健室まで私を運んでくれたって喜代美先生から聞いて…
お礼のしようがないです。
本当にありがとう。」



「いや、当たり前のことしただけだし。
原田が無事でよかったよ…
一瞬倒れてたの見て心臓とまるかと思った。」

「うん…そうだね。
この暑さのこと甘く見てたかも。
気をつけなきゃね。」



そのあと少し雑談をして電話を切った。

元気そうな声をしていてよかった。



明日は夏休みで唯一の登校日だ。

久しぶりにクラスメイト全員と顔を合わせることになる。

原田の元気な姿も早く見たいし。

早めに就寝することにした。



翌日、
久しぶりに教室に入りみんなに挨拶しようとして…俺はそのまま固まった。

黒板に
「篠原義人&原田香織🖤
おめでとう!熱愛発覚!」と俺と原田の似顔絵がでかでかと書かれていたからだ。



「な…なんだよ、これ…」



悪趣味なことこのうえない。

すぐに黒板消しを使って全部消した。



「照れることないじゃん♪
俺、見ちゃったもん~
二人で楽しそうに花鳥園に行ってたし~」



そう言って前に出てきたのは、谷口という男のくせにやたら人の噂話をしたがるイヤな奴だ。

よりによってコイツにデートを見られていたとは…。

「俺と原田はそんなんじゃねぇよ。」

「え~そんなってどんな?
二人はどこまでいったの?
もしかして…
もうひと夏の経験もしちゃってたり~?」

ヒューッとからかう声があちこちから聞こえてくる。

カッとなった俺は思わず心にもないことを大声で言ってしまった。

「いい加減にしろよ!
俺は原田なんか好きじゃねぇよ!
誰があんな眼鏡の地味なブス、好きになんだよ!!」

言い終わったあと、
周りの皆が急にしんとして俺の背後へと視線が注がれたのに気付く。

え…まさか…。

振り返り、そこにいたのは…

原田本人だった。



俺は自分の失言を悟った瞬間、血の気が引き、縛り付けられたようにその場から動けなくなった。

「はら…だ…。」



違うんだ…いまのは…いまのはただ、からかわれて恥ずかしくて…



でも口のなかがカラカラで何も言えない。

原田は無表情だった。

最初に出会った頃のように。

無言のまま俺の横を擦り抜け、自分の席に座った。

その態度が余計に俺の心を冷たく突き刺した。

原田を追い掛けて弁解しようとした瞬間…



「ほらほらお前ら~席につけ!」



担任の坂下が教室に入ってきて号令をかけて礼と着席させた。

それから残りの夏休みの過ごし方の注意事項や、夏季講習の知らせをいろいろと伝えてきているが、俺の耳には全くなにも入ってこない。

ただ原田に対しての暴言をどうしたら取り消せるのか…

謝罪の言葉を探しまくっていた。
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