New World・New Life・New Battle

山神悠

文字の大きさ
4 / 8

第三章 『異世界生活の始まり」

しおりを挟む
 まぶたが閉じてから、二十分くらい経っただろうか。母さんの声が聞こえて再び目を開けた。俺の傍にはさっきまで無かったバックが置かれている。
(きっと、担任の佐々木先生が持って来てくれたんだ…)
 俺はそう思っていた。
「それ、アリスさんが持ってきてくれたのよ。今度お礼言ってね。」
 保健室の先生が俺が目覚めたのに気づいて俺に教えてくれた。
(あの、柊アリスが…俺のバックを…)
 自分の荷物をあのアリスが準備して、自分のために保健室まで持ってきてくれた事を考えるだけで嬉しくなった。
 俺は、バックを持って立ち上がると、先生に挨拶をした。
「先生、さよなら」
「はい、さよならー。しっかり休むのよ!」
 先生が心配そうに挨拶を返してくれた。
「お世話になりました。」
 母さんは先生にお辞儀をした後、静かに保健室にドアを閉めた。

 車に乗ると母さんはエンジンをかけて、すぐに出発した。車の時計は11時と表示されている。
 車だったら5分もしないで家についてしまう。助手席に座った俺に母さんが話しかけてくる。
「あんた、昨日から様子がおかしいわよ?
 どうしたの?楓生君も、大聖君も、太陽君も帰ったみたいだけど…」
「ああ、そうらしいね。まぁ、俺は大丈夫…」
「あら、そう…まぁ、家に帰ったら、寝なさいね。」
 俺は、母さんに話しかけないで欲しかった。そうこうしているうちに車は家に着いた。
「はい、到着!さぁ、降りて、自分の部屋に行きなさい。」
「うん…」
 俺は家に入ると、すぐに自分の部屋に行った。そして部屋着に着替えた後、布団の中に入った。
(はぁ、昨日から、変な夢は見るし、俺の体はどうしちゃったんだよ…)
 俺のまぶたが自然下がってきて、俺は眠りに着いた。

 しばらくすると、母さんじゃない誰かが俺の名前を読んで、体を揺すってくる。
(んっ!?この声太陽!?どうして俺の部屋に…)
 目を覚ますとそこは、明らかに俺の部屋では無かった。周りを見ると、ベットが迎え合わせに二つずつ置かれているだけの部屋だった。俺のベットの横には窓があった。
(ここは…)
 そう思った瞬間、部屋の扉がゆっくり開いた。
 入って来たのは、なんと、大聖と楓生だった。
「おっ!大和!起きったか!丁度よかった。」
 具合が悪くて、早退したはずの大聖が元気そうに話しかけてくる。
「大聖、ここはどこなんだ?」
 俺は、何が何だか理解できないまま、大聖に聞いた。
「まぁ、それを含めて僕から説明しよう。」
 楓生が口を開く。
「どうやら、ここは、俺らの住んでいた日本ではないらしい。まぁ、日本語が奇跡的に通じるのはよかったけど…町の人に聞いてみたらどうやら、ここはセクリオスっていう町らしい。まぁ、とりあえず、分かったのはこれだけだけど…」
 勢いよく部屋の窓を開けると、そこには見た事のない町並みが広がっていた。石畳の上を走る馬車、たくさんの人達が買い物をしている。外からは威勢のいい声が聞こえてくる
 俺は、三人の方を振り向くと、
「いやいや!どういう事だよ!これは夢だよな!セクリオスってどこだよ!なんで、お前らはそんな平然としてられるんだよ!」
「平然としていられるわけないだろ!この状況どう考えてもおかしいのは分かってる!
 俺達も最初は夢だと思ったから大聖にビンタしてもらったけど痛みを感じるんだよ…」
 初めは、怒ったように言い返してきた太陽が涙目になっている。
「大和、俺らもまだ信じられないんだよ。でも、今は早く元の世界に帰る方法を考える方がいいだろ?」
「そうだけど…」
 大聖が俺を落ち着かせるように話しかける。
 俺はベットに腰をかけ窓の外をぼんやりと見る。
 俺達の異世界での終わりの見えない生活が幕を開けたのである。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私たちの離婚幸福論

桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。 しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。 彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。 信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。 だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。 それは救済か、あるいは—— 真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...