New World・New Life・New Battle

山神悠

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第七章 『家へ』

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  運ばれてきた、ディナーセットは、分厚いステーキとライスとサラダだった。
「こんなに分厚いステーキは初めて食べるかも。」
 太陽目目をキラキラさせ、ナイフとフォークを手にする。
「いっただきまーす!」
 太陽は、フォークで肉を押さえ、ナイフで切った分厚い肉を口に運ぶ。
「美味ーい!」
 太陽の美味しそうに食べる姿をクリストファーさんは微笑みながら見ている。
「さあ、皆も食べなさい!」
 クリストファーさんに言われ、俺達もナイフとフォークを手にし、
「いただきまーす!」
 と四人息ぴったりにいうと、クリストファーさんが遅れて
「いただきます。」
 と言った。
 肉は分厚くて、噛み切るのが大変だが、噛めば噛むほど、肉の旨味が口に広がる。
 肉にかかった、ソースがとてもご飯に会う。
 サラダの野菜もとても新鮮で、こっちの世界でとても人気のある、ハースというドレッシングにとても会う。
「このドレッシング何で出来ているんだろ…」
 楓生の呟きにライが答えた。
「それ、オニオンドレッシングなんだけど、このお店のオーナーが隠し味にリンゴのすりおろしを入れたドレッシングをハースって言ってるだけなの。」
「そうなんだー。このドレッシングの味、初めてだけど、普通に美味いね。」
 楓生はこのドレッシングを気に入ったみたいだ。
 一日この世界で生活してみて、料理と言葉、時間は向こうの世界と一緒ってことが分かってきた。
「ライ、この町に学校ってあるの?」
 太陽がナプキンで口の周りを拭きながら、質問する。
「あるけど、魔法学校って感じで、私はもう十年も前に卒業してるのよ。」
 ライが、窓の外を歩く人々を見ながら、俺らに話す。
 7歳で卒業したの?
「本当はね、六歳から十二歳までの六年間は学校に通わなくちゃいけないんだけど、私のお母さんが属性の鑑定士だったから、魔法について詳しくて、昔から魔法についての知識とか使い方については教えられてたの。だから、たった一年学校に通っただけで、卒業したの。私は、夏が誕生日だから、本当は七歳で卒業じゃなくて六歳で卒業したってことかな。六つくらい年上の人達と一緒にね。」
「すごーいじゃん!それ!」
 太陽はライの話に感激していた。
「いろんな人からは『すごーい!』って言われたりするけど、私は、同じ年の子とは一年しかいなかったから、同じ年の友達がいないの。」
「そうだったんだ…」
 太陽の声は明らかにさっきより元気は無くなっている。
 俺達はその後も、お互いの好きな物とかどうでもいいようなことを質問し合った。
 そんな話をしているうちに時間はどんどん過ぎていった。
「どれ、そろそろ帰るか。」
 クリストファーさんがそう言うと、俺達は席から立った。
「じゃあ、みんなは先に外に出ていなさい。ライちゃん、馬車を呼んどいて貰えるかい?」
「分かった。」
 ライが返事すると、クリストファーさんはウエイトレスを呼んで会計をしようとした。
 
 俺達はライと一緒に店から出て扉の横に俺達はたった。
 すると、ライはいきなり目を閉じた。
「ライ、どうしたの?」
 大聖が目を閉じているライに聞く。
「話しかけないで、今、馬車を手配しているから。」
 ライはテレパシーでも使っているようだった。
 目を開けた、ライに大聖は再び質問した。
「今のって、魔法かなにか?」
「ええ、そうよ。これは、コードっていう通常魔法なの。」
「えっ、通常魔法?」
 その言葉を聞いた俺はライに聞き返す。
「通常魔法っていうのは、全ての属性の人が使える魔法なの。それに対して、属性が関係するのが属性魔法ね。」
「へー。」
 俺達四人はあっさり納得した。
 すると、店の中から、クリストファーさんが出てきた。
「ライちゃん、馬車の方は呼んだかな?」
「うん、呼んだ。後五分くらいで着くと思う。」
「そうかい、ライちゃん、ありがとう。」
 クリストファーさんとライとの会話が一段落したのを確認して、俺らはクリストファーさんに
「ご馳走様でした!」
 とお礼を言った。
「美味しかったかい?」
 クリストファーさんは俺達に微笑みながら聞いた。
「はい、とても美味しかったです!」
 楓生が、微笑んでいるクリストファーさんに満面の笑みで返答した。
 その内に、馬車が店の前に止まった。
「さぁ、乗りなさい。」
 俺達はクリストファーさんに言われ、馬車に乗る。
 馬車に乗るのは初めてだったたから、俺達四人は少し緊張している。
「君達、もっと、リラックスしたら?肩上がってるよ。」
 ライがクスッと笑いながら俺達に言った。
 その言葉に馬車を中の雰囲気が和む。
「俺達の村じゃあ、物々交換だったんですけど、この町って、貨幣で物を買うんですよね?」
「そうだね。ここら辺では貨幣を使って物は買うよ。銅貨百枚で銀貨一枚と同じ価値だね。そして、銀貨百枚と金貨一枚も同じ価値だよ。」
 クリストファーさんが丁寧に貨幣の価値について話してくれた。
 外はいつの間にか、町の郊外に出ていた。街灯もなく、馬車に付いているランプが頼りだ。
「もうすぐ着くよ。」
 クリストファーさんが窓を見ながらいう。
 緊張している時間が長かったから、早く感じるのか分からないが、思っていたより早く着きそうだ。
 馬車が止まった。
「お客様着きました。」
 その声がし、俺達は外に出る。
「ありがとう。」
 クリストファーさんは、馬車でここまで送ってくれた男の人に銅貨を渡した。
「さあ、家の中に入って。」
 ライが俺達四人に家の中に入るように促す。
 家はとても片付いていて、木の匂いが部屋中に漂っていた。
 ライはあまり家は大きくないと言っていたが、それなりに大きい家だ。
「直ぐお風呂沸かすね。」
 そういうと、お風呂場に行き、風呂を沸かし始めた。
 俺達は風呂が沸くのを待っている間、泊まる部屋へライに案内してもらった。
 扉を開けると、扉の傍にベット二つあり、その奥にもベットが二つあった。
「お風呂沸くまで少しゆっくりしてて。後で沸いたら呼ぶから。四人まとめて入れるくらいはお風呂は広いから。」
 そう言って、ライは部屋の扉を閉めて、他の部屋に行った。
「あー疲れた!もう動けない!」
 大聖が奥の窓際のベットの上で大の字になりながら言った。
「俺も疲れた!」
 太陽が大聖の向かい側のベットに腰を掛けながら同調する。
「さすがに今日は俺もギブ!」
 入り口に近い俺のベット向かい側のベットで楓生はうつ伏せになって、枕に顔を押し付けている。
「俺なんか、明日は筋肉痛になりそうだ。」
 俺も今日はだいぶ疲れた。普段は登下校の時に歩くのと、体育の授業のときしか運動はしないから、今日の歩いた距離は俺にとって大袈裟《おおげさ》だが地獄だ。
「明日から、ライの店の手伝いかー。魔法の練習も明日からだし、明日も大変かもなー。」
 大聖が天井を見ながらみんなに聞こえる程度の大きさでつぶやく。
「そういえば、俺達がこっちの世界にいる間、向こうってどうなってんだろ…。」
 楓生は床を見ながら、つぶやく。
「向こうの世界の時止まってくれてないかなー。」
 太陽が少し大きな声で言う。
「時が止まっていなかったら、俺達、凄くいろんな人に迷惑かけるし、勉強も遅れるし。」
 大聖が俺の方に身体を向くように寝がいりをうつ。
「そういうことも、いずれ分かるんじゃないかな!きっと、戻れないってことは無いとは思うし!」
 俺は、戻れる確証はなかったがみんなを不安にさせないようにと思った。
(きっと、フォリスト村に行けば何かがわかる!)
 確信は出来ないが何故かそんな風に思う。
「そういえば、俺達、この世界に来てからまだ、異世界ぽいの体験してないよねー。」
 俺は、部屋に漂った、嫌な雰囲気を断ち切ろうと、話題を少し変えた。
「まぁ、体験したといえば、ライのコードっていう通常魔法?ぐらい?」
 楓生が体を起こしす。
「ただあれ、地味だったよなー!」
 太陽が笑いながら、そう言った時、部屋の扉が開き、ライが入ってきた。
「風呂沸いたから入って!」
 そう言うと、ライは直ぐに扉を閉めた。
「ねぇねぇ、さっきの聞かれてたと思う?」いきなり、太陽が俺の側に来た。
「聞かれてないんじゃない、怒ってなかったし。」
 さすがに、聞いていたかどうかまでは俺が知ってるわけがない。
「よーし!風呂にでも行くか!」
 太陽がそう言って立ち上がると、俺達もそれに続いて立ち上がり、部屋から出てお風呂場に向かった。

 

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