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第一章 神の遊戯 序盤
第八話 殺人とデート
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「とりあえず……服ちゃんと直そっか……」
俺は敵2人を気にも留めず、一反木綿に巻かれたままの千春に声をかけた。
「とりあえずありがとうございます。ですが、もっと早く助けて下さいよ!」
「だって俺も男の子だし……」
そんな馬鹿みたいな事を言ってると、隣から罵声が聞こえてきた。
「お前らふざけんな! おい、俊二!」
「はは……痛てぇよ……どうやったか知らねぇ……が……許さ……ねぇ……」
「出血がやばいな……とりあえず止血をしないと」
「まずは……あいつらを……」
「お前はもう喋んな!」
予想以上にピンポイントだったようだ。
ただ、見ていると良心が痛む。
俺がこの状況を作り出した。
俺は間接的にとはいえ、人を刺した。
そんなことを今更考えてしまう。
「ひっ……」
あまりの出血に、千春は咄嗟に目を背ける。
「この状況を作り出したのは俺だ。俺一人で片をつける」
千春の顔色が一気に悪くなったのを見て、千春にこの戦いを協力させるのは酷だと思ったが故に無意識に出た言葉だった。
「血が……血が止まらねぇ……」
「俺……はもういいか……ら……お前だけでも……」
「そんな事言うなよ! くっ!」
竜也がこちらを凄い殺気を纏って睨みつけてくる。
まぁそうだよな。友達なのかどうかは知らないが、仲間を傷つけられるどころか、殺されかけているなら怒らない方がおかしい。
「ちょっとだけの辛抱だ……我慢しとけよ、俊二」
竜也はそうとだけ言い、俺を睨みながら立ち上がった。
場所的には、そう、俊二が倒れたところで。
心の中で謝りながら、2丁消していたナイフのうちのもう1丁を復活させた。
「なっ!? この程度で……ガハッ……死なねぇよ……」
「しぶといなぁ。もっと簡単にやられてくれないと俺にも心ってもんがあるから苦しいんだよ」
俊二同様、竜也にもナイフが刺さっていた。
しかも今度は心臓付近だ。
ナイフが刺さっている位置や吐血しているところをみると、竜也が俊二のためにと痩せ我慢しているのは目に見えてわかる。
本来ならば、竜也の方が痛くて苦しいはずなのだ。
「お前の……身体の中の……水分をぬいてやる……」
「悪いが早めに諦めてくれ。お前達に勝ち目はない。ひとつ言っておくが、俺に能力が効かなかったからといって、最後に道連れとかで千春を“脱”水状態にさせようとか考えるなよ」
竜也は俺に能力を使い、効かないことに気づいたのだろう。
顔が千春の方に向いていた。だから忠告した。
「千春を殺ったところで状況は変わらない。結局お前らは死ぬんだ。なら何故無意味に人を殺そうとする」
そう、ここで彼らが千春を殺したところで、俺を殺せるようになる訳では無い。
それどころか、無意味な殺人を犯した状態で死ぬことになるだけなのだ。
そのことは彼らにも十分理解出来るだろう。
「なんで……お前には……能力が効かないん……だよ……」
竜也は俊二の隣に倒れ込み、最後の言葉にと俺に質問をしてきた。
「どうせ忘れるんだろ。俺は無駄なことは極力したくないんだ。すまないな」
「はっ……最後の最後まで……はぁ……気に食わない奴……だな……」
今気づいたが、どうやら俊二の方はもうこの戦いから竜也より先に退場していたようだ。
何も話さないし、動く気配もない。
「もしまた遊戯と関係なく会ったら、仲良くなれるといいな」
「あぁ……」
憎いはずだ。
自分を刺し、仲間を刺殺した俺の事が憎いはずなのだ。
だが竜也は、状況を理解し、俺の考えを読み取り、負の感情を抑え込んで、俺たちに出来る限り罪悪感を減らそうとしてくれた。
俺が仲間を思った発言をしたからだろうか。
それは分からないが、もしかしたらあいつらはただの変態ではないのかもしれない。
「もう……見ても大丈夫そうですか?」
「いや、まだ死体が残ってる。もう少しだけ待ってくれ」
俺は、2人の再び蘇る準備が始まり、消えていくまで2人を見守った。
カランカランと軽い音を立てて、2人に突き刺さったナイフだけが残った。
血までもがしっかり消え去っている。
さっきまでとの違いを感じさせないナイフ2丁を俺はカバンに戻した。
「もういいぞ。ありがとう」
「い、いやぁ。大変でしたね、アハハ……ハハ……」
「別に明るくしようとしなくていいぞ。誰でもこんな後は暗くなっちまう」
「ですよね……」
重い空気が2人の間を流れる。
昨日俺達が戦った時は、敵が急に倒れただけだった。
だから殺したと言うことに現実味があまり感じられなかった。
だが、今回はハッキリと殺したというのを理解せざるをえなかった。
「こんな時に聞くのもアレなんですが……」
「ん? なんだ?」
「あのナイフ、どうやったんですか?」
「……あぁ、あれか。ほら、前にも言っただろ? 俺の能力では『無生物を物理的に消す、もしくはその消したものを元の場所に再生することが可能だ』って。」
「はい、言いましたね」
「だから、鞄の中で消しても鞄の中で再生するわけじゃなくて、空間的に元あった場所、消した場所で再生するんだよ」
「それって鞄の中云々関係なく、位置座標的にってことですか?」
「まぁそういうことだ。説明が下手くそですまん」
「なんとなくわかりました。まず、鞄の中にあるナイフを程よい高さで消した後、後ろに下がる。相手が、ナイフを消した位置に来た時にナイフを再生すると、あら不思議。空間的にはそこでナイフを消したんだから、そこに何があろうとナイフは再生される。つまり、肉体にナイフが突き刺さると」
「そういうことだな」
説明をしていたらいつの間にか少しさっきよりかは空気が軽くなった気がする。
なんだか、あの2人に申し訳なさを覚える。
「たしかに今回辛かったですが、まだまだ遊戯は始まったばかりですし、頑張っていくしかないですよ。血で目を逸らした私が言うのもなんですが……」
「ははっ、そうだな」
千春は千春なりに俺を励まそうとしてくれている。
年下の女の子にいつまでも励まされているようじゃいけないと思い、気持ちを切り替える。
「よし、色々あったが、デート再開するか!」
「そうですね! デートで気分転換しましょ!」
一応遊戯で殺された人は復活するのだから、と自分を騙してやっていくことにした。
自分を騙して明るく振る舞わなければ、この遊戯で勝者になったところで気分は一切良くないだろうから。
「ショッピングモールまでだいたいあと15分ほどだし、競走しないか?」
「嫌です。絶対嫌です」
「なんでだよ」
「男女の差とか野暮なことは言いません。事実、女性でも速い方は速いですし。ただ、私の運動神経がほんとに酷いだけです」
「なら何してショッピングモールまで行く?」
「古今東西ゲーム」
「お題は?」
「人外」
「俺が答えれねぇよ!」
「ふふっ」
「なんで笑ってんだよ」
「柊さんも笑ってるじゃないですか」
「そ、そんなことねーし」
「笑ってますよ」
そう言う千春の笑顔は可愛かった。
勿論そんなこと口を滑らせて言ってしまう、なんてことないのだが。
「なにニヤついてんですか」
「ニヤついてねーよ」
「そーですか」
「そーだよ。ほら、早く2人にあったお題見つけるぞ」
「はーい」
千春との距離がとても近くなった気がする。
いや、ほんとに気がするだけかも知れないけど。
そんなこんなで、結局お題は【お菓子の名前】になり、2人で大いに盛り上がった。
「あ、もう着いたな」
「そうですね。はー楽しかった」
「だな」
「着いてそうそうなんですが、お腹すきました」
ここまで色々あったため、時間は11:00頃なのだが、疲労もあって腹が減ったのは俺も同じだった。
「まず飯くいに行くか」
「そうしましょ!」
ということで、早速フードコートに向かう。
「どこで食べようかなぁ」
「俺は決まってるから先行くな」
「ええっ!? ちょっと待ってくださいよ」
「俺の残り残高的にはたこ焼きかポテトしかねぇんだよ……ポテトだと腹が満たされねぇから必然的にたこ焼き食べるんだ」
「たこ焼き……いいですね」
「まぁたこ焼きでもあまり腹は満たされないんだがな」
「私もたこ焼きにします!」
「別に合わさなくてもいいんだぞ」
「違う味買って、半分ずつ食べませんか?」
「くっ……そのアイデアが出なかったなんて……」
「別にそんなに悔しがらなくても」
「仕方ない。半分ずつ分け合うか」
「あ、そのための口実でしたか」
「違うわい」
「まぁそこら辺気にしないであげますよ」
ということで、俺は一番好きな塩だれを、千春はマヨネーズしょうゆ味を買った。
8個入りで500円。
良心的なようなそうでないような微妙な金額……
まだ11:00ということもあって、席はたくさん空いていた。
テーブル席に2人で座ると、まずたこ焼きの交換を始める。
「あのカップル、仲良いわねぇ」
「そうだなぁ」
そんな俺たちを見て、見知らぬ夫婦がそんなことを言っていた。
「俺たち……」
「気にしたらダメです」
俺が口を開けるや否や、すぐさま千春は言ってきた。
まぁそうか……気にしたらダメか……
友達に会いそうという緊張感がフツフツと心の中で湧き出てくる。
気にしたらダメ気にしたらダメ気にしたらダメ。
「私たちはあくまで友達です。いいですね?」
「あ、うん」
別に千春のことを好きとかではないが、改めてそう言われるとなんだか傷つく。
たこ焼きを分け合った後、俺がすぐさま食べ始めるのに対し、千春はなかなか食べようとしなかった。
「どうした?」
「いや、私猫舌なので」
「あぁなるほど」
たこ焼きとかは、アツアツでこそ美味しいと俺は思うのだが……
そんなこんなで11:25には2人とも食べ終わっていた。
「さぁ何をする」
「買い物しましょ、買い物!」
「マジか」
「いいじゃないですか」
「いいけど」
絶対疲れる、という言葉を出しそうになり、止める。
千春がものすごく楽しそうにしているのを見ると、そんなことを言えなかった。
「じゃああそこから行きましょ!」
「はいはい」
こうして完全なるデートが始まった。
遊戯中に何してんだか……
第二戦、vs“脱感ペア”、涼啓の作戦により勝利。
俺は敵2人を気にも留めず、一反木綿に巻かれたままの千春に声をかけた。
「とりあえずありがとうございます。ですが、もっと早く助けて下さいよ!」
「だって俺も男の子だし……」
そんな馬鹿みたいな事を言ってると、隣から罵声が聞こえてきた。
「お前らふざけんな! おい、俊二!」
「はは……痛てぇよ……どうやったか知らねぇ……が……許さ……ねぇ……」
「出血がやばいな……とりあえず止血をしないと」
「まずは……あいつらを……」
「お前はもう喋んな!」
予想以上にピンポイントだったようだ。
ただ、見ていると良心が痛む。
俺がこの状況を作り出した。
俺は間接的にとはいえ、人を刺した。
そんなことを今更考えてしまう。
「ひっ……」
あまりの出血に、千春は咄嗟に目を背ける。
「この状況を作り出したのは俺だ。俺一人で片をつける」
千春の顔色が一気に悪くなったのを見て、千春にこの戦いを協力させるのは酷だと思ったが故に無意識に出た言葉だった。
「血が……血が止まらねぇ……」
「俺……はもういいか……ら……お前だけでも……」
「そんな事言うなよ! くっ!」
竜也がこちらを凄い殺気を纏って睨みつけてくる。
まぁそうだよな。友達なのかどうかは知らないが、仲間を傷つけられるどころか、殺されかけているなら怒らない方がおかしい。
「ちょっとだけの辛抱だ……我慢しとけよ、俊二」
竜也はそうとだけ言い、俺を睨みながら立ち上がった。
場所的には、そう、俊二が倒れたところで。
心の中で謝りながら、2丁消していたナイフのうちのもう1丁を復活させた。
「なっ!? この程度で……ガハッ……死なねぇよ……」
「しぶといなぁ。もっと簡単にやられてくれないと俺にも心ってもんがあるから苦しいんだよ」
俊二同様、竜也にもナイフが刺さっていた。
しかも今度は心臓付近だ。
ナイフが刺さっている位置や吐血しているところをみると、竜也が俊二のためにと痩せ我慢しているのは目に見えてわかる。
本来ならば、竜也の方が痛くて苦しいはずなのだ。
「お前の……身体の中の……水分をぬいてやる……」
「悪いが早めに諦めてくれ。お前達に勝ち目はない。ひとつ言っておくが、俺に能力が効かなかったからといって、最後に道連れとかで千春を“脱”水状態にさせようとか考えるなよ」
竜也は俺に能力を使い、効かないことに気づいたのだろう。
顔が千春の方に向いていた。だから忠告した。
「千春を殺ったところで状況は変わらない。結局お前らは死ぬんだ。なら何故無意味に人を殺そうとする」
そう、ここで彼らが千春を殺したところで、俺を殺せるようになる訳では無い。
それどころか、無意味な殺人を犯した状態で死ぬことになるだけなのだ。
そのことは彼らにも十分理解出来るだろう。
「なんで……お前には……能力が効かないん……だよ……」
竜也は俊二の隣に倒れ込み、最後の言葉にと俺に質問をしてきた。
「どうせ忘れるんだろ。俺は無駄なことは極力したくないんだ。すまないな」
「はっ……最後の最後まで……はぁ……気に食わない奴……だな……」
今気づいたが、どうやら俊二の方はもうこの戦いから竜也より先に退場していたようだ。
何も話さないし、動く気配もない。
「もしまた遊戯と関係なく会ったら、仲良くなれるといいな」
「あぁ……」
憎いはずだ。
自分を刺し、仲間を刺殺した俺の事が憎いはずなのだ。
だが竜也は、状況を理解し、俺の考えを読み取り、負の感情を抑え込んで、俺たちに出来る限り罪悪感を減らそうとしてくれた。
俺が仲間を思った発言をしたからだろうか。
それは分からないが、もしかしたらあいつらはただの変態ではないのかもしれない。
「もう……見ても大丈夫そうですか?」
「いや、まだ死体が残ってる。もう少しだけ待ってくれ」
俺は、2人の再び蘇る準備が始まり、消えていくまで2人を見守った。
カランカランと軽い音を立てて、2人に突き刺さったナイフだけが残った。
血までもがしっかり消え去っている。
さっきまでとの違いを感じさせないナイフ2丁を俺はカバンに戻した。
「もういいぞ。ありがとう」
「い、いやぁ。大変でしたね、アハハ……ハハ……」
「別に明るくしようとしなくていいぞ。誰でもこんな後は暗くなっちまう」
「ですよね……」
重い空気が2人の間を流れる。
昨日俺達が戦った時は、敵が急に倒れただけだった。
だから殺したと言うことに現実味があまり感じられなかった。
だが、今回はハッキリと殺したというのを理解せざるをえなかった。
「こんな時に聞くのもアレなんですが……」
「ん? なんだ?」
「あのナイフ、どうやったんですか?」
「……あぁ、あれか。ほら、前にも言っただろ? 俺の能力では『無生物を物理的に消す、もしくはその消したものを元の場所に再生することが可能だ』って。」
「はい、言いましたね」
「だから、鞄の中で消しても鞄の中で再生するわけじゃなくて、空間的に元あった場所、消した場所で再生するんだよ」
「それって鞄の中云々関係なく、位置座標的にってことですか?」
「まぁそういうことだ。説明が下手くそですまん」
「なんとなくわかりました。まず、鞄の中にあるナイフを程よい高さで消した後、後ろに下がる。相手が、ナイフを消した位置に来た時にナイフを再生すると、あら不思議。空間的にはそこでナイフを消したんだから、そこに何があろうとナイフは再生される。つまり、肉体にナイフが突き刺さると」
「そういうことだな」
説明をしていたらいつの間にか少しさっきよりかは空気が軽くなった気がする。
なんだか、あの2人に申し訳なさを覚える。
「たしかに今回辛かったですが、まだまだ遊戯は始まったばかりですし、頑張っていくしかないですよ。血で目を逸らした私が言うのもなんですが……」
「ははっ、そうだな」
千春は千春なりに俺を励まそうとしてくれている。
年下の女の子にいつまでも励まされているようじゃいけないと思い、気持ちを切り替える。
「よし、色々あったが、デート再開するか!」
「そうですね! デートで気分転換しましょ!」
一応遊戯で殺された人は復活するのだから、と自分を騙してやっていくことにした。
自分を騙して明るく振る舞わなければ、この遊戯で勝者になったところで気分は一切良くないだろうから。
「ショッピングモールまでだいたいあと15分ほどだし、競走しないか?」
「嫌です。絶対嫌です」
「なんでだよ」
「男女の差とか野暮なことは言いません。事実、女性でも速い方は速いですし。ただ、私の運動神経がほんとに酷いだけです」
「なら何してショッピングモールまで行く?」
「古今東西ゲーム」
「お題は?」
「人外」
「俺が答えれねぇよ!」
「ふふっ」
「なんで笑ってんだよ」
「柊さんも笑ってるじゃないですか」
「そ、そんなことねーし」
「笑ってますよ」
そう言う千春の笑顔は可愛かった。
勿論そんなこと口を滑らせて言ってしまう、なんてことないのだが。
「なにニヤついてんですか」
「ニヤついてねーよ」
「そーですか」
「そーだよ。ほら、早く2人にあったお題見つけるぞ」
「はーい」
千春との距離がとても近くなった気がする。
いや、ほんとに気がするだけかも知れないけど。
そんなこんなで、結局お題は【お菓子の名前】になり、2人で大いに盛り上がった。
「あ、もう着いたな」
「そうですね。はー楽しかった」
「だな」
「着いてそうそうなんですが、お腹すきました」
ここまで色々あったため、時間は11:00頃なのだが、疲労もあって腹が減ったのは俺も同じだった。
「まず飯くいに行くか」
「そうしましょ!」
ということで、早速フードコートに向かう。
「どこで食べようかなぁ」
「俺は決まってるから先行くな」
「ええっ!? ちょっと待ってくださいよ」
「俺の残り残高的にはたこ焼きかポテトしかねぇんだよ……ポテトだと腹が満たされねぇから必然的にたこ焼き食べるんだ」
「たこ焼き……いいですね」
「まぁたこ焼きでもあまり腹は満たされないんだがな」
「私もたこ焼きにします!」
「別に合わさなくてもいいんだぞ」
「違う味買って、半分ずつ食べませんか?」
「くっ……そのアイデアが出なかったなんて……」
「別にそんなに悔しがらなくても」
「仕方ない。半分ずつ分け合うか」
「あ、そのための口実でしたか」
「違うわい」
「まぁそこら辺気にしないであげますよ」
ということで、俺は一番好きな塩だれを、千春はマヨネーズしょうゆ味を買った。
8個入りで500円。
良心的なようなそうでないような微妙な金額……
まだ11:00ということもあって、席はたくさん空いていた。
テーブル席に2人で座ると、まずたこ焼きの交換を始める。
「あのカップル、仲良いわねぇ」
「そうだなぁ」
そんな俺たちを見て、見知らぬ夫婦がそんなことを言っていた。
「俺たち……」
「気にしたらダメです」
俺が口を開けるや否や、すぐさま千春は言ってきた。
まぁそうか……気にしたらダメか……
友達に会いそうという緊張感がフツフツと心の中で湧き出てくる。
気にしたらダメ気にしたらダメ気にしたらダメ。
「私たちはあくまで友達です。いいですね?」
「あ、うん」
別に千春のことを好きとかではないが、改めてそう言われるとなんだか傷つく。
たこ焼きを分け合った後、俺がすぐさま食べ始めるのに対し、千春はなかなか食べようとしなかった。
「どうした?」
「いや、私猫舌なので」
「あぁなるほど」
たこ焼きとかは、アツアツでこそ美味しいと俺は思うのだが……
そんなこんなで11:25には2人とも食べ終わっていた。
「さぁ何をする」
「買い物しましょ、買い物!」
「マジか」
「いいじゃないですか」
「いいけど」
絶対疲れる、という言葉を出しそうになり、止める。
千春がものすごく楽しそうにしているのを見ると、そんなことを言えなかった。
「じゃああそこから行きましょ!」
「はいはい」
こうして完全なるデートが始まった。
遊戯中に何してんだか……
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・・・・・・・・・・・
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――――
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