純白の抒情詩〈リューリカ〉

黒井ここあ

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〈神話〉ヴィスタ地方に伝わる神話

ヴィスタ地方に伝わる神話(1)

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  まだ、神さまと人間が同じ地上で暮らしていたころの話です。
 あるところに二人の神さまがおりました。二人は兄弟で、仲良く畑を耕しながら暮らしていました。
 二人の耕した畑は必ず豊かな実りになるという噂が人間のあいだに広まると、人間たちはそろって二人の神さまのところにお願いをしに来ました。
「豊かな土をください。水が絶えないようにしてください」
 弟の神さまが人間たちに肥沃な土地とそこに流れる川を与えると、彼らは喜んでその土地を耕し、そこでできた作物を二人の神様に差し上げるようになりました。
 しかし、いくら肥沃な土地でも、何年も使っているとだんだんと痩せてきて、作物が育たなくなってきました。
 そんななかでも、二人の神さまの耕した畑はいつも青々と茂るのです。
 人間たちはまた、二人の神さまにお願いをしに来ました。
「痩せない土地をください。枯れない水をください」
 すると、兄の神さまはこう言いました。
「痩せぬ土地は無い。枯れぬ水は無い」
 人間たちはその言葉を聞いて困ってしまいました。
「では、どうすればよいのですか。畑が無ければ生きては行けません」
 神さまは言いました。
「自分で探しには行けぬのか」
 人間たちは口をそろえて言いました。
「どの土が肥えているか、どの水が良い水か、わたしたちには皆目わからないのです」
 その言葉を受けて、神さまは少し考えたあと、言いました。
「お前たちがわたしたちに頼らずに生きていけるように、能力を与えよう」
 兄の神さまが人間たちに与えたのは、それぞれの長所たる能力《ギフト》でした。神さまは人間たちが自立し、それぞれの長所でそれぞれの短所を補えるようにと考えたのでした。
 こうして、人間たちに《魔法》《力》《知恵》のギフトが与えられたのです。
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