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私たちって本当は……

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「さてと、じゃ、もう一回合唱練習ね♪ ……こ、こ、こ♪……」

「ちょっと待って、ちょっと待って!……いいのか、このまま進んで……?」

「何が? まだ頭の部分なんだから、全然進んでないでしょチュン♪」

「いや、合唱のことではなく……私の小説のことさ……これ、私の処女作なんだけど……。もっとこの世界の説明を色々書かなくていいのだろうか……ってことなわけさチュン…。」

「……梅子や、気を楽にお持ち……その赤いメガネは伊達じゃあるまいて…? そのためのボイレコじゃ。アタイらはただただ、ちゃべってればいいんだからチュン♪ 後は自動で文章にしてくれるんだから……アンタはいちいちパーソナルコンピュータ画面で確認して、キーボードで入力したがるけど……その方が、作家気分を味わえるからやりたいだけじゃろ…。己の本分を知ることじゃ…我々は小スズメ一族なのじゃ、キーボードなんぞ、不要じゃ…このおちゃべりなクチバシがあればなチュン♪…」

「梅子や…て、あんた誰キャラだよ、すず子…。メガネ関係ないし…、気持ちも関係ない…、……て言うか、なんかカタカタコトコトやってないと不安なんだよね~………それに……って、ん? なんかいい匂いする……」

「……食べる?……」

「いや、ゆず子、今、その……ぽんかんを食べてる場合では……ないが、うう~~~~ん♪ いい匂いだの~~~♪」

「うにゃ~~~♪ こっちも美味しいだの~~♪」(すず子)

「あああ~!黄色~~!でっか~~~! いつ買ってきたの~? その文旦~~~♪」

「オホホホ♪ おいしゅうでございますのよ♪」(ゆず子)

「…いや、いいんだけど、……だから、どこで買って来たのさ? 私たち小すずめには、柑橘類はトゲがちょっとな……」

「……え?……」

「え?……」

「……いや、だから、私たち、小すずめだし……」(梅子)

「……え?……」

「え?……」

「……いや、だから…………わかったわよ! ふんっ。……それほど小さくないわよ、私たち!……これでいいんでしょ! これで!( `ー´)ノ……激オコ……と。」

「ふふ♪」

「ムフフ♪」

「……全くぅ~……言わなきゃわかんないのに……言わせおってからに……」

「どっちみち、それ、人間世界に送るだけなんでしょ? そんなもの、適当でいいじゃない。適当で。………途中でαP・AIがなんとかしてくれるわよ♪(σ・∀・)σ ……所詮、人間の小説なんて、全部AIが書いてたんでしょ? それだって、もう、30万年も前のこと……」

「こ、こ、こ、こ~♪ 小すずめ~♪……」

「……ちょ、ゆず子、一人で勝手に歌い始めなさんなって……」 

「にゃんで? お姉さまたち、つまんない話し長いんだもの~~♪ ちゅんちゅん♪」

「いや、姉じゃないし…」

「アタイもな…」

「……でも、あたちは妹……。それも末っ子♪ 三人姉妹の末っ子♪ ムフ♪」

「……ジロ……」

「勝手に言ってなさい。……じゃ、ま、とにかく………さん、はい!」

「こ、こ、こ、こ~♪ 小すずめ~♪ KO・SU・ZU・ME♪(チュンチュン♪)

 すず子~♪

 梅子~♪

 ゆず子~♪(ぉお~~お~~♪)」(三人合唱)

「いぇ~~~い♪ 翼タッ~~~♪……」


「あ、そうそう、このメガネ、伊達だから。私たち鳥一族に、メガネなんて要るわけないし(笑)」



(AI追記:処女作という表現には、問題があるかもしれない。童貞作でもいいのでは?……まぁ、我々、ロボット一族にはどうでもいいことだが……。)


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