目指せへいおんライフ!……波乱万丈なんて望んでない!!

おいしいクルミ

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第1部

10:け、決闘だぁ!

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ギルドの裏庭――――決闘用の広場?――――に連れてこられた私たち。




ソラくんが自信満々だったのが興味を引いたのか、ヤジウマが結構いる。




ねぇ、私ってさ、一応この人たち助けたんだよね?




じと目でみんなのことを見ていたら、サラさんが、今頃になって顔を青くした。




「ご、ごめん…。いつも言い負かされっぱなしだから、つい……。でも、あの人たちBランクだった……。」




え?いま、Bっていった?Bってまあまあ強い人たちがなるって説明されたような?




「ごめん!」




あ、サラさんが泣きそうになってる。

むーーーーーーーー!そんな顔されたらやるしかなくなるじゃん。




「おい、誰からやるんだ?」




「まさかほんとにこのちびがやるってのか?」




「私が受けさせていただきます!」




もうやるしかない!




きっと、殺されることはないから、回復できるようにしとけば大丈夫だよね?




「後悔すんじゃねーぞ? お前もかわいそーになぁ。」




ニヤニヤしてて気持ち悪いんですけど……。




一対一でやるらしい。この辺りはへんに真面目なんだね。




「じゃあ、お前からやっていいぞ?俺はやさしーからな。お子様相手だ、手加減してやるよ。」




ありがたいね、子供の見た目って。

――――なめられすぎるのは、ほんっとにむかつくんですがね!




「ありがたくこちらからやらせて頂きます。」




「ファイヤーカッター!」




(炎の刃がブーメランみたいになって飛んでいく技。初級魔法。)




あ、ファラウザーさん、お久しぶりです。解説どうもです。




って、しまった!むかついてたからか知らないけど魔力こめすぎた!デカすぎる!




(この技は、ふつう2~30センチの炎の刃が5個出てくるものだが、今回は、1メートルはあるようだ。)




うん、その通り!あの人、まる焦げになって死んじゃわないよね? 殺人罪とかいやだよ!




「おいっ! 何だよこれ!? やばいって。おい、ちょっ、あ、あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーー!」




……まる焦げ




やっちゃった……。




「……勝者、エレナ!」




あの人、死んではないっぽい。




「ハイヒール!」




ちょっと痛みは残しておかなきゃね。30%は直しといたから全治2週間くらいにはなったかなぁ?




「エレナちゃん、すごいね、ホントに……。あいつら、くずだけど、結構強いんだよ?」




「しかも初級魔法であれかよ……。あれってもっと小さいんじゃね―の?」




「っていうか、無詠唱?」




赤い炎の皆様の声が聞こえます。やりすぎた感はあります。

でも、初級魔法ですから。ちょっと魔力多めにこめたら誰でもできますから。




あまり、騒がないでください。私は普通の6歳児です……。




(普通ではないと思うが?)




だれのせいだ、だれの!




(……)




「おい、おまえ。ちびだからって油断してたが、俺はあいつみたいにはいかねー! あいつのかたきだっ!!」




かたきって、私、あの人のこと殺してないってば。ヒールもかけったてば。




えっ?剣みたいなの持ってる!殺し合いなの!?きいてないよ!?




「ウォーターウォール!」




「リーフカッター!」




炎はだめだよね。まる焦げ焼死体とか笑えないし。学んだからね!




(水の壁で相手をかこみ、動きを封じた後に1メートル級の木の葉の刃×10。えげつない……。)




あ、あれ?また失敗した? 




身の危険を感じたら、つい……。




ていうか、ファラウザーさん、えげつないってなんですか? 解説は感情を入れないでください。傷つきます!




(事実だから何とも言えないが……)




ふぬぅ……。




「おい、おい、おい、おい、なんなんだよ、ちょ、それ止めろよっ!あ、あ゛ーーーーーーーー!!」




ご、ごしゅーしょー様です。




「……勝者、エレナ!」




そういえば、この人たち、Bランクだって言ってたよね。Bって意外と弱いのかな? 

この人たちが弱いだけか。




ん?ヤジウマさんたち、すごく騒いでる。ギルドマスターに報告だ―、だって。




……ちょいまち!なんでそうなるの!?

これはまずかったの!?

あいつらから吹っかけてきたよね!?私、悪くないよね!?




「すごいよ、エレナちゃん!私が想像してるよりもっとすごかった!」




「ちびだ、って思っててごめん。おまえは”すごいちび”だったんだな!」




「めっちゃすっきりした―!爽快だったよ!あいつら、この辺で有名な奴らだったから感謝してる人、多いと思うよ!」




「おまえ、僕らのパーティー入らないか?」




「すごいのは認めるよ。でも、ミカを奪うのは許さない…。」




サラさん、どんな想像してたの!?やめて!




ソラくん、ちびだと思ってたのね。そして、すごいちびって、すごい小さいって聞こえるんだけど?




ミカさん、神様にはえげつないって言われたけど、すっきりできたんだね……。ていうか、あいつら有名だったの!?




ネラくん、遠慮しときます。16歳位の人たちのグループに6歳が一人って、いろいろおかしい。目立つからさ。




カインくん、ミカさんのこと好きなんだ。でも、私、女だよ?子供だよ?ライバル意識燃やされても困るんだけど……。




まあ、喜んでくれたならいいか!あいつら、いろんな人困らせてたみたいだし、やられることも大事だよね!




めでたしめでたしー。







……ギルドマスターっていう人呼んできてる人、戻ってきてください!!







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