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第1部

11:ギルドマスターとご対面

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「おぬしがこやつらをたおしたのかの?」




……はい、そうですが、そうなんですが、誰です? いや、ギルドマスターさんですよね。それは分かりますが




―――――――――目の前にいるの、私と同じくらいの幼女なんですが?

いや、ふつう、おじいさんとか想像するじゃないですか。わかります?この気持ち。すごいあせって、ドキドキして、あぁもう目をつけられたかも、って若干びくびくしてたんですよ。はい、見事に裏切られましたよ。




「はい、そうです。私が相手をしました。あなたは、ギルドマスターさんですか?」




「そうじゃ。いかにもわしがぎるますじゃ」




・・・・・・

「えっと、私はエレナです。」




「まわりのやじうまたちがうるさいのじゃ。とりあえず、ぎるまするーむにいくのじゃ♪」




ぎるまするーむ。…。

ギルドマスター、略してギルマス。……。




**********

部屋に移動して、やっとうるさい冒険者の大群とおさらばしたと息をつこうとしたが、異常に汚い部屋でどうにも「ふー、やっと一息だぁ」っていう感じではない。あらったまった感じもない。




うん、まあこの人だからね…。




ギルドマスターの幼女がソファーにあった紙の束やら本やらなんやらを床にどさっと置いた。

めちゃくちゃあぶなっかしい。

そこに座れというので座った。

向かい側のソファーもすごいことになっていたが、それは放置らしい。ギルドマスターは木の椅子をひっぱり出してきてそこに座った。




・・・・・・外からみたら、子供のおままごとかんはんぱないんだろうなぁ。




「さてと、ギルドとうろくはするのじゃろ?」




「はい、そのつもりですが。」




「じつはのぉ、こまったことがおきているのじゃ。よっておぬしはとりあえずCらんくでとうろくなのじゃ!」




この人の言いたいことがよく伝わらない…。私が退化したのか?この人がおかしいのか?




「あの、ふつうFランクからではないのでしょうか。というか、よって、ってなんですか?!わかるように説明してほしいのですが?!」




あ、いけないいけない。ちょっと感情的になってしまった。




「ぬー、そうくるか。そうじゃが、こんかいはこうなのじゃ!」




こまったこと、とやらは企業秘密なのかもしれない。

でも、3ついっきにランク上がるって、ちょっと目立ちそうだよね。




「そ、そうじゃ!10歳で入学したら帝国光学園への入学金を払ってやるぞ?」




なぜこの人はここまでかたくなに、わざわざ大金を払ってでも私のランクを上げたいのだろう。

というか、帝国光学園って、入学試験に合格しないと入れないんじゃなかったけ?

それも倍率12倍くらいだったような…?

もしかして、もともと払わなくてもいいかもしれないからこの条件にしたってこと?




「わかりました。Cランクで、お願いします!!」




絶対に受かって、この人にこうかいさせてやる!

登場した時も私の期待を裏切ったし、幼女な見た目なのに中身が多分大人っていうところは外から私を見てるみたいでなんか微妙な気持ちになるし、こまったことの中身もおしえてくれないし……




(八つ当たりっぽいぞ?大人げないぞ?)




・・・・・・




「いきなりCらんくになるのでちょっとてつづきがあるのじゃ。またあしたくるといいのじゃ!」




「わかりました。手続き、よろしくお願いします。」




「まかされたのじゃ~。」




とりあえず、私は冒険者になれることになった。




ここで重大な問題。




私、今夜どうすればいいの!?

一文無しなんです……。
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