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第1部
21:精霊界に来ちゃいました…!?
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「いらっしゃい、精霊界へ!」
せいれいかい?にきてしまった。
頭の中がハテナでいっぱい……
混乱して、転移?してきたときの突っ立った状態から動けずに、とりあえず挨拶をする。
「こ、こんにちわ……?えっと、エレナです。ソフィアナさんですか?」
「ええ、そうよ!私がソフィアナ!」
ソフィアナ、と名乗った人は、すごくきれいな女の人で、水色がかかった銀色の髪が腰まで伸びていて、金色の瞳はこぼれそうなくらい大きくて、左右対称に完璧に各パーツが配置されている。
この世のものとは思えない美しさ、っていう感じだ。
女神様、ってこんな人だろうなぁ、なんて思う。
その美しさに思わず見とれていたが、ハクの言葉で現実に帰ってきた。
「オヌシ、なぜ主殿をさらった。」
「さらった、なんて物騒なことを言わないでよ!まったく……――――――――説明するから落ち着いて聞いてね?」
ハクが念話ではなく普通に話せたことに驚いたが、ソフィアナさんの声が急に真面目になって、そんなところに突っ込んでいる場合ではないと感じた。
思わず姿勢を正した。
「あ、こんなところではゆっくり話もできないわね。私の訓練場兼別荘に来てもらいたいのだけれど、いい?」
「あ、はい。どこでも大丈夫で―――――――――――――――――――」
言い終わる前に転移させられた。
これくらい言ってもよかったんじゃないかなぁ?
ソフィアナさんはせっかちなところがあるのかもしれない。
あっという間――――――0.2秒くらい?で別の場所についた。
転移魔法、やっぱり便利だね。
しかも、魔道具と違って酔わないっから、使い勝手も良い。
「さて、じゃあ話すね。」
応接室のようなところに入り、ソファーに座ると、さっそくソフィアナさんが話し始めた。
「私があなたたちを呼んだのは、実は今日が初めてではないの。あなたが5歳くらいの時かしら?そのころから頻繁に呼びかけていたわ。でも、繋がったのは今日が初めて。」
はじめから驚きな内容!
今までそんなの全然聞こえなかったよ?
「その原因は、たぶんあの場所だと思うの。あなたたちの様子はたまに水鏡で見ていたの。あ、呼びかけるためには必要だから、変な意味はないわよ?」
「……で、あなたたちが精霊界に来る直前にいた場所は、悪魔素の濃度が他よりも数倍くらい高い場所だったのだけど、―――――――――――あの場所にいて気持ち悪くなったりはしなかった?」
「転移の魔道具を使ってあの場所につながるトンネルみたいなところについたときはとても気持ちが悪くなりました。でも、あれは転移酔いかな、と思っていました。」
「たぶん、それは転移の魔道具のせいではないと思うわよ?一気に悪魔素が高まって体が拒否反応を起こしたのだと思う。」
あくまそ、か……。
今まで一度も聞いたことのない言葉。
「あ、でね、本題なのだけど、この精霊界は魔素が人間界よりも濃いの。でも、その分悪魔素も広がりやすい。」
そういってソフィアナさんは一度言葉を切る。
そして、目を閉じてゆっくりと開くと、どこか申し訳なさそうに、しかしながら使命感のような強い意志を込めてこう言った。
「悪魔素はこの世界を滅ぼすの。まずは精霊界から順に。……勝手な願いだとは百も承知のうえ、でも、お願い、力を貸してほしいの!」
私にはすぐに状況が読めなかった。
せかいをほろぼす?
それに、私の力を貸して、そんな分子単位の、世界規模の、世界を滅ぼすほどのことを変えられるのだろうか?
悪魔素、とかそれが引き起こす問題についてももう少し知りたい。
あと、精霊界って、何?
私の混乱を見て取ったのかソフィアナさんはいろいろ説明をしてくれた。
長いからまとめると、
・悪魔素とは、魔素に邪悪な力が取り込まれたものであり、空気中にふつうは0.002%の割合で存在し、それくらいであれば害はない。ちなみに魔素は、37.538%らしい。
・現在、なぜか一部の地域を中心に悪魔素が急激に増加。また、その悪魔素を広げようとする者がいるらしい。
・悪魔素一定の濃度を超えると、魔素の濃度が高いと、魔素に悪魔素の元みたいなものをくっつけることで増やせるらしい。
・精霊界は、人間界から結界で守られたところにあって、見ることも触ることもできないし、お伽話とされてほとんどの人が存在を知らない。それは、昔にいろいろトラブルがあってのことらしいが、また今度。
・精霊界は、精霊がすごしやすいようになっていて、人間界よりも魔素が多く、1.7倍ある。(63.8146%)そのため、悪魔素を広げやすいらしく、100年前に比べて、ここ数年で異常な悪魔素が検出される地域が出ている。いまはまだ一部だけだが、年々増加量も増えているため、時間の問題である。
・人間界は、精霊界のおこぼれ?で魔素の伝達がうまくいっているらしく、精霊界がやられると、人間界もいろいろ大変になる。
・悪魔素は、生き物の体内の魔素を異常物質に変化させてしまったりするため、すべての生き物―――――――植物から動物、魔物、もちろん人間も危ない。
と、いうことらしい。
いまだに悪魔素などは実態がわかっていない部分が多いので、どうなるかはわからない、という。
これでも最小限の被害だったら、ということなので恐ろしい。
うん、いろいろ大変なことは分かった。
で、私に何をしてほしいのだろう。
「エレナちゃんに声をかけていたのは、あなたの魂は、本来精霊界に来るべきだったにもかかわらず、なにかの影響で人間としてうまれてきた、精・霊・よ・り・の・人・族・だから、なのです。」
……ええぇ!?
わ、私って、純粋に人間ではな、なかったの……!?
せいれいかい?にきてしまった。
頭の中がハテナでいっぱい……
混乱して、転移?してきたときの突っ立った状態から動けずに、とりあえず挨拶をする。
「こ、こんにちわ……?えっと、エレナです。ソフィアナさんですか?」
「ええ、そうよ!私がソフィアナ!」
ソフィアナ、と名乗った人は、すごくきれいな女の人で、水色がかかった銀色の髪が腰まで伸びていて、金色の瞳はこぼれそうなくらい大きくて、左右対称に完璧に各パーツが配置されている。
この世のものとは思えない美しさ、っていう感じだ。
女神様、ってこんな人だろうなぁ、なんて思う。
その美しさに思わず見とれていたが、ハクの言葉で現実に帰ってきた。
「オヌシ、なぜ主殿をさらった。」
「さらった、なんて物騒なことを言わないでよ!まったく……――――――――説明するから落ち着いて聞いてね?」
ハクが念話ではなく普通に話せたことに驚いたが、ソフィアナさんの声が急に真面目になって、そんなところに突っ込んでいる場合ではないと感じた。
思わず姿勢を正した。
「あ、こんなところではゆっくり話もできないわね。私の訓練場兼別荘に来てもらいたいのだけれど、いい?」
「あ、はい。どこでも大丈夫で―――――――――――――――――――」
言い終わる前に転移させられた。
これくらい言ってもよかったんじゃないかなぁ?
ソフィアナさんはせっかちなところがあるのかもしれない。
あっという間――――――0.2秒くらい?で別の場所についた。
転移魔法、やっぱり便利だね。
しかも、魔道具と違って酔わないっから、使い勝手も良い。
「さて、じゃあ話すね。」
応接室のようなところに入り、ソファーに座ると、さっそくソフィアナさんが話し始めた。
「私があなたたちを呼んだのは、実は今日が初めてではないの。あなたが5歳くらいの時かしら?そのころから頻繁に呼びかけていたわ。でも、繋がったのは今日が初めて。」
はじめから驚きな内容!
今までそんなの全然聞こえなかったよ?
「その原因は、たぶんあの場所だと思うの。あなたたちの様子はたまに水鏡で見ていたの。あ、呼びかけるためには必要だから、変な意味はないわよ?」
「……で、あなたたちが精霊界に来る直前にいた場所は、悪魔素の濃度が他よりも数倍くらい高い場所だったのだけど、―――――――――――あの場所にいて気持ち悪くなったりはしなかった?」
「転移の魔道具を使ってあの場所につながるトンネルみたいなところについたときはとても気持ちが悪くなりました。でも、あれは転移酔いかな、と思っていました。」
「たぶん、それは転移の魔道具のせいではないと思うわよ?一気に悪魔素が高まって体が拒否反応を起こしたのだと思う。」
あくまそ、か……。
今まで一度も聞いたことのない言葉。
「あ、でね、本題なのだけど、この精霊界は魔素が人間界よりも濃いの。でも、その分悪魔素も広がりやすい。」
そういってソフィアナさんは一度言葉を切る。
そして、目を閉じてゆっくりと開くと、どこか申し訳なさそうに、しかしながら使命感のような強い意志を込めてこう言った。
「悪魔素はこの世界を滅ぼすの。まずは精霊界から順に。……勝手な願いだとは百も承知のうえ、でも、お願い、力を貸してほしいの!」
私にはすぐに状況が読めなかった。
せかいをほろぼす?
それに、私の力を貸して、そんな分子単位の、世界規模の、世界を滅ぼすほどのことを変えられるのだろうか?
悪魔素、とかそれが引き起こす問題についてももう少し知りたい。
あと、精霊界って、何?
私の混乱を見て取ったのかソフィアナさんはいろいろ説明をしてくれた。
長いからまとめると、
・悪魔素とは、魔素に邪悪な力が取り込まれたものであり、空気中にふつうは0.002%の割合で存在し、それくらいであれば害はない。ちなみに魔素は、37.538%らしい。
・現在、なぜか一部の地域を中心に悪魔素が急激に増加。また、その悪魔素を広げようとする者がいるらしい。
・悪魔素一定の濃度を超えると、魔素の濃度が高いと、魔素に悪魔素の元みたいなものをくっつけることで増やせるらしい。
・精霊界は、人間界から結界で守られたところにあって、見ることも触ることもできないし、お伽話とされてほとんどの人が存在を知らない。それは、昔にいろいろトラブルがあってのことらしいが、また今度。
・精霊界は、精霊がすごしやすいようになっていて、人間界よりも魔素が多く、1.7倍ある。(63.8146%)そのため、悪魔素を広げやすいらしく、100年前に比べて、ここ数年で異常な悪魔素が検出される地域が出ている。いまはまだ一部だけだが、年々増加量も増えているため、時間の問題である。
・人間界は、精霊界のおこぼれ?で魔素の伝達がうまくいっているらしく、精霊界がやられると、人間界もいろいろ大変になる。
・悪魔素は、生き物の体内の魔素を異常物質に変化させてしまったりするため、すべての生き物―――――――植物から動物、魔物、もちろん人間も危ない。
と、いうことらしい。
いまだに悪魔素などは実態がわかっていない部分が多いので、どうなるかはわからない、という。
これでも最小限の被害だったら、ということなので恐ろしい。
うん、いろいろ大変なことは分かった。
で、私に何をしてほしいのだろう。
「エレナちゃんに声をかけていたのは、あなたの魂は、本来精霊界に来るべきだったにもかかわらず、なにかの影響で人間としてうまれてきた、精・霊・よ・り・の・人・族・だから、なのです。」
……ええぇ!?
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