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第1部
23:ステータスオープン!特訓スタート
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「はじめるわよ!」
きのうはあの後、ソフィアナさんが私のために部屋を整えてくれて、夜ご飯を食べて、とのんびり過ごした。
夜ご飯、と言ってもポーションのすごいバージョンを飲むだけ。精霊は基本的に食べ物を食べる習慣がないらしい。食べられるけど、そっちの方が効率的だ、ということだと。おいしいご飯、食べたいなぁ。
精霊に近いとは言っても人間のため、精霊界に来る時の結界を越える時の負担は大きかったらしく、ベッドに寝転がると、ストン、と眠りに落ちた。
ハクは、きのうの私たちの話し合いの時、途中でおとなしいなぁと思ったら寝ていて、今もまだぐっすりである。私以上に負担があったらしい。
そして今、屋外訓練場という名のソフィアナさん所有の荒野にて、記念すべき第一回目の特訓が始まった。
「まず、自分の能力値を見てみましょう。”鑑定 ステータスウィンドオープン”」
そういうと、ソフィアナさんの前に半透明の薄い画面のようなものが現れた。
「これで自分のステータスを確認するの。なぜか人間界ではこの魔法がしっかり伝わっていないのだけど、今の人たちってどうやって自分の属性とかステータス、どうやって知っているの?」
「5歳になったら教会で、魔水晶で自分の属性と魔力値、精霊適数というものをはかってもらいます。」
んー、教会、実は洗礼式で儲けてるのかもしれないな。平民相手のは普通にやってるけど、貴族とかのときは寄付金とか言って集めているって言ってるのを聞いたことがある。
わざわざこの魔法を広めなかった、とか?
いや、まさかね。
「じゃあ、自分でもやってみて。」
「はい!えっと、”鑑定 ステータスウィンドオープン”」
おぉ!えっと、どれどれ……
名前:エレナ(=ディベメント)
種族:人族?
性別:女
年齢:7
属性:火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無
Lv:17
HP:650
MP:58350
STR:680
ATK:750
VIT:300
DEF:560
RES:320
DEX:630
説明によると、
HP…体力
MP…魔力
STR…力(物理)
ATK…攻撃力(物理)
VIT…生命力(状態異常耐性等)
DEF…防御力
RES…抵抗力
DEX…器用さ
をそれぞれあらわしているらしく、生命力と抵抗力が弱いのは精霊に近いから、だそう。
精霊は、この二つが100くらいだから、悪魔素にも過剰反応してしまうんだと。
私のステータスは、魔力はすごいけど、それ以外は、人間平均だと同じくらいか、少し低い。
精霊平均だと、魔力と生命力と抵抗力以外はちょっと低い。
世界を救うためにはもっと頑張れ、ということだった。
ちなみに、人間は最盛期は、ふつうどれも1000前後になるらしい。
7歳児の平均は、私より低いけど、このままだったら、魔力以外はぬかされるといわれた。
思っていた以上に体力と器用さがなくて悲しい……
「さて、まず、魔力は2倍くらいにしてもらいたいの。もちろん体力の向上は必須事項だけどね。」
魔力2倍、ですと!?
いや、それけっこう無茶苦茶な要求してませんです?
「方法は、毎日魔力操作の訓練をすることと、体内の魔力を折りたたんで空きを作って魔力を増やすことよ!」
方法は地味だった。
「後、体力については、毎日朝ランニングしてもらう!」
え゛ぇ゛~
走るの、苦手なんだよなぁ……
前世も今世も。
「ランニングはちょっとい「文句はなしです!受付終了です!」
ふんぬぅ……
「じゃあ、魔力操作からやりましょう。」
「手のひらに魔力をかき集めて、――――――――あったかくなってきたの、わかる?」
「はい、ポカポカします。」
「それを、まとめてスッティク型にできる?」
魔法の杖、みたいな?
んー
「あ、できました。」
「うん、そうそう!」
スティック型になった魔力は、だいたい30センチくらいの長さで、太さは直径1センチメートルくらい。
ガラスのように見えるけど、光が当たるといろんな色にかがやいて見える。
「きれー……」
思わずつぶやくと、
「うん、全属性持ちのはきれいだねぇ―。どの属性の色にも染まってないのに、どの属性の色にも輝く。世の神秘!!」
ソフィアナさんのテンションも上がった。
こういうの、好きなのかな?
まあ、誰が見てもきれいだし、思わず目を奪われる。
「あ、ゴホン、ええっとですね、そうしたらそのスティック、簡易版リーベで魔法を使ってみて。んー、まずはファイヤーボールとかやってみよっか。」
ファイヤーボールは初級魔法。ボール系のはどの属性でも一番簡単で、初級魔法の中でも入門編といわれるような魔法。
「”ファイヤーボール”」
しかし、簡易版リーベを使おうとすると、なかなか力加減がわからず、めちゃくちゃ大きい、1mくらいの球ができてしまった。
しかも、簡易版リーベから不規則に魔力が漏れ出てしまい、ファイヤーボールがゆがんだり火を噴きだしたりしちゃっている。
「一回落ち着いて!そのファイヤーボール、空に向かって放って!!」
ファイヤーボールがどんどん大きくなっていって、2mくらいに到達した。
ソフィアナさんのあわてたような声が飛んできて、そこそこ危ない状態だということに、気が付き、言われたとおりに空に向けて放つ。
3mくらいになった火の玉が空に飛んでいく様子は、隕石が逆走しているみたいだった、と後にソフィアナは語る。
簡易版リーベ、扱いづら過ぎる!
こうして普通のファイヤーボールをうてるようになるまで、何百回と繰り返し、1週間後。
「で、できたぁ――――――!」
ようやくふつうの、直径10センチメートルほどのファイヤーボールが完成した。
「や、やっとできたのね……。はぁ、よかったぁ……。」
ソフィアナは疲労困憊である。
エレナの出す超巨大なファイヤーボールに、ときどきそこから吹き出す火炎に、枯れ木があった荒野が一部更地と化したことに、毎回毎回ひやひやさせられ、あわてさせらせ、最後の方には空の上に放つまでが一連の流れになってしまって遠い目をして……
1週間そんなことが続くものだから心労がひどいのである。
最初のテンションはどこへやら、今は断然にこの特訓に対する不安しかない。
しかし、そんなソフィアナの様子を、エレナは全く見ず、純粋に喜んでいるのであるからソフィアナも文句が言えなくなってしまった。
「あの!できたのですが、次は何すればいいですか!?」
なんだか今までの魔法を使う時より難しいからか、達成感がとても大きく、積極的ではなかった特訓がちょっと楽しくなってきた。
「全属性で同じことをやって。きっと最初よりはすぐできるはずよ。」
と言われたので、やっているけれど、なかなかすぐにできそうにはない。
あれから2週間たったらしいが、あと2属性残っている。
たったらしい、というのは、ここに来てから時間間隔が薄くなっていて、実際にどれくらいたったのかがわからないのだ。
精霊たちはあまり時間を気にしていないため、そのあたりがあいまいになっている。
ちなみに、ここに来てから私はソフィアナさんにしかあっていない。
ハクはあれからずっと眠っているし、ほかの精霊さんにもあえていない。
でも、特訓が結構楽しくなってきたし、衣食住が保障されている今の生活はけっこういい。
戻ったら冒険者業してかないと生きていけない状態なんだから、お金を稼ぐ、という重荷がなくなっただけでも楽である。
まぁ、そのかわりにそれより重い世界の悪魔素問題?が乗っかってきたけど。
さて、明日も頑張るぞ!
きのうはあの後、ソフィアナさんが私のために部屋を整えてくれて、夜ご飯を食べて、とのんびり過ごした。
夜ご飯、と言ってもポーションのすごいバージョンを飲むだけ。精霊は基本的に食べ物を食べる習慣がないらしい。食べられるけど、そっちの方が効率的だ、ということだと。おいしいご飯、食べたいなぁ。
精霊に近いとは言っても人間のため、精霊界に来る時の結界を越える時の負担は大きかったらしく、ベッドに寝転がると、ストン、と眠りに落ちた。
ハクは、きのうの私たちの話し合いの時、途中でおとなしいなぁと思ったら寝ていて、今もまだぐっすりである。私以上に負担があったらしい。
そして今、屋外訓練場という名のソフィアナさん所有の荒野にて、記念すべき第一回目の特訓が始まった。
「まず、自分の能力値を見てみましょう。”鑑定 ステータスウィンドオープン”」
そういうと、ソフィアナさんの前に半透明の薄い画面のようなものが現れた。
「これで自分のステータスを確認するの。なぜか人間界ではこの魔法がしっかり伝わっていないのだけど、今の人たちってどうやって自分の属性とかステータス、どうやって知っているの?」
「5歳になったら教会で、魔水晶で自分の属性と魔力値、精霊適数というものをはかってもらいます。」
んー、教会、実は洗礼式で儲けてるのかもしれないな。平民相手のは普通にやってるけど、貴族とかのときは寄付金とか言って集めているって言ってるのを聞いたことがある。
わざわざこの魔法を広めなかった、とか?
いや、まさかね。
「じゃあ、自分でもやってみて。」
「はい!えっと、”鑑定 ステータスウィンドオープン”」
おぉ!えっと、どれどれ……
名前:エレナ(=ディベメント)
種族:人族?
性別:女
年齢:7
属性:火・水・地・風・緑・空間・光・闇・天・無
Lv:17
HP:650
MP:58350
STR:680
ATK:750
VIT:300
DEF:560
RES:320
DEX:630
説明によると、
HP…体力
MP…魔力
STR…力(物理)
ATK…攻撃力(物理)
VIT…生命力(状態異常耐性等)
DEF…防御力
RES…抵抗力
DEX…器用さ
をそれぞれあらわしているらしく、生命力と抵抗力が弱いのは精霊に近いから、だそう。
精霊は、この二つが100くらいだから、悪魔素にも過剰反応してしまうんだと。
私のステータスは、魔力はすごいけど、それ以外は、人間平均だと同じくらいか、少し低い。
精霊平均だと、魔力と生命力と抵抗力以外はちょっと低い。
世界を救うためにはもっと頑張れ、ということだった。
ちなみに、人間は最盛期は、ふつうどれも1000前後になるらしい。
7歳児の平均は、私より低いけど、このままだったら、魔力以外はぬかされるといわれた。
思っていた以上に体力と器用さがなくて悲しい……
「さて、まず、魔力は2倍くらいにしてもらいたいの。もちろん体力の向上は必須事項だけどね。」
魔力2倍、ですと!?
いや、それけっこう無茶苦茶な要求してませんです?
「方法は、毎日魔力操作の訓練をすることと、体内の魔力を折りたたんで空きを作って魔力を増やすことよ!」
方法は地味だった。
「後、体力については、毎日朝ランニングしてもらう!」
え゛ぇ゛~
走るの、苦手なんだよなぁ……
前世も今世も。
「ランニングはちょっとい「文句はなしです!受付終了です!」
ふんぬぅ……
「じゃあ、魔力操作からやりましょう。」
「手のひらに魔力をかき集めて、――――――――あったかくなってきたの、わかる?」
「はい、ポカポカします。」
「それを、まとめてスッティク型にできる?」
魔法の杖、みたいな?
んー
「あ、できました。」
「うん、そうそう!」
スティック型になった魔力は、だいたい30センチくらいの長さで、太さは直径1センチメートルくらい。
ガラスのように見えるけど、光が当たるといろんな色にかがやいて見える。
「きれー……」
思わずつぶやくと、
「うん、全属性持ちのはきれいだねぇ―。どの属性の色にも染まってないのに、どの属性の色にも輝く。世の神秘!!」
ソフィアナさんのテンションも上がった。
こういうの、好きなのかな?
まあ、誰が見てもきれいだし、思わず目を奪われる。
「あ、ゴホン、ええっとですね、そうしたらそのスティック、簡易版リーベで魔法を使ってみて。んー、まずはファイヤーボールとかやってみよっか。」
ファイヤーボールは初級魔法。ボール系のはどの属性でも一番簡単で、初級魔法の中でも入門編といわれるような魔法。
「”ファイヤーボール”」
しかし、簡易版リーベを使おうとすると、なかなか力加減がわからず、めちゃくちゃ大きい、1mくらいの球ができてしまった。
しかも、簡易版リーベから不規則に魔力が漏れ出てしまい、ファイヤーボールがゆがんだり火を噴きだしたりしちゃっている。
「一回落ち着いて!そのファイヤーボール、空に向かって放って!!」
ファイヤーボールがどんどん大きくなっていって、2mくらいに到達した。
ソフィアナさんのあわてたような声が飛んできて、そこそこ危ない状態だということに、気が付き、言われたとおりに空に向けて放つ。
3mくらいになった火の玉が空に飛んでいく様子は、隕石が逆走しているみたいだった、と後にソフィアナは語る。
簡易版リーベ、扱いづら過ぎる!
こうして普通のファイヤーボールをうてるようになるまで、何百回と繰り返し、1週間後。
「で、できたぁ――――――!」
ようやくふつうの、直径10センチメートルほどのファイヤーボールが完成した。
「や、やっとできたのね……。はぁ、よかったぁ……。」
ソフィアナは疲労困憊である。
エレナの出す超巨大なファイヤーボールに、ときどきそこから吹き出す火炎に、枯れ木があった荒野が一部更地と化したことに、毎回毎回ひやひやさせられ、あわてさせらせ、最後の方には空の上に放つまでが一連の流れになってしまって遠い目をして……
1週間そんなことが続くものだから心労がひどいのである。
最初のテンションはどこへやら、今は断然にこの特訓に対する不安しかない。
しかし、そんなソフィアナの様子を、エレナは全く見ず、純粋に喜んでいるのであるからソフィアナも文句が言えなくなってしまった。
「あの!できたのですが、次は何すればいいですか!?」
なんだか今までの魔法を使う時より難しいからか、達成感がとても大きく、積極的ではなかった特訓がちょっと楽しくなってきた。
「全属性で同じことをやって。きっと最初よりはすぐできるはずよ。」
と言われたので、やっているけれど、なかなかすぐにできそうにはない。
あれから2週間たったらしいが、あと2属性残っている。
たったらしい、というのは、ここに来てから時間間隔が薄くなっていて、実際にどれくらいたったのかがわからないのだ。
精霊たちはあまり時間を気にしていないため、そのあたりがあいまいになっている。
ちなみに、ここに来てから私はソフィアナさんにしかあっていない。
ハクはあれからずっと眠っているし、ほかの精霊さんにもあえていない。
でも、特訓が結構楽しくなってきたし、衣食住が保障されている今の生活はけっこういい。
戻ったら冒険者業してかないと生きていけない状態なんだから、お金を稼ぐ、という重荷がなくなっただけでも楽である。
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