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第2部
31:逃走と出会い②
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「おれは、ライアン・カイル・ホイット。なまえは?」
「あ、えっと、エレナです。」
苗字がある、ってことはどこかの商会か貴族の子なのか。
ミドルネームまであるなんて―――――――――
……ん?
ああぁぁぁ!
この世界では10歳になったらミドルネームをつけるのが一般的なんだっけ!?
わたし、自分で考えなきゃいけないんだ。
どうしようかなぁ。
「あのさ、この町に住んでるの?」
「え?あ、ううん、違います。今日、というかさっき来たばかりです。前にも一度来たことはありますが。」
「そっか。あ、敬語じゃなくていいんだけど?」
考え事しないようにしなきゃ。
ホイットさんいるの忘れてた……。
敬語、いいのかな?
どこかのいい家の子とかだったら失礼になるんじゃ?
まあ、いいって言ってるんだからいいのかな?
けど、敬語以外で話す機会がこっちの世界に生まれてからあんまりなかったから、なんだか敬語が口から出てしまう。
前世でもそんなに誰かと気軽に話してないしなぁ……。
「あの、ここ、どこです?」
そう、さっきから気になっていたのだけど、ここ、どこ?
走るのやめてからも歩き続けてるし―――――――――――
って、まだかつがれてる!?
すっかり忘れてったっていうか、慣れてしまった、っていうか……。
「お、おろしてくださいっ!」
「ん?あぁ、そっか。」
ホイットさんも忘れてたのか……。
気づきそうだけどなぁ。
もしかして、疲れてると思ってずっとかついでくれてたのかな?
「ここは、俺の家の方に向かう道、だな。」
「私、冒険者ギルドに行こうとしていたんですけど、どっちに向かえばつくんですか?」
「ええぇ!?冒険者ギルドに行くの!?」
「はい、そうですけど……?」
「一人で行くの?誰かを迎えに行くの?」
「いいえ?あー、一人で行きますけど、誰かに会う予定はないですよ?」
「登録しに行くってこと?」
「半分正解です。」
「はんぶん?」
「前に登録してたんですけど、ちょっとした事情で2年ほど依頼が受けられなくなってしまって、再発行する必要があるんです。」
「2年前にとうろくしてたの!?」
「はい、そうですよ?」
「え、えっと、失礼かもしれないけど、今、何歳?」
「私は、9歳で、あと3か月で10歳です。」
「お、同い年だったのか……。」
「?」
「おれも10歳なんだ。」
「えぇ!?もっと年上かと思ってました。13歳くらいかなぁ、と。」
「そうか?あんま、年上にみられたことないけど。」
「そうなんですか?ホイットさんは、私のこと、何歳くらいに思ってました?」
「んー、7歳くらい?てか、ホイットさん、ってなんだよ。初めてそんな風に呼ばれたわ。」
「ではなんとお呼びすればよかったのです?」
「ふつーに、ライアンでいいよ。あとさ、同い年だったんだからいいかげん敬語やめろって。」
「で、でも、ライアン君はいいところの子ではないのですか?」
「おれが?そんなんじゃないよ。ホイット商会の3男だ。姉貴もいるから5人兄弟の末っ子だけど。」
「ホイット商会?」
「ん?知らねーの?そこそこ有名だとは思ってたんだけど。」
「そ、そのあまり外に出る機会がなかったもので……。」
「おまえのほうがいいとこの子じゃないのか?」
「いいえ、まったくそんな!」
「そ、そうか。あ、なら、来てみる?」
「??」
「おれんちは、ホイット商会本店の上だからさ、店、見に来いよ。――――――あー、でも冒険者ギルド行くんだっけ?」
「ギルドは明日でも大丈夫です。あの、行ってもいいですか?」
「もちろんだ。」
商会は、自分のとこ――――ディベメント商会――――しか知らないから、ほかのところがどんなふうなのかは気になる。
お金は何日分かはあるし、ギルドはまあ明日でもいいけど、案内付きでお店を見るなんてことは今日しかできない!
「じゃ、いこーぜ。」
「あ、お前おせーから――――――」
そういうと、ヒョイ、っとまたかつがれた。
「ええぇ!?なんで!?」
「だから、お前おせーの。さっさとついた方が長くみられるだろ?」
ふんぬー……
ちっちゃいからか、ちっちゃいからおそいのか!?
成長、2年分の成長、ど・こ・いっ・たーーーー!
今まで成長してない、とわかっても全く気にしてなかったけど、やっぱり2年分の成長は大事だったよ。
かつがれていくのはなんか恥ずかしいー!
10歳、って、男女の身長差少ないときじゃなかったの!?
これじゃ、6歳差くらいには見えるよぉ……。
「あ、えっと、エレナです。」
苗字がある、ってことはどこかの商会か貴族の子なのか。
ミドルネームまであるなんて―――――――――
……ん?
ああぁぁぁ!
この世界では10歳になったらミドルネームをつけるのが一般的なんだっけ!?
わたし、自分で考えなきゃいけないんだ。
どうしようかなぁ。
「あのさ、この町に住んでるの?」
「え?あ、ううん、違います。今日、というかさっき来たばかりです。前にも一度来たことはありますが。」
「そっか。あ、敬語じゃなくていいんだけど?」
考え事しないようにしなきゃ。
ホイットさんいるの忘れてた……。
敬語、いいのかな?
どこかのいい家の子とかだったら失礼になるんじゃ?
まあ、いいって言ってるんだからいいのかな?
けど、敬語以外で話す機会がこっちの世界に生まれてからあんまりなかったから、なんだか敬語が口から出てしまう。
前世でもそんなに誰かと気軽に話してないしなぁ……。
「あの、ここ、どこです?」
そう、さっきから気になっていたのだけど、ここ、どこ?
走るのやめてからも歩き続けてるし―――――――――――
って、まだかつがれてる!?
すっかり忘れてったっていうか、慣れてしまった、っていうか……。
「お、おろしてくださいっ!」
「ん?あぁ、そっか。」
ホイットさんも忘れてたのか……。
気づきそうだけどなぁ。
もしかして、疲れてると思ってずっとかついでくれてたのかな?
「ここは、俺の家の方に向かう道、だな。」
「私、冒険者ギルドに行こうとしていたんですけど、どっちに向かえばつくんですか?」
「ええぇ!?冒険者ギルドに行くの!?」
「はい、そうですけど……?」
「一人で行くの?誰かを迎えに行くの?」
「いいえ?あー、一人で行きますけど、誰かに会う予定はないですよ?」
「登録しに行くってこと?」
「半分正解です。」
「はんぶん?」
「前に登録してたんですけど、ちょっとした事情で2年ほど依頼が受けられなくなってしまって、再発行する必要があるんです。」
「2年前にとうろくしてたの!?」
「はい、そうですよ?」
「え、えっと、失礼かもしれないけど、今、何歳?」
「私は、9歳で、あと3か月で10歳です。」
「お、同い年だったのか……。」
「?」
「おれも10歳なんだ。」
「えぇ!?もっと年上かと思ってました。13歳くらいかなぁ、と。」
「そうか?あんま、年上にみられたことないけど。」
「そうなんですか?ホイットさんは、私のこと、何歳くらいに思ってました?」
「んー、7歳くらい?てか、ホイットさん、ってなんだよ。初めてそんな風に呼ばれたわ。」
「ではなんとお呼びすればよかったのです?」
「ふつーに、ライアンでいいよ。あとさ、同い年だったんだからいいかげん敬語やめろって。」
「で、でも、ライアン君はいいところの子ではないのですか?」
「おれが?そんなんじゃないよ。ホイット商会の3男だ。姉貴もいるから5人兄弟の末っ子だけど。」
「ホイット商会?」
「ん?知らねーの?そこそこ有名だとは思ってたんだけど。」
「そ、そのあまり外に出る機会がなかったもので……。」
「おまえのほうがいいとこの子じゃないのか?」
「いいえ、まったくそんな!」
「そ、そうか。あ、なら、来てみる?」
「??」
「おれんちは、ホイット商会本店の上だからさ、店、見に来いよ。――――――あー、でも冒険者ギルド行くんだっけ?」
「ギルドは明日でも大丈夫です。あの、行ってもいいですか?」
「もちろんだ。」
商会は、自分のとこ――――ディベメント商会――――しか知らないから、ほかのところがどんなふうなのかは気になる。
お金は何日分かはあるし、ギルドはまあ明日でもいいけど、案内付きでお店を見るなんてことは今日しかできない!
「じゃ、いこーぜ。」
「あ、お前おせーから――――――」
そういうと、ヒョイ、っとまたかつがれた。
「ええぇ!?なんで!?」
「だから、お前おせーの。さっさとついた方が長くみられるだろ?」
ふんぬー……
ちっちゃいからか、ちっちゃいからおそいのか!?
成長、2年分の成長、ど・こ・いっ・たーーーー!
今まで成長してない、とわかっても全く気にしてなかったけど、やっぱり2年分の成長は大事だったよ。
かつがれていくのはなんか恥ずかしいー!
10歳、って、男女の身長差少ないときじゃなかったの!?
これじゃ、6歳差くらいには見えるよぉ……。
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