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第2部
42:秘密を打ち明けます……!
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「ここで話して、誰にも聞かれないかな?」
「あー、ならおれの部屋にいこーぜ。ぜってーだれもはいってこないし。」
「そっちの方が安心かも。」
ライアン君の部屋は4階にあるらしい。
階段をのぼりながら、改めてこの建物、大きいな、って思う。
1,2階がお店だったとしても、敷地も広いから、住居スペースは一般的な平民の家の何倍もある。
「あのさ、そんな、聞かれちゃ困る話なの?」
「うん、悪いことじゃないんだけど、あんまり人には知られたくないの。」
「ふぅん。今更だけど、おれにそれ言っちゃっていいわけ?」
「それは許可ももらったし、ライアン君なら大丈夫、ってお墨付きももらってるよ。」
「へ?おれのこと知ってたの?」
「あ、その辺も含めて話すよ。」
ライアン君の部屋について、小さな椅子に座って話し始める。
「実は、私は、いろいろややこしいの。まず、生まれて、育ったところは、ディベメント商会。本当は、エレナ・ディベメント。でも、7歳くらいの時にエレナ・ディベメントは死んで、ただのエレナになった。詳しい理由は省くね?で、生きるために冒険者登録をしたの。」
「ここからが秘密の大きい部分なんだけど、登録した後、たいして依頼を受けないままいなくなった、っていうのは何となくギルドでの反応でわかったでしょ?その理由が、”精霊界” に行っていたからなの。」
「は!?”精霊界”!?それって、お伽話の精霊の?」
「うん、そうだよ。精霊は実在するの。」
「いや、信じられねー。いや、でも嘘つく理由なんてねーよな……。」
「信じられないのはしょうがないよ。後で一緒に行こう。今は、それがある、っていう前提で聞いてもらえる?」
「あ、ああ。」
「精霊界に行く前に、ある怪しい女の人にあってね、その人に―――――――」
女からされた話、女の情報を得ようとハクと痕跡を折って行ったら急にソフィアナさんに転移させられた話。精霊界でやった特訓、解決すべきこと。
今まであったほとんどすべてのことをライアン君に話す。
途中から突っ込む気も失せたのかおとなしく聞いていたが、やはり半信半疑、といったところか。
私の人生、すごいよね、すでに。
”へいおんライフ”を求めてたのに……。
ていうか、転生の時に、『普通に』って言ったのに。
あれ、そういえば、精霊界に行く前あたりからファラウザーさんとお話ししてないな。
どうしたんだろ。
あ、そうそう、転生云々については話していない。
今必要ないし、ないものと考えた方がいいと思う。
あくまで私はエレナなのだ。
「あ、あのさ、やばくね?」
「あー、でしょ?」
「これ、ホントに一人でやろうとしてたわけ?」
「え?うん、そうだけど?」
「いや、あぶないだろ。てか、お前、狙われてるんじゃね?」
「……そ、そうかな?」
「だって、その謎の女とかに声かけられてるし、俺らが会った時に追われてたのもそれ関連だったりしないの?」
「そうかもしれない……。」
「で、これからどうすんの?」
「あ、そうそう、ギルドで声が聞こえたって言ったでしょ?」
「ん? あぁ、ギルドマスター探してたときか?」
「うん、そう。でね、その時――――――」
その時の会話、そして考えたこと、それらを話すと、ライアン君の表情が険しくなった。
「もし仮に、ギルドマスターとかが怪しいのとつながってたりして、それがお前を追ってるやつらの仲間だとしたら、ここにいんの、危ないんじゃねーの?」
「つながりがあるかはわからないよ?」
「念のために離れた方がいいかもしれない。あと、しばらく冒険者ギルドは使わない方がいいかもな。」
「え?それじゃあ、どうやってお金稼ぐの?」
「んー、薬師ギルドとか、商人ギルドとか、そっちのほうかな。」
「できるのかなぁ?というか、おおげさじゃない?」
「とりあえずここからは離れようぜ?」
「んー、まあ、近いうちには出発しようと思ってたから、気持ちはやめ、位でいいんじゃないかな?」
「そうか? なら3日後くらいでどうだ?」
「はやくない?まあ、私はいつでも出発できるけど。」
「なら、そうしようぜ。」
「あ、あのね、行き先なんだけど、2”セサンカ・B・レ・3チネ・7・ルバオーット”っていうところに行けないかな?」
「は?どこだよ、それ。てか、なんで行きたいの?」
「ギルドマスターと私が調べていることについて関係があるのかわからないかな、と思って。」
「ああ、そういうことか。」
「暗号かなにかだと思うから、3日後までに場所がわかるように考えておくね。」
「わかった。」
さて、2”セサンカ・B・レ・3チネ・7・ルバオーット”って、どこだろ。
さっそく考えなくっちゃ。
あと、ソフィアナさんにも一応報告かな。
そのときにライアン君も連れて行ってあげよう。
なんだかいっきに忙しくなって大変だけど、充実感はある……。
って、充実はいいけど、目立たないように、慎重に、だよね!
ここで大事にしちゃったら、問題解決後の”へいおんライフ”―――――――そのころには隠居生活に変わってる?―――――――に支障がでちゃうよ。
「あー、ならおれの部屋にいこーぜ。ぜってーだれもはいってこないし。」
「そっちの方が安心かも。」
ライアン君の部屋は4階にあるらしい。
階段をのぼりながら、改めてこの建物、大きいな、って思う。
1,2階がお店だったとしても、敷地も広いから、住居スペースは一般的な平民の家の何倍もある。
「あのさ、そんな、聞かれちゃ困る話なの?」
「うん、悪いことじゃないんだけど、あんまり人には知られたくないの。」
「ふぅん。今更だけど、おれにそれ言っちゃっていいわけ?」
「それは許可ももらったし、ライアン君なら大丈夫、ってお墨付きももらってるよ。」
「へ?おれのこと知ってたの?」
「あ、その辺も含めて話すよ。」
ライアン君の部屋について、小さな椅子に座って話し始める。
「実は、私は、いろいろややこしいの。まず、生まれて、育ったところは、ディベメント商会。本当は、エレナ・ディベメント。でも、7歳くらいの時にエレナ・ディベメントは死んで、ただのエレナになった。詳しい理由は省くね?で、生きるために冒険者登録をしたの。」
「ここからが秘密の大きい部分なんだけど、登録した後、たいして依頼を受けないままいなくなった、っていうのは何となくギルドでの反応でわかったでしょ?その理由が、”精霊界” に行っていたからなの。」
「は!?”精霊界”!?それって、お伽話の精霊の?」
「うん、そうだよ。精霊は実在するの。」
「いや、信じられねー。いや、でも嘘つく理由なんてねーよな……。」
「信じられないのはしょうがないよ。後で一緒に行こう。今は、それがある、っていう前提で聞いてもらえる?」
「あ、ああ。」
「精霊界に行く前に、ある怪しい女の人にあってね、その人に―――――――」
女からされた話、女の情報を得ようとハクと痕跡を折って行ったら急にソフィアナさんに転移させられた話。精霊界でやった特訓、解決すべきこと。
今まであったほとんどすべてのことをライアン君に話す。
途中から突っ込む気も失せたのかおとなしく聞いていたが、やはり半信半疑、といったところか。
私の人生、すごいよね、すでに。
”へいおんライフ”を求めてたのに……。
ていうか、転生の時に、『普通に』って言ったのに。
あれ、そういえば、精霊界に行く前あたりからファラウザーさんとお話ししてないな。
どうしたんだろ。
あ、そうそう、転生云々については話していない。
今必要ないし、ないものと考えた方がいいと思う。
あくまで私はエレナなのだ。
「あ、あのさ、やばくね?」
「あー、でしょ?」
「これ、ホントに一人でやろうとしてたわけ?」
「え?うん、そうだけど?」
「いや、あぶないだろ。てか、お前、狙われてるんじゃね?」
「……そ、そうかな?」
「だって、その謎の女とかに声かけられてるし、俺らが会った時に追われてたのもそれ関連だったりしないの?」
「そうかもしれない……。」
「で、これからどうすんの?」
「あ、そうそう、ギルドで声が聞こえたって言ったでしょ?」
「ん? あぁ、ギルドマスター探してたときか?」
「うん、そう。でね、その時――――――」
その時の会話、そして考えたこと、それらを話すと、ライアン君の表情が険しくなった。
「もし仮に、ギルドマスターとかが怪しいのとつながってたりして、それがお前を追ってるやつらの仲間だとしたら、ここにいんの、危ないんじゃねーの?」
「つながりがあるかはわからないよ?」
「念のために離れた方がいいかもしれない。あと、しばらく冒険者ギルドは使わない方がいいかもな。」
「え?それじゃあ、どうやってお金稼ぐの?」
「んー、薬師ギルドとか、商人ギルドとか、そっちのほうかな。」
「できるのかなぁ?というか、おおげさじゃない?」
「とりあえずここからは離れようぜ?」
「んー、まあ、近いうちには出発しようと思ってたから、気持ちはやめ、位でいいんじゃないかな?」
「そうか? なら3日後くらいでどうだ?」
「はやくない?まあ、私はいつでも出発できるけど。」
「なら、そうしようぜ。」
「あ、あのね、行き先なんだけど、2”セサンカ・B・レ・3チネ・7・ルバオーット”っていうところに行けないかな?」
「は?どこだよ、それ。てか、なんで行きたいの?」
「ギルドマスターと私が調べていることについて関係があるのかわからないかな、と思って。」
「ああ、そういうことか。」
「暗号かなにかだと思うから、3日後までに場所がわかるように考えておくね。」
「わかった。」
さて、2”セサンカ・B・レ・3チネ・7・ルバオーット”って、どこだろ。
さっそく考えなくっちゃ。
あと、ソフィアナさんにも一応報告かな。
そのときにライアン君も連れて行ってあげよう。
なんだかいっきに忙しくなって大変だけど、充実感はある……。
って、充実はいいけど、目立たないように、慎重に、だよね!
ここで大事にしちゃったら、問題解決後の”へいおんライフ”―――――――そのころには隠居生活に変わってる?―――――――に支障がでちゃうよ。
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