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第2部
55:サト様と一緒に行くことになりました
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「おきろー、朝だぞー。」
「もうちょっと……あちょ5分……。」
「サトが起きる前に起こせって言ってきたのはおまえだろ?」
「ムニャ……。サト?誰でしゅか……。」
「はぁ、きのうのお客さんだろ。」
「……。お客しゃん……。! お、おはよーごじゃいます!」
「やっとか……。お前、朝弱いのか?寝起きわりー。」
「ご、ごめんね。朝は意識がフワフワしてて……。」
「まだサトは起きてねーよ。」
「ありがとう……。」
きのうの夜は、ご飯を食べた後それぞれお風呂に入ったりして早めに寝た。朝も早かったからぐっすり眠った。
ベッドは2つしかなかったので私がソファーで寝ようとしたら二人に止められた。
わたし、わりとどこでも寝られるんだけどなぁ。
結局、ライアン君とサト様が一つのベッドに寝ることになった。
二人は私が寝た後もしばらく話していたらしい。
サト様が起きる前に着替えたりしておく。
やっぱりお貴族様よりは早く支度をしておいた方がいいだろう。
「あれ、二人とも、もう起きてたの?おはよう。」
「おはようございます。眠れましたか?」
「ぐっすり眠れたよ。このベッドはとても寝心地がいい。」
サト様も起きてきた。
今日はどうするんだろう。
どこでおいていけばよいのか……。
「お、やっと起きたか。サト、お前今日どーすんの?」
え、ライアン君呼び捨てにしてるの?そんな言葉づかいにしてるの?
ダメでしょ、呼び捨てとか庶民がやっていいことじゃないでしょ。
「ああ、ライアンおはよう。今日はとりあえず町まで出ようと思ってる。」
あれ?サト様もライアン君を呼び捨て?
いや、サト様は呼び捨てでもいいけど。
……なんか、二人とも仲良さそうだね?
夜の間に何があったんだろうね?
わたしも仲良くしたいとか、うらやましいとか、思ってないからね?
ただちょっと驚いただけだし。
「町か。どの町だ?」
「んー、目的地は王都なんだけど、隣町に出られれば今日はいいかな。」
この国の王都かな?
ここからだと、この国、シェイルイ王国と、隣国、クォーカライト王国の王都がちょうど同じくらいの距離にある。
「おれらと王都まで一緒に行くか?」
「いいのかい?とてもありがたいけど……。」
「エレナ、別にいいよな?」
えぇ!?
……この雰囲気で断れる人がいたら見てみたいよ。
はぁ。
「私は構いません。王都とはどこの王都でしょうか?」
「クォーカライトの王都なんだ。二人は国をまたがないだろう?だから気持ちはうれしいんだけど、さすがにそこまで迷惑はかけないよ。」
クォーカライトの方なんだ。
行くとしたらわたしたちにはそっちの方がありがたい。
シェイルイ王国の王都に行くとしたら、来た道を戻る必要が出てくるからね。
「それなら問題ねーよ。おれら、何個か国を越えるからな。この後もクォーカライトに行く予定だった。」
「二人で何個も国を越えるの?」
「ちょっと用事があってな。」
「そうなんだ。それならお言葉に甘えさせてもらってもいいかな?」
「ああ。」
サトは勘違いをしていた。
まず、二人は貴族だと思っている。
それも、他国の王家か公爵家くらいの。
ちなみに、エレナの方がライアンより爵位が高く、ライアンは同じかそれより少し下で、エレナの護衛も兼ねた友人、もしくは婚約者なのではないかと考えた。
そして、二人が国をいくつか越える、と言っていたのは、他国の貴族との交流のためであると思った。
しかし、サトにとってはそれらはささいなことで、久々に同年代の子供たちと話すことができ、ライアンのように気を使わずに接することができる人がいることが重要なことであった。
「あ、もし迷惑じゃなければ、このいくつか先の町にに父上がいるんだが、合流してもよいだろうか?」
「会う約束はしているのか?」
「うん。本当なら自分が乗っていた馬車でそこまで行って、父上と合流してから王都に向かう予定だったんだ。ライアンとエレナさんが馬車に乗せて行ってくれるっていうことになって予定の時間からあまりずれていないから必ず会えると思うよ。」
「それなら大丈夫だ。近くなったら教えてくれ。」
お、お父さん登場!?
サト様のお父さんって、貴族の当主だよね?
……もう、どうにでもなれ。これを乗り越えればかかわりがなくなるはず。
なんだかんだ言いながら朝の支度を全員が終わったところで馬車を出発させることになった。
サト様にはこの馬車が高性能なのだということがばれているので、一応口止めをしておいた。
サト様がのっている間は、普通の馬車と、きのう寝た部屋、最初の御者台がない形、この3つだけしか使わないことにはしたが。
さて、サト様と出会ってから3日。順調に、何事もなく進んでいました。
……昨日までは。
現在、私たちは国王様の御前にいます。
「もうちょっと……あちょ5分……。」
「サトが起きる前に起こせって言ってきたのはおまえだろ?」
「ムニャ……。サト?誰でしゅか……。」
「はぁ、きのうのお客さんだろ。」
「……。お客しゃん……。! お、おはよーごじゃいます!」
「やっとか……。お前、朝弱いのか?寝起きわりー。」
「ご、ごめんね。朝は意識がフワフワしてて……。」
「まだサトは起きてねーよ。」
「ありがとう……。」
きのうの夜は、ご飯を食べた後それぞれお風呂に入ったりして早めに寝た。朝も早かったからぐっすり眠った。
ベッドは2つしかなかったので私がソファーで寝ようとしたら二人に止められた。
わたし、わりとどこでも寝られるんだけどなぁ。
結局、ライアン君とサト様が一つのベッドに寝ることになった。
二人は私が寝た後もしばらく話していたらしい。
サト様が起きる前に着替えたりしておく。
やっぱりお貴族様よりは早く支度をしておいた方がいいだろう。
「あれ、二人とも、もう起きてたの?おはよう。」
「おはようございます。眠れましたか?」
「ぐっすり眠れたよ。このベッドはとても寝心地がいい。」
サト様も起きてきた。
今日はどうするんだろう。
どこでおいていけばよいのか……。
「お、やっと起きたか。サト、お前今日どーすんの?」
え、ライアン君呼び捨てにしてるの?そんな言葉づかいにしてるの?
ダメでしょ、呼び捨てとか庶民がやっていいことじゃないでしょ。
「ああ、ライアンおはよう。今日はとりあえず町まで出ようと思ってる。」
あれ?サト様もライアン君を呼び捨て?
いや、サト様は呼び捨てでもいいけど。
……なんか、二人とも仲良さそうだね?
夜の間に何があったんだろうね?
わたしも仲良くしたいとか、うらやましいとか、思ってないからね?
ただちょっと驚いただけだし。
「町か。どの町だ?」
「んー、目的地は王都なんだけど、隣町に出られれば今日はいいかな。」
この国の王都かな?
ここからだと、この国、シェイルイ王国と、隣国、クォーカライト王国の王都がちょうど同じくらいの距離にある。
「おれらと王都まで一緒に行くか?」
「いいのかい?とてもありがたいけど……。」
「エレナ、別にいいよな?」
えぇ!?
……この雰囲気で断れる人がいたら見てみたいよ。
はぁ。
「私は構いません。王都とはどこの王都でしょうか?」
「クォーカライトの王都なんだ。二人は国をまたがないだろう?だから気持ちはうれしいんだけど、さすがにそこまで迷惑はかけないよ。」
クォーカライトの方なんだ。
行くとしたらわたしたちにはそっちの方がありがたい。
シェイルイ王国の王都に行くとしたら、来た道を戻る必要が出てくるからね。
「それなら問題ねーよ。おれら、何個か国を越えるからな。この後もクォーカライトに行く予定だった。」
「二人で何個も国を越えるの?」
「ちょっと用事があってな。」
「そうなんだ。それならお言葉に甘えさせてもらってもいいかな?」
「ああ。」
サトは勘違いをしていた。
まず、二人は貴族だと思っている。
それも、他国の王家か公爵家くらいの。
ちなみに、エレナの方がライアンより爵位が高く、ライアンは同じかそれより少し下で、エレナの護衛も兼ねた友人、もしくは婚約者なのではないかと考えた。
そして、二人が国をいくつか越える、と言っていたのは、他国の貴族との交流のためであると思った。
しかし、サトにとってはそれらはささいなことで、久々に同年代の子供たちと話すことができ、ライアンのように気を使わずに接することができる人がいることが重要なことであった。
「あ、もし迷惑じゃなければ、このいくつか先の町にに父上がいるんだが、合流してもよいだろうか?」
「会う約束はしているのか?」
「うん。本当なら自分が乗っていた馬車でそこまで行って、父上と合流してから王都に向かう予定だったんだ。ライアンとエレナさんが馬車に乗せて行ってくれるっていうことになって予定の時間からあまりずれていないから必ず会えると思うよ。」
「それなら大丈夫だ。近くなったら教えてくれ。」
お、お父さん登場!?
サト様のお父さんって、貴族の当主だよね?
……もう、どうにでもなれ。これを乗り越えればかかわりがなくなるはず。
なんだかんだ言いながら朝の支度を全員が終わったところで馬車を出発させることになった。
サト様にはこの馬車が高性能なのだということがばれているので、一応口止めをしておいた。
サト様がのっている間は、普通の馬車と、きのう寝た部屋、最初の御者台がない形、この3つだけしか使わないことにはしたが。
さて、サト様と出会ってから3日。順調に、何事もなく進んでいました。
……昨日までは。
現在、私たちは国王様の御前にいます。
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