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第2部
57:サト様のお父様②
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静まり返り、時が止まったのかと思うような間があった。
誰のものともわからぬ疲労と安堵のまじりあった息が吐き出される。
それを境に、皆が動き出す。
生きのこった護衛は、自分のけがよりも先に、サト様のお父様であろう人の無事を確認する。
護衛の鏡だ。
「そなたたち、礼を言う。して、何者なのだ?あれを単独討伐などきいたことがない。」
サト様のお父様が、こちらに鋭い目を向けた。
私たちも警戒すべき対象のようだ。
まあ、それは分からなくもない。
身分が高い人のようだし、身元の分からない人はすべて警戒するべきとしているのだろう。
わたしたちは子供だが、目の前で自分の護衛でも倒せなかった魔物を倒してしまっている。その力が自分に向けられれば、まともに戦える護衛がいない今、死は確実だ。
敵対する意思のないことをしっかり示すべきだろう。
「はじめまして。エレナ、と申します。サト様のお父様でいらっしゃいますか?」
「ほう、息子と知り合いか?」
視線がより鋭くなる。
視線だけで人が殺せるかもしれない。
しかし、その視線を子供に、女の子に向けるのはいかがなものか……。
一応、助けてあげた気がするんだけど、気のせいだったかな?
まあ、貴族としての意識は素晴らしいし、そうでなくては簡単にだまされたりしちゃうからしょうがないかもだけどね。
そうわかっているからこそ、嫌悪せずに説明しようと思えるわけだし。
「4日ほど前に知り合いまして、共にここまで参りました。サト様とは友人関係でございます。」
少し鋭さは失われたが、信じてもらえていないご様子。
はぁ、サト様、自分でお父様に説明して頂けませんかね?
ライアン君にサト様を連れてくるように頼む。
……早く来て!なんか気まずい!!
ライアン君がサト様と一緒に戻ってきた。
「父上っ!」
「サラトレア、心配をかけた。」
さっきまでの鋭い雰囲気は、サト様の登場によって発散された。
今は感動の親子の再会の、温かくほほえましい空気に一変している。
結局は、サト様のことが大好きな一人のお父様なのである。
「エレナさん、ライアン、本当にありがとう。二人のおかげでまた父上に会うことができた。」
「よかったです、サト様――――サラトレア様。」
本当に良かった。
この光景を見て改めて思う。
あそこでサラトレア様の言うように、スピードを上げずに待っていたら、こうはならなかっただろう。
「サラトレアじゃなくていい。僕は、友人にはサトと呼んでもらいたい。」
愛称、略称は、限られた者、例えば親しい友人や家族のみが呼ぶものだ。
サラトレア様にとって、私たちは友人として認めてもらえていたらしかった。
それは、非常にうれしいこと。
この短期間に、友達が二人もできるなんて、私にとっては幸せとしか言えないことだ。
「ありがとうございます。サト様。友人と認めて頂けたこと、とてもうれしく思います。」
「あれ、エレナさんの中で、僕はまだ友人じゃなかったのかい?」
おどけたように言われて、思わずほほが緩む。
「そんなことはございませんわ!サト様にそういっていただけたことがうれしいのです。」
「そっか、それはよかった。」
「サト、父さんに今までのこと、説明してくれないか?おれらからよりも聞きやすいだろ?」
「ああ、そうだね。」
この状況で態度を変えないライアン君は、ある意味大物だけど、サト様のお父様がこわくないのかね?
誰のものともわからぬ疲労と安堵のまじりあった息が吐き出される。
それを境に、皆が動き出す。
生きのこった護衛は、自分のけがよりも先に、サト様のお父様であろう人の無事を確認する。
護衛の鏡だ。
「そなたたち、礼を言う。して、何者なのだ?あれを単独討伐などきいたことがない。」
サト様のお父様が、こちらに鋭い目を向けた。
私たちも警戒すべき対象のようだ。
まあ、それは分からなくもない。
身分が高い人のようだし、身元の分からない人はすべて警戒するべきとしているのだろう。
わたしたちは子供だが、目の前で自分の護衛でも倒せなかった魔物を倒してしまっている。その力が自分に向けられれば、まともに戦える護衛がいない今、死は確実だ。
敵対する意思のないことをしっかり示すべきだろう。
「はじめまして。エレナ、と申します。サト様のお父様でいらっしゃいますか?」
「ほう、息子と知り合いか?」
視線がより鋭くなる。
視線だけで人が殺せるかもしれない。
しかし、その視線を子供に、女の子に向けるのはいかがなものか……。
一応、助けてあげた気がするんだけど、気のせいだったかな?
まあ、貴族としての意識は素晴らしいし、そうでなくては簡単にだまされたりしちゃうからしょうがないかもだけどね。
そうわかっているからこそ、嫌悪せずに説明しようと思えるわけだし。
「4日ほど前に知り合いまして、共にここまで参りました。サト様とは友人関係でございます。」
少し鋭さは失われたが、信じてもらえていないご様子。
はぁ、サト様、自分でお父様に説明して頂けませんかね?
ライアン君にサト様を連れてくるように頼む。
……早く来て!なんか気まずい!!
ライアン君がサト様と一緒に戻ってきた。
「父上っ!」
「サラトレア、心配をかけた。」
さっきまでの鋭い雰囲気は、サト様の登場によって発散された。
今は感動の親子の再会の、温かくほほえましい空気に一変している。
結局は、サト様のことが大好きな一人のお父様なのである。
「エレナさん、ライアン、本当にありがとう。二人のおかげでまた父上に会うことができた。」
「よかったです、サト様――――サラトレア様。」
本当に良かった。
この光景を見て改めて思う。
あそこでサラトレア様の言うように、スピードを上げずに待っていたら、こうはならなかっただろう。
「サラトレアじゃなくていい。僕は、友人にはサトと呼んでもらいたい。」
愛称、略称は、限られた者、例えば親しい友人や家族のみが呼ぶものだ。
サラトレア様にとって、私たちは友人として認めてもらえていたらしかった。
それは、非常にうれしいこと。
この短期間に、友達が二人もできるなんて、私にとっては幸せとしか言えないことだ。
「ありがとうございます。サト様。友人と認めて頂けたこと、とてもうれしく思います。」
「あれ、エレナさんの中で、僕はまだ友人じゃなかったのかい?」
おどけたように言われて、思わずほほが緩む。
「そんなことはございませんわ!サト様にそういっていただけたことがうれしいのです。」
「そっか、それはよかった。」
「サト、父さんに今までのこと、説明してくれないか?おれらからよりも聞きやすいだろ?」
「ああ、そうだね。」
この状況で態度を変えないライアン君は、ある意味大物だけど、サト様のお父様がこわくないのかね?
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