44 / 177
三章
25.新しいお友達
しおりを挟む
「国のために尽くす姿勢に惹かれ、公私ともに支えたいと思っております。けれど支える方法は何も妃になるだけとは限りませんものね。彼が新たな道へ進むための背中を押すのもまた一つの愛かもしれません。私、王子のために身を引くことにしますわ。一人の淑女として、ヘカトール家の令嬢として恥じぬ姿で祝福してみせます。また心が折れて闇に沈みそうになったら……いえ、これからも私と友人としてお話してくださいますか?」
やはり彼女は強い人だ。ぐらぐらと揺れ続けたイーディスとは精神レベルからして格が違う。心を決めたローザにイーディスは強く惹かれた。
気高く強い彼女に悪役は似合わない。彼女を深い闇底に引きづり込む手があるのならば何度でも阻止しよう。婚約者に捨てられるだけがモブの役目ではないのだから。
「もちろんです!」
グッと拳を固めれば、彼女はようやく心の底から笑ってくれた。そして恥ずかしそうに赤らめた頬を抑えながらぽつりと溢す。
「実は私、ずっとイーディス様がマリア様達と本のお話をしている姿を羨ましいと思っていましたの」
「ローザ様も本がお好きなんですか?」
「イーディス様は『オデットの騎士』というロマンス小説をご存じですか?」
「もちろんです。ロマンス小説界の傑作とも名高い騎士シリーズの二作品目ですよね」
イーディスもマリアも一時期、騎士ヒーローものにどハマりしており、その時に二人揃って既刊は全て読破している。騎士シリーズと呼ばれるだけあってヒーローは全員騎士なのだが、性格や身分・立場、ヒロインや世界観が作品ごとに異なり、同じシリーズでも全く違う恋愛を見せてくれる。ロマンス小説好きなら必ず一回は通る道である。
ちなみにイーディスのお気に入りはスピンオフとして三冊連続刊行出された女騎士シリーズである。こちらは恋愛小説は一冊だけで残りの二冊はヒューマンドラマなのだが、三冊目の姫を守る女騎士にイーディスは目を腫れさせたものだ。
騎士シリーズには作品ごとにキーアイテムが存在し、イーディスのお気に入り作品では白い羽根が、マリアのお気に入り作品には桃色の貝殻が、そしてローザが挙げた作品には緑のリボンが登場する。それに合わせてマリアへの手紙にはそれらをよく同封していたものだ。
「ええ! 一作目の『リーディスの騎士』のような正統派も好きなのですが、私はこちらの少し不器用なヒーローに心奪われまして、そこから徐々にハマっていって……今では毎月王都の本屋からロマンス小説の新刊リストを送ってもらっていますわ」
「『ベカテの蝋印』はお好きですか?」
「ええ。魔法道具の出てくる物語は一時期読みあさっておりまして『レディアの魔法道具店』とかも好きです」
ここまで本の趣味が合うなんて! 同志との出逢いにイーディスの心は踊る。今すぐにでもこの場所にマリアを呼んで三人でお茶会を開きたい気分だ。先ほどまでの暗い空気を吹き飛ばし、彼女の手を取った。
「ローザ様さえよろしければ、一限目が始まる前の時間に図書館で読書会のようなものをしているので今度是非遊びにいらしてください」
「まぁ素敵! マリア様とキース様とお話してみたいと思っておりましたの」
「バッカス様もいらっしゃいますよ!」
「バッカス様ってバッカス=レクス様?」
「ええ、そのバッカス様です。彼とは授業はほとんど被っていないのですが、入学式の翌日に図書館で出逢いまして、毎日朝の読書時間は一緒に過ごしているんです」
「毎日? こんな言い方すると失礼ですけれど、あまり読書家には見えなかったので少し意外ですわ」
「彼の知識量とジャンルの広さは凄いんですよ! この前は絵本を教えてもらったのですが、感動的なストーリーで、ついシリーズを一気読みしてしまいました」
ローザも加われば五人での読書会となる。今まで以上に濃密な半刻が待っていると思うと自然と頬が緩む。
「よろしければタイトルを教えて頂いてもよろしいですか?」
「全十四作品あって、第一作目が『ラスカと花』というタイトルです。西棟の図書館に置かれているので出来れば一冊目で止まらずに少し先まで読んで頂けると嬉しいです」
「絵本は幼少期に親戚が沢山贈ってくださったので知っている方だと思っていたのですが、初めて聞くタイトルですわ」
「私もバッカス様に教えて頂いて初めて知ったのですが、西方の国の童謡らしいですわ」
「ますます本にも読書会にも興味が沸いてきましたわ。でも急に私がお邪魔してしまってもよろしいのかしら。キース様に警戒されないかしら?」
マリアを溺愛している彼だが、バッカスともすぐ馴染んだのだ。きっとすぐにローザのことも読書仲間として受け入れてくれることだろう。だから大丈夫だと伝えたのだが、ローザの表情が晴れることはない。彼女からはよほどキースが過保護に見えているに違いない。
「でしたら私が週明けに話を通しておきます」
「お願いしてもいいかしら? キース様がマリア様とイーディス様のことを大切に思っていらっしゃる様子は遠くからお見かけするだけでも分かるから、断られたらその時は遠慮なく教えてちょうだいね。その時は諦めるから。返事は……そうね、渡り廊下近くのあの茂みの中に手紙を置いておいてくれると嬉しいわ」
「わかりました。でも手紙だけでは飛んでいってしまうかもしれませんし、オススメの本に挟んで置いておきますね」
「イーディス様のオススメの本ですって!? どんな本かしら!」
「それは週明けのお楽しみということで」
「お手紙と本のどちらも楽しみだわ」
イーディスは早速どの本がいいかと自室の本棚を思い出す。先ほどの話から推察するに、彼女の好みは正統派王子による溺愛ものよりも少し王道から逸れたストーリー、それでいて確かな愛情を秘めたヒーローが好みなのだろう。また恋愛メインではなく冒険・ファンタジー要素強めなものも読む。ならこの話はどうかと次々に案が浮かんでいく。楽しみなのはイーディスも同じだ。わくわくを膨らませたまま馬車に乗り、ヘカトール屋敷を後にするのだった。
やはり彼女は強い人だ。ぐらぐらと揺れ続けたイーディスとは精神レベルからして格が違う。心を決めたローザにイーディスは強く惹かれた。
気高く強い彼女に悪役は似合わない。彼女を深い闇底に引きづり込む手があるのならば何度でも阻止しよう。婚約者に捨てられるだけがモブの役目ではないのだから。
「もちろんです!」
グッと拳を固めれば、彼女はようやく心の底から笑ってくれた。そして恥ずかしそうに赤らめた頬を抑えながらぽつりと溢す。
「実は私、ずっとイーディス様がマリア様達と本のお話をしている姿を羨ましいと思っていましたの」
「ローザ様も本がお好きなんですか?」
「イーディス様は『オデットの騎士』というロマンス小説をご存じですか?」
「もちろんです。ロマンス小説界の傑作とも名高い騎士シリーズの二作品目ですよね」
イーディスもマリアも一時期、騎士ヒーローものにどハマりしており、その時に二人揃って既刊は全て読破している。騎士シリーズと呼ばれるだけあってヒーローは全員騎士なのだが、性格や身分・立場、ヒロインや世界観が作品ごとに異なり、同じシリーズでも全く違う恋愛を見せてくれる。ロマンス小説好きなら必ず一回は通る道である。
ちなみにイーディスのお気に入りはスピンオフとして三冊連続刊行出された女騎士シリーズである。こちらは恋愛小説は一冊だけで残りの二冊はヒューマンドラマなのだが、三冊目の姫を守る女騎士にイーディスは目を腫れさせたものだ。
騎士シリーズには作品ごとにキーアイテムが存在し、イーディスのお気に入り作品では白い羽根が、マリアのお気に入り作品には桃色の貝殻が、そしてローザが挙げた作品には緑のリボンが登場する。それに合わせてマリアへの手紙にはそれらをよく同封していたものだ。
「ええ! 一作目の『リーディスの騎士』のような正統派も好きなのですが、私はこちらの少し不器用なヒーローに心奪われまして、そこから徐々にハマっていって……今では毎月王都の本屋からロマンス小説の新刊リストを送ってもらっていますわ」
「『ベカテの蝋印』はお好きですか?」
「ええ。魔法道具の出てくる物語は一時期読みあさっておりまして『レディアの魔法道具店』とかも好きです」
ここまで本の趣味が合うなんて! 同志との出逢いにイーディスの心は踊る。今すぐにでもこの場所にマリアを呼んで三人でお茶会を開きたい気分だ。先ほどまでの暗い空気を吹き飛ばし、彼女の手を取った。
「ローザ様さえよろしければ、一限目が始まる前の時間に図書館で読書会のようなものをしているので今度是非遊びにいらしてください」
「まぁ素敵! マリア様とキース様とお話してみたいと思っておりましたの」
「バッカス様もいらっしゃいますよ!」
「バッカス様ってバッカス=レクス様?」
「ええ、そのバッカス様です。彼とは授業はほとんど被っていないのですが、入学式の翌日に図書館で出逢いまして、毎日朝の読書時間は一緒に過ごしているんです」
「毎日? こんな言い方すると失礼ですけれど、あまり読書家には見えなかったので少し意外ですわ」
「彼の知識量とジャンルの広さは凄いんですよ! この前は絵本を教えてもらったのですが、感動的なストーリーで、ついシリーズを一気読みしてしまいました」
ローザも加われば五人での読書会となる。今まで以上に濃密な半刻が待っていると思うと自然と頬が緩む。
「よろしければタイトルを教えて頂いてもよろしいですか?」
「全十四作品あって、第一作目が『ラスカと花』というタイトルです。西棟の図書館に置かれているので出来れば一冊目で止まらずに少し先まで読んで頂けると嬉しいです」
「絵本は幼少期に親戚が沢山贈ってくださったので知っている方だと思っていたのですが、初めて聞くタイトルですわ」
「私もバッカス様に教えて頂いて初めて知ったのですが、西方の国の童謡らしいですわ」
「ますます本にも読書会にも興味が沸いてきましたわ。でも急に私がお邪魔してしまってもよろしいのかしら。キース様に警戒されないかしら?」
マリアを溺愛している彼だが、バッカスともすぐ馴染んだのだ。きっとすぐにローザのことも読書仲間として受け入れてくれることだろう。だから大丈夫だと伝えたのだが、ローザの表情が晴れることはない。彼女からはよほどキースが過保護に見えているに違いない。
「でしたら私が週明けに話を通しておきます」
「お願いしてもいいかしら? キース様がマリア様とイーディス様のことを大切に思っていらっしゃる様子は遠くからお見かけするだけでも分かるから、断られたらその時は遠慮なく教えてちょうだいね。その時は諦めるから。返事は……そうね、渡り廊下近くのあの茂みの中に手紙を置いておいてくれると嬉しいわ」
「わかりました。でも手紙だけでは飛んでいってしまうかもしれませんし、オススメの本に挟んで置いておきますね」
「イーディス様のオススメの本ですって!? どんな本かしら!」
「それは週明けのお楽しみということで」
「お手紙と本のどちらも楽しみだわ」
イーディスは早速どの本がいいかと自室の本棚を思い出す。先ほどの話から推察するに、彼女の好みは正統派王子による溺愛ものよりも少し王道から逸れたストーリー、それでいて確かな愛情を秘めたヒーローが好みなのだろう。また恋愛メインではなく冒険・ファンタジー要素強めなものも読む。ならこの話はどうかと次々に案が浮かんでいく。楽しみなのはイーディスも同じだ。わくわくを膨らませたまま馬車に乗り、ヘカトール屋敷を後にするのだった。
27
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
[完結]私、物語りを改竄します。だって、女神様が全否定するんだもん
紅月
恋愛
病気で死んだけど、生まれ変わる前に号泣する女神様に会った。
何やらゲームのパッケージを見て泣きながら怒っている。
「こんなの私の世界で起こるなんて認めない」
あらすじを読んでいた私に向かって女神様は激おこです。
乙女ゲームはやった事ないけど、この悪役令嬢って書かれている女の子に対してのシナリオ、悲惨だ。
どのストーリーを辿っても処刑一択。
ならば私がこの子になってゲームのシナリオ、改ざんすると女神様に言うと号泣していた女神様が全属性の魔力と女神様の加護をくれる、と商談成立。
私は悪役令嬢、アデリーン・アドラー公爵令嬢としてサレイス王国で新しい家族と共に暮らす事になった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる