西遊記・亜

Destroy ～運命（さだめ）は突然に☆～

わたし、周　凛明。14歳！いたってどこにでもいる普通の女の子☆ 

突然だけど、わたし、今走っているの！ 

ちょっと突然、隣村まで行かなきゃいけない用事ができちゃって、急がないと！ 

そこの曲がり角を曲がればすぐに・・・・・キャアッ！！ 

ドンッ 

凛明「・・・いたた」 

？「おっと大丈夫かい？お嬢さん」 

凛明「あっごめんなさい、お兄さん？」 

？「八戒だよ。君の名前は？怪我はない？」 

凛明「八戒さん。大丈夫よ。・・・わたし、凛明っていうの」 

八戒「可愛い名前だね」 

凛明「ふふ。ありがとう！で、」 

八戒「・・・？どうしたのかな」 

凛明「ーーー」 

5分経過 

八戒「・・・？？どうしたのかな。君、こわいの？ふるえてるよ、手が」 

凛明「あのね、わたし、そろそろ嫁がなきゃいけない年で、今まで一人もカレシなんてできたことないの！」 

八戒「な、何・・！？」 

ガシッ 

八戒「？？？！」 

凛明「でもこれで決まったわ！あなたを家に連れていく！」 

八戒「え、ちょ、ととと待った待った！！」 

凛明「待たないわ！これは運命だもの！」

 八戒「逆プロポーズ！！！う、運命なんてッ！そんな強引な！・・・でもこれは千載一遇のチャンス！？今までさんざん女の後ばかり追いまわしてたがとうとうオレにも春がきたのか待て待て落ち着け落ち着くんだ八戒！！」

 八戒「こんなうまいシチュエーションが無料 (タダ）で起こるわけない、きっとなにか罠があるんだ！そうだなあ、少女とめでたく結ばれた一人の男　不遇が報われ、家も手に入れ、村で順風満帆な生活を送る　しかしその村には奇妙な風習があって！？ ある日何者かに襲われ目覚めるとそこは村の神社。実は村人が儀式として男を生贄にすることを選んだのだった　　そう、オレは選ばれたのだ！ この村に起こる災厄を鎮めるための犠牲として！！！」 

八戒「ってきいてる！？あのさ、離してくれないかなぁ！ちょ、っと　この右手？・・強いね？！こ、これはおかしい。少女でもイノシシじゃない限り　こんな馬鹿力あるはずないッ・・・！やっぱりそうだ、オレは決してあんたらのおお、思う通りにならないぞ！は！離して！」 

凛明？「ダァーメ♡」 



ドロン　（変化ーへんげ） 



悟空「・・・ハハハハハッ！よう、八戒！やっと捕まえたぞ！！」 

悟空「といいたいところだが」 

悟空「・・・どうかしてるぜ、おまえさん。　ただ引っ張ってっただけなのにどーしてそんな物語ができるんだ？？」

 八戒「・・・・・」

 悟空「おっと、オドロきすぎて言葉も出ねぇか？あーーんな可憐な少女がぁ、こぉーーーーんな屈強な漢になるとは！！！」 

八戒「詐欺だ！！・・・・こんなの、詐欺だ・・・ッ！・・・・あんた誰だ！？」 

悟空「おいおい泣くなよ情けねぇなあ。あ？・・・・そうかそうか、覚えてねぇのか？男の方は断然記憶力が悪いらしいな」 

悟空「ほーーら、みてみぃ？俺だよ、お・れ☆あんたが前に女と間違えてたぶらかしてった僧のお供のひとり、孫　悟空！」 

八戒「・・・・・・・・・・・・・な」 

悟空「おっと逃げようったって無駄だぜ！「幻術使い」」 

八戒「！？ナゼ知っている！！」 

悟空「俺、神通力もってるから！」 

八戒「・・・ち、ちくしょう・・・！！あんた、目的はオレだな？ああ～女に騙されなきゃよかった！もうプライドがメッタメタだ！　このマグワで！！　　ぶちのめしてやるッ！！！」

 ブンッ！ 

悟空「わはははは！そんなんで俺に勝てるかなーーー！・・・！？」 

八戒「騙されたな！いくら分身を使ってもこのマグワでーーー」 

八戒「起こした砂塵が、目に入るなんて思っちゃいないだろうが！」 

悟空「バーカ♪」 

八戒「！？」

 バタン 

八戒「こ、これは・・・毒？」

 悟空「安心しな、すぐ抜いてやる」 

八戒「ど、どうして」 

悟空「視界が悪いのはお互い様だろ？わざとそうさせたんだ。俺本体は影に隠れて好機を狙ってたわけ」 

八戒「まさか」 

悟空「お前が武器を振り回す直前に俺は「スズメバチ」に変化した」

 悟空「分身たちが消えるころを見計らってブスリ、だ　　しかし計略の達人ともあろうものがこんな手順に引っかかるなんてらしくないぜ」 

八戒「・・・・・ああ、きっと。　　うれしかったんだ、初めて純粋に俺を好いてくれた女がいてーーー」 

悟空「ーーーーーーそうか。・・・よし、これで毒は治った。ついてこい」 

八戒「？」 

悟空「師匠が待ってる」