西遊記・亜

宵闇 歩

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旅路

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八戒「無名すぎるんだよ」

 八戒「ねえ、このままじゃ今日も食事はナシってこと?いやだなぁ」 

悟浄「仕方ないさ、二日や三日くらい我慢しろよ」 

三蔵「やはりただの「僧」では難しいですか 経を読み上げる「だけ」の僧では・・・」 

悟空「天竺へ行くありがてぇお坊さんなんだろ?おい八戒、托鉢くらいお前の弁でなんとかしてやれ」

八戒「っていってもなぁ、民衆、こっちには関心も向けてくれないじゃないか そりゃそうだ、和尚も目立たないのが悪い」 

八戒「ハッキリ「私は三蔵法師だ」っていえば誰だってすっ飛んでくるに決まってるのに」 

悟空「ああそれはそれはわんさか湧いてくるだろうな、身代金金品目的のやつらが ここは治安が悪いし。 まあ強い奴なら喜んで相手してやるよw」 

八戒「・・・一国の国が守ってるんだろ?敢えて来るやつなんていないよ」

 悟空「よく言うわ妖怪山賊怪人どもに襲われまくってるくせに」 

三蔵「偉くありたいとは思いません、争いも起こしたくありません。」

 悟空「その坊さんがこう言ってんだ。仕方ない仕方ない」 

八戒「普段は反抗ばっかしてるくせに」 

悟空「でも「ボロキレをまとった可哀そうな坊さん一行」って見られるのもな。」 

悟浄「そもそも「坊さん」だってバレないように変装させたうえにもじゃもじゃのカツラをかぶせたのは誰でしたっけ?」 

悟空「・・・まあ次までの辛抱だよ、辛抱」 

八戒「あんたにだけは言われたくないね」 

悟空「っせ!」 

悟空「・・・おいカッパぁ、カッパなら川で魚でも取って来れねぇの?」 

悟浄「テメエ、お前もサルならサルらしく木の実でも拾ってきたらどうだ?」 

悟空「お?!やるか?!」

 三蔵「やめなさい。腹が減りますよ」
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