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予兆
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悟空「ああ~~~やっ!と・・・!町に着いたぁ!!」
八戒「誰かさんのおかげでお日さまが何周したかな」
悟空「うるせぇ 俺だってたまには方向間違えんの!」
三蔵「無事が何よりですよ 」
悟浄「じゃあ俺、宿とってきますね」
八戒「食いモンの上手いとこにしてくれよ」
悟浄「・・・そんならお前もついて来いよ」
八戒「ああもう仕方ないな 俺は他んとこの飯屋も回りたいんだよ さっさとしよう」
悟空「どうする?」
三蔵「そうですね、悟浄たちが宿を探しに行ってくれている間に勝手にいなくなるのもあれですし、少し待ちましょう」
悟空「・・・しょうがねぇな」
三蔵「・・・久しぶりですね、二人になるのは。最初のころを思い出します」
三蔵「ーー私は「旅」というものに慣れていなかった、妖怪なんてなおさらでした」
悟空「ああ、覚えてるぞ!たかが妖怪一匹に情けない悲鳴をあげて」
三蔵「い、今は違います」
悟空「馬も興奮して逃げ出すわ、ふり落とされて気の毒な師匠を背中に縛り付けて戦った時もあったよな(笑)」
三蔵「ええ吐きました」
悟空「ほんとよかった口が後ろ向いてて」
三蔵「本当失礼」
三蔵「こうやって仲間もできて、危険と隣り合わせのはずなのに」
三蔵「日常とは程遠いこの「日常」が、奇異 (おか)しなくらい「生きている」、という感じがして不思議です」
悟空「そりゃあ、ただ、思い出しただけだろ」
三蔵「?」
悟空「「生きる」ってことを」
三蔵「生きる・・・ あなたはどうです?」
悟空「別に。俺は強くなりたいだけだ。まだまだ足りねぇよ。・・・切った張ったなんてそれこそ前の方が凄かったけどよ それこそ相手が「天」だったから」
三蔵「「天」・・・!!!」
悟空「でも」
悟空「500年、閉じ込められて・・・それに比べりゃこの旅が一瞬で終わっちまう気がするのは惜しいがな」
三蔵「そうですか よかったです」
悟空「何が?」
三蔵「いえ、何も。」
八戒「おーい、待たせたな!」
悟浄「この通りを真っ直ぐにいけば、突き当りに小さな宿があるんです。昔からやっているようですから、何か周辺のことも聞けるだろうと思って。しかし」
三蔵「どうしたのですか」
八戒「悟浄も余計なことしちゃって」
三蔵「何です?」
八戒「この町はいわくつきだって店主に吐かせたんだよ。夜に人狼が出るって せっかく見つけた町だっていうのに」
三蔵「人狼・・・!」
悟浄「このさきは砂漠でここが最終の宿になるかもしれない。どうします?」
悟空「妖気がねぇのは昼だからか。お師匠さん、今からだったら買い込みに行って野宿で済みますよ。」
三蔵「被害は出ていないのですか」
悟浄「それが最近になって少しづつ増えてきたようで、まだ民衆の大半はそれを知らない。気づいたものは少しずつ、この町を出る準備をしているそうです。ただ、その被害もどうやって襲われたかというと」
悟浄「情報が不確かなんです。ただ、確実に遺体は発見されている、と。だが・・・」
悟空「なんなんだ?早く言え」
八戒「頼まれてしまったんだ。その宿の子供に。「まだ行方不明になってる友達を見つけて」って。オレが。」
八戒「すまん。うっかり得物を落としてしまった。」
悟浄「八戒が主人、俺が従者と思われたようだ。解せん。」
悟空「ハァーーーーーッ!めんどくせえ・・・っ」
三蔵「・・・・・」
悟空「・・・どうします?」
悟浄「申し訳ない、付き合ってくれませんか?師匠は宿に、悟空といてくれるだけでいいです。俺たちの問題ですから。」
三蔵「「私たち」ですよ。」
八戒「師匠」
三蔵「引き受けましょう。」
悟浄「・・・ありがとうございます!」
悟空「はぁ、じゃ早速行くか。宿はどこだ?」
悟浄「町が思ったより広くてな、ここから先9キロにあるーーー」
三蔵・悟空「「遠いっ・・・!
えぇーーー!」」
八戒「誰かさんのおかげでお日さまが何周したかな」
悟空「うるせぇ 俺だってたまには方向間違えんの!」
三蔵「無事が何よりですよ 」
悟浄「じゃあ俺、宿とってきますね」
八戒「食いモンの上手いとこにしてくれよ」
悟浄「・・・そんならお前もついて来いよ」
八戒「ああもう仕方ないな 俺は他んとこの飯屋も回りたいんだよ さっさとしよう」
悟空「どうする?」
三蔵「そうですね、悟浄たちが宿を探しに行ってくれている間に勝手にいなくなるのもあれですし、少し待ちましょう」
悟空「・・・しょうがねぇな」
三蔵「・・・久しぶりですね、二人になるのは。最初のころを思い出します」
三蔵「ーー私は「旅」というものに慣れていなかった、妖怪なんてなおさらでした」
悟空「ああ、覚えてるぞ!たかが妖怪一匹に情けない悲鳴をあげて」
三蔵「い、今は違います」
悟空「馬も興奮して逃げ出すわ、ふり落とされて気の毒な師匠を背中に縛り付けて戦った時もあったよな(笑)」
三蔵「ええ吐きました」
悟空「ほんとよかった口が後ろ向いてて」
三蔵「本当失礼」
三蔵「こうやって仲間もできて、危険と隣り合わせのはずなのに」
三蔵「日常とは程遠いこの「日常」が、奇異 (おか)しなくらい「生きている」、という感じがして不思議です」
悟空「そりゃあ、ただ、思い出しただけだろ」
三蔵「?」
悟空「「生きる」ってことを」
三蔵「生きる・・・ あなたはどうです?」
悟空「別に。俺は強くなりたいだけだ。まだまだ足りねぇよ。・・・切った張ったなんてそれこそ前の方が凄かったけどよ それこそ相手が「天」だったから」
三蔵「「天」・・・!!!」
悟空「でも」
悟空「500年、閉じ込められて・・・それに比べりゃこの旅が一瞬で終わっちまう気がするのは惜しいがな」
三蔵「そうですか よかったです」
悟空「何が?」
三蔵「いえ、何も。」
八戒「おーい、待たせたな!」
悟浄「この通りを真っ直ぐにいけば、突き当りに小さな宿があるんです。昔からやっているようですから、何か周辺のことも聞けるだろうと思って。しかし」
三蔵「どうしたのですか」
八戒「悟浄も余計なことしちゃって」
三蔵「何です?」
八戒「この町はいわくつきだって店主に吐かせたんだよ。夜に人狼が出るって せっかく見つけた町だっていうのに」
三蔵「人狼・・・!」
悟浄「このさきは砂漠でここが最終の宿になるかもしれない。どうします?」
悟空「妖気がねぇのは昼だからか。お師匠さん、今からだったら買い込みに行って野宿で済みますよ。」
三蔵「被害は出ていないのですか」
悟浄「それが最近になって少しづつ増えてきたようで、まだ民衆の大半はそれを知らない。気づいたものは少しずつ、この町を出る準備をしているそうです。ただ、その被害もどうやって襲われたかというと」
悟浄「情報が不確かなんです。ただ、確実に遺体は発見されている、と。だが・・・」
悟空「なんなんだ?早く言え」
八戒「頼まれてしまったんだ。その宿の子供に。「まだ行方不明になってる友達を見つけて」って。オレが。」
八戒「すまん。うっかり得物を落としてしまった。」
悟浄「八戒が主人、俺が従者と思われたようだ。解せん。」
悟空「ハァーーーーーッ!めんどくせえ・・・っ」
三蔵「・・・・・」
悟空「・・・どうします?」
悟浄「申し訳ない、付き合ってくれませんか?師匠は宿に、悟空といてくれるだけでいいです。俺たちの問題ですから。」
三蔵「「私たち」ですよ。」
八戒「師匠」
三蔵「引き受けましょう。」
悟浄「・・・ありがとうございます!」
悟空「はぁ、じゃ早速行くか。宿はどこだ?」
悟浄「町が思ったより広くてな、ここから先9キロにあるーーー」
三蔵・悟空「「遠いっ・・・!
えぇーーー!」」
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