62 / 186
チュート殿下 45 俺は悪い子だから……小一時間、情報収集の時間です!
しおりを挟む
「ぐふふふふ……」
ちょっと黒い笑みを浮かべていたら、近くにいたリフルがそれを見て引いていた。
ずっと続けている太極拳モドキも、2年以上続けていれば結構型にはまっていると思うんだけど、リフル曰く、今だにフラフラダンス、なぜ?
運動をして体が疲れてきたのも本当のことだけど、このまま昼寝をするからねと言って、寝室に引っ込んでも、きっとリフルは怪しんで見張るんだろうなぁ。
抜け出すことは簡単だけど、その責任をリフルたちに負わすことは絶対に避けなければいけないことなので、ひと工夫が必要。
そう絶対見つからないようにする魔法です。
これを使う時に必要な絶対条件は、マーシュがこの離宮に居ないこと。
離宮の結界を抜け出すときに、近くにマーシュが居たら絶対にばれることはわかっている。
近くに居なくてもばれているかもしれないけど、現行犯で捕まらなければいくらでもとぼけられるからね。
リフルには気付かれない実体化でキールはずっと俺の近くに居て、俺の考えがわかっているからか、少しあきれた様子でそれでも俺の意見は尊重してくれているのがうれしい限りだ。
気配察知など基本的な魔法は尽くキールの方が上手だから、お任せする気満々。
マーシュは、精霊契約が終わってから想像どおり、何かと王城の中心部に呼ばれているみたいだけど、なんだかんだ用事を作って、中央には行ってないみたい。だから、この離宮に居ないことが多いようだ。
とりあえず、昼食を食べ終わってからどうするか考えよう。
10歳になったので、お昼寝タイムは流石に使えません!
午後からは一応座学です。この国の歴史とか習ってます。そのほかの勉強は、小学生程度なので、大丈夫です。
貴族のマナーなんかについては、マーシュに教えてもらっています。基本的に言われたことは忘れないので、キールもいるし、肉体的な所作は反復する必要があるけど、知識系に関してはチートしてるから,反則⁉
異母兄が光属性の精霊と契約ができたことを聞いてから、マーシュの俺に対する教育熱が高まった。
それまでは、その年齢の子供と大差がない教育だったと思う。
マーシュは、一切俺に伝えていなかったが、異母兄の方に王様本人が教育係を派遣したことは知っている。
一方俺には何もないことも知っている。
今までも時々、「陛下からです」とか「王妃様。お母さまからですよ」とプレゼントをもらったことがあったが、それらすべてマーシュの手配の元届けられたってことも知っている。
須らく、俺にまったく関心がないことも……。
わざと、マーシュが俺と向こうとまったく接触させないのも……。
見ることも会ったこともない子供に、いくら血がつながっていると言っても関心持てないかもね。見ていたころがお人形さんのころの俺であったし、なおさらね。
陛下にしてみれば、もう一人自分の息子がいるわけだし、こっちが全く接触できないならば、率直にそっちをかわいがるよね。
きっともう自分の子供を持つことができないから、子供はその一人しかいないわけで。第一関門の王族かどうかの選別に合格したのだし、思いとどまることなく可愛がれると思っているのだろう。
結局どのように、両親からネグレクトされていようとも、可哀想に見えようとも、俺が『僕』ではない今、何にも何とも感じない。
「命だけ取らないで」
逢えたら、言いたいこと、俺の希望はこれだけです。
王様。王妃様。
自主学習中はリフルも俺から離れて他の仕事をする。一応俺が見て取れるところで、書類仕事などしながら、時々こちらに意識が向いていることがわかる。
俺は悪い子だから、近くにリフル以外誰もいないのを確認して、俺がこの場に居て勉強をしているように幻覚を見せる。
一人だけだとこの程度の魔法で誤魔化して離宮を脱出できる。
小一時間、情報収集の時間です。
ちょっと黒い笑みを浮かべていたら、近くにいたリフルがそれを見て引いていた。
ずっと続けている太極拳モドキも、2年以上続けていれば結構型にはまっていると思うんだけど、リフル曰く、今だにフラフラダンス、なぜ?
運動をして体が疲れてきたのも本当のことだけど、このまま昼寝をするからねと言って、寝室に引っ込んでも、きっとリフルは怪しんで見張るんだろうなぁ。
抜け出すことは簡単だけど、その責任をリフルたちに負わすことは絶対に避けなければいけないことなので、ひと工夫が必要。
そう絶対見つからないようにする魔法です。
これを使う時に必要な絶対条件は、マーシュがこの離宮に居ないこと。
離宮の結界を抜け出すときに、近くにマーシュが居たら絶対にばれることはわかっている。
近くに居なくてもばれているかもしれないけど、現行犯で捕まらなければいくらでもとぼけられるからね。
リフルには気付かれない実体化でキールはずっと俺の近くに居て、俺の考えがわかっているからか、少しあきれた様子でそれでも俺の意見は尊重してくれているのがうれしい限りだ。
気配察知など基本的な魔法は尽くキールの方が上手だから、お任せする気満々。
マーシュは、精霊契約が終わってから想像どおり、何かと王城の中心部に呼ばれているみたいだけど、なんだかんだ用事を作って、中央には行ってないみたい。だから、この離宮に居ないことが多いようだ。
とりあえず、昼食を食べ終わってからどうするか考えよう。
10歳になったので、お昼寝タイムは流石に使えません!
午後からは一応座学です。この国の歴史とか習ってます。そのほかの勉強は、小学生程度なので、大丈夫です。
貴族のマナーなんかについては、マーシュに教えてもらっています。基本的に言われたことは忘れないので、キールもいるし、肉体的な所作は反復する必要があるけど、知識系に関してはチートしてるから,反則⁉
異母兄が光属性の精霊と契約ができたことを聞いてから、マーシュの俺に対する教育熱が高まった。
それまでは、その年齢の子供と大差がない教育だったと思う。
マーシュは、一切俺に伝えていなかったが、異母兄の方に王様本人が教育係を派遣したことは知っている。
一方俺には何もないことも知っている。
今までも時々、「陛下からです」とか「王妃様。お母さまからですよ」とプレゼントをもらったことがあったが、それらすべてマーシュの手配の元届けられたってことも知っている。
須らく、俺にまったく関心がないことも……。
わざと、マーシュが俺と向こうとまったく接触させないのも……。
見ることも会ったこともない子供に、いくら血がつながっていると言っても関心持てないかもね。見ていたころがお人形さんのころの俺であったし、なおさらね。
陛下にしてみれば、もう一人自分の息子がいるわけだし、こっちが全く接触できないならば、率直にそっちをかわいがるよね。
きっともう自分の子供を持つことができないから、子供はその一人しかいないわけで。第一関門の王族かどうかの選別に合格したのだし、思いとどまることなく可愛がれると思っているのだろう。
結局どのように、両親からネグレクトされていようとも、可哀想に見えようとも、俺が『僕』ではない今、何にも何とも感じない。
「命だけ取らないで」
逢えたら、言いたいこと、俺の希望はこれだけです。
王様。王妃様。
自主学習中はリフルも俺から離れて他の仕事をする。一応俺が見て取れるところで、書類仕事などしながら、時々こちらに意識が向いていることがわかる。
俺は悪い子だから、近くにリフル以外誰もいないのを確認して、俺がこの場に居て勉強をしているように幻覚を見せる。
一人だけだとこの程度の魔法で誤魔化して離宮を脱出できる。
小一時間、情報収集の時間です。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1,700
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる