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チュート殿下 46 ワープ!憧れの魔法だよね
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同じ王城内にあるけれども、俺の居る離宮とは一番離れたところにある学校。
何となく行くことはあっても、情報収集のために行ったことは無かったかな。誰かを意識していくことがなかったから……。
一番遠いと言っても、王城内なので、このくらいの距離の瞬間移動はできたりする。
ワープ!憧れの魔法だよね。
座標の計算がどうとかは、俺にはよくわからないけど、こういうのキールが得意だし、一度行ったことがある場所は、計算しなくてもできるから、今回は短いし感覚だけで、跳ぶ。
跳ぶ場所は、キールに任せた。日中だから、特に気が付かれないような場所を選んで、気配察知も忘れずに!
『キールここは?』
『特別教室のある棟の裏庭。ここには日中誰もいないから』
国の貴族たちが通う学園だけど、外部の人の目が絶対届かないような場所は、さすがに手入れされていることがなく、雑草が生い茂っている感じだ。
元々は,東屋も作られるような洒落た場所であったみたいだが、すぐ裏に城の高い壁がそびえていることもあり、あまり日も当たらず、放置気味になっているようだ。
虫も居そう……はやくここから脱出しよう……。
精霊契約が終わると、魔法が使えるようになるわけだが、魔法が使える者には個々の魔力に差があって、それは指紋のように個人を特定でき、魔力指紋と呼ばれることもあるらしい。
その魔力指紋だが、鑑定の魔導具を使って調べることが一般的らしいが、俺もそうだがキールは鑑定に関してはこの世界に右に出るものはいないと思われる使い手だ、何と言ってもそのスキルが化けた化け物だから……。
なんか寒気が……。
とにかく、キールは道具を使わなくても魔力指紋は見えるし、一度見たことのある人の魔力の波動を全て覚えている。
索敵魔法と鑑定魔法を掛け合わせて、知っている人、今回調べたい人の魔力の波動を全てサーチする。
キールの見ているものと俺の視力を同調させて、同じ景色を見られるようにする。
目的の人物を赤い光点にして、2Dのこの学校の地図にその場を表す。
平面的な位置がわかると、視線を校舎のある位置に向け、地図を3Dに表示しなおし、目の前の景色と重ねあわせる。
視覚は目の前の特別教室棟をすり抜けて、二棟先の普通教室棟二階にその赤い光があることを認識する。
俺は自身に、隠蔽と認識阻害の魔法がかかっていることを確かめてから、取り敢えず普通教室棟の屋上に小ワープする。
屋上は、角度のきつい切妻屋根なので、上に立っている者などいない。ほとんど山の尾根のように幅のないその場所に見えない足場を作って立つ。
3D地図の中、足場の下の建物の中に赤い光点が動かないで点滅しているのが見える。
その近くにも、青や緑など色が違うがいくつもの点滅を見ることができた。
『それぞれに名前を付けるか?』
と聞いてきたが、まだ本気で異母兄の近くにいる人物の知識を覚える気がないので、今はまだいいと答えておく。
同じ教室にいる人物は、俺とは入れ違いになる人だろうし、本当に必要になった時に彼の近くにいるならば、その時に覚えればいいだろう。
関係性の整理や、その人物評価については丸投げだといわれようともキールやマーシュに任せるのだ。
このまま、居る位置だけ見ても情報収集にはならないので、さてこれからどうしようか……。
取り敢えず、校舎の中に潜入するか。
透明マントでも被った気分で校舎の中へ。屋根の上から、誰もいない教室にジャンプ。
しばらくすると、授業が終わったのか教室から出てくる生徒の数が増えてくる。次は教室を移動するのか。赤い光と共に色々な五つの点が、階段を下っていくのがわかった。
さりげなく周りの音声も拾っておく。
「あいつら、いつまで側近気取りなんだ?」
「さぁ……ここまで来たら引くに引けないんだろう」
「そこまで言ってやるなよ、あいつらだって親に言われて仕方なくってところもあるだろうし……」
「初めはそうだったかもしれないが……今じゃどう見ても虎の威を借る狐達だぜ」
「そうそう。その虎が張りぼての虎だったって、笑い話にもならない」
「……本当なのか……その……本物の王子様が……」
「僕の弟が、今年10歳になったんだ、だから同じ儀式に参加した」
「では……」
「僕の両親が……弟を迎えに行った時に、見たって……」
「見た?」
「そう……金髪」
「金髪⁉」
「伯爵王子とは雲泥の差の金髪!」
「王族の証の?」
「輝きが全然!今まで見たことないくらいって興奮して話してたな」
「見たことないって?陛下よりもってこと?」
「シーっ……そこは……もう次の授業。行くぞ」
ここでそこにいた先輩方?の話は終わり。自分たちの教室に入っていったのだった。
何となく行くことはあっても、情報収集のために行ったことは無かったかな。誰かを意識していくことがなかったから……。
一番遠いと言っても、王城内なので、このくらいの距離の瞬間移動はできたりする。
ワープ!憧れの魔法だよね。
座標の計算がどうとかは、俺にはよくわからないけど、こういうのキールが得意だし、一度行ったことがある場所は、計算しなくてもできるから、今回は短いし感覚だけで、跳ぶ。
跳ぶ場所は、キールに任せた。日中だから、特に気が付かれないような場所を選んで、気配察知も忘れずに!
『キールここは?』
『特別教室のある棟の裏庭。ここには日中誰もいないから』
国の貴族たちが通う学園だけど、外部の人の目が絶対届かないような場所は、さすがに手入れされていることがなく、雑草が生い茂っている感じだ。
元々は,東屋も作られるような洒落た場所であったみたいだが、すぐ裏に城の高い壁がそびえていることもあり、あまり日も当たらず、放置気味になっているようだ。
虫も居そう……はやくここから脱出しよう……。
精霊契約が終わると、魔法が使えるようになるわけだが、魔法が使える者には個々の魔力に差があって、それは指紋のように個人を特定でき、魔力指紋と呼ばれることもあるらしい。
その魔力指紋だが、鑑定の魔導具を使って調べることが一般的らしいが、俺もそうだがキールは鑑定に関してはこの世界に右に出るものはいないと思われる使い手だ、何と言ってもそのスキルが化けた化け物だから……。
なんか寒気が……。
とにかく、キールは道具を使わなくても魔力指紋は見えるし、一度見たことのある人の魔力の波動を全て覚えている。
索敵魔法と鑑定魔法を掛け合わせて、知っている人、今回調べたい人の魔力の波動を全てサーチする。
キールの見ているものと俺の視力を同調させて、同じ景色を見られるようにする。
目的の人物を赤い光点にして、2Dのこの学校の地図にその場を表す。
平面的な位置がわかると、視線を校舎のある位置に向け、地図を3Dに表示しなおし、目の前の景色と重ねあわせる。
視覚は目の前の特別教室棟をすり抜けて、二棟先の普通教室棟二階にその赤い光があることを認識する。
俺は自身に、隠蔽と認識阻害の魔法がかかっていることを確かめてから、取り敢えず普通教室棟の屋上に小ワープする。
屋上は、角度のきつい切妻屋根なので、上に立っている者などいない。ほとんど山の尾根のように幅のないその場所に見えない足場を作って立つ。
3D地図の中、足場の下の建物の中に赤い光点が動かないで点滅しているのが見える。
その近くにも、青や緑など色が違うがいくつもの点滅を見ることができた。
『それぞれに名前を付けるか?』
と聞いてきたが、まだ本気で異母兄の近くにいる人物の知識を覚える気がないので、今はまだいいと答えておく。
同じ教室にいる人物は、俺とは入れ違いになる人だろうし、本当に必要になった時に彼の近くにいるならば、その時に覚えればいいだろう。
関係性の整理や、その人物評価については丸投げだといわれようともキールやマーシュに任せるのだ。
このまま、居る位置だけ見ても情報収集にはならないので、さてこれからどうしようか……。
取り敢えず、校舎の中に潜入するか。
透明マントでも被った気分で校舎の中へ。屋根の上から、誰もいない教室にジャンプ。
しばらくすると、授業が終わったのか教室から出てくる生徒の数が増えてくる。次は教室を移動するのか。赤い光と共に色々な五つの点が、階段を下っていくのがわかった。
さりげなく周りの音声も拾っておく。
「あいつら、いつまで側近気取りなんだ?」
「さぁ……ここまで来たら引くに引けないんだろう」
「そこまで言ってやるなよ、あいつらだって親に言われて仕方なくってところもあるだろうし……」
「初めはそうだったかもしれないが……今じゃどう見ても虎の威を借る狐達だぜ」
「そうそう。その虎が張りぼての虎だったって、笑い話にもならない」
「……本当なのか……その……本物の王子様が……」
「僕の弟が、今年10歳になったんだ、だから同じ儀式に参加した」
「では……」
「僕の両親が……弟を迎えに行った時に、見たって……」
「見た?」
「そう……金髪」
「金髪⁉」
「伯爵王子とは雲泥の差の金髪!」
「王族の証の?」
「輝きが全然!今まで見たことないくらいって興奮して話してたな」
「見たことないって?陛下よりもってこと?」
「シーっ……そこは……もう次の授業。行くぞ」
ここでそこにいた先輩方?の話は終わり。自分たちの教室に入っていったのだった。
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