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チュート殿下 60 腹心って実は……
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初級学校一日目が終わり、帰りにまた一族そろってお見送りみたいなものもあったが、とりあえず大きなトラブルもなく馬車に乗り込み離宮に帰ってきた。
帰りも朝と同じく王子様行列。この人達俺が学校にいる間何してたんだろう?
今日は仕方がないが、非常に俺が不快に思っていることをこの国の上層部に伝えてもらって、明日からは地味に移動したいものだ。
俺に対する嫌がらせだったら、無理かもしれないけれど……。
リフルは馬車で一度離宮に戻り、頃合いを見て馬車でまた学校へ来たらしい。
まぁ百聞は一見に如かず。学校に何度か潜入したけど、自分が学生だとまた雰囲気は違うものだよね。
ただ座っているだけでも疲れたみたいで、馬車の中でぐったりとしてしまった。リフルは凄く心配してオロオロしていたけど、離宮について美味しいご飯でも食べれば大丈夫さ。
結局,通学の時の大名行列は、前後に二人づつ騎馬が護衛することであきらめることにした。これは王族としては仕方がないことだってマーシュが言っていた。現在中級学校に通っている伯爵王子もおなじ数の護衛が付いているから、多くするのは簡単にできるが、少なくするのは難しいとのことだった。
授業については、入学する際に全く試験もない学校だから、個人差が大きいことも考えられるが、初めの一か月はクラスごとに纏まって、この国での学校での学びに関してのオリエンテーションみたいなものが行われる。
それぞれの属性魔法も、契約できた精霊の強さも違うから、おおざっぱな説明しか受けられないものだということだ。
「……」
俺は、しっかりはっきりボッチです!
『俺って、当て馬チュート殿下であって、ひとりボッチッチ殿下じゃないよね……』
俺の側近として金魚の糞のように付きまとい、結局俺をスパッと切り捨て、ヒロインちゃんと仲良くする、はず、の脳筋枠の騎士団長の息子のトレント・カウント・トルネードと男の娘枠のアピス・ナイト・ブリーズがこの教室の中にいる。
インテリ眼鏡枠の宰相子息クリフ・マークィス・ゲイルは1歳年上で、生徒会会長として入学式に挨拶していたな。
このゲーム双子枠は空席で、2歳上の異母兄ヴォーテックス・カウント・ウインドの4人が攻略対象として存在しているんだよ、俺が居なくなった後の……。
それと悪役令嬢枠の俺の婚約者フォスキーア・マルケーゼ・ゲイル。そう彼女は宰相の娘。一般的な悪役令嬢のようにざまぁはされない、設定だったな、たしか……。
彼女も同い年だから同じ教室に居るはずだが……。
あえて今回鑑定使ってないから、殺されそうになれば別だけど、10歳の子供にそれはできないでしょう、物理的にも精神的にも魔法的にも。
俺今もマーシュの結界にしっかり守られていますから。
『自己紹介の時ちゃんと聞いとけば良かった……』
ゲームのスチルから大きくなった時の姿を知っているから、きっとあの子?ってのはあるけどね。
ほら、俺ボッチだから、避けられているから、俺の机回りネズミ一匹居ませんからね!
無表情を保ちつつ、心の中で管を巻いていると、俺だけに見える姿になって、キールが目の前に。
俺の机に無造作に座って、面白そうな顔をして周りを見回している。
『ほんと、子供のお遊びだよな。ここに居たって全然為にならないじゃないか。ここには腹心を見つけに来たんだろ?周りに誰もよってこないぞ。どうするのだ?』
マーシュは俺に、俺自身に、心を開ける腹心を。と考えているようだが、ここはもう決まっているようなもので、心開けなくても、側近は決まっているんだよね……俺が王太子になればだけど……さっきの攻略対象者たちに。
身分的に、ここで優秀だから平民がってこともないし、男爵や子爵も同じく力不足で選べる駒は少なくて、なおかつ派閥。そんなものが存在していて、貴族派でなく王族派と呼ばれる貴族の中から選ばないといけないから、合う合わないとか好き嫌いで選べない実情があるんだよね。
選ばなくったって、大人になって仕事するときは、きっちりわきまえて仕事ができる人を選べばいいんじゃないかなって思っていたんだけど……利害関係のみで選ぶと、何かあった時に命にかかわるから、何かあった時にも利害でなく、情に基づく関係を結んでいる者を近くにに置いて時間稼ぎをするということ、らしいけど……。
なんか……怖いな……。
俺、何かあったら逃げるけどな、ワープで。だから、生贄はいらないよ……。
帰りも朝と同じく王子様行列。この人達俺が学校にいる間何してたんだろう?
今日は仕方がないが、非常に俺が不快に思っていることをこの国の上層部に伝えてもらって、明日からは地味に移動したいものだ。
俺に対する嫌がらせだったら、無理かもしれないけれど……。
リフルは馬車で一度離宮に戻り、頃合いを見て馬車でまた学校へ来たらしい。
まぁ百聞は一見に如かず。学校に何度か潜入したけど、自分が学生だとまた雰囲気は違うものだよね。
ただ座っているだけでも疲れたみたいで、馬車の中でぐったりとしてしまった。リフルは凄く心配してオロオロしていたけど、離宮について美味しいご飯でも食べれば大丈夫さ。
結局,通学の時の大名行列は、前後に二人づつ騎馬が護衛することであきらめることにした。これは王族としては仕方がないことだってマーシュが言っていた。現在中級学校に通っている伯爵王子もおなじ数の護衛が付いているから、多くするのは簡単にできるが、少なくするのは難しいとのことだった。
授業については、入学する際に全く試験もない学校だから、個人差が大きいことも考えられるが、初めの一か月はクラスごとに纏まって、この国での学校での学びに関してのオリエンテーションみたいなものが行われる。
それぞれの属性魔法も、契約できた精霊の強さも違うから、おおざっぱな説明しか受けられないものだということだ。
「……」
俺は、しっかりはっきりボッチです!
『俺って、当て馬チュート殿下であって、ひとりボッチッチ殿下じゃないよね……』
俺の側近として金魚の糞のように付きまとい、結局俺をスパッと切り捨て、ヒロインちゃんと仲良くする、はず、の脳筋枠の騎士団長の息子のトレント・カウント・トルネードと男の娘枠のアピス・ナイト・ブリーズがこの教室の中にいる。
インテリ眼鏡枠の宰相子息クリフ・マークィス・ゲイルは1歳年上で、生徒会会長として入学式に挨拶していたな。
このゲーム双子枠は空席で、2歳上の異母兄ヴォーテックス・カウント・ウインドの4人が攻略対象として存在しているんだよ、俺が居なくなった後の……。
それと悪役令嬢枠の俺の婚約者フォスキーア・マルケーゼ・ゲイル。そう彼女は宰相の娘。一般的な悪役令嬢のようにざまぁはされない、設定だったな、たしか……。
彼女も同い年だから同じ教室に居るはずだが……。
あえて今回鑑定使ってないから、殺されそうになれば別だけど、10歳の子供にそれはできないでしょう、物理的にも精神的にも魔法的にも。
俺今もマーシュの結界にしっかり守られていますから。
『自己紹介の時ちゃんと聞いとけば良かった……』
ゲームのスチルから大きくなった時の姿を知っているから、きっとあの子?ってのはあるけどね。
ほら、俺ボッチだから、避けられているから、俺の机回りネズミ一匹居ませんからね!
無表情を保ちつつ、心の中で管を巻いていると、俺だけに見える姿になって、キールが目の前に。
俺の机に無造作に座って、面白そうな顔をして周りを見回している。
『ほんと、子供のお遊びだよな。ここに居たって全然為にならないじゃないか。ここには腹心を見つけに来たんだろ?周りに誰もよってこないぞ。どうするのだ?』
マーシュは俺に、俺自身に、心を開ける腹心を。と考えているようだが、ここはもう決まっているようなもので、心開けなくても、側近は決まっているんだよね……俺が王太子になればだけど……さっきの攻略対象者たちに。
身分的に、ここで優秀だから平民がってこともないし、男爵や子爵も同じく力不足で選べる駒は少なくて、なおかつ派閥。そんなものが存在していて、貴族派でなく王族派と呼ばれる貴族の中から選ばないといけないから、合う合わないとか好き嫌いで選べない実情があるんだよね。
選ばなくったって、大人になって仕事するときは、きっちりわきまえて仕事ができる人を選べばいいんじゃないかなって思っていたんだけど……利害関係のみで選ぶと、何かあった時に命にかかわるから、何かあった時にも利害でなく、情に基づく関係を結んでいる者を近くにに置いて時間稼ぎをするということ、らしいけど……。
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俺、何かあったら逃げるけどな、ワープで。だから、生贄はいらないよ……。
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