転生したら当て馬王子でした~絶対攻略される王太子の俺は、フラグを折って幸せになりたい~

HIROTOYUKI

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チュート殿下 104 生徒総会 5

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 あぁ~……なんだかすっごく面倒くさくなって、この講堂内の人間全てを眠らせて、記憶もいじって俺の存在をこの場からすべて消し去ってやろうかと現実逃避し始めた時に、壇上で固まって話していた役員たちが、元の位置に戻り、司会担当の役員が咳払いをしてから話し始めた。

「えぇ~長らくお待たせして申し訳ない、今年度初めての総会ということで、こちらの方で少し行き違いがあったようだ、準備不足からこの総会を混乱させてしまったこと、心から役員一同詫びる。申し訳なかった。また、今回役員になる諸君達にも混乱を与えてしまったこと申し訳ない。本日のこれからの総会の議事としては、今年度の主な生徒会主催行事の説明、生徒会管轄下の各委員会の説明、そののち~……」

 司会者が何やら声を拡張して話続けているが音声もシャットアウト。

 先程俺の前に名前を呼ばれた三人、ゲーム内でのチュート殿下と関わりが深かった、この学年の成績及び身分の上位者。壇上で何もできずに中途半端に佇んでいる姿を見ると、もしかして俺が壇上に上がることをブッチしたことで、段取り道理にいかなくなったことが原因んなのかもしれないと思うと、少し・・・ばかり心が痛むが、きっとあっちには事前に話もいっていたのだろうから、何も知らない俺は悪くない!……と思いたい。

 司会者が話している後ろ、役員席のライトが当たらない暗闇で役員の中の数人が、先ほどの伝令役に使った先輩を中心に話し合っている姿が俺には見える。

 あっちも簡単な幻影魔法を使うものが居るのか、そんな魔道具があるのか、闇を少し濃くしてこちらには認識しにくくする程度のモノであるが、意識もそちらに向かわないような効果もあるようなので、それなりなのだろう。

 中央にドシリと構えている生徒会長にも、話し合いは聞こえるような細工もしてあるようで、表向きはなにも混乱がないように見える。

 そんな壇上のやり取りは無論のこと、それぞれが口から出していない心の声も拾うことができるキールってマジチート

「……アースクエイクの言っていることは本当か?本当に誰も事前に説明なり何なり、何もしていないのか?」
『何やってるんだよ?本当に漏れそうなほど怖かったんだからなぁ……なんでこんな役目やらされなければならないんだ、最上級生だぞ!』

「確か……新役員の勧誘担当は……二年の副会長が担当するはずだったよな?……そもそもヤツは今日何で欠席なんだ?」
『……なんか昨日も確かに調子悪そうに顔色良くなかったけど、もしかしたら、今日のこと……』

「確か体調がすぐれないから、本日は寮で休んでいると連絡がありましたが……」
『……そう言えば、会長と二人きりで何度も話し込んでいるところを見かけたけど……』

「寮にいるなら誰か同学年!確認してこい!大したこと無さそうなら役員棟に引っ張ってこい!」
『……今日だってヤツが居れば、こんな役目しなくて済んだんだぞ!』

「引っ張ってって……彼は侯爵子息ですよ。私はイヤです」
『……何かといえば最上級生だと言って威張る……今日だって目立ちたくて自分から言ったくせに……』

「何言ってるんだ。学園内に身分の上下は関係ないだろう!」
『そうだよ、これからは、本物の王族だって鼻で使えるはずなんだ』

「だったら、貴方ご自身で行ってくださいよ!私は御免です!」
『きっとろくでもないこと考えているんだ。本当使えない!』

「同じ役員なんだから、その所は問題ないのではないか?」
『侯爵子息を顎で使えずして、いわんや王族をやだぞ!初めが肝心なんだ、行って来いよ!』

「ですから……子爵家の私がいくら同僚の役員で在ろうとも、具合の悪いと言っている侯爵子息を、引っ張って来るなんて無理だと言っているんです!」
『だったら、お前がやれよ!同じ子爵家なんだから、言うくらいならできるだろう?最上級生なんだし!』

「……おい!話がずれているぞ。副会長に確認は必要だが今はそのことよりも、学園長はどう言っていたんだ?ご本人アースクエイクの話によれば、この学園にはいる条件として役員にはならないというのがあったとすれば、少なくとも学園長はそのことを認識していることになるだろう?我々が新役員の確認のための名簿を提出したとき、何も言われなかったとなれば、どうしてだと思う?」

「……」
『……そんなこと決まってるだろう。アースクエイクに噓をつくメリットなんてないんだから、学園長の方が忘れていたのかしらっばくれているかのどちらかだ。きっと尋ねたところで、「生徒会のことは生徒会で」とか何とかいうに決まってる』

「……」
『……どう思う?って、こちらがどのように考えても結局は、伯爵王子の手の内だろう?』

 

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