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プリュム・シャルール 4
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夢にまで見た学園の初日。
「ドキ恋」のオープニングで何度も見た開かれた正門の前に立った時から、何かがおかしいという感覚はしていたの。
だって、オープニングでは私の登場を待っていたかのように、正門が開いて、桜吹雪に祝福されるはずなのに……。
「門の正面に立てないってどういう事!」
ゲームの背景やスチルだけからではわからなかったこの学園の正門が、お城の濠に架かる橋から続く道に対して開かれるように作られていることに感動して、渡ってきた橋の端から、道の真ん中に出ようとしたら、次々に入ってくる馬車に邪魔されて、全く真ん中に行くことができないなんて……。
「わざわざ寮からこの場所まで早起きして出てきたっていうのに!」
実家が目と鼻の先にあったとしても入寮が基本のこの学園、私も「入園式の前日には必ず入寮するように」といわれたから三日前には入寮したわ。
その時も馬車でこの学園に入ることができるのは貴族の者のみ、とか言われて、いくら優秀で招かれた存在である私も、馬車でこの学園の中に入ることが出来なかった。許可証がなかったから。
仕方なく乗り合い馬車の一番近くの停車場から歩いてきたのだけれど、私のように優秀な平民出身の者はいないようで、歩いている人が誰もいなかった。
その日は正門が開いていなかったから、横の小さな通用門から学園に入らなければならなかったから、あのオープニングのスチルを見ることができなかったのよね……そもそも雨だったし……。
私の親は、招待状が送られてこなかったミスの為か、結局私一人で入園式に出る羽目になったのよね。
そんなこともあり今日は朝から少し下がっていたテンションも、学園の開いている正門を見た時に爆上げに変わったのに!
ゲームのオープニングには無かった馬車の大群の所為で、あの至高の場面を見ることができなかったのよ。
せっかく特注で作った制服も、やけに長い魔女の着るようなローブ?で隠れちゃって見せることはできないし。
こんなの着たくは無かったのに、このローブ?だけは学園から送られてきた既定のもの以外着ちゃダメだって……。
「何かと色々な加工がされている」とか。
「クラスによって使われる色が決まっているところがあるから、送られてきたもの以外では門から入ることができない」とか。
それ以外にもなんかいろいろ言われて、わからなかったし面倒くさくてさして聞いていなかったけど、とにかくこのダサいローブは着ないと学園に入れないことはもちろん、入園式に参加できないこともわかったから着てきたんだけど……。
ゲームの中のローブはこんなに長くなくて、スカートが隠れるくらいの長さだったはずなのに……。
馬車が横を通るたびに、小さな粉のような砂が舞い上がって、長くて引きずりそうな黒いローブが埃っぽくなることに我慢しながら講堂の正面玄関まで何とかたどり着いたら、既にその場所は人だらけで、私を迎えに来ているはずの生徒会役員の人たちがどこに居るかわからない。
まぁその時の役員の方々は「ドキ恋」でも、私ではなくて王太子殿下を迎えに来ているんだけど……。
兎に角入園式の朝、周りの美しい風景に目を奪われてふらふらと歩いていたヒロインが、寮から従者を連れてやってきていた殿下とぶつかってしまい……っていう、テンプレの第一の出会いがあるはずなのに!
っていうか、この場所に居るのがおじさんとおばさんばかりで、生徒が一人も見えないんですけど!
呆然と立ち尽くす私の横に、なぜかにゅうっと、大きな顔が……?ウマ⁉
「お嬢さんこんな所で何をしてるんだ?馬に轢かれちまうぞ!」
随分と高いところから声が聞こえて驚く間もなく、どこから現れたのか警備員?に玄関の隅の方まで腕を引かれて移動させられた。
「何故生徒がこのようなところに居るんだ?新入生か?既に生徒の入場は終わってこれからここにおられる保護者の方々が入場される時間だぞ」
私が体験するはずのことが一つも起こらないことに動転している間に、講堂の近くまで連れていかれ顔認証のような魔法?で、クラスを確認されて「一番後ろのクラス……席が後ろ扉からすぐのところでよかった……」という言葉と共に、おじさんとおばさんの集団列の中を突っ切り、目が回るような香水の残り香に包まれながら、薄く開けられた扉の中に押し込まれるように入れられたの。
「ドキ恋」のオープニングで何度も見た開かれた正門の前に立った時から、何かがおかしいという感覚はしていたの。
だって、オープニングでは私の登場を待っていたかのように、正門が開いて、桜吹雪に祝福されるはずなのに……。
「門の正面に立てないってどういう事!」
ゲームの背景やスチルだけからではわからなかったこの学園の正門が、お城の濠に架かる橋から続く道に対して開かれるように作られていることに感動して、渡ってきた橋の端から、道の真ん中に出ようとしたら、次々に入ってくる馬車に邪魔されて、全く真ん中に行くことができないなんて……。
「わざわざ寮からこの場所まで早起きして出てきたっていうのに!」
実家が目と鼻の先にあったとしても入寮が基本のこの学園、私も「入園式の前日には必ず入寮するように」といわれたから三日前には入寮したわ。
その時も馬車でこの学園に入ることができるのは貴族の者のみ、とか言われて、いくら優秀で招かれた存在である私も、馬車でこの学園の中に入ることが出来なかった。許可証がなかったから。
仕方なく乗り合い馬車の一番近くの停車場から歩いてきたのだけれど、私のように優秀な平民出身の者はいないようで、歩いている人が誰もいなかった。
その日は正門が開いていなかったから、横の小さな通用門から学園に入らなければならなかったから、あのオープニングのスチルを見ることができなかったのよね……そもそも雨だったし……。
私の親は、招待状が送られてこなかったミスの為か、結局私一人で入園式に出る羽目になったのよね。
そんなこともあり今日は朝から少し下がっていたテンションも、学園の開いている正門を見た時に爆上げに変わったのに!
ゲームのオープニングには無かった馬車の大群の所為で、あの至高の場面を見ることができなかったのよ。
せっかく特注で作った制服も、やけに長い魔女の着るようなローブ?で隠れちゃって見せることはできないし。
こんなの着たくは無かったのに、このローブ?だけは学園から送られてきた既定のもの以外着ちゃダメだって……。
「何かと色々な加工がされている」とか。
「クラスによって使われる色が決まっているところがあるから、送られてきたもの以外では門から入ることができない」とか。
それ以外にもなんかいろいろ言われて、わからなかったし面倒くさくてさして聞いていなかったけど、とにかくこのダサいローブは着ないと学園に入れないことはもちろん、入園式に参加できないこともわかったから着てきたんだけど……。
ゲームの中のローブはこんなに長くなくて、スカートが隠れるくらいの長さだったはずなのに……。
馬車が横を通るたびに、小さな粉のような砂が舞い上がって、長くて引きずりそうな黒いローブが埃っぽくなることに我慢しながら講堂の正面玄関まで何とかたどり着いたら、既にその場所は人だらけで、私を迎えに来ているはずの生徒会役員の人たちがどこに居るかわからない。
まぁその時の役員の方々は「ドキ恋」でも、私ではなくて王太子殿下を迎えに来ているんだけど……。
兎に角入園式の朝、周りの美しい風景に目を奪われてふらふらと歩いていたヒロインが、寮から従者を連れてやってきていた殿下とぶつかってしまい……っていう、テンプレの第一の出会いがあるはずなのに!
っていうか、この場所に居るのがおじさんとおばさんばかりで、生徒が一人も見えないんですけど!
呆然と立ち尽くす私の横に、なぜかにゅうっと、大きな顔が……?ウマ⁉
「お嬢さんこんな所で何をしてるんだ?馬に轢かれちまうぞ!」
随分と高いところから声が聞こえて驚く間もなく、どこから現れたのか警備員?に玄関の隅の方まで腕を引かれて移動させられた。
「何故生徒がこのようなところに居るんだ?新入生か?既に生徒の入場は終わってこれからここにおられる保護者の方々が入場される時間だぞ」
私が体験するはずのことが一つも起こらないことに動転している間に、講堂の近くまで連れていかれ顔認証のような魔法?で、クラスを確認されて「一番後ろのクラス……席が後ろ扉からすぐのところでよかった……」という言葉と共に、おじさんとおばさんの集団列の中を突っ切り、目が回るような香水の残り香に包まれながら、薄く開けられた扉の中に押し込まれるように入れられたの。
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