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クリフ・マークィス・ゲイル 7
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入園から1ヶ月以上経った今でも殿下の情報は余りにも少ない。同じクラスである妹からも
「殿下の声は一番初めの自己紹介の時に聞いて以来一度もない」ということや、日常的に気配を薄くされていて、
「自分程度の実力では、あの狭い空間の中でもどこにいるのかさえ把握出来ませんの……」
授業時間中は決まった席について居るだろうことを、辛うじて感いることができるが、休憩時間になった途端全くその気配が消えるという事だ。
初級学校の入園に際しては、試験のようなものは無い。ただその出自を求められるだけだ。極偶に貴族位であっても、魔法の才能が無い者もいる。魔道具に関しては全くの魔法適性がない者でも使えるようになっているので日常生活には困らないが、貴族が学ぶ学園には魔力操作の授業は必ずあるので、魔法適性が全く感じられない貴族の子女子息の中には、なんらかの理由をつけて通わない者もいると聞く。
これが高等教育の場である王立学園になると、卒業できない事で貴族の資格を失う事になるので、王立学園入園までにはその行末は決められることとなる。
この点下位貴族であれば平民との婚姻などいくつかの道があるのだが、上位貴族ともなると生まれた時点でのあやふやな鑑定のような者で排除されてしまう赤子もいると聞くし、10歳の精霊の儀の後顔を見ることがなくなった幼馴染もいる。
アースクエイク殿下も、以前の噂が事実であったならば、王子として生まれていなければ、誰に知られることもなく処分されていたかもしれないような状況で生きてこられたのだ。
その状況は今でも変わりないようであるが、私は殿下がこの学園でその存在感を発揮され、伯爵殿下よりも殊の外優秀であると知られれば、今のような位置にあることがなくなるのではないかと考えた。
アースクエイク殿下のためにも、生徒会に入っていただくことがその一歩になるのではないかと本気で考えていた。
私は父たちとは違って、アースクエイク殿下の存在を忘れることがなかったのだから、と……。
だから、その時はああ言おう、こう言おう、と様々な状況を夢想したりもしていたのだが、心の準備も整わぬ突然与えられた機会に、私は柄にもいなく緊張し、あたかも宰相の思考に誘導された操り人形のように殿下と対面した自分が居たのだ。
「殿下の声は一番初めの自己紹介の時に聞いて以来一度もない」ということや、日常的に気配を薄くされていて、
「自分程度の実力では、あの狭い空間の中でもどこにいるのかさえ把握出来ませんの……」
授業時間中は決まった席について居るだろうことを、辛うじて感いることができるが、休憩時間になった途端全くその気配が消えるという事だ。
初級学校の入園に際しては、試験のようなものは無い。ただその出自を求められるだけだ。極偶に貴族位であっても、魔法の才能が無い者もいる。魔道具に関しては全くの魔法適性がない者でも使えるようになっているので日常生活には困らないが、貴族が学ぶ学園には魔力操作の授業は必ずあるので、魔法適性が全く感じられない貴族の子女子息の中には、なんらかの理由をつけて通わない者もいると聞く。
これが高等教育の場である王立学園になると、卒業できない事で貴族の資格を失う事になるので、王立学園入園までにはその行末は決められることとなる。
この点下位貴族であれば平民との婚姻などいくつかの道があるのだが、上位貴族ともなると生まれた時点でのあやふやな鑑定のような者で排除されてしまう赤子もいると聞くし、10歳の精霊の儀の後顔を見ることがなくなった幼馴染もいる。
アースクエイク殿下も、以前の噂が事実であったならば、王子として生まれていなければ、誰に知られることもなく処分されていたかもしれないような状況で生きてこられたのだ。
その状況は今でも変わりないようであるが、私は殿下がこの学園でその存在感を発揮され、伯爵殿下よりも殊の外優秀であると知られれば、今のような位置にあることがなくなるのではないかと考えた。
アースクエイク殿下のためにも、生徒会に入っていただくことがその一歩になるのではないかと本気で考えていた。
私は父たちとは違って、アースクエイク殿下の存在を忘れることがなかったのだから、と……。
だから、その時はああ言おう、こう言おう、と様々な状況を夢想したりもしていたのだが、心の準備も整わぬ突然与えられた機会に、私は柄にもいなく緊張し、あたかも宰相の思考に誘導された操り人形のように殿下と対面した自分が居たのだ。
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