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朱小島之変
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時代は安土桃山から江戸へと変化をし、地方から失踪者が大勢でたという噂が日本全土に広まり農民までもが耳にしていた。
そんなに失踪者が出てしまうのは流石に不自然だ、と思った将軍様が真偽の程を確かめる為に、大名数名と陪臣を連れその地方へと遠征することを決定した。
其れから、数ヶ月が経ち遠征部隊も決まりその地方へと向かうことになった。
風は吹かず、霧は濃く、人が少なくなったせいか家には草木が生い茂り、田畑は見るも無惨に荒れている。この閑散とした村に人が住んでいたとはとても考えづらい。
小島に向かう前に、一日ばかり休憩をしてから出発することになった。都からこの村まで凡そ四十里ばかりの道を亘ってきた為、肉体への疲労や負担等も普段よりかは募っている。
眠りに深けた辰の刻に、誰かが外から怒声のような大きな音が聞こえてきた為に外に出てみるも誰もいず、音の出処を確かめる為に聞こえてきた方を向くと、どうやらあの失踪者が出る小島から聞こえているらしくとてつもなく恐ろしく感じて宿舎へと足早に戻る。
目覚めているのは自分だけらしく、安心して再び眠りにつこうとすると、宿舎に居るのは自分だけであることが分かった。将軍様や大名殿が泊まって居られる宿舎も蛻の殻で恐怖感が一気に心を支配する。もう、将軍様も大名殿も居ないのである。
海岸に杭を打ち付け、縄で止めて置いた木船も何隻か無くなっており、皆が小島へと向かってしまったことが不安を募らせる。
だが、将軍様も大名殿も居ないのであれば、やるべきことはたった一つ、小島へと向かうことしかないのである。
そんなに失踪者が出てしまうのは流石に不自然だ、と思った将軍様が真偽の程を確かめる為に、大名数名と陪臣を連れその地方へと遠征することを決定した。
其れから、数ヶ月が経ち遠征部隊も決まりその地方へと向かうことになった。
風は吹かず、霧は濃く、人が少なくなったせいか家には草木が生い茂り、田畑は見るも無惨に荒れている。この閑散とした村に人が住んでいたとはとても考えづらい。
小島に向かう前に、一日ばかり休憩をしてから出発することになった。都からこの村まで凡そ四十里ばかりの道を亘ってきた為、肉体への疲労や負担等も普段よりかは募っている。
眠りに深けた辰の刻に、誰かが外から怒声のような大きな音が聞こえてきた為に外に出てみるも誰もいず、音の出処を確かめる為に聞こえてきた方を向くと、どうやらあの失踪者が出る小島から聞こえているらしくとてつもなく恐ろしく感じて宿舎へと足早に戻る。
目覚めているのは自分だけらしく、安心して再び眠りにつこうとすると、宿舎に居るのは自分だけであることが分かった。将軍様や大名殿が泊まって居られる宿舎も蛻の殻で恐怖感が一気に心を支配する。もう、将軍様も大名殿も居ないのである。
海岸に杭を打ち付け、縄で止めて置いた木船も何隻か無くなっており、皆が小島へと向かってしまったことが不安を募らせる。
だが、将軍様も大名殿も居ないのであれば、やるべきことはたった一つ、小島へと向かうことしかないのである。
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