ゾンビボディソウル ロードオブデッド

笹村

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ゾンビボディソウル ロードオブデッド 序

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「馬鹿な人」
 死にかけた青年は、傍らに寄り添う少女に断言された。
「なぜ、助けたの?」
 応えは返せない。横たわる青年の胸から血は溢れ続け、声を出す余力などない。
 けれど、それでも。青年は必死に、今際の際にあって口を動かす。
「――……」
 声として発せられず、けれどその意思は少女に伝わる。
「……本当に、馬鹿な人」
 少女の口から言葉が出るのが遅れたのは、迷い故か? それとも他の何かの想い。
 それを知る者は無い。少女自身にすら、分からない。
 けれど決断は速かった。
「貴方は死ぬわ、確実に」
 少女は胸に抱いていたロケット型のペンダントを首から外す。
「でも、死なない。私が、死なせない。だから――」
 ペンダントを開き、中から取り出したのは蒼い結晶。それを、
「――生きて」
 少女は願いと共に、青年の貫かれた胸にそれを埋め込む。
 そして、浸食は始まった――
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