19 / 28
第2章 沿岸地帯ジェイドの海産物勝負
2 スポンサーとのお喋り
しおりを挟む
沿岸部よりは幾らか内陸に、クリスの屋敷はあった。
広々とした屋敷なのが、グリフォンの背から見下ろすとよく分かる。
中央に余裕のある広場があり、そこを囲むようにして屋敷が建てられている。
グリフォンは、広場へと静かに降りて行く。
それまでの速さが嘘のようなゆっくりとした速度で広場へと近づき、グリフォンを覆う力場が先に地面に触れる。
その瞬間、風船が跳ねるような、ふよんっとした動きを見せた後、すっと地面に降り立った。
「着陸する時、一瞬浮いたな」
「力場が地面に着いた時の反作用っすね」
五郎と有希は喋りながらグリフォンの背中から降りる。
「降りるの、手を貸そうか?」
あとから降りようとしていたカリーナとレティシアに五郎が言うと、
「大丈夫です」
「ありがとーっ。気持ちだけ貰っとくね」
2人は礼だけ返し、グリフォンの背中から降り立つ。そして最後にアルベルトが降りた頃、
「ようこそ。よく来て下さいましたわ。ありがとうですの」
屋敷の主であるクリスが皆を出迎えた。
「これはこれは。主自らの出迎えとは恐悦至極ですぞ」
芝居めいた大仰な、それでいて絵になるほどに似合った仕草で、アルベルトは胸に手を当て一礼する。
「ふふ、そんなに畏まらなくても大丈夫ですわよ」
「いやいや。美しい女性には敬意を払いたい性分なのです、我輩」
「あらあら、嬉しいことを仰って下さいますわね。ですが、今日は私が皆さまをお招きしたようなもの。お客さまに気を遣わせる訳には参りませんわ」
クリスはそう言うと、屋敷の中へと皆を案内する。
屋敷の中は、以前訪れたガストロフの屋敷に比べ、開放的で軽やかな雰囲気がある。
沿岸地帯のジェイドは、ガストロフの屋敷がある王都に比べ湿度が高く気温も高い。
そのため、空調がしっかりと整った、調度品や屋敷の中の色合いも明るく軽い物が目立つ。
「こちらですの。さあ、どうぞ」
クリスにドアを開けられ、部屋の中へと入るように促される。
最初に、クリスと道中話していたアルベルトが入り、そのあとに五郎と有希が入る。
最後は、カリーナとレティシアの2人。
五郎としては、先に譲ろうかと思ったのだが、どこか緊張しているようだったので、声は掛けずにあえて先に入っていた。
部屋の中は、日の光が入り易い開放的な雰囲気で、明るい基調と軽やかな造形の調度品に彩られている。
ソファが幾つか置かれていたが、主であるクリスが席に着く前に腰を下ろす訳にはいかないので待っていると、
「どうぞ。座って下さいですの」
クリスに勧められ、五郎たちは先に座る。
それを確認してからクリスが座ると、そこで口を開いたのはアルベルトだった。
「他の方は居られないのですな。料理勝負と聞いていましたが、審査は貴女だけで行われるので?」
「ふふ、気になりますか?」
「ええ、もちろん。貴女以外の協力者が、どの程度居られるのかは心配ですから」
含みを持ったアルベルトの言葉に、五郎が口を挟む。
「どういうこった、それ?」
「なに。料理勝負をするのは良いですが、邪魔をされては困りますから。よくあるのですよ。招かれて料理を作ろうとしたら、そういうことが」
「あらあら。そこは正直に仰って頂けても良いのですよ。私に敵対的な商人が、今回の料理勝負を邪魔しようとしているかもしれないのではないかと」
「……初耳なんっすけど」
有希が胡乱な眼差しで訊くと、クリスは笑みを浮かべたまま返す。
「少しばかり、このジェイドという地域はガラが悪いということですわ。色々と、よろしくない組織とかが居りますし」
「なんだ、ヤクザが口出し、して来てるってことか」
直截的な五郎の物言いに、クリスは肩をすくめるように返す。
「ええ。ジェイドは港湾都市でもありますから、色々と他の辺境都市の方達が訪れる土地柄ですの。その分、揉め事も多くて、そういったことを取り仕切られる方達が力をお持ちですの」
「みかじめ料を寄こさなけりゃ、ただじゃすまさねぇってか?」
「それは大丈夫ですわ。すでに払ってますから」
にこにこ笑いながら平然と言うクリスに、五郎は続けて問い掛ける。
「ふ~ん。それに関しちゃ、俺は特に何もねぇよ。場所によっちゃ、それが一番揉め事が少なくて済む話だからな。ただよ、だったらなんで俺らの邪魔をしようとしてる奴らが居るんだ?」
「簡単な話ですの。私たちの商業連合とは別の商業組合が、今回の料理勝負を潰したいと思ってるってことですわ」
「なんでそんなことになってるんです!」
キナ臭くなってきた話に、レティシアが勢い込んで尋ねると、
「自分達の所以外の商人が儲けるかもしれないのが気に喰わない、からですわ。ジェイドでは、よくあることですの」
「そんな……」
眉をひそめるレティシアを、クリスは笑みを浮かべながら見詰めると、皆に向けて言った。
「今回の料理勝負で、貴方たち御3人に来て頂いたのは、そういう意味合いでも理由がありますの。
御3人なら、なにがあっても自力で対処できる力をお持ちですもの。
五郎さんは勇者ですから言うに及ばず、アルベルトさんも、元冒険者のギルドマスターとしての実力をお持ちですわ。カリーナさんは、魔術師として――」
「待って下さい」
クリスの言葉を遮り、カリーナは思いつめた声で問い掛ける。
「そんな事で、私は呼ばれたんですか? 料理の腕じゃなくて、魔術師だからなにがあっても大丈夫だからって……」
「違いますわよ」
和やかな声で、クリスは返した。
「ごめんなさい。言葉足らずでしたわね。
今回の勝負に、料理の腕は絶対条件ですの。
腕っ節の強さは、あれば勿論良いですけれど、おまけみたいなものですわね。
ただ単に、勝負に出す料理の参考に、この街を巡る時は気を付けて欲しいと言いたかっただけですの」
「ふむ。それならそうと、最初から言って頂ければ」
アルベルトの言葉に、クリスは笑顔のまま顔を向けると、
「そのつもりでしたわ。でもアルベルトさんが、先に話を振って来られるんですもの」
「おお、それは申し訳ない。知り合いにこちらに来ると言ったら、なにやらキナ臭い動きがあるから気を付けろと言われたものですので」
「キナ臭い、ですか?」
「ええ。なんでも昔、貴女を嫁にしようとして横っ面を引っぱたかれた商人が、嫌がらせで今回の料理勝負の足を引っ張ろうとしているとか」
「あらあら、ふふ。そんなに有名な話になっているのですのね。
でも、少し違いますわ。あくまでも、私達の商業連合の足を引っ張りたい商業組合が、ジェイドでの勝負を取り仕切る私と因縁のある方を焚き付けて、ちょっかいを出して来ているというだけですわ。
気になされるほど、大事ではありませんの」
「なるほど。そう言って頂けると安心しました。しかしそれでは、街に出る時は気を付けないといけませんな。作る料理の参考になるかもと、街を巡る予定でしたのですが」
「だったら、全員で一緒に回ろうぜ」
にかっと笑いながら、五郎は提案した。
「別々に行動して、それそれちょっかい出されるより、3人一緒の方が安全だろうしな。そうしたいんだけど、かまわねぇかな?」
「好いですな。1人で巡るのは、味気ないと思っていましたら。こちらから頼みたいぐらいですな」
「その……はい、よろしくお願いします」
アルベルトは気楽な様子で、カリーナが緊張したように少しだけ顔を赤らめる中、全員でジェイドの街を巡ることが決定したのだった。
広々とした屋敷なのが、グリフォンの背から見下ろすとよく分かる。
中央に余裕のある広場があり、そこを囲むようにして屋敷が建てられている。
グリフォンは、広場へと静かに降りて行く。
それまでの速さが嘘のようなゆっくりとした速度で広場へと近づき、グリフォンを覆う力場が先に地面に触れる。
その瞬間、風船が跳ねるような、ふよんっとした動きを見せた後、すっと地面に降り立った。
「着陸する時、一瞬浮いたな」
「力場が地面に着いた時の反作用っすね」
五郎と有希は喋りながらグリフォンの背中から降りる。
「降りるの、手を貸そうか?」
あとから降りようとしていたカリーナとレティシアに五郎が言うと、
「大丈夫です」
「ありがとーっ。気持ちだけ貰っとくね」
2人は礼だけ返し、グリフォンの背中から降り立つ。そして最後にアルベルトが降りた頃、
「ようこそ。よく来て下さいましたわ。ありがとうですの」
屋敷の主であるクリスが皆を出迎えた。
「これはこれは。主自らの出迎えとは恐悦至極ですぞ」
芝居めいた大仰な、それでいて絵になるほどに似合った仕草で、アルベルトは胸に手を当て一礼する。
「ふふ、そんなに畏まらなくても大丈夫ですわよ」
「いやいや。美しい女性には敬意を払いたい性分なのです、我輩」
「あらあら、嬉しいことを仰って下さいますわね。ですが、今日は私が皆さまをお招きしたようなもの。お客さまに気を遣わせる訳には参りませんわ」
クリスはそう言うと、屋敷の中へと皆を案内する。
屋敷の中は、以前訪れたガストロフの屋敷に比べ、開放的で軽やかな雰囲気がある。
沿岸地帯のジェイドは、ガストロフの屋敷がある王都に比べ湿度が高く気温も高い。
そのため、空調がしっかりと整った、調度品や屋敷の中の色合いも明るく軽い物が目立つ。
「こちらですの。さあ、どうぞ」
クリスにドアを開けられ、部屋の中へと入るように促される。
最初に、クリスと道中話していたアルベルトが入り、そのあとに五郎と有希が入る。
最後は、カリーナとレティシアの2人。
五郎としては、先に譲ろうかと思ったのだが、どこか緊張しているようだったので、声は掛けずにあえて先に入っていた。
部屋の中は、日の光が入り易い開放的な雰囲気で、明るい基調と軽やかな造形の調度品に彩られている。
ソファが幾つか置かれていたが、主であるクリスが席に着く前に腰を下ろす訳にはいかないので待っていると、
「どうぞ。座って下さいですの」
クリスに勧められ、五郎たちは先に座る。
それを確認してからクリスが座ると、そこで口を開いたのはアルベルトだった。
「他の方は居られないのですな。料理勝負と聞いていましたが、審査は貴女だけで行われるので?」
「ふふ、気になりますか?」
「ええ、もちろん。貴女以外の協力者が、どの程度居られるのかは心配ですから」
含みを持ったアルベルトの言葉に、五郎が口を挟む。
「どういうこった、それ?」
「なに。料理勝負をするのは良いですが、邪魔をされては困りますから。よくあるのですよ。招かれて料理を作ろうとしたら、そういうことが」
「あらあら。そこは正直に仰って頂けても良いのですよ。私に敵対的な商人が、今回の料理勝負を邪魔しようとしているかもしれないのではないかと」
「……初耳なんっすけど」
有希が胡乱な眼差しで訊くと、クリスは笑みを浮かべたまま返す。
「少しばかり、このジェイドという地域はガラが悪いということですわ。色々と、よろしくない組織とかが居りますし」
「なんだ、ヤクザが口出し、して来てるってことか」
直截的な五郎の物言いに、クリスは肩をすくめるように返す。
「ええ。ジェイドは港湾都市でもありますから、色々と他の辺境都市の方達が訪れる土地柄ですの。その分、揉め事も多くて、そういったことを取り仕切られる方達が力をお持ちですの」
「みかじめ料を寄こさなけりゃ、ただじゃすまさねぇってか?」
「それは大丈夫ですわ。すでに払ってますから」
にこにこ笑いながら平然と言うクリスに、五郎は続けて問い掛ける。
「ふ~ん。それに関しちゃ、俺は特に何もねぇよ。場所によっちゃ、それが一番揉め事が少なくて済む話だからな。ただよ、だったらなんで俺らの邪魔をしようとしてる奴らが居るんだ?」
「簡単な話ですの。私たちの商業連合とは別の商業組合が、今回の料理勝負を潰したいと思ってるってことですわ」
「なんでそんなことになってるんです!」
キナ臭くなってきた話に、レティシアが勢い込んで尋ねると、
「自分達の所以外の商人が儲けるかもしれないのが気に喰わない、からですわ。ジェイドでは、よくあることですの」
「そんな……」
眉をひそめるレティシアを、クリスは笑みを浮かべながら見詰めると、皆に向けて言った。
「今回の料理勝負で、貴方たち御3人に来て頂いたのは、そういう意味合いでも理由がありますの。
御3人なら、なにがあっても自力で対処できる力をお持ちですもの。
五郎さんは勇者ですから言うに及ばず、アルベルトさんも、元冒険者のギルドマスターとしての実力をお持ちですわ。カリーナさんは、魔術師として――」
「待って下さい」
クリスの言葉を遮り、カリーナは思いつめた声で問い掛ける。
「そんな事で、私は呼ばれたんですか? 料理の腕じゃなくて、魔術師だからなにがあっても大丈夫だからって……」
「違いますわよ」
和やかな声で、クリスは返した。
「ごめんなさい。言葉足らずでしたわね。
今回の勝負に、料理の腕は絶対条件ですの。
腕っ節の強さは、あれば勿論良いですけれど、おまけみたいなものですわね。
ただ単に、勝負に出す料理の参考に、この街を巡る時は気を付けて欲しいと言いたかっただけですの」
「ふむ。それならそうと、最初から言って頂ければ」
アルベルトの言葉に、クリスは笑顔のまま顔を向けると、
「そのつもりでしたわ。でもアルベルトさんが、先に話を振って来られるんですもの」
「おお、それは申し訳ない。知り合いにこちらに来ると言ったら、なにやらキナ臭い動きがあるから気を付けろと言われたものですので」
「キナ臭い、ですか?」
「ええ。なんでも昔、貴女を嫁にしようとして横っ面を引っぱたかれた商人が、嫌がらせで今回の料理勝負の足を引っ張ろうとしているとか」
「あらあら、ふふ。そんなに有名な話になっているのですのね。
でも、少し違いますわ。あくまでも、私達の商業連合の足を引っ張りたい商業組合が、ジェイドでの勝負を取り仕切る私と因縁のある方を焚き付けて、ちょっかいを出して来ているというだけですわ。
気になされるほど、大事ではありませんの」
「なるほど。そう言って頂けると安心しました。しかしそれでは、街に出る時は気を付けないといけませんな。作る料理の参考になるかもと、街を巡る予定でしたのですが」
「だったら、全員で一緒に回ろうぜ」
にかっと笑いながら、五郎は提案した。
「別々に行動して、それそれちょっかい出されるより、3人一緒の方が安全だろうしな。そうしたいんだけど、かまわねぇかな?」
「好いですな。1人で巡るのは、味気ないと思っていましたら。こちらから頼みたいぐらいですな」
「その……はい、よろしくお願いします」
アルベルトは気楽な様子で、カリーナが緊張したように少しだけ顔を赤らめる中、全員でジェイドの街を巡ることが決定したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる