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第二章 街予定地の問題を解決しよう編
2 街予定地に到着するまで車内販売試食会 その⑦ チーズたっぷりベーコンピザとシーフードピザ
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(半分ぐらい、進んだかな?)
窓の景色を見ながら、俺は予想を付ける。
(出発してから1時間半ぐらいだし、大体予定通りか)
王都の外れから、いま向かっている街の予定地までは120キロほど。多少曲がりくねった道もあるけれど、距離に直せばそのぐらいだ。
その気になれば、いま乗っている蒸気機関車の性能なら2時間を切るぐらいの速さで着けるんだけど、安全第一で速度は落として運行している。
(盗賊は事前の調べで居ないのは分かってるけど、場合によっては魔物が出るからなぁ)
蒸気機関車を線路式に出来なかった一番の理由が、それだ。
枕木や線路を破壊されたら大惨事になりかねない。
あとついでに言えば、高品質の鉄が貴重な今のこの世界で、線路に使えるような鉄を置いておいたら、確実に盗もうとするのが出る。
だから小回りが自由に利く、タイヤ式にせざるを得なかったんだ。
(それも、これだけ質の良い道路を作ってくれたから出来たんだよなぁ。協力してくれたみんなには感謝だよ)
片側3車線の、蒸気機関車が楽に走れる平坦な道路。
それを短期間で作ってくれたんだから頭が下がる。大地の女神ガイアの勇者たちが中心になって作ってくれたんだけど、でこぼこも少なくて、走っていて揺れを感じない理由の一つになっている。
(街を作る時にも苦労して貰わないといけないから、報酬は弾みたいな。となると、必要な資金を引っ張って来る先は――)
移り変わる外の景色を見ながら仕事のことを考えていると、ふわりと香しい匂いが。
さっき、ご飯を食べたばかりだけれど、それでも食欲が湧いてくる。
(そいえば、ピザとか焼くって言ってたな)
五郎のリクエストで設置した石窯だけど、これだけ美味しそうな匂いをさせてくれるなら、ちょっと無理してでも置いて良かったって思える。
気付けば、みんなも匂いにつられてるのか、五郎が消えた台所に視線が向いている。
(まだかな~)
待ち遠しく待っていると、
「おう、出来たぞ~。出来立てを食べてくれ」
五郎が出来立てのピザを持って来てくれる。
「片方はベーコンとチーズをたっぷり乗せたヤツで、もう一つはシーフードな。他にも豚サンドとプリンがあるから、用意できるまでこっちを食べといてくれ」
みんなにピザを一切れずつ配り終え、五郎は言ながら台所に返っていく。
「それじゃ、折角だし、先に食べちゃおっか。せっかくの出来立てなんだし、一番美味しい内に食べちゃわないとね」
俺の提案にみんなも賛同し、ピザに手を伸ばす。
(まずは、チーズたっぷりの奴から貰おうかな)
まんべんなくチーズが乗せられて、熱でとろりと融け、綺麗なきつね色になっているピザを手に取る。
出来立てあつあつなので、はふはふ言いながら一口ぱくり。
噛み締めると、表面はカリッと、中はもっちり生地の歯ごたえが。
舌に乗る生地からは、ほんのり甘味と香ばしさが味わえた。
そこからもぐもぐ噛んでいけば、濃厚なチーズの味が。
熱を加えられ、とろけているから、余計に旨味が強く感じられる。
そこにガツンと、旨味たっぷりの厚切りベーコンの味が加わって、美味しさに頬が緩む。
濃厚なチーズの味と喧嘩せず、けれど決して負けることなく自己主張するベーコンは、実に肉々しい。
噛み締めれば、美味い肉汁が溢れ出し、噛めば噛むほど肉の旨味が広がっていく。
たぶん、これは低温燻製で作ったベーコンだ。前に食べさせて貰ったので、なんとなく分かる。
普通の燻製より時間も手間もかかるけど、その分、肉の美味しさをぎゅっと閉じ込めてくれるんだ。
そうした生地と具材をまとめるように、トマトソースが良い味を出している。
具材の味が濃厚なので、丸みのある甘味のソースが全ての味を包み込んでくれていた。
(美味しい。チーズも美味いし生地も良いなぁ。それにトマトソースも合ってるし……でも、この肉、なんの肉だろう?)
豚肉なんだけど、旨味が濃い。
油も甘味があって、幾らでも食べれそうな気がする。
焼肉にして、ちょっと甘味のあるタレに付けて食べると美味しそうだ。
(釜飯で魔獣の肉を使ってたし、ひょっとしてこれも、かな? それはそれで、美味しいから別に良いけど)
美味しさの前には、多少細かい事はどうでも良いのだ。
というわけで、更なる美味しさを求め、今度はシーフードピザに。
こちらに乗せられているチーズは白味が強い。
多分、脂肪分を減らされた、さっぱりとしたチーズだ。
具材は、さっき食べたパエリヤ風釜飯と同じ。海老とイカに、トマト。
ただ、こちらの方がイカの量が多い。チーズと同じぐらいの量が乗せられている。
どんな味なのか期待して、一口食べる。
(うん、美味しい)
こちらの生地は少し薄めで、さっくりしてる。
小麦の甘味よりも、旨味が強い感じだ。
より、具材の美味しさを引き立てる生地、という感じがする。
だから具材の旨味がくっきりと味わえた。
海産物の、さっぱりとした旨味溢れる美味しさが、噛み締める毎に味わえる。
海老は噛み締める毎に、甘みのある旨味に塩味が利いて味わい深い。
そしてイカは、ほどよい噛み応えが楽しいし、旨味の詰まった塩味が噛む毎に広がっていく。
濃いと思えるほどの味わいなのに、くどさがなくてクセになる味わいだ。
唯一物足りないと思えるコクも、さっぱりとしたチーズが補い美味しさを高めてくれた。
(美味しい……でもこのイカ、さっき食べたのとちょっと違うかな?)
さっきパエリヤ風釜飯で食べたイカは、甘味のある旨味の方が強かった気がする。
いま食べてるのは、旨味のある塩味が強い感じだ。
でも、噛めば噛むほど味わい深さが出るのはこっちの方だ。
(これ、なんのイカだろ? これだけ焼いてあるのに身がぷりぷりしてて、噛んだ感触も良いんだよな)
もぐもぐと食べながら悩んでいると、五郎がお茶を配りにやって来るのに気付く。
「もう少ししたら、プリンも冷えるからな。それまでもうちょっと待ってくれ」
みんなが美味しそうに食べてくれてるのが嬉しいのか、見ていて分かるほど上機嫌な五郎に声を掛ける。
「お疲れさま。ねぇ、五郎。ちょっと訊きたいんだけど、このイカって、どんな種類のイカなの? 美味しかったから、気になって」
すると五郎は、平然と返してくれた。
「ああ、そりゃクラーケンだ」
思わず食べてた手が止まる。
「クラーケンって、ちっちゃい島ぐらいある海の魔獣だよね」
「おう、それだな。浮島とか言われてたぞ。近付いたら、イカみたいな手を伸ばして船を丸ごと沈めるんだとさ」
「そんなの良く手に入ったね」
「それも貰いもんでな。ロック鳥と同じで、料理勝負した子に貰った」
「……その子、なんでそんな魔獣の料理ばっか作ったの?」
「料理勝負のお題が、今まで食べた事のない料理、だったからな。食材で攻めるか、作り方で攻めるかするしかなかったんだよ」
「なるほど……五郎は、元居た世界の料理の知識があるからいいけど、相手の子は違うもんね。そりゃ、食材で攻めるしかなかったわけだ」
「そういうこった。でもちゃんと、料理の腕は良かったぞ。おまけに良い子でな。気前よく、勝負が終わった後に食材を分けてくれたからな」
「そっか……それなら後で、お礼しとかないとね。なにか要る物があったら言って。こっちで用意するから」
「おう、サンキュー。そんときゃ、頼むわ」
五郎は嬉しそうに手を上げてひらひらさせると、また台所に戻っていく。
それを見詰めながら、俺は五郎が持って来てくれたお茶を飲んで一息つく。
街予定地に着くまで、残りは1時間。俺は外の流れる景色を楽しみながら、五郎が用意してくれた最後の料理を待っていた。
窓の景色を見ながら、俺は予想を付ける。
(出発してから1時間半ぐらいだし、大体予定通りか)
王都の外れから、いま向かっている街の予定地までは120キロほど。多少曲がりくねった道もあるけれど、距離に直せばそのぐらいだ。
その気になれば、いま乗っている蒸気機関車の性能なら2時間を切るぐらいの速さで着けるんだけど、安全第一で速度は落として運行している。
(盗賊は事前の調べで居ないのは分かってるけど、場合によっては魔物が出るからなぁ)
蒸気機関車を線路式に出来なかった一番の理由が、それだ。
枕木や線路を破壊されたら大惨事になりかねない。
あとついでに言えば、高品質の鉄が貴重な今のこの世界で、線路に使えるような鉄を置いておいたら、確実に盗もうとするのが出る。
だから小回りが自由に利く、タイヤ式にせざるを得なかったんだ。
(それも、これだけ質の良い道路を作ってくれたから出来たんだよなぁ。協力してくれたみんなには感謝だよ)
片側3車線の、蒸気機関車が楽に走れる平坦な道路。
それを短期間で作ってくれたんだから頭が下がる。大地の女神ガイアの勇者たちが中心になって作ってくれたんだけど、でこぼこも少なくて、走っていて揺れを感じない理由の一つになっている。
(街を作る時にも苦労して貰わないといけないから、報酬は弾みたいな。となると、必要な資金を引っ張って来る先は――)
移り変わる外の景色を見ながら仕事のことを考えていると、ふわりと香しい匂いが。
さっき、ご飯を食べたばかりだけれど、それでも食欲が湧いてくる。
(そいえば、ピザとか焼くって言ってたな)
五郎のリクエストで設置した石窯だけど、これだけ美味しそうな匂いをさせてくれるなら、ちょっと無理してでも置いて良かったって思える。
気付けば、みんなも匂いにつられてるのか、五郎が消えた台所に視線が向いている。
(まだかな~)
待ち遠しく待っていると、
「おう、出来たぞ~。出来立てを食べてくれ」
五郎が出来立てのピザを持って来てくれる。
「片方はベーコンとチーズをたっぷり乗せたヤツで、もう一つはシーフードな。他にも豚サンドとプリンがあるから、用意できるまでこっちを食べといてくれ」
みんなにピザを一切れずつ配り終え、五郎は言ながら台所に返っていく。
「それじゃ、折角だし、先に食べちゃおっか。せっかくの出来立てなんだし、一番美味しい内に食べちゃわないとね」
俺の提案にみんなも賛同し、ピザに手を伸ばす。
(まずは、チーズたっぷりの奴から貰おうかな)
まんべんなくチーズが乗せられて、熱でとろりと融け、綺麗なきつね色になっているピザを手に取る。
出来立てあつあつなので、はふはふ言いながら一口ぱくり。
噛み締めると、表面はカリッと、中はもっちり生地の歯ごたえが。
舌に乗る生地からは、ほんのり甘味と香ばしさが味わえた。
そこからもぐもぐ噛んでいけば、濃厚なチーズの味が。
熱を加えられ、とろけているから、余計に旨味が強く感じられる。
そこにガツンと、旨味たっぷりの厚切りベーコンの味が加わって、美味しさに頬が緩む。
濃厚なチーズの味と喧嘩せず、けれど決して負けることなく自己主張するベーコンは、実に肉々しい。
噛み締めれば、美味い肉汁が溢れ出し、噛めば噛むほど肉の旨味が広がっていく。
たぶん、これは低温燻製で作ったベーコンだ。前に食べさせて貰ったので、なんとなく分かる。
普通の燻製より時間も手間もかかるけど、その分、肉の美味しさをぎゅっと閉じ込めてくれるんだ。
そうした生地と具材をまとめるように、トマトソースが良い味を出している。
具材の味が濃厚なので、丸みのある甘味のソースが全ての味を包み込んでくれていた。
(美味しい。チーズも美味いし生地も良いなぁ。それにトマトソースも合ってるし……でも、この肉、なんの肉だろう?)
豚肉なんだけど、旨味が濃い。
油も甘味があって、幾らでも食べれそうな気がする。
焼肉にして、ちょっと甘味のあるタレに付けて食べると美味しそうだ。
(釜飯で魔獣の肉を使ってたし、ひょっとしてこれも、かな? それはそれで、美味しいから別に良いけど)
美味しさの前には、多少細かい事はどうでも良いのだ。
というわけで、更なる美味しさを求め、今度はシーフードピザに。
こちらに乗せられているチーズは白味が強い。
多分、脂肪分を減らされた、さっぱりとしたチーズだ。
具材は、さっき食べたパエリヤ風釜飯と同じ。海老とイカに、トマト。
ただ、こちらの方がイカの量が多い。チーズと同じぐらいの量が乗せられている。
どんな味なのか期待して、一口食べる。
(うん、美味しい)
こちらの生地は少し薄めで、さっくりしてる。
小麦の甘味よりも、旨味が強い感じだ。
より、具材の美味しさを引き立てる生地、という感じがする。
だから具材の旨味がくっきりと味わえた。
海産物の、さっぱりとした旨味溢れる美味しさが、噛み締める毎に味わえる。
海老は噛み締める毎に、甘みのある旨味に塩味が利いて味わい深い。
そしてイカは、ほどよい噛み応えが楽しいし、旨味の詰まった塩味が噛む毎に広がっていく。
濃いと思えるほどの味わいなのに、くどさがなくてクセになる味わいだ。
唯一物足りないと思えるコクも、さっぱりとしたチーズが補い美味しさを高めてくれた。
(美味しい……でもこのイカ、さっき食べたのとちょっと違うかな?)
さっきパエリヤ風釜飯で食べたイカは、甘味のある旨味の方が強かった気がする。
いま食べてるのは、旨味のある塩味が強い感じだ。
でも、噛めば噛むほど味わい深さが出るのはこっちの方だ。
(これ、なんのイカだろ? これだけ焼いてあるのに身がぷりぷりしてて、噛んだ感触も良いんだよな)
もぐもぐと食べながら悩んでいると、五郎がお茶を配りにやって来るのに気付く。
「もう少ししたら、プリンも冷えるからな。それまでもうちょっと待ってくれ」
みんなが美味しそうに食べてくれてるのが嬉しいのか、見ていて分かるほど上機嫌な五郎に声を掛ける。
「お疲れさま。ねぇ、五郎。ちょっと訊きたいんだけど、このイカって、どんな種類のイカなの? 美味しかったから、気になって」
すると五郎は、平然と返してくれた。
「ああ、そりゃクラーケンだ」
思わず食べてた手が止まる。
「クラーケンって、ちっちゃい島ぐらいある海の魔獣だよね」
「おう、それだな。浮島とか言われてたぞ。近付いたら、イカみたいな手を伸ばして船を丸ごと沈めるんだとさ」
「そんなの良く手に入ったね」
「それも貰いもんでな。ロック鳥と同じで、料理勝負した子に貰った」
「……その子、なんでそんな魔獣の料理ばっか作ったの?」
「料理勝負のお題が、今まで食べた事のない料理、だったからな。食材で攻めるか、作り方で攻めるかするしかなかったんだよ」
「なるほど……五郎は、元居た世界の料理の知識があるからいいけど、相手の子は違うもんね。そりゃ、食材で攻めるしかなかったわけだ」
「そういうこった。でもちゃんと、料理の腕は良かったぞ。おまけに良い子でな。気前よく、勝負が終わった後に食材を分けてくれたからな」
「そっか……それなら後で、お礼しとかないとね。なにか要る物があったら言って。こっちで用意するから」
「おう、サンキュー。そんときゃ、頼むわ」
五郎は嬉しそうに手を上げてひらひらさせると、また台所に戻っていく。
それを見詰めながら、俺は五郎が持って来てくれたお茶を飲んで一息つく。
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