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第二章 街予定地の問題を解決しよう編
9 進撃開始 その⑥
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「カルナさま」
「怪我は無いか?」
手短に、けれど心配そうに尋ねるカルナに、ミリィは安心させるような柔らかな笑みを浮かべ返す。
「はい、大丈夫です。それよりも今は、魔物を倒すことを優先しましょう。指示を、下さいますか?」
ミリィの言葉に、カルナは一瞬迷うような表情を浮かべたが、部隊を率いる長として命を下す。
「少しで良い。あの魔物を抑えていてくれ。その間に、私が大魔術を放つ」
「はい、任せて下さい」
迷いなど欠片も見せず、ミリィは魔物に向かっていく。
それに歯噛みするような想いを飲み込みながら、カルナは部隊のみんなに伝令する。
「攻撃停止! これから私が大魔術を撃つ! 補助詠唱を頼む!」
カルナの命令に、部隊の魔術師からは迷うような気配が広がる。
けれど無理やりにでも信じるように、魔術師たちは一斉攻撃を止め、カルナの大魔術を援護する為の補助詠唱を開始する。
歌うような詠唱の響きが広がる中、飽和攻撃で動きを止められていた魔物は動き出そうとする。
「させません」
そこへミリィは跳び込む。
身体強化魔術を最大限に上げ、絶え間ない拳撃を叩き込んだ。
鉄で鉄を撃ち付けるような、重たい音が響き続ける。
10、20、30と繰り返される音は途切れることなく、ついには100を超える。
拳一撃毎に、魔物の盾にひびを入れるほどの連撃は、その代償にミリィに疲労を刻んでいく。
少しずつ少しずつ、ほんの僅かとはいえ拳撃に勢いがなくなっていった。
けれど、心配する必要は無い。なぜならカルナが、その時には既に大魔術を完成させていたからだ。
「異神の御業を仮初めなれど今ここに。荒ぶる雷神の矢をここにつがえん」
カルナの前方に、魔法陣が出現する。
それは圧縮した雷球を超高速で撃ち出す、魔術の砲身だ。
「我が喚び声に応え、現れ出でよ、インドラの矢よ。我が声と共に、全てを貫け」
周囲を煌々と照らすほどの大雷球が発生し、それが魔法陣に取り込まれ圧縮される。
魔物を貫く術は形作られた。
けれどミリィが攻撃している間は、解き放つことは出来ない。
だからミリィが離脱できるよう、俺達が援護に回る。
「五郎! 右は任せた!」
「おう! 任せろ!」
自分達に向かって来た魔物を倒した俺達は、ミリィの援護に疾走する。
狙いは、魔物の背後。ミリィが引き付けてくれているお蔭で、難なく踏み込める。
「グギイイイイイッ!」
魔物の両足を、俺と五郎は深々と斬り裂く。
巨大で重量のある魔物は、自分の重さが災いして、動くことが出来ない。
その隙に、俺と五郎、そしてミリィだけでなく、全ての魔術師が魔物から距離を取る。
全員が十分に距離を取った瞬間、カルナは大魔術を解き放った。
「雷神の矢よ、万物一切貫き穿て!」
詠唱の終わりと共に、圧縮された雷球が解き放たれる。
その瞬間、魔物は掲げた盾ごと消し飛んだ。
ごっそりと、身体の大半が蒸発して無くなり。その余波で残った体も吹き飛ぶ。
破壊の余波はそれだけにとどまらず、後方から押し寄せようとしていた下級の魔物まで吹き飛んだ。
けれど、それで下級の魔物全てが居なくなったわけじゃない。
わらわらと、他の魔物が倒されたというのに恐れる様子は全く見せず、こちらに向かってきている。
(よし、好都合だ)
極端に強すぎる事も無く、適度な経験値稼ぎに倒すにはちょうど良い相手。
それを当初の予定通り、前線基地に誘導するべくみんなに指示を飛ばす。
「戦略的撤退! 後方からの攻撃に気を付けつつ、前線基地まで後退する! 中級の魔物と戦った部隊から優先的に離脱! 五十鈴と有希の部隊はその間に制圧射撃で牽制しつつ、適時撤退を開始して!」
俺の呼び掛けに、全員から応答が返る。
即座に俺は自分の部隊を率いて前線基地に向け走り出し、残りの部隊も付いてくる。
制圧射撃の爆音を耳にしながらしばらく走り、五十鈴と有希に連絡を取る。
「こっちは全員撤退が進んでるけど、そっちはどう?」
【問題ないんよ~。制圧射撃で魔物の動きが止まっとる間に、もう撤退始めとるんよ~】
【こっちも大丈夫っす。けが人一人も無しで、撤退始めてるっすよ】
2人の応えに、ほっとする。けどすぐに気持ちを引き締め、この後の動きを全員に伝令した。
「了解。五十鈴と有希の2人は、そのまま俺たちに連いて来て。前線基地に連いたら、2人の部隊は、前線基地の壁を背にして、こちらに向かって来る魔物に威嚇射撃をお願い」
比較的、疲労が少ない部隊には継続した戦闘を指示し、それ以外には別の指示を出す。
「中級の魔物と戦った部隊は、一端前線基地に戻り休憩。前線基地に待機していた部隊は、入れ替わりにこちらに向かって来る低級の魔物の撃退。もし低級でも数が20以上、中級以上とみられる魔物が来た場合は、全員が前線基地に撤退して。そこから戦術は練り直して、改めて指示するから」
俺の指示を理解するような間を空けてから、全員から応答が返る。
順調に、全ては進んでいた。前線基地に、戻るまでは。
【すまん! 助けてくれ!】
切羽詰まった和花の声が通信で入る。
【統率された魔物の群れに襲われとる! 前に戦った新種と同系統の奴が率いとる!】
すぐに俺は返した。
「場所を教えて! すぐに行く!」
可能な限りすばやく部隊を再編成すると、俺達は和花に教えられた場所に急いで向かった。
「怪我は無いか?」
手短に、けれど心配そうに尋ねるカルナに、ミリィは安心させるような柔らかな笑みを浮かべ返す。
「はい、大丈夫です。それよりも今は、魔物を倒すことを優先しましょう。指示を、下さいますか?」
ミリィの言葉に、カルナは一瞬迷うような表情を浮かべたが、部隊を率いる長として命を下す。
「少しで良い。あの魔物を抑えていてくれ。その間に、私が大魔術を放つ」
「はい、任せて下さい」
迷いなど欠片も見せず、ミリィは魔物に向かっていく。
それに歯噛みするような想いを飲み込みながら、カルナは部隊のみんなに伝令する。
「攻撃停止! これから私が大魔術を撃つ! 補助詠唱を頼む!」
カルナの命令に、部隊の魔術師からは迷うような気配が広がる。
けれど無理やりにでも信じるように、魔術師たちは一斉攻撃を止め、カルナの大魔術を援護する為の補助詠唱を開始する。
歌うような詠唱の響きが広がる中、飽和攻撃で動きを止められていた魔物は動き出そうとする。
「させません」
そこへミリィは跳び込む。
身体強化魔術を最大限に上げ、絶え間ない拳撃を叩き込んだ。
鉄で鉄を撃ち付けるような、重たい音が響き続ける。
10、20、30と繰り返される音は途切れることなく、ついには100を超える。
拳一撃毎に、魔物の盾にひびを入れるほどの連撃は、その代償にミリィに疲労を刻んでいく。
少しずつ少しずつ、ほんの僅かとはいえ拳撃に勢いがなくなっていった。
けれど、心配する必要は無い。なぜならカルナが、その時には既に大魔術を完成させていたからだ。
「異神の御業を仮初めなれど今ここに。荒ぶる雷神の矢をここにつがえん」
カルナの前方に、魔法陣が出現する。
それは圧縮した雷球を超高速で撃ち出す、魔術の砲身だ。
「我が喚び声に応え、現れ出でよ、インドラの矢よ。我が声と共に、全てを貫け」
周囲を煌々と照らすほどの大雷球が発生し、それが魔法陣に取り込まれ圧縮される。
魔物を貫く術は形作られた。
けれどミリィが攻撃している間は、解き放つことは出来ない。
だからミリィが離脱できるよう、俺達が援護に回る。
「五郎! 右は任せた!」
「おう! 任せろ!」
自分達に向かって来た魔物を倒した俺達は、ミリィの援護に疾走する。
狙いは、魔物の背後。ミリィが引き付けてくれているお蔭で、難なく踏み込める。
「グギイイイイイッ!」
魔物の両足を、俺と五郎は深々と斬り裂く。
巨大で重量のある魔物は、自分の重さが災いして、動くことが出来ない。
その隙に、俺と五郎、そしてミリィだけでなく、全ての魔術師が魔物から距離を取る。
全員が十分に距離を取った瞬間、カルナは大魔術を解き放った。
「雷神の矢よ、万物一切貫き穿て!」
詠唱の終わりと共に、圧縮された雷球が解き放たれる。
その瞬間、魔物は掲げた盾ごと消し飛んだ。
ごっそりと、身体の大半が蒸発して無くなり。その余波で残った体も吹き飛ぶ。
破壊の余波はそれだけにとどまらず、後方から押し寄せようとしていた下級の魔物まで吹き飛んだ。
けれど、それで下級の魔物全てが居なくなったわけじゃない。
わらわらと、他の魔物が倒されたというのに恐れる様子は全く見せず、こちらに向かってきている。
(よし、好都合だ)
極端に強すぎる事も無く、適度な経験値稼ぎに倒すにはちょうど良い相手。
それを当初の予定通り、前線基地に誘導するべくみんなに指示を飛ばす。
「戦略的撤退! 後方からの攻撃に気を付けつつ、前線基地まで後退する! 中級の魔物と戦った部隊から優先的に離脱! 五十鈴と有希の部隊はその間に制圧射撃で牽制しつつ、適時撤退を開始して!」
俺の呼び掛けに、全員から応答が返る。
即座に俺は自分の部隊を率いて前線基地に向け走り出し、残りの部隊も付いてくる。
制圧射撃の爆音を耳にしながらしばらく走り、五十鈴と有希に連絡を取る。
「こっちは全員撤退が進んでるけど、そっちはどう?」
【問題ないんよ~。制圧射撃で魔物の動きが止まっとる間に、もう撤退始めとるんよ~】
【こっちも大丈夫っす。けが人一人も無しで、撤退始めてるっすよ】
2人の応えに、ほっとする。けどすぐに気持ちを引き締め、この後の動きを全員に伝令した。
「了解。五十鈴と有希の2人は、そのまま俺たちに連いて来て。前線基地に連いたら、2人の部隊は、前線基地の壁を背にして、こちらに向かって来る魔物に威嚇射撃をお願い」
比較的、疲労が少ない部隊には継続した戦闘を指示し、それ以外には別の指示を出す。
「中級の魔物と戦った部隊は、一端前線基地に戻り休憩。前線基地に待機していた部隊は、入れ替わりにこちらに向かって来る低級の魔物の撃退。もし低級でも数が20以上、中級以上とみられる魔物が来た場合は、全員が前線基地に撤退して。そこから戦術は練り直して、改めて指示するから」
俺の指示を理解するような間を空けてから、全員から応答が返る。
順調に、全ては進んでいた。前線基地に、戻るまでは。
【すまん! 助けてくれ!】
切羽詰まった和花の声が通信で入る。
【統率された魔物の群れに襲われとる! 前に戦った新種と同系統の奴が率いとる!】
すぐに俺は返した。
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◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
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