ブレイブ×サタン ~次代の勇者と魔王の立場が逆転した異世界ファンタジー~

リョウZ

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計略陰謀篇

第44話 交換条件

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エルフの国の女王『セシリア』を助けたゼオンたちは帝国の状況を確認するためエルフ国のイルフィシア王国にやって来た



イルフィシア王国は帝国領から南に面した森に囲われた自然豊かな国 国土は小さいが国のほとんどが森でできているため多種族が入り込んでも森の中を彷徨うだけでエルフの町へは近づけない


森を把握しているエルフだからこそ道を間違えずに町や宮殿に辿り着ける


だからこそ ゼオンたちはエルフ一行について行き 宮殿まで足を運ぶことができたのだ



ゼオン「へぇー 木の上に家がある エルフはやっぱり森と一緒に住んでるんだな」



リエナ「エルフはこの森で一生を過ごす言われている

森を抜ければ外敵に襲われる伝承があるから余程の変わり者でなければエルフが外国には行かないそうだ」



ユウマ「でも 勇者冒険譚にはエルフの仲間もいましたよ 森から出る人もいるみたいですよ」



セシリア「それはやはり 森の中が窮屈で外に飛び出したい者もいますから そんな性格な方かもしれませんね」



話をしながら歩くと宮殿に着く 帝国の宮殿ほどではないが立派なものだった


宮殿の通路を歩き 一番奥の部屋つまり玉座がある謁見の間に通される



セシリアさんが玉座に座る

俺とリエナは地面に膝をつき お辞儀をする

ユウマは初めてのことで あたふた キョロキョロするが、2人を見習って同じくお辞儀をする



「面を上げて お立ちになってください」

セシリアの言葉に従い 3人は立ち上がる



セシリア「はじめに盗賊に襲われているところを助けて頂き誠に感謝申し上げます あなた方は命の恩人です

どうぞゆっくりお休みになってください」

セシリアは優しい口調でお礼と休息を提案する



リエナ「我らを宮殿に招き 休息を与えてくださるのはありがたい しかし我らは急を要するに事態にある 率直に申し上げるこの数日でエイルラント帝国に変化があったのではないか? それ故にセシリア殿はわざわざ馬を走らせ 隣国と会談もしくは交渉をしていた帰り道に盗賊に襲われたと我は思うのだが・・・」



さすが皇帝 読みが鋭いとゼオンは思った

確かに一国の女王が自ら出向くなんてそうあることではない 使者や手紙でいいはずなのに・・・



セシリア「気づかれましたか・・・仕方ありません

帝国の現状をお話しましょう」

優しかった雰囲気が真剣な表情に変わる



「数日前 帝国の皇帝 リエナ・エイルラントが暗殺されたという訃報が隣国の我々にも届きました」



ゼオン「なっ、暗殺って!?」



リエナ「止めるな! 続けて話してくれ」

ゼオンをなだめ セシリアの話を続けさせる



セシリア「そして すぐに第1皇子のアレクセイ様が即位されました」



「「「!!?」」」3人は驚く



セシリア「民を安心させるため皇帝を決めるのは問題ありません ただ いささか早すぎるのではないかと思います

リエナ様の葬儀もしない内に即位するなど何か変だと私わたくしは思いました

さらには隣国や他の国に暗黒大陸進軍と魔王討伐のために兵を集めるように協力を申し上げてきました」



リエナ「アレクセイは王になる気はさらさらない弟だ

芸術品や美術品が好きで姉上がいるから自分は気ままに生きると我に宣言までしていたのだ そのアレクセイが即位して魔王討伐に意気込むなどありえぬ・・・

しかも他の国から兵を集めるなど初耳だ! 帝国の戦力で挑むからこそ長年の因縁を断ち切るはずだったんだぞ!」

リエナは帝国のやり方に怒りを感じていた




セシリア「それで私たちは帝国の動きが怪しいと感じ隣国と話をするために自ら赴き ドワーフや獣人の国の王と会議を行いました 皆は同じ考えで兵は出さぬ方針が決まりました

その帰り道に盗賊が待ち構えていたのです」



ゼオン「もしかして・・・」



リエナ「帝国の差し金かもしれん 女王を人質にしてエルフの国を従わせるつもりだったのかもしれないな」



ユウマ「最初から分かっていたから 女王を狙うなんて卑怯な人たちです」




セシリア「でも リエナ様が生きていて本当に嬉しかったです リエナ様が帝国に帰還すれば この騒動は収まると思いますが、暗殺を流した者は黙っていないでしょう」



リエナ「ああ 間違えなく帝都では何かが起きているはずだ! それ故にセシリア殿 我が生きていることは・・・」



セシリア「当然 口外しません 話せば帝国はイルフィシアに攻め込むでしょうから」



リエナ「すまない!感謝する!」お辞儀をする



セシリア「それで・・・大変申し訳ないのですが・・・」

セシリアは気まずそうに


「口外しない代わりに・・・私たちの願いを・・・引き受けて・・・くれませぬか?」



リエナ「交換条件ということですかな?」



セシリア「はい・・・実はイルフィシア王国は帝国の件以外にも他の問題がありまして・・・」



リエナ「それを我に解決してほしいと」



セシリア「はい・・・これは本来 私わたくしたちエルフの問題なのですが・・・」



リエナ「構わぬ! それで問題というのは・・・」



セシリア「・・・私たち エルフとダークエルフが犬猿の仲なのはご存知かと思います・・・」



ユウマ「ダークエルフって勇者冒険譚だと魔族側にいて勇者の敵役だった種族?」



ゼオン「しー! 今はリエナとセシリア様が話してるからあとでな!」ゼオンは小声でユウマを叱る



セシリア「ふふふ・・・確かにおとぎ話ではそう描かれていますが、それは一部の者たちでダークエルフたちはいろんな場所に集落を持って暮らしています

その一部の集落がイルフィシア王国にも存在しており 長年いがみ合っているのです」



ゼオン「まるで帝国と暗黒大陸だ」



ユウマ「ゼオンさん しー! ふふふ・・・」



ゼオン「むむ!・・・」

ちくしょう! 跳ね返されてしまった



2人をよそにリエナは

「つまり ダークエルフとの和解を成立させたいと」



セシリア「そう通りです 現在 帝国が不信な中 ダークエルフとの対立は国のバランスを揺るがすことに発展する可能性があるため 是非ともお願いしたいのです

もし成功したのなら 帝国へ行く際に馬車や装備品だけでなく私たちも兵士を連れて向かいます

リエナ様が本物であるという証言を言う者が必要だと思いますので・・・」



リエナ「セシリア殿・・・そこまで・・・」



セシリア「それほど ダークエルフとの和解は価値があります ダークエルフを迎える準備 役職や仕事 衣食住を与えるつもりでもあります

私は争い事が嫌いです だからこそ長年の対立を終わらせたいのです!」

セシリアさんの真意が見えて納得するゼオン



ゼオン「リエナ! やろう! 帝国のことも気になるけど・・・セシリア様たちが俺たちに力を貸してくれるなら・・・」



リエナ「ああ! こちらにも有益な交換条件だ!

セシリア殿!その願い聞き受けた!

ダークエルフの件 我らで解決してみせよう!」



セシリア「あ、ありがとうございます!」

深々と礼をする



リエナ「それで ダークエルフたちは何が狙いなのか お分かりなのか? 長年 対立しているとは言ってもただ嫌っているだけではないであろう?」



ゼオン「確かに何か目的があるから攻めるよな・・・」



ユウマ「この国の王様になりたいとか?」



セシリア「理由はたくさんありますが、今の族長が狙っているのは宮殿のさらに奥にある生命の大樹と思われます」



ゼオン「生命の大樹・・・」



セシリア「イルフィシア王国の森の全てを司る大樹で私わたくしたちに森の恵みと加護を与えてくださるエルフ族の守り神のような存在です」



リエナ「加護があるから多種族は森に入っても彷徨うだけなのか・・・」



ユウマ「ダークエルフはそれを悪用するつもりですね」



セシリア「恐らくは・・・」



ゼオン「よしっ! 俺たちで懲らしめてそんな事するなって説得させましょう!」


ゼオンたちはダークエルフに対抗するため作戦会議を行うことに・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







一方 ダークエルフサイドでは・・・


?「なに? 女王が人間族を招き入れただと!

おのれ!儂らではなく 人間を選ぶとは!

だが、今は帝国で揺れている 攻め込むには好機ぞ!

それにあの方からこの杖を託された ふふふふふ・・・」


族長らしき人物が不気味に笑う



?「それにグラディス! お主が来たからにはエルフ族を片付けてもらうぞ! 金は払ったのだ きちんと働けよ!」



「・・・女 子供は殺さぬ 約束だ・・・」

グラディスという腰に剣を携えたダークエルフの女性が言う



?「分かっておる・・・それ以外は皆殺しじゃ」



グラディス「ふん・・・」

機嫌が悪そうにその場をあとにする





グラディスは少し後悔していた・・・


元々 暗黒大陸領で傭兵をずっとしていたが 大金を得られるという依頼を鵜呑みにして受けたらまさかのエルフ族を打倒する依頼だった・・・


エルフは自分たちダークエルフを嫌っている 蔑んでいる お前たちは邪悪な血が入ってるから肌が黒いんだ!と言ってくる奴もいる


好きでこんな肌になった訳ではない!そんな想いは奴らなど知るよしもない



剣を手に当て ふと考える 自分はなんのために剣を持ったのか 生きるため? 金を稼ぐため?

すべては自分ためだった・・・

誰かのために剣を手にしたことはない


そんな相手は今まで生きていて1人もいない


これからもきっといない 1人で生きていく


1人のダークエルフの女剣士は孤独を感じて今日も生きていく・・・


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