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帝都奪還篇
第51話 王の帰還
しおりを挟む2週間後 宮殿前の広場から真っ直ぐ伸びるメインストリート通り その両端に罪人を縛り上げる十字架が左右交互向き合うように設置されていた
誰か大罪でも犯したのか でもこんな大人数も縛り上げにするか など民衆も何が行われるのか興味が出て 帝都の人々だけでなく 下町の人々も外を出て 宮殿やメインストリート通りに足を運ぶ
しばらくすると 宮殿の方から何人かが両手 両足に枷をつけられゆっくりと近づいてくる
それを見た民衆は驚く
連行されていたのは五聖の4人 特殊部隊デミナスの6人 下町の教会で暮らすルピスと子供たち十数人 シリウスの妻と子供 リグレット博士 ゼオンを雇った者と共に働いた数人
さらに老若男女の数人までも連行されていた
それぞれ1人1人 十字架に縛りつけられる
逃げれば 即 殺されると分かっており 皆が大人しく従い十字架にされていく
民衆はなんだ? なんだ?とざわつき始める
「なんで五聖が縛り上げられてるんだ?」
「あれ ラティア様とご子息のテオ様よ」
「おい デミナスまでいるぞ」
人々は訳が分からず 混乱する騒ぎとなる
すると今度はウィーン ガチッャン! ガチャン! ガチャン!と機械の足音が聞こえ始める
ガチャン!ガチャン! ぞろぞろと近づく集団
全身メタリックでまるでターミ◯ーターのサイボーグが広場とメインストリート通りに並ぶ
「なんだあれ?」
「噂の無人ゴーレムらしいぞ」
民はひそひそと話す
続いて 白い鎧を纏った聖騎士団も広場に並列する
宮殿内には聖十字教徒も数十人控えている
自立無人ゴーレムおよそ300体
聖騎士団 200名
聖十字教徒 50名
そして ヴァイスハルト 教皇 新皇帝アレクセイが現れる
大公 妻のファルネリア 娘のミリィは城の一室に幽閉され
窓から状況を眺めるしかできずにいた
アレクセイは広場の高台に立ち 帝都中に響く声を出す
「我らが愛する帝国の民たちよ!
皆も知っていると思うが我々 帝国は2度も魔族によって重要な者たちを惨殺されてきた!
勇者の一族そして我が姉 リエナ すべては奴らが恐れて行った卑劣な罠だった!
魔族は間違えなく悪魔だ!滅ぼすべき敵だ!
だが、そんな悪魔にかどわかされた愚かな者たちがいる
前皇帝リエナ・エイルラントを暗殺した逆賊ゼオンに加担した者たちだ!!
今 そなたたちの目の前にいる十字架に縛り上げにされている者たち その者たちは逆賊ゼオンを庇う発言したかわいそうに悪魔に唆かされて魂を汚されてしまったのだ
余は汚れた者たちの浄化を 罪の断罪を行うこととした!!
ゼオンだけでなく過去に魔族と接点のある者もその罪を認めた上で断罪を受けることとなった」
そうゼオンより以前に魔族を助けた者
魔族と商品の取引をした者
なんらかの理由で魔族と関わった者 すべてを断罪と言っているが言うなれば 公開処刑である
「民よ!我々は一度断ち切らねばならぬ!
浄化せねばならない!悪魔によって汚された帝国を!
そして 浄化された後に我々は暗黒大陸へ渡り 魔族を一匹残らず殲滅する!!
心配することはない!すでに全ての国との協力が決まっている! さあ 立ち上がる時は来た! 皆 腕を天に掲げるのだ! 帝国万歳ー!」
「帝国万歳ー!」信じた民は洗脳されたように声を高らかにあげる
ガルベド「ちっ とんだ茶番だぜ」
シリウス「我々を処刑して兵士をかき集めるのが目的か」
ミウ「・・・」
シルヴィア「・・・」
「・・・」デミナス全員も口を開かない
「・・・・・・」縛り上げにされたすべての人々が絶望し 生きる気力を失っていた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アレクセイ「さあ 始めよう! 帝国の新たな一歩・・・を・・・」
新皇帝は言葉を詰まらせた
民衆がざわつき始めたからだ
それも下町から聞こえ始め だんだん帝都まで広がっていく
やがて帝都の入り口にざわつく原因の一団が現れる
その先頭の馬に跨がり一団を率いていた人物は
暗殺と報道されていた リエナ・エイルラントだった
「なっ リエナ様!?」
「生きていたの!?」
「リエナ様だ!」
「本当だ!リエナ様だ!」
民衆は声をあげて叫ぶ「リエナ様だ!」と・・・
十字架にされていた人々もその姿を目にして瞳に光が宿る
シルヴィア「リエナ様・・・」
イングリット「やはり 生きていた・・・陛下・・・」
アレクセイは絶句して 言葉が出ない
原稿は暗記したが 姉が生きていてほっとしたのか 原稿の内容が頭の中から吹き飛んでしまっていた
リエナと一団は止まる
すぅーと 息を吸い込み 帝都全域に届く声が響く
「聞け!!我が帝国の民よ!
我 リエナ・エイルラントは帰って来たぞ!!」
「うおおおおおおおおおおおおお!!」と民衆が叫ぶ
「そなたたち民には大変心配をかけた なにやら我の訃報が流れているが 我はこの通り 生きている!! 幽霊ではないぞ!」
「ははははは」と笑いが起きる
「そして 帰還してみれば これは何事か?
祭りではあるまい なぜ我が信頼してやまない家臣たちが十字架にされているのだ?
我が弟 アレクセイよ 答えよ!」
「・・・これは・・・あの・・・」アレクセイは言葉に詰まる 自分は脅されている 皇帝の役をしている
心の叫びを伝えたかった だが後ろには教皇とヴァイスハルトがいる 下手な答えは出せなかった
「やはりな 我が弟はただの操り人形だ!
我も家族を利用されて我慢の限界だ!
さっさと出てこい!! 教皇! そして我を暗殺しようとした真犯人 ヴァイスハルト!!」
「!!?」民が五聖がデミナスが 十字架にされた全てのの人々が驚愕する
「貴様の報告は偽りだらけだ! クラーケンを相手にしていたのは我と貴様だった 我が疲弊しているところを狙い氷魔法で我を串刺しにしようとした!
だが、異変に気づいたゼオンが我を守り 命拾いした!」
「そして逃げ延びた我らはエルフ国に辿り着き 女王セシリア殿のご助力を得て帰って来たのだ!」
リエナの横に高貴な雰囲気の女性が立つ
「私はイルフィシア王国 女王 セシリアです! リエナ様が話された事は事実です
どうか 皆様 混乱なさらぬように!
帝国はリエナ様いない間 我々他国に兵を寄越すように申し上げてきました 今までそんなことはありませんでした! 我々より軍事力のある帝国がさらに戦力を求めたのです!これはいささか奇妙です!
まるで失った戦力を補う行為です! そして リエナ様とお会いして確信しました!帝国を裏で操っている者がいると!」
セシリアはリエナ並みに帝国の疑問を訴えかけた
「どうなんだ? 答えろ!!」リエナは怒鳴る
教皇「リエナ陛下 ご帰還 喜ばしいことです
リエナ様不在の間 神の教えを民に与えていたところです」
リエナ「ほう 神の教えは政治にまで口を出すのか?
神の教えとは祈りではないのか?」
教皇「祈りだけでは神の道は歩めませぬ
神の教えに従い 神の道を歩むのです」
リエナ「それがなぜ 他国の兵を集める?
神の道は魔族撃滅という虐殺を行う口実だろ
それとも他国の人を使って聖騎士みたいのを生み出すためだろ」
「皆の者も聞け! 聖騎士とは選ばれたエリートがなる者ではない!!恐らくなんらかの技術また魔法によって操られ ただ魔物を魔族を殺すだけの狂戦士の集団だ!
民の中にも聖騎士になり 帰って来なくなった者がいるはずだ!」
「そうです! 私の主人が戻りませぬ もう半年も・・・」
民が皇帝に告げる
「やはりか 聖騎士団は即刻に解散せよ! 皇帝命令だ!」叫ぶが聖騎士は微動だにしない
教皇「いくら皇帝の命令でも神の使徒は言うことを聞きません! 私 神の代理人の言うことを聞くのです!」
リエナ「ようやく 本性を表したな」小声でつぶやく
「ふぅー」息を少し吐き 怒りを抑える
「すぅーと」息をまた吸い込み 言葉を紡ぐ
「だが、すべてが嘘ではないことも皆に話す!
ゼオンが『魔族』だということこれは間違えなく真実である!」
その発言に皆 真剣な表情になる
「魔族は我々 帝国の敵 長年 苦しめられてきた忌むべき種族 これは帝国の常識であると皆 分かっている
だから彼は素性を隠し 人間族だと偽り 嘘をつき 我々に正体がバレないように暮らしてきたのだ!
確かにスパイなど言われても仕方がない そういう行動を見受けられた!
しかし!! ここにいる民に聞く! 『ゼオン』という人物はどうだったであろう! 我々の敵だったか?忌むべき存在だったか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
民衆も十字架にされた者も首を横に振るだけだった
「そうだ!彼は魔族だが いいやつだった!
一緒に働いた者もいる 孤児院で子供の面倒をみていた デミナスで任務をあたっていたこと 五聖とも合同訓練をしたこと ゼオンと関わった者すべての人が感じたはずだ!
魔族である前に彼は素直でとても心優しい者だと!!」
「だからこそ 皆にも受け入れてほしい!
帝国の歴史上初めて我は皇帝の命で法律を1つ加える!
『魔族』を帝国民として受け入れるその名は・・・」
「「「ゼオン!!!」」」皇帝だけでなく十字架にされている人々 一部の民衆からも大きな声で叫ばれる
すると 武器 兵器開発部門の方角から
ブオーーー!と何か近付く音が聞こえる
ブゴーーー!ブゴーーー!と空を飛行しながら移動する物体を民衆は指さす
そしてリエナたちの近くにゆっくりとそれは降り立つ
シューー ドン!
ウィーン ガチャン!ガチャン!と音を立て
教皇たちの正面を見る
それと同時にシュタと地面に降り立つ人物
?「初めての飛行なのによく動かせたなぁ」
?「新型ゴーレムでも操縦方法が変わってませんでした」
飛行してきたのは開発してあった新型ゴーレムだった
軽量化されたゴーレムの背中にジェットパックが付けられ
重力操作術式でゴーレム史上初めての飛行可能が実現した ただ一体のゴーレムだった
そのゴーレムの肩に掴まり 1人の男が降り立つ
それは十字架にされた人々が瞳を唇を震わせる男だった
右肩には【ギガントスマッシャー】が装着されており 謎の巨腕の少年にしか民衆は見えなかったが、少年は正面を向き
「さて・・・やるか」と意気込む
リエナ「さあ ぶちかませ! ゼオン!!
偽りの勇者を倒し お前が真の勇者になってこい!!」
ゼオン「ああ!!」
ゼオンは一歩ずつ前に進む
【ギガントスマッシャー】の指をガシャン!ガシャン!と鳴らし
「さあ・・・反撃の時だ!」
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