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第5話
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【我は邪神、貴様らをここに呼んだものだ。初めましてと言っておこう、鬼才 霧ヶ峰 才華。そして青山雫と蘭上 美鈴。】
巨大な目は自分のことを邪神と名乗り、才華達にそう挨拶した。
どうやら巨大な目は才華達のことを知っているようだ。
才華はそのことに不気味だと思いつつも、まあ神だからそのくらい知っているかと軽い考えをして口を開いた。
「どうやら俺たちのことを知っているようだな。邪神さん。で、どうして俺たちを連れてきたのか教えて貰えるのか? 」
雫と美鈴は才華の自称神に対して、あんまりな口調にギョッとする。
神かどうかわからなくとも、あの異様な姿にこの真っ白な空間、それに加え”呼んだ”という言葉を加えれば、巨大な目が尋常なものではない事くらいは分かるはずだ。
それに、才華は友達に話しかけるような気軽が言葉使いで話しかけた。
ギョッとしないほうがおかしいだろう。
「ちょ、ちょっと才華……! あんたってもう! バカなんじゃないの! 」
「才華さん。時と場合というものを……! 」
雫と美鈴は小声で怒鳴るという器用なことをして、才華に言葉使いを直せ! とジェスチャーを送る。
しかし、才華はチラッと視線を向けるだけで、直そうという気持ちが全く見受けられない笑みを浮かべた。
「なあ、教えてくれるんだろ? 俺もなんとなくこんなんじゃないかな~というのはあるんだけど、邪神の口から聞いてみたくてさ。」
雫と美鈴は顔を真っ青にさせて、ブルブル震えている。
相当恐ろしいのだろう。
雫に至っては走馬灯が見えている程だ。
だが、邪神はそんな2人など眼中にないらしく、才華の質問に答える。
【よかろう。貴様らを呼んだわけを話すにはまず、我の世界について話さなくてはなるまい。
我の世界は簡単に言えば、魔族と呼ばれる、魔力を体に宿した人型生命体と、人族という、聖力を宿した人型生命体が勢力を競いあっている世界だ。魔族は我、邪神を信仰し、人族は女神を信仰している。
我の世界には大陸が1つしかなく、それゆえに争いが絶えない。
もう何百年、何千年と戦争と平和が繰り返し訪れている。
しかし、今から20年ほど前に人族が勇者と呼ばれるものを女神主導の元、異界から召喚した。
そのものたちは人族でありながら、人族では考えられない力、聖力を誇っており、たちまち魔族は大陸の端まで追い詰められてしまった。
今では魔族は人族に蹂躙され、慰み者、非人道的な実験体にされたりなど様々な目も当てられないような行いをされている。
神である我は、信者がそういったことをされたとしてもなんら感情を抱くことはないが、不干渉を貫いている場合ではなくなった。
このまま行けば、魔族が滅びる。
そうなってしまえば、我も滅びてしまう。
そこで、我は考えた。
ここまで魔族を追い詰めた、勇者を滅ぼさねばならないと。
だが、勇者は強い。
魔族に勇者を倒せるものはほんの一握りしかいない。
しかも、それは一対一でのこと。
複数いる勇者の前には歯が立たないだろう。
ではどうする?
そうだ、勇者以上のものを用意すればよい。
どこから?
目には目を、歯には歯を、異界には異界を、我も異界から呼び寄せよう。
だが、我に残された力は少ない。
勇者のように多数を呼び寄せることは不可能だ。
出来るとすれば少数のみ。
ならば、その少数が圧倒的に強ければよい。
もともと常人を遥かに超えた才能の持ち主に我の力、加護を限界まで与えればよいとな。
そこから我は探した。幾千の世界を探し、探し、探し続けてやっと見つけたのだ。
それが貴様だ。霧ヶ峰 才華。
そして少しだけ残っている余力を使い、貴様を中心として、才能が高い順にここに連れてきたのが青山 雫、蘭上 美鈴というわけだ。】
巨大な目は自分のことを邪神と名乗り、才華達にそう挨拶した。
どうやら巨大な目は才華達のことを知っているようだ。
才華はそのことに不気味だと思いつつも、まあ神だからそのくらい知っているかと軽い考えをして口を開いた。
「どうやら俺たちのことを知っているようだな。邪神さん。で、どうして俺たちを連れてきたのか教えて貰えるのか? 」
雫と美鈴は才華の自称神に対して、あんまりな口調にギョッとする。
神かどうかわからなくとも、あの異様な姿にこの真っ白な空間、それに加え”呼んだ”という言葉を加えれば、巨大な目が尋常なものではない事くらいは分かるはずだ。
それに、才華は友達に話しかけるような気軽が言葉使いで話しかけた。
ギョッとしないほうがおかしいだろう。
「ちょ、ちょっと才華……! あんたってもう! バカなんじゃないの! 」
「才華さん。時と場合というものを……! 」
雫と美鈴は小声で怒鳴るという器用なことをして、才華に言葉使いを直せ! とジェスチャーを送る。
しかし、才華はチラッと視線を向けるだけで、直そうという気持ちが全く見受けられない笑みを浮かべた。
「なあ、教えてくれるんだろ? 俺もなんとなくこんなんじゃないかな~というのはあるんだけど、邪神の口から聞いてみたくてさ。」
雫と美鈴は顔を真っ青にさせて、ブルブル震えている。
相当恐ろしいのだろう。
雫に至っては走馬灯が見えている程だ。
だが、邪神はそんな2人など眼中にないらしく、才華の質問に答える。
【よかろう。貴様らを呼んだわけを話すにはまず、我の世界について話さなくてはなるまい。
我の世界は簡単に言えば、魔族と呼ばれる、魔力を体に宿した人型生命体と、人族という、聖力を宿した人型生命体が勢力を競いあっている世界だ。魔族は我、邪神を信仰し、人族は女神を信仰している。
我の世界には大陸が1つしかなく、それゆえに争いが絶えない。
もう何百年、何千年と戦争と平和が繰り返し訪れている。
しかし、今から20年ほど前に人族が勇者と呼ばれるものを女神主導の元、異界から召喚した。
そのものたちは人族でありながら、人族では考えられない力、聖力を誇っており、たちまち魔族は大陸の端まで追い詰められてしまった。
今では魔族は人族に蹂躙され、慰み者、非人道的な実験体にされたりなど様々な目も当てられないような行いをされている。
神である我は、信者がそういったことをされたとしてもなんら感情を抱くことはないが、不干渉を貫いている場合ではなくなった。
このまま行けば、魔族が滅びる。
そうなってしまえば、我も滅びてしまう。
そこで、我は考えた。
ここまで魔族を追い詰めた、勇者を滅ぼさねばならないと。
だが、勇者は強い。
魔族に勇者を倒せるものはほんの一握りしかいない。
しかも、それは一対一でのこと。
複数いる勇者の前には歯が立たないだろう。
ではどうする?
そうだ、勇者以上のものを用意すればよい。
どこから?
目には目を、歯には歯を、異界には異界を、我も異界から呼び寄せよう。
だが、我に残された力は少ない。
勇者のように多数を呼び寄せることは不可能だ。
出来るとすれば少数のみ。
ならば、その少数が圧倒的に強ければよい。
もともと常人を遥かに超えた才能の持ち主に我の力、加護を限界まで与えればよいとな。
そこから我は探した。幾千の世界を探し、探し、探し続けてやっと見つけたのだ。
それが貴様だ。霧ヶ峰 才華。
そして少しだけ残っている余力を使い、貴様を中心として、才能が高い順にここに連れてきたのが青山 雫、蘭上 美鈴というわけだ。】
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