14 / 22
第14話
しおりを挟む
「さて、私のストレス発散もここまでにして」
「おい」
「紹介したい人がいます、ほらこっちにきてください」
「聞けよ、ロリゲイ」
エイリヒはルークからちょくちょく飛んでくる言葉を躱し、後ろを振り向いて手招きした。すると2人の男女がぎこちなく歩み寄ってきた。
どうやらこの2人を紹介したいようだ。
「この2人はウルティア魔法学校高等科二年生です。今年1年間は研修として1ーA副担任を務めてもらうことになりました。自己紹介を」
「は、始めまして! ウルティア魔法学校高等科二年イリエラ・ティエスと言います! 今年一年間よろしくお願いします! 」
「同じくウルティア魔法学校高等科二年マルコ・ゴーギャンだ。よろしく」
エイリヒに促されて一歩前に出た女性は腕に抱えたボードをぎゅっと抱きしめながら詰まりながらもそう言いい、男性はそれに続いた。
クロエ達は2人の研修生に各々挨拶をしていたが、ルークただ1人だけは目を細めて件の研修生を見ていた。
その目は鋭く鷹を彷彿とさせ、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気は嘘のようだ。
女性はイリエラで、男性がマルコか。
……ふーん研修生ね、高等科っていうからには7歳から15歳までの教育過程を終了しているって訳か。
そしてすべてのランク分けに通った、と。
……もしかしたらこの人たちから情報を得られればランク分けを通る条件とかが分かるかもしれない。
今わかっているのは【容姿】【身体能力】【魔力】だけだが、どうしてもそれだけとは思えないのだ。
今まではランク分けのことに関して知ってそうな人が孤児院の職員、つまり大人しかいなくて聞くことが出来なかったが、まだ17歳になったばかりの2人ならば聞き出せるものがあるだろう。
どんな手を使っても絶対ランク分けの条件を聞き出してやる。
「あ、あの? 」
ジッと鋭い目線を向け続けられるのに耐えられなくなったのか、イリエラがルークに話しかけた。
恐々と出された手はどちらが年上なのかわからなくさせる。
「ああ、すいません。ついイリエラお姉さんの顔に見惚れてしまって、僕の名前はルークです。よろしくお願いします」
「へっ!? き、綺麗ってそんな……はぅ」
イリエラはポッ顔を赤らめ、顔に手を当ててくねくねとしている。それを見て密かにほくそ笑む。随分と初心なようで……これは簡単に聞き出せそうだ。
「ハハハッ! やるじゃねか坊主! 将来は女泣かせになるな、俺はマルコよろしく! 」
「ルークです、よろしくお願いします。マルコ先生 」
「お、おう。なんかこうむず痒いな……」
笑顔で差し出された手をルークが笑顔で握り返すと、マルコはポリポリと頭をかきながら照れ臭そうにそう言った。
どうやらマルコは先生という言葉に弱いらしい。
これからは先生と呼んでみよう。
「これで自己紹介は済みましたね。ふぅー良かったです。遅く入寮していた君たち4人に2人を紹介するのを忘れてしまって焦っていたところでした」
「僕たち4人以外には紹介終わっていたんですか? 」
「ええ、君たちで最後です」
へーそうなんだ。しかし、エルとユリアも俺達と同じで遅く入寮したんだな。慣れている感じだったから早めに入寮したのかと思ってたけど。
でも、なんで研修生の自己紹介なんてするんだ? 授業が始まってからでもいいのに。というか、それが普通だよな。
「ルークくんは『なんでいま自己紹介をしたんだ? 』って思っていますね」
「……先生は超能力者ですか」
「いえいえ、大したことのない取り柄です。さて質問に答えましょう、それは早めにこれを済ますことによって教師と生徒の間を親密なものにするという考えがあるからです。研修生は生の子供と接し、経験を得られる。子供は親しみやすい先生と楽しく学生生活が送れる。両者ウィンウィンです」
エイリヒはダブルピースサインを押し出し、ウィンウィンを強調する。その理屈は甚だ疑問を感じるんだが、そこんとこどうなんだろうか。
それになにか意図を感じる。2人は情報を得られる貴重な人員かつ危険人物として気をつけておこう。
「あの、目の前にそれやられるとものすごい邪魔なので退けてください」
「おっと、すいません。つい興奮してしまいました。さて、用事も終わった事ですし私たちは退散するとしましょう。イリエラさん、マルコさん行きますよ」
「はいわかりました。エルちゃん、ユリアちゃん、クロエちゃん、ルークくんまたね」
「次は入学式か? それまで元気にな」
エイリヒは腕につけた腕時計なようなものを見た後、踵を返した。引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、用を済ませたら颯爽と退散する。まるで嵐のような人だ。
その人の元で副担任をする2人が不憫でならないな。
ルークはエイリヒのあとを追う2人に同情の眼差しを送った。
「おい」
「紹介したい人がいます、ほらこっちにきてください」
「聞けよ、ロリゲイ」
エイリヒはルークからちょくちょく飛んでくる言葉を躱し、後ろを振り向いて手招きした。すると2人の男女がぎこちなく歩み寄ってきた。
どうやらこの2人を紹介したいようだ。
「この2人はウルティア魔法学校高等科二年生です。今年1年間は研修として1ーA副担任を務めてもらうことになりました。自己紹介を」
「は、始めまして! ウルティア魔法学校高等科二年イリエラ・ティエスと言います! 今年一年間よろしくお願いします! 」
「同じくウルティア魔法学校高等科二年マルコ・ゴーギャンだ。よろしく」
エイリヒに促されて一歩前に出た女性は腕に抱えたボードをぎゅっと抱きしめながら詰まりながらもそう言いい、男性はそれに続いた。
クロエ達は2人の研修生に各々挨拶をしていたが、ルークただ1人だけは目を細めて件の研修生を見ていた。
その目は鋭く鷹を彷彿とさせ、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気は嘘のようだ。
女性はイリエラで、男性がマルコか。
……ふーん研修生ね、高等科っていうからには7歳から15歳までの教育過程を終了しているって訳か。
そしてすべてのランク分けに通った、と。
……もしかしたらこの人たちから情報を得られればランク分けを通る条件とかが分かるかもしれない。
今わかっているのは【容姿】【身体能力】【魔力】だけだが、どうしてもそれだけとは思えないのだ。
今まではランク分けのことに関して知ってそうな人が孤児院の職員、つまり大人しかいなくて聞くことが出来なかったが、まだ17歳になったばかりの2人ならば聞き出せるものがあるだろう。
どんな手を使っても絶対ランク分けの条件を聞き出してやる。
「あ、あの? 」
ジッと鋭い目線を向け続けられるのに耐えられなくなったのか、イリエラがルークに話しかけた。
恐々と出された手はどちらが年上なのかわからなくさせる。
「ああ、すいません。ついイリエラお姉さんの顔に見惚れてしまって、僕の名前はルークです。よろしくお願いします」
「へっ!? き、綺麗ってそんな……はぅ」
イリエラはポッ顔を赤らめ、顔に手を当ててくねくねとしている。それを見て密かにほくそ笑む。随分と初心なようで……これは簡単に聞き出せそうだ。
「ハハハッ! やるじゃねか坊主! 将来は女泣かせになるな、俺はマルコよろしく! 」
「ルークです、よろしくお願いします。マルコ先生 」
「お、おう。なんかこうむず痒いな……」
笑顔で差し出された手をルークが笑顔で握り返すと、マルコはポリポリと頭をかきながら照れ臭そうにそう言った。
どうやらマルコは先生という言葉に弱いらしい。
これからは先生と呼んでみよう。
「これで自己紹介は済みましたね。ふぅー良かったです。遅く入寮していた君たち4人に2人を紹介するのを忘れてしまって焦っていたところでした」
「僕たち4人以外には紹介終わっていたんですか? 」
「ええ、君たちで最後です」
へーそうなんだ。しかし、エルとユリアも俺達と同じで遅く入寮したんだな。慣れている感じだったから早めに入寮したのかと思ってたけど。
でも、なんで研修生の自己紹介なんてするんだ? 授業が始まってからでもいいのに。というか、それが普通だよな。
「ルークくんは『なんでいま自己紹介をしたんだ? 』って思っていますね」
「……先生は超能力者ですか」
「いえいえ、大したことのない取り柄です。さて質問に答えましょう、それは早めにこれを済ますことによって教師と生徒の間を親密なものにするという考えがあるからです。研修生は生の子供と接し、経験を得られる。子供は親しみやすい先生と楽しく学生生活が送れる。両者ウィンウィンです」
エイリヒはダブルピースサインを押し出し、ウィンウィンを強調する。その理屈は甚だ疑問を感じるんだが、そこんとこどうなんだろうか。
それになにか意図を感じる。2人は情報を得られる貴重な人員かつ危険人物として気をつけておこう。
「あの、目の前にそれやられるとものすごい邪魔なので退けてください」
「おっと、すいません。つい興奮してしまいました。さて、用事も終わった事ですし私たちは退散するとしましょう。イリエラさん、マルコさん行きますよ」
「はいわかりました。エルちゃん、ユリアちゃん、クロエちゃん、ルークくんまたね」
「次は入学式か? それまで元気にな」
エイリヒは腕につけた腕時計なようなものを見た後、踵を返した。引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、用を済ませたら颯爽と退散する。まるで嵐のような人だ。
その人の元で副担任をする2人が不憫でならないな。
ルークはエイリヒのあとを追う2人に同情の眼差しを送った。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる