オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)

こばやん2号

文字の大きさ
77 / 162
2部【アース大陸横断編】 第1章 「目指せドグロブニク 漫遊編」

75話:「呪いが解けた原因は?」

しおりを挟む

大和はその光景を見て愕然としていた。
この世界に来ていろんなことを体験してきた経験が
もう驚くことはほとんどないなと高を括っていた大和だったが
まだまだこの世界には彼の想像を絶する事がまだまだあるようだ。

「・・・・・・」

そこには一人分には過分すぎるほどの料理が所狭しと並べられ
肉・魚・果物などの未調理の食材も多数存在していた。
その料理や食材の中心に見知った人物がいた。
呪いが掛けられていた町の代表者であるバルバロだった。

「ふふぉ! ふぉれふぁふーふぁふぉふぉ!!」
(おお! これは勇者殿!!)

口いっぱいに料理を頬張る姿はまるで餌に群がる家畜を想像させたが
彼と仲違いしたいわけではないのでここは空気を読んで黙っておいた。

「バルバロ殿・・・・食べるか喋るかどっちかにしてくれ・・・・・・」

そんなわけでしばらくバルバロが料理を食べる光景を見させられることになってしまった。
十五分ほどして満足したのかバルバロはようやく一息ついた様子だった。

「いやー申し訳ない勇者殿、一か月ぶりのまともな食事だったんで
ついつい食事に夢中になってしまいました」

そう言いながらも果物をつまみながら話すバルバロを見て
大和はため息を漏らすが彼に問いかける。

「これだけ食べているということは呪いは解けたのか?」
「ええおかげさまで味が感じられるようになりました。
 これもひとえに勇者殿が魔物を退治してくれたお陰です」

そう答えるバルバロだったがどうにも解せない点があった。
大和たちは魔物など退治していないからだ。
町の人々に呪いをかけているという魔物が住み着く洞窟に行ってみたものの
そこにいたのは精霊と名乗るノームだけで他に目ぼしい魔物などいなかった。
ということはノームがその魔物なのかと言われれば些か疑問である。

大和は自称ではあるが勇者を名乗っている。
だがその名は伊達ではなくちゃんと実力が裏付けられた結果によるものである。
だから一目見れば邪悪な存在は一発で看破できてしまうのだが
ノームにはそういった類の邪悪さは微塵も感じられなかった。

ノーム自体が力を持った存在で
本当の力を隠蔽しているのであれば話しは別だがそんな様子も感じられない。
つまりは何がきっかけでバルバロたちの呪いが解けたのか大和は皆目見当が付いていなかったのだ。
大和の性格からしてわからないものをそのままにしておくのは気持ちが悪いので
ここは素直にバルバロに事情を説明してこの状況から結論を導くことにした。

「なっなんですって! 魔物を退治していないですと!?」

予想していたよりもバルバロの驚愕は大きかった。
先ほどまで感謝の言葉を述べていた朗らかな表情とは一転して焦りの表情を湛えている。

「でも呪いは解けたんだろ、何か心当たりはないか?」

「わかりません。 特にこれと言っていつもと違うことをしたわけでもないですし・・・・」

「ボキが説明するだっぴゃ!!」

突然現れた謎の生物Xにバルバロは飛び跳ねるように驚く。

「なんだこの生き物は!! まさかコイツが例の魔物じゃないだろうな!?」

「違うだっぴゃ! ボキは地の精霊ノームだっぴゃ!!」

そんなこんなで自己紹介を済ませたノームは
今回の件についての原因を語り出した。

「今回この町の人間が呪いにかかったのは魔の洞窟に住み着いていたモンスターが出す瘴気が原因だっぴゃ!」

「瘴気?」

「そうだっぴゃ! 瘴気とはモンスターが出す負のエネルギーで
人間がこのエネルギーを浴びてしまうと今回のように身体異常が出ることがあるだっぴゃ!!」

「その瘴気をこの町の人たちが浴びたことで食べ物の味がわからなくなったと?」

「だっぴゃ!!」

なるほどと大和は納得した。
だが今まで沈黙を貫いていたリナたちが話に割って入る。

「魔の洞窟で発生した瘴気がこの町に降り注いだわけですか。
 でもそんな危ないものが今までよく洞窟にとどまっていましたね?」

もっともらしい質問をリナがする。
こういう真面目なところは大和としては嫌いではない。
口が裂けても本人には言わないが・・・・・・

「ボキがモンスターを洞窟から追い出してしまったからだっぴゃかな?」

「えっ?」

今それらしい原因をノームが言った気がする。
ほぼ間違いなくそれが原因だろう。

「やっぱりお前が洞窟の魔物だったんじゃないか!!」

ノームの言葉で激昂するバルバロ。
そりゃ一か月も食べ物の味がわからなかったんだ。
その原因を作った奴が目の前にいたらそりゃ怒鳴りたくもなるだろう。

「ごめんだっぴゃ・・・・」

ノーム本人もこんな事態になるのは予想できなかったようで申し訳なさそうにしている。

「でもどうして急に呪いが解けたですのん?
 呪いと言うからには術を掛けた者を倒さなければ呪いは解けないと思うですのん」

マーリンの問いかけにノームが答える。

「それはきっと洞窟から吐き出された瘴気が薄くなって
人間たちの身体異常、呪いが無くなっただっぴゃ!」

ともかく呪いの原因がモンスターの瘴気だということがわかりホッとする一同。
ひと騒動あったこの呪い事件も一件落着を迎えたのであった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?

あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】全60話 完結しました。読者の皆様ありがとうございます! 世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。 「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。 ・神話級ドラゴン  ⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺) ・深淵の邪神  ⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決) ・次元の裂け目  ⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い) 「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」 本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……? 「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー! 【免責事項】 この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

処理中です...