オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)

こばやん2号

文字の大きさ
92 / 162
第2章 「ドグロブニク攻防戦」

90話:「大和、誘惑される」

しおりを挟む

どうしてこうなった? 今の大和の頭の中を巡らせている言葉はそれだ。
目の前にいるのは一糸まとわぬ姿で佇む20代の女性。
緊張で汗ばんでいるのか窓から差し込んできた太陽光に反射するようにキラキラと光沢を放つ。
彼女の口から感嘆とも喘ぎとも取れる吐息が漏れ出す中大和はこの状況を冷静に分析する。

事の発端はマチルダさんが大和の宿泊先である宿に訪ねてきたところから始まる。
ノックされた扉を開けると先ほどアイゼンさんの屋敷にいた給仕姿の女性が立っていた。
彼女は一礼すると「よろしいでしょうか?」という言葉を投げかけてくる。
どうやら何か話があるようで部屋に入れてもらいたいということらしく
その言葉を口にした後俺の次の言葉を待っていた。

ここに来た理由もわからないまま彼女を部屋へ招き入れた。
今思えばこの時彼女を部屋に入れる前に用向きを聞いておけば
今回の騒動は防げたかもしれない。
だがそれはあくまでも結果論に過ぎないし、この時の俺はその可能性をかんがみなかった。

彼女がいそいそと部屋の中に入る。
そして、入ってきたドアを閉めるとなぜか鍵をカチャリと掛けた。
そのことに気付かない俺はベッドがある位置まで歩を進めると彼女を背にした状態で質問した。

「それで一体なんの御用ですか、何かありましたでしょうか?」

彼女が俺に本気で襲い掛かってきた事件からまだ1時間程度しか経過していないこの状況で
警戒心を解くのは無理という話だった。
俺は彼女が先ほどの戦いの続きをしに来たのかと予想しながらもそうでないことを期待して彼女の返答を待つ。
すると彼女は何も答えることなく給仕服を脱ぎ始めた。
その服は所謂メイド服というもので地味めのドレスというイメージがしっくりきた。

ドレスを脱いだ彼女は黒の上下お揃いの下着姿に伝家の宝刀である【ガーターベルト】を着用していた。
そして、彼女はその姿のままで俺の質問に答える。

「先ほどの勇者様に対する無礼の数々お許しくださいませ」

背中から聞こえてくる声音は最初であった印象よりも柔らかいものになっていた。
それだけで彼女が本当に反省していることが伝わってくる。
俺は彼女が人としての常識を持ち合わせていたことに安堵すると振り返って話そうとしたが
彼女が常識人だというのはただの勘違いだったと俺は痛感する。

振り向くとそこには抽象的なものではなく現実的な意味でピンク色の世界が広がっていた。
目の前には大人の色香を漂わせる女性が佇みもじもじと体をくねらせながら羞恥に耐えている。
彼女の引き締まった身体とリナやエルノアほどではないが男の欲求を満足させるのに足りる大きな乳房
それが漆黒色に染まる神秘のベールで包まれた様はまさに黒き衣を纏いし女神のそれだった。

「何をやっているのですか?」

俺はあくまでも、そうあくまでも彼女をどうにかしたいという欲望を理性という鎖で抑え込みながら
平静を装って淡々とした口調で問いかけた。

「私には先ほどの無礼に対してお支払いできる金銭はございません。
 ですから私が支払えるものと言えばこの身体だけでございます・・・・」

そう言いながら上目遣いでこちらを見つめてくる。
熱を帯びた頬は羞恥なのか照れなのか桜色に染まりそれが彼女の魅力を引き立てる。
これは言い訳になってしまうが俺とて男だ。
目の前にこれだけの美女が裸同然の姿で迫ってくれば何もしないという保証は出来兼ねる。
増してや女性経験が皆無の俺にとっては益々欲望に身を委ねてしまう衝動に駆られてしまう。

「マチルダさんがそのようなことをする必要はありません。
 あれは業務上必要なことだと思いますし、もう謝罪の言葉はもらってますから・・・・」

欲望と理性の狭間で葛藤するもギリギリの所で理性に軍配が上がり彼女の申し出を丁重に断る。
だがここまで来てマチルダさんも引くに引けない女の矜持きょうじというものがあったのか俺の申し出を突っぱねる。

「それでは私の気が済まないのです!!
 それに・・・・ヤマト様でしたら・・・・その・・・・この身を捧げても構いません」

首を傾けながら俺に視線を合わせないようにし手を前でもじもじと動かす。
そのたび彼女の双丘が柔らかさを物語るようにぐにゃりと形を変えてゆく。
俺はマチルダさんに向かって歩き出した。
彼女の横をすり抜け椅子に掛けてあった彼女が脱いだメイド服を
手に取ると両手で持ちながら彼女に突き出す。

「そのお気持ちは嬉しいですが、マチルダさんにはあなたを本気で愛してくれる人と
そういうことをすべきだと俺はそう思います。 美しいあなたにはそうなって欲しい・・・・」

その言葉を聞いた瞬間彼女の瞳が揺れる。
そして、確信したかのようにぽつりとつぶやいた。

「やはり私の目に狂いはありませんでした」

そう呟いた後彼女は最後の砦と呼ぶべき神秘のベールを脱ぎ払い、生まれたばかりの赤子のように肌を晒す。
再び俺の中で欲望と理性が戦いを開始する。
マチルダさんは俺が突き出していたメイド服を受け取るとそれを自分の後ろに投げ捨てた。

「ヤマト様は私のことお嫌いでしょうか?」

瞳を潤わせ桜色に上気した身体を俺に見せつけながら今この状況で反則というべき問いを投げてくる。
そんな質問をされたらこう答えるしかない。

「いやそんなことはないですが・・・・」
「ヤマト様っ!!」

俺の返答を聞くや否やマチルダさんは俺を床に押し倒した。
そして仰向けに倒れた俺の腹に馬乗りになってこの後するであろう行為のイニシアチブ主導権を取りに来た。
離れていて伝わってこなかった彼女の温もりそして柔らかさが今目の前にある。
それは俺の理性をいとも簡単に吹き飛ばす勢いのものだったが寸でのところで踏みとどまった。

「マチルダさん・・・・こんなこと止めましょう?」

それは俺ができる最後の抵抗だったが彼女がそこで止めと呼ぶべき一言を発した。

「わたくしの【初めて】をあなたに捧げます・・・・」

その言葉で俺の牙城は脆くも崩れ去り、あとは欲望に身を任せて彼女の身体を蹂躙するだけかと思われた刹那
突如部屋に何かかが爆発したような音が響き渡る。

そして、その爆発の後すぐ俺の腹の上にいたはずの彼女が消えていた。
いや正確にはこの部屋に入ってきた3人の獣によって文字通り一蹴されてしまった。

「「「なーにやっとんじゃあああああああ!!!」」」

侵入してきたいつものメンバー。
リナは蹴り、エルノアはパンチ、そしていつも真面目なマーリンですら己の杖を使い
俺の腹の上にいたマチルダさんを吹っ飛ばしたのだ。

ここで俺は疑問に思った。
実際マチルダさんと戦ってみた感想、それは彼女は相当な実力を持っている。
今部屋に突入してきたリナたちよりも実力は確実に上のはずなのにも関わらず
不意を突かれたとはいえリナたちの攻撃を避けることができなかった。

いやそればかりか今もこうしてリナたち3人にボコボコにされている始末。
この時俺は彼女たちが持っている潜在能力の高さを垣間見た気がした。
そして、こうも思った。

『女の子は本気で怒らせるもんじゃない』と・・・・
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

処理中です...