オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)

こばやん2号

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第2章:パーティーができあがるまで

24話:「ドラゴンタクシー」

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目の前にひれ伏す巨大なドラゴンを見ながら
大和はこの状況をまだ理解しかねていた


「主とはどういうことだ?」



状況を把握するためにドラゴンに事情を聞くことにした
その後でドラゴン倒しても遅くはないだろう


先ほどとは打って変わって、洞窟内を静寂せいじゃくが支配していた
その静けさを打ち壊すかのようにドラゴンが口を開く


「我ら龍族は、生涯仕える主を求め
よわい200年を過ぎると旅に出るのです。」

続きを促すように大和はドラゴンの言葉を待つ


「己の生涯を賭けて主となる者を探し出し
主の命尽きるまでお仕えするのが我ら龍族の掟なのです。」


マジかよ・・・この世界のドラゴンって執事かなにかか?
そんなとりとめもないことを考えているとドラゴンが大和に問いかける


「あなた様の持つ剣こそ我が主となる証拠なのです。」


そう言われたので大和は自分の持つ剣を観察する
すると剣の剣身に龍の紋章が刻まれていた


「その龍の紋章こそ我ら龍族にとって神の紋章と呼ばれているもの。」



何か話が長くなりそうな気がしたのでドラゴンの言葉を遮って大和が話し出す


「待て待て待て待て、ちょっと待て!!」
「この紋章はご神託にある紋章じゃないのか?」


「ご神託?ああ人間の元に降りたという神託のことですか。
確かにその神託の紋章でもあるみたいですが、
それは我ら龍族にまつわる紋章でもあるのです」


つまりご神託で降りた龍の紋章と
コイツが俺を主人と認める証拠の紋章が同じってことか?


わけわからん、いやわけはわかるのだが
納得はしてない!!


「ともかく、もう襲ってはこないんだな?」


「もちろんでございます。主に逆らうしもべなどおりません!!」



その言葉を聞いて、初めて剣を鞘に戻す大和
そして、目が点になっているリナの正気をチョップで戻し
事情を説明する


「つまりこのドラゴンはヤマト様のしもべになったということですか?」



「そう・・・みたいだな・・・はあー」



また厄介ごとが増えたことに落胆のため息をつく
ただでさえ勇者として肩身が狭くなっているのに
この上こんな化け物みたいなドラゴンの主人なんてまっぴらごめんだぞ!!


大和はあくまでも平静を装ってその場を後にしようとした


「そうか事情は大体わかったじゃあそういうことでバイビー!」


バイビーなんてもはや死語になりつつある挨拶を交わして
洞窟から出ていこうとする、だが当然の如く呼び止められた


「お待ちください主、どこへ行かれるのです。」


「村人の依頼は達成したから村に帰るんだ」


「私もお供いたします!」


「そうかそうか、だが断る!!」


「なぜでございます!?ようやく主に出会えたというのに!!」
「場合によっては生涯出会うことなく生を全うするドラゴンもいるというのに
私は出会えたのです。これほどの幸運がありますでしょうか!!」


そういって目をキラキラとさせるドラゴン
そんなこと大和にとってはどうでもいいことだった



「見なかったことに・・・」


「できませぬ!!」


言い終わる前に遮られてしまった


「・・・・・」



「・・・・・」



しばらくの沈黙ののち大和が諦めたようにため息を吐き出し
ドラゴンに話しかける



「とりあえずこの問題は村に帰ってからだ。
おいドラゴン、お前名前は?」



「ありませぬ、できれば主に付けていただきたいのですが・・・」



「そうだな・・・リナ、こいつってフレア・ドラゴンっていうんだよな?」



「は、はい・・・そうですが・・・」



まだこの事態を飲み込めていないのだろう
おどおどしながらリナが答える


「そうかぁ・・・おいお前オスかメスか?」


ドラゴンに問いかける大和
そして、急に艶やかな雰囲気を醸し出しドラゴンが答えた


「メスでございます・・・」



その瞬間後ろのリナに殺気のような
ハブを見つけたマングースのような雰囲気が漂ったが
知らんぷりをしてドラゴンに話しかける


「じゃあ・・・フレイヤなんてどうだ?
フレア・ドラゴンのメスってことで、フレイヤ!」


「フレイヤ・・・畏まりました我が主」


そう言って大和はフレイヤに挨拶をする


「そう言えば自己紹介がまだだったな・・・
俺は小橋大和、大和って呼んでくれ」



「ヤマト様・・・」


「それからこいつは一緒に旅をしているっ」


そう言い終わる前に大和の言葉を遮り、ずかずかとフレイヤに近づくリナ
まるで生涯のライバルと対峙したような雰囲気だ


「リナ・シェーラと言います、以後お見知りおきを・・・」


そう言うとなぜかリナとフレイヤが睨み合っている
仲良くなったのかな?いやそんな雰囲気じゃないな


「ともかくここから出よう」


「ヤマト様、私このフレイヤにお任せください!」


フレイヤは大和とリナ二人を背中に乗せると
大きな翼を羽ばたかせ、飛び上がった
どうやらこの洞窟は外と繋がっているらしく
そこから洞窟内に入ってきたとフレイヤが言った

人を乗せて飛んだことがなかったのか
飛んでいる最中に洞窟の壁に激突し先ほどいた空間が
見る影もなく瓦礫の下に埋もれてしまった
多分だが洞窟内にいたモンスターは・・・


大和はモンスターたちの冥福めいふくを祈りつつ
フレイヤの背に乗って洞窟を脱出した


洞窟を出たすぐのところで下ろしてもらい
村人に任務完了を伝えるために
村に戻るからそこで待っていろとフレイヤに命令し二人は村に戻った


一度行ったことのある場所なら
どこへでも行ける呪文【テレポート】を使い
村にすぐに帰還した


村に戻ると村長ベルガに任務を完了したことを伝えた


「ありがとうございますじゃ勇者様」


「一宿一飯の恩義です」


まあ高い宿賃になったと思ったが
これもまたRPGの勇者あるあるということで
無理矢理自分を納得させる大和


「そうだ、ささやかながら宴の席を設けさせていただきたいのじゃが?」


「いえお気持ちだけで結構です。待たせている者もおりますので」



折角のご厚意を無下にはしたくないのだが
今はフレイヤの問題を片づけるのが先決と思い泣く泣くベルガの誘いを断った


ベルガに任務完了の報告をしたその足で次の目的地に向け出発する
洞窟に出発した時と同じように多くの村人が見送りに来てくれた

皆口々にモンスターの脅威から救ってくれたことに感謝していた
困っている人を助けるのはやはり気分がいいものだ、これもまた勇者あるあるかな?


村人に見送られながら村を後にした二人は
村人の姿が見えなくなったところでテレポートを使い
フレイヤのいる場所まで飛ぶ



待たせたなという挨拶をし、今後フレイヤをどうするか考えていると
リナがある提案をする


「しもべにするかどうかは抜きにして
このドラゴンに乗っていけばすぐに旧王都に着くんじゃないですか?」



「なるほど、一理あるな・・・よし」


そういうと大和はフレイヤに向き直り正直に話し出した


「フレイヤ、お前をしもべにするのは別として
お前に頼みたいことがあるんだが・・・」


「主の願いを叶えるのがしもべの務め、何なりとご命令ください」



なんか利用してるみたいで気が引けるが
今は彼女の厚意に甘えることとする



「俺たちは今旧王都を目指してるんだが
そこまで乗せてってくれないか?」



「お安い御用でございます。ささ、お乗りください
おい、そこの人間もついでに乗るがよい!」


二人が睨み合うのを横目で見ながらフレイヤに乗り込む大和
大和はなぜ二人がいがみ合っているのか皆目見当がつかなかった
(原因は他でもない自分であるというのに・・・)


フレイヤが二人を乗せて飛び立つ
洞窟でも乗せてもらったが、ものすごい速さで飛んでいるため
顔に来る風圧が半端なかった


そこから歩いて3日かかる距離をわずか1時間ほどで踏破できた
さすがに王都の入り口で降りるわけにはいかないので
近くの山に下ろしてもらった、ここからなら夕方までには旧王都に到着するだろう


フレイヤにお礼を言うと、大和はフレイヤに聞きたいことがあったので聞いてみた


「フレイヤ、お前人間に変身できないのか?
そのままだと、一緒に行動できないだろ?」



「はあ、残念ながらできません・・・
ただそれは私が変身の術を覚えていないというだけでございまして。
故郷に帰れば、その術を教えてくれる者はおります。」



しめたという心の声を呟き大和がフレイヤに命令する



「だったら今後のことも考えて、一度故郷に戻って
変身の術を覚えてきなさい。」

「完璧に人に変身できるようになるまで戻ってくるな。」



そう言うとフレイヤは一瞬迷った表情を見せたが
大和の命令ということでしぶしぶ了解してくれた


「畏まりました。ではこれよりフレイヤ故郷に戻り
変身の術を覚えてまいります。ヤマト様しばしのお別れでございますが
どうかお体にお気をつけて・・・」


「もう戻ってこなくてもいいですよーだ」


そう言ってリナはアッカンベーをするそれに対しフレイヤが


「何を人間が!見ていろすぐに変身の術を覚えて
戻って来てやるからな!!」


そう言うと大和にもう一度別れの挨拶をして
フレイヤは空に飛び立っていった
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