オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)

こばやん2号

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第2章:パーティーができあがるまで

25話:「旧王都フランプール」

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フレイヤと別れた後、二人は旧王都のフランプールに向かっていた
途中で大和がリナに質問をする


「そう言えば、お前いつの間にフレイヤと仲良くなったんだよ?」


その質問が唐突すぎたのか彼女の目が大きく見開かれる


「はあ!?どこが仲がいいんですか!!
あいつは・・・ライバルです!!」


そう言って握りこぶしを作り、その拳に力を込めるリナ
ドラゴンに対抗意識を燃やすなんて何があったんだ?
(その原因が自分にあると気付かない大和であった・・・)


そんな他愛もない話をしながら歩いていると
旧王都の姿が目に飛び込んできた


その全容は【城塞】という言葉が良く似合う姿形で
石のレンガで敷き詰められた城壁は牢固ろうことした作りをしており
ちょっとやそっとの攻撃ではびくともしない様相を呈していた


王都の入り口まで到着した二人は門に立つ衛兵に話しかける


「ジェスタの町から来ました旅の者です。
入ってもよろしいでしょうか?」


礼儀正しく大和が衛兵に問いかける
ここにきてサラリーマンの営業スキルが役に立っている


衛兵は二人を値踏みするようにしげしげと観察したのち
親指を突き立てた手を肩の後ろの方に向ける
どうやら通っても問題ないようだ。



旧王都に入った二人はまず拠点となる宿を確保するべく
中心街の方へと歩を進めていた。


その途中まるで京都にある人力車のような乗り物に乗った
一人の中年女性が大和たちの右側の路地からゆっくりと現れた


その車を引いていたのは、一人の女性だった
見た目は20代半ば、髪の色は金色に輝いていたが
風呂に入っていないのかどこか薄汚れてもいた。


顔は少し鋭い目をしてはいたが、整った顔立ちをしていて
可愛いというよりも美しいという表現が適切だろう
そして、何よりも特徴的だったのが長く尖った耳であった。

金髪?綺麗な顔立ち?長く尖った耳?もうお分かりだろう??
そう、人力車を引いていたのはエルフだった。


麻で作られた、薄っぺらな女性服を身に纏い
その姿はまるで【奴隷】の様だった


「なにあれ?」


リナに聞いてみた


「奴隷・・・というやつですね・・・」


そう答えたリナの顔は明らかに嫌悪感丸出しの顔だった
神官を務めている彼女にとって奴隷と言う存在自体が
許せないことなのだろう


そんなことを思っていたそのとき、人力車に乗っていた
人物が甲高い声で、エルフに怒鳴り始めた。



「なにをやっているザマス、さっさと車を引くザマス!!」



うわあ、ザマスって・・・
初めて聞いたかもしれない・・・
現実に【ザマス】という語尾をつける人物がいなかったため
驚いたが、これも異世界の文化か?と思い勝手に納得した


エルフは自分の主人である女性に許しを請う


「お許しくださいませ、アンジェリカ様
もうこれ以上は引けません・・・」


そういって地面にへたり込んでしまうエルフ
その姿に憤怒した女性が声を張り上げ
鞭を取り出し、エルフに打ち付ける


「そんなことは私の関係ないことザマス!
さっさと車を引くザマス!!」


その光景は旧王都ではよくあることなのか
行き交う人々は目を向けはするものの
立ち止まったりはしていなかった


女性が鞭を何度が打ち出した時
エルフが吹っ飛ばされてしまった。
大和は見てられんと言わんばかりに
エルフの女性に近寄り肩を貸してあげた


「大丈夫ですか?」


「えっ?あっあの・・・」


困惑しているのか、エルフはそれしか言葉を発さない
その時、女性が大和に声を掛けた


「私の奴隷に何するザマス?お前もさっさと車を引くザマス!!」


そういってエルフに車を引くよう催促する女性
それに従い、エルフは車を引こうと大和の肩から離れていく
一度振り返って大和に一礼したエルフは
おぼつかない足取りではあったが、人力車までたどり着き
ゆっくりとではあったが人力車を押していった


遠ざかっていく途中に女性の甲高い声が聞こえたが
距離が開くにつれ聞こえなくなっていった


よく奴隷制度がある小説や物語は出てくるが
実際目の当たりにするとあまり気分のいいものではなかった


「この世界って奴隷制度があるんだな?」


「はい・・・残念なことではありますが・・・」



この世界の闇の部分を見た気がしたが
今の大和にはどうすることもできなかった。


「あんなに綺麗な子が奴隷なんて、可哀そうに
リナと同じくらい美人なのに・・・」


その言葉を彼女が聞き逃すわけもなく大和に聞き返す


「えっ?ヤマト様今何と言いました?
私のことを美人といいまっ」


「さて、宿でも探すか・・・」


俺はできるだけ平静を装い、何もなかったことにした
後ろでリナの「待ってください」という声が聞こえたが
止まらずにそのまま歩き続けた。


しばらくして宿に到着し、一人部屋を二つ取ることにした
宿賃は一部屋で400ゼリルで二部屋で800ゼリルかかった。
部屋決めの際リナが二人部屋がいいとか言っていたが、
身の危険を感じたため速攻で却下する。


宿に着いた時には辺りはすでに暗くなっていた
宿で食事ができたので今日はそこで夕食を取ることにし
旧王都での情報収集は明日にして今日は早めにベッドに入り就寝した。



次の日、二人は旧王都での情報収集のため
朝早くに宿を出て街に繰り出した。


情報収集の前に朝飯がまだだったので
商店が立ち並ぶ区画まで足を運びそこで朝食をとることにした。
牛や豚よく似た肉が5個で1本の串焼きになって売られていたので買って食べてみた
朝から肉は重いかと思ったが、淡白なあっさりした味付けだったので
無理なく食べることができた。(ちなみに値段は1本7ゼリル)


その後旧王都の街を散策していき街の人にいろいろと聞いて回った
聞いた話によると、この旧王都フランプールはかつての魔王との戦いにおいて
魔王軍の幹部の軍勢と戦い、籠城戦で勝利を収めたのだが
その戦いによって当時の国王が討ち死にしてしまったそうだ。


今は生き残った王族が執政官として、この旧王都を治めているそうだ


「なんで執政官なんだ?新しい王様を立てればいいだろう?」


その疑問にリナが答える


「先の魔王の軍勢との戦いでは勝利しましたが、連合軍は壊滅し結果的には敗北
その後3年間に渡って私たちは魔族の支配を受けているのです。」


「そのことが新しい王様を立てられない理由と関係が?」


「はい、魔王が世界にお触れを出し、
自分以外の王はこの世に存在する必要なしと言ったため
生き残った国の王は王の座から降ろされ、残った王族も王位を継ぐことができないのです。」



王はこの世に一人だけでいいか・・・
確かに魔王らしいと言えば魔王らしい考え方だな


大和が魔王に関心していると自分たちを見ている何者かの視線に気付く
リナは気付いていないようだったがこのねっとりとした感覚は
確かに何者かに見張られているようだった


(よし正体を暴いてやるか・・・)


大和はリナの手を取り、大通りの左側の路地に走っていった
リナがびっくりしていたが気にもとめずそのまま走り続ける
人気がない場所へとやってきた大和はリナの手を離し
空に向かって叫んだ


「さあ、人気のないところに来てやったぞ
隠れてないで出てきたらどうだ?」


すると大和たちが来た方角から
二人のフードを被った人物が姿を現した。


大和が腰の剣に手を掛けた直後にフードの一人が話出す


「お待ちください!!」


そう言って二人とも片膝をつき大和に敬意を表す
怪訝な表情を浮かべた大和は二人に問いかける


「何者だ?」



「ご神託の勇者、小橋大和様ですね?
我が主がお呼びでございます。」


そして、もう一人のフードが話し出す


「詳しい話は我らと共に来ていただければ
我が主からご説明させていただきます。」



見るからに怪しい二人組であったが
何かあれば本気で相手をすればいいし、最悪こいつらから聞き出せばいい

そう思った大和は二人についていくことにした。
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