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2部【アース大陸横断編】 第1章 「目指せドグロブニク 漫遊編」
58話:「ジェスタ再び」
しおりを挟むリコルをジェスタの町に連れていくことが決まってすぐに
戻る準備を進めることになった。
荷馬車も大和のアイテムボックスにしまい込み
リコルにも身の回りの荷物をまとめさせる。
「みんな準備はできたか?」
大和の問いに全員が頷く
それを確認したところで人気のない場所まで移動すると転移魔法を唱えた。
「テレポート、ジェスタ!」
転移するとそこには懐かしい街並みが目に映った。
大和が最初にお世話になった町ジェスタである。
何度も戻ってきているが相変わらず活気が満ち溢れていた。
バイゼルがいる神殿へと向かう途中町の人々が大和の存在に気付くと
嬉しそうに挨拶をしてくる。
ここでリコルは初めて大和が勇者だと知ることになる
リコルがいろいろ戸惑いながら町の様子を見まわしているうちに
目的地の神殿へとたどり着いた。
神殿内に入るとすぐさまバイゼルのもとへと歩み寄り
挨拶もそこそこにリコルの紹介と彼女を預かって欲しいという旨を伝えた。
「そういうことでしか、辛い目に会われたのですね・・・・」
そう言ってバイゼルはリコルに
ここに来たからにはもう大丈夫だということをやさしく伝えた。
バイゼルにリコルを預かってもらうことになった後
リコルに町の案内をすることになりリコルと大和たち5人で
一通り町を案内した後、大和は一旦自宅へと戻ることにした。
久しぶりにジェスタの自宅に戻った大和は
しばらく帰っていなかった自宅でしばしくつろいだ。
マーリンとリナも自分の自宅に戻っている
「ここがヤマト様の家なのですか?」
一緒に付いてきたリコルが家の中を見回しながら聞いてくるのでそうだと答えると。
「意外と普通の家なのですね・・・・」
勇者といえば豪邸か城にでも住んでるイメージがあるのか
少し驚いたように目を見開く。
そんなことを考えているとリコルがさらに問いかけてきた。
「ヤマト様? ヤマト様が魔王討伐の旅に出ている間
あたしがここに住むというのはダメでしょうか?」
特に断る理由もないので許可を出すと目を輝かせて喜んでいた。
何となくだがエルノアがリコルを羨望の眼差しで見ていた気がするが
単なる見間違いだということにしておいた。
せっかくジェスタに帰ってきたので夕食は大和の家で食べることになり
エルノアとリナが食事を作るため買い物に出かけていた。
ちなみにマーリンは店の様子を見てくるとのことだったので
夕食の時間まで別行動だ。
リコルと出会って初めて彼女と二人っきりになる。
「「・・・・・・」」
二人の間に少しばかり気まずい雰囲気が流れたがそれも一瞬のことであり。
「そう言えばヤマト様って勇者様だったんですね・・・・
どうりでお強いわけです」
「まあ成り行きで勇者にされてしまったってとこはあるし
俺自身勇者になることを納得してるわけじゃないんだけどね」
そう言って肩を竦めながら答える大和。
「・・・・ヤマト様、今回は本当にありがとうございました
ただのコソ泥だったリコルの罪を許してくださったばかりか
やり直すチャンスまでいただけた。 この御恩一生忘れません!!」
そう言って感謝の言葉を述べながら頭を下げるリコル。
彼女がまだ子供だからだろうどうしても甘やかしてしまう
というよりも今までの彼女の境遇を聞いてしまっては
責めることなどできるはずもなかった。
大和はリコルの頭をくしゃくしゃと撫でた。
彼女もそれに慣れたのかされるがままになっている。
「いろいろ新しい場所で戸惑うこともあると思うけど
この町はいいところだからきっとリコルも気に入ると思うよ」
「・・・・・・はい」
しばらく沈黙が続いたが意を決したようにリコルが口を開く。
「ヤマト様、あたしがもう少し大きくなったら・・・・
あなたのおよめっ・・・・」
リコルが話している途中に家の扉が勢いよく開かれた。
「ぜぇぜぇ、ただいま戻りました・・・・」
「はぁはぁ、お待たせしました・・・・」
そこにはエルノアとリナが肩で息をしながら買い物から戻ってきた。
「おっおう、おかえり・・・・っていうかなんでそんなに疲れてるんだよ?」
「「なっなんでもないです・・・・・・」」
二人してそう答えるのであえて突っ込まないようにした。
買ってきたものをテーブルの上に置くと二人はリコルのもとに行き何か話している。
「リコルちゃん? 私たちがいないからってヤマト様を誘惑してないでしょうね?」
「抜け駆けは許しませんよ、ヤマト様はあたしのご主人様なんですから!」
そんな声が聞こえてきたため二人にチョップをお見舞いする。
「馬鹿なこと言ってないでさっさと夕飯の準備をしたらどうだ?」
二人ともリコルにまだ何か言いたげではあったが
これ以上大和を怒らせたくないと思ったのかしぶしぶ台所へと向かって行った。
その後すぐにマーリンも合流しささやかながら宴が行われ、騒ぎ疲れたのか
全員大和の家で雑魚寝で過ごすこととなった。
翌朝四人は身支度を整え、町の入り口にいた。
今回の見送りはバイゼルとリコルだけだったが
こちらの方が気楽でいいというものだった。
「じゃあリコル達者でな!」
そういうと大和は最後にリコルの頭をくしゃくしゃと撫でた。
(ヤマト様待っていてください・・・・今は無理でも。
必ず強くなってあなたの隣に・・・・・・)
そう決意を新たにこの新天地ジェスタで自分を磨き上げ
将来大和の隣に立ちたいとリコルは心の中で誓うのだった。
10年後彼女は【碧眼の大賢者リコル】としてこの世界の歴史に
名を刻むことになるのだが、今それは語るべきことではないだろう・・・・
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