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第9話:嫌な予感がする~グレイズ視点~
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子供の頃から大好きだった幼馴染のアンリ。そんなアンリは体が弱く、8歳から4年間、領地で生活をしていた。俺は寂しくて、何度も領地に遊びに行った。そんなアンリは見る見る元気になり、貴族学院に入学する12歳の時には、健康上問題なくなっていた。
やっとアンリが王都に戻ってきた、これからはずっと一緒だ。そう思っていたのに…
アンリは入学早々、侯爵令息のエディソン・マッキーノ様に一目ぼれし、彼に夢中になった。彼は貴族学院でも1・2の人気を誇るうえ、爵位もアンリより上だ。どう転んでも、相手にされる訳ない。
案の定、他の令嬢から嫌味を言われたり、時には暴力を振るわれることもあった。俺の大切なアンリに、何て事をするんだ!そう思ったが、俺はしがない伯爵令息。特にマッキーノ侯爵令息の取り巻きたちは身分が高く、俺が文句を言える相手ではない。
とにかくアンリには目を覚まして欲しくて、何度も訴えたが、一向に諦める気配がない。ただ、アンリの兄や両親も、アンリがマッキーノ侯爵令息を追い掛け回している事をよく思っておらず、なんとか説得すると言ってくれた。
さらに俺とアンリを婚約させるとまで言い出したアンリの両親だが、今のアンリが俺との婚約話なんて聞いたら、全力で拒否するだろう。
そんな思いから、その場はいったん断った。とにかくマッキーノ侯爵令息を諦めさせることが先決だと思ったからだ。
そんな俺たちの思いがやっとアンリに通じ、なんとかマッキーノ侯爵令息を諦めてくれた。
特にアンリの兄の喜びようは半端なく、小躍りまでしていた。きっと妹の事で、誰よりも苦労したんだろう。
アンリがマッキーノ侯爵令息を諦めて3ヶ月が経った頃、急にアンリの両親に呼び出された。なぜか俺の両親も、その場に来ていた。一体何の話だ?そんな疑問を抱いていると…
「グレイズ、単刀直入に聞く。お前はアンリの事、どう思っているんだ?」
真顔で俺に聞いてくるのは、アンリの父、スリーフェイル伯爵だ。
「急に何を言い出すんだよ!」
完全に動揺する俺に、さらに話しかける伯爵。
「以前にも話したと思うが、アンリと君を婚約させたいと思っているんだ。アンリはなんと言うか、目を離せないというか…またマッキーノ侯爵令息の様な、高貴な身分の令息に無謀にもアタックしないとも限らない。今回は幸いマッキーノ侯爵家から正式に抗議が来なかったからよかったものの、これ以上アンリを野放しにしておきたくはないんだ…」
なるほど、だから俺とアンリを婚約させたいという訳だな。
「伯爵の言いたい事はわかったよ。俺もアンリの事は好きだ。いずれ結婚したいと思っている。でも…アンリの気持ちはどうなんだ?急に俺と婚約すると言って、アンリは納得するのか?」
「それは…」
どうやらアンリには、一切話はしていない様だ。
「とにかくもう少し時間をくれないか?俺はアンリの気持ちも大切にしたいんだ。貴族学院を卒業するまで、まだ1年以上あるし。とにかく、アンリが暴走しないように俺が見張るから」
「分かった…グレイズがそう言うなら、もう少し様子を見よう」
そう言ってくれた伯爵。とにかく、俺はアンリの気持ちも大切にしたい。そう思っていたのだが…
1ヶ月後に行われた貴族学院主催の夜会で、俺の気持ちは一気に揺らいだ。なぜかマッキーノ侯爵令息が、アンリに絡んできたのだ。さらに、婚約秒読みと言われていたスカーディス侯爵令嬢との修羅場まで展開していた。
どういう事だ?あの人はスカーディス侯爵令嬢と結婚するのではなかったのか?
俺の頭は、一気にパニックになる。なんだか物凄く嫌な予感がする。
それにマッキーノ侯爵令息が言っていた
“僕には心から愛する女性がいるんだ。僕はその子と婚約しようと思ている。僕が貴族学院を卒業すると同時に、彼女に婚約を申し込むつもりだ”
その言葉が、どうしても引っかかるのだ。スカーディス侯爵令嬢には結婚しないとはっきりと告げていた。それなら一体、マッキーノ侯爵令息の愛しる女性とは誰なんだ?
もしかして…アンリ…
もしマッキーノ侯爵家から正式に婚約を申し込まれたら、伯爵家でもあるアンリの家は断れないだろう。そうなったらアンリは…
嫌だ、アンリをとられたくはない。アンリは俺と結婚するんだ!
幸いアンリは、スカーディス侯爵令嬢との修羅場を目の当たりにして、マッキーノ侯爵令息に対し、負の感情を抱いた様だ。ここは一気に攻め込まないと!アンリをあの男に取られる前に…
やっとアンリが王都に戻ってきた、これからはずっと一緒だ。そう思っていたのに…
アンリは入学早々、侯爵令息のエディソン・マッキーノ様に一目ぼれし、彼に夢中になった。彼は貴族学院でも1・2の人気を誇るうえ、爵位もアンリより上だ。どう転んでも、相手にされる訳ない。
案の定、他の令嬢から嫌味を言われたり、時には暴力を振るわれることもあった。俺の大切なアンリに、何て事をするんだ!そう思ったが、俺はしがない伯爵令息。特にマッキーノ侯爵令息の取り巻きたちは身分が高く、俺が文句を言える相手ではない。
とにかくアンリには目を覚まして欲しくて、何度も訴えたが、一向に諦める気配がない。ただ、アンリの兄や両親も、アンリがマッキーノ侯爵令息を追い掛け回している事をよく思っておらず、なんとか説得すると言ってくれた。
さらに俺とアンリを婚約させるとまで言い出したアンリの両親だが、今のアンリが俺との婚約話なんて聞いたら、全力で拒否するだろう。
そんな思いから、その場はいったん断った。とにかくマッキーノ侯爵令息を諦めさせることが先決だと思ったからだ。
そんな俺たちの思いがやっとアンリに通じ、なんとかマッキーノ侯爵令息を諦めてくれた。
特にアンリの兄の喜びようは半端なく、小躍りまでしていた。きっと妹の事で、誰よりも苦労したんだろう。
アンリがマッキーノ侯爵令息を諦めて3ヶ月が経った頃、急にアンリの両親に呼び出された。なぜか俺の両親も、その場に来ていた。一体何の話だ?そんな疑問を抱いていると…
「グレイズ、単刀直入に聞く。お前はアンリの事、どう思っているんだ?」
真顔で俺に聞いてくるのは、アンリの父、スリーフェイル伯爵だ。
「急に何を言い出すんだよ!」
完全に動揺する俺に、さらに話しかける伯爵。
「以前にも話したと思うが、アンリと君を婚約させたいと思っているんだ。アンリはなんと言うか、目を離せないというか…またマッキーノ侯爵令息の様な、高貴な身分の令息に無謀にもアタックしないとも限らない。今回は幸いマッキーノ侯爵家から正式に抗議が来なかったからよかったものの、これ以上アンリを野放しにしておきたくはないんだ…」
なるほど、だから俺とアンリを婚約させたいという訳だな。
「伯爵の言いたい事はわかったよ。俺もアンリの事は好きだ。いずれ結婚したいと思っている。でも…アンリの気持ちはどうなんだ?急に俺と婚約すると言って、アンリは納得するのか?」
「それは…」
どうやらアンリには、一切話はしていない様だ。
「とにかくもう少し時間をくれないか?俺はアンリの気持ちも大切にしたいんだ。貴族学院を卒業するまで、まだ1年以上あるし。とにかく、アンリが暴走しないように俺が見張るから」
「分かった…グレイズがそう言うなら、もう少し様子を見よう」
そう言ってくれた伯爵。とにかく、俺はアンリの気持ちも大切にしたい。そう思っていたのだが…
1ヶ月後に行われた貴族学院主催の夜会で、俺の気持ちは一気に揺らいだ。なぜかマッキーノ侯爵令息が、アンリに絡んできたのだ。さらに、婚約秒読みと言われていたスカーディス侯爵令嬢との修羅場まで展開していた。
どういう事だ?あの人はスカーディス侯爵令嬢と結婚するのではなかったのか?
俺の頭は、一気にパニックになる。なんだか物凄く嫌な予感がする。
それにマッキーノ侯爵令息が言っていた
“僕には心から愛する女性がいるんだ。僕はその子と婚約しようと思ている。僕が貴族学院を卒業すると同時に、彼女に婚約を申し込むつもりだ”
その言葉が、どうしても引っかかるのだ。スカーディス侯爵令嬢には結婚しないとはっきりと告げていた。それなら一体、マッキーノ侯爵令息の愛しる女性とは誰なんだ?
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もしマッキーノ侯爵家から正式に婚約を申し込まれたら、伯爵家でもあるアンリの家は断れないだろう。そうなったらアンリは…
嫌だ、アンリをとられたくはない。アンリは俺と結婚するんだ!
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