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本編
第5話:魔力が完全に復活しましたが放出する方法に悩みます~後編~
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目の前に海があると思うと、楽しみすぎてつい走ってしまう私。
「シャーロット、そんなに走らなくても、海は逃げないわ」
オルビア様が笑いながら叫ぶが、一刻も早く海が見たい私は、無視して海の方へと猛ダッシュする。急ぎすぎてお腹が痛いが、こんなもの治癒魔法で何とかなるわ。
しばらく走ると、砂がたくさんある場所へと来た。そして目の前には、一面エメラルドグリーンの美しい海が広がっている。どこまで続いているのだろうと思うほど、ずっと向こうまで海が広がっている。
「なんて奇麗なのかしら」
あまりにも壮大な海に、呆然と立ち尽くす私。
「もう!シャーロットったら、凄いスピードで走っていくんだもの!追いつくの大変だったんだから!」
ハーハー息を切らしながらやって来たオルビア様。
「ごめんなさい!でも、どうしてもこの美しい海が早く見たかったのです。それにしても、なんて素敵なのかしら。ずっとここに居ても飽きなさそうですわ」
「シャーロットったら大げさね。そうだ、足を海に浸けてみない?気持ちいいわよ」
そう言うと、オルビア様は靴を脱いでスカートを軽くまくると、海の中に入っていった。
「シャーロット、とても気持ちいわよ!あなたも早くいらっしゃい」
オルビア様に促され、私も靴を脱ぎ、恐る恐る海の中に入ってみた。
「冷たい、でもとても気持ちいいわ」
波が私の足の周りを行ったり来たりする。
「そうでしょ。めちゃくちゃ気持ちいいのよ。もっと暖かくなったら泳ぐことも出来るんだから」
「そうなのですか!ぜひ泳いでみたいですわ」
子供の頃、湖で泳いだことがある。あの時も気持ちよかったけれど、きっと海はもっと気持ちいいのでしょうね。
「そうね…機会があったら泳ぎに来ましょう…」
そう言ったオルビア様は、一瞬物凄く悲しそうな顔をしたが、すぐに元の笑顔に戻った。今の悲しそうな顔は、一体何だったのかしら?私の中で、小さな違和感が芽生えたが、この時は特に気にせずに海を楽しんだ。
「オルビア、シャーロット嬢、ここに居たんだね」
声のする方を見ると、そこには陛下とアルテミル様が居た。
「お兄様もアルテミルも、こんなところに来て何お仕事をさぼっているのかしら?」
オルビア様が2人に文句を言っている。
「さぼっていないよ。もう終わったの。オルビアが気になって見に来たのに、酷いな~」
アルテミル様がオルビア様の腰に手を回しながら言う。そこからは、もう2人の世界だ。私は邪魔しないようにこっそり二人から離れる。
「ごめんね、シャーロット嬢。あの2人、すぐにああやってイチャつくんだ」
陛下が苦笑いしながら説明してくれる。
「恋人同士が仲が良いのは、ごく当たり前の事ですわ。陛下だって婚約者と仲良くしますでしょ?」
「俺には婚約者も恋人もいないよ」
えっ、嘘だ。陛下って確か21歳だよね。普通結婚していてもおかしくない年齢だし、そもそも顔もめちゃくちゃカッコいいのに、恋人すらいないなんて。もしかして、あっち系なのかしら。
私の考えていた事を察したのか
「別に男が好きな訳ではないから!ちょっと理由があって恋人は作らないだけだから!」
物凄い勢いで否定された。あら、違うのね。
「でも、陛下ほどのお方だったら、女性の方は放っておかないのではありませんか?だって、とってもカッコいいですもの」
しまった、つい思ったことを口にしてしまった。失礼だったかしら!
「シャーロット嬢、ありがとう。君にそう言ってもらえると嬉しいよ」
にっこり微笑む陛下。やっぱり素敵ね、この人。
「陛下、もっと奥に行ってみませんか?あっちの方が波が…あっ」
私はバランスを崩してしまった。このまま海にダイブ!
と思ったのだが。
「大丈夫かい?シャーロット嬢」
陛下にしっかり抱き止められていた。陛下の心臓の音が聞こえる。しっかり鍛えられた胸板。それになんだかいい匂いがするわ。
「すまない」
真っ赤な顔をした陛下に突き放された。私、何を考えていたのかしら。相手は陛下よ。私が触れて良い相手ではないのに。
「私こそ申し訳ございませんでした」
深く頭を下げる私。なんだか心臓がうるさいわ!落ち着いて、私の心臓!
「そろそろ冷えて来たし、王宮に戻ろうか」
陛下はそう言うと、手を差し伸べて来た。きっとまた転びそうになると危ないと言う意味よね。そうよ、きっと深い意味はないはずよ。私は自分に言い聞かせると、陛下の手を取った。
温かくてがっちりした手。なんだか心地いいわ。
気が付くと私は行きに乗った馬車とは別の馬車に乗り込んでいた。それも陛下と二人でだ。
いけない、オルビア様は?そう思い窓の外を見たが、当たり前のようにアルテミル様と一緒に馬車に乗り込む姿が目に入った。無駄な心配だったようだ。
陛下と二人っきりで馬車に揺られる私。何か話さないと…でも、何を話せばいいのかしら?う~ん
「シャーロット嬢、街や海は楽しかったかい?」
気を遣ってくれたのか、陛下が話しかけてくれた。
「はい、街ではオルビア様が沢山の珊瑚を買ってくださいましたし、お昼に食べたお魚料理も本当に美味しかったですわ。特にお刺身は格別でした」
「それは良かった。では、王宮でも刺身を出すように手配しよう」
「まあ、それは嬉しいですわ」
「それと、もし必要なものがあったら、何でも俺に言って欲しい。すぐに手配するから」
「ありがとうございます、陛下!」
それにしても陛下は本当に優しい。それに、窓から差し込む夕日の光に照らされた陛下、とても素敵だわ。て、私は何を考えているのかしら。そもそも私は罪人で、婚約破棄されたばかりなのに。身の程知らずな考えは持ってはいけないわ!
そうこうしているうちに、王宮に帰ってきた。
私は自室に戻ると、すぐに今日買って来た珊瑚を手に取る。本当に宝石のように美しいわ。こんなに美しいのに、比較的安価で購入できるなんて、なんだか勿体ないわね。
さてと、早速この珊瑚を使って魔力を放出させてもらおうかしら。私は珊瑚を握ると、一気に魔力を珊瑚に込める。次の瞬間、珊瑚が一瞬光を放った。
どうやら成功したようだ。そう、私は溢れんばかりの自分の魔力を、この珊瑚に込めたのだ。珊瑚に込めることで、衝撃を抑えつつうまく魔力を放出することも出来る。
ちなみに私の魔力が詰まったこの珊瑚、ケガ人10人は治せるくらいの魔力がこもっている。この魔力の入った珊瑚を貯めて、病院などに寄付しよう。そうすれば、少しは陛下やオルビア様の役に立てるかしら。
魔力もうまく放出できるし、いざというとき怪我や病気をした人も治せるし、まさに一石二鳥ね。この魔力放出は3日に1回程度のペースで行う必要があるから、うん、2ヶ月は持つわ。
もしまた珊瑚が必要になったら、陛下に頼んで買ってもらおう。陛下…
私は今日の出来事を思いだす。転びかけた私を優しく受け止めてくれた陛下、素敵だったな…
て、何考えているのよ。そうだわ、半年以上も元家族や元婚約者から迫害を受けていたから、きっと私愛に飢えているのよ。ちょっと優しくされたくらいでドキドキするなんて、きっとそうよね。
それにどんなに陛下が素敵でも、彼は国のトップ。私はただのシャーロット。どう考えても釣り合わないわ。そもそも、理由があって恋人は作らないって言っていた。だから、私にはこれっぽっちも脈なんて無いんだから。
私は自分に何度も何度も言い聞かせた。そうすることで、自分に芽生え始めた感情を、何とか隠そうとしたのだった。
~あとがき~
王宮に戻った後のシャーロットとオルビアの会話
「今日は街や海に連れて行ってくださり、ありがとうございました。とても楽しかったです」
「喜んでもらえて良かったわ。それより、途中でアルテミルたちが乱入してきてごめんなさい」
「いえ、全然大丈夫です」
「あら、シャーロット、顔赤くない?お兄様と何かあった?」
「えっ、いえ何もないです!」
真っ赤な顔で否定するシャーロット。
「ふ~ん。帰りもさっさと2人で馬車に乗りこんじゃうし。本当に何もなかったの?」
「本当に何もなかったです!」
「まあ、そう言う事にしといてあげるわ」
オルビアはシャーロットの気持ちに薄々気づいている?様な素振りです。
「シャーロット、そんなに走らなくても、海は逃げないわ」
オルビア様が笑いながら叫ぶが、一刻も早く海が見たい私は、無視して海の方へと猛ダッシュする。急ぎすぎてお腹が痛いが、こんなもの治癒魔法で何とかなるわ。
しばらく走ると、砂がたくさんある場所へと来た。そして目の前には、一面エメラルドグリーンの美しい海が広がっている。どこまで続いているのだろうと思うほど、ずっと向こうまで海が広がっている。
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「シャーロットったら大げさね。そうだ、足を海に浸けてみない?気持ちいいわよ」
そう言うと、オルビア様は靴を脱いでスカートを軽くまくると、海の中に入っていった。
「シャーロット、とても気持ちいわよ!あなたも早くいらっしゃい」
オルビア様に促され、私も靴を脱ぎ、恐る恐る海の中に入ってみた。
「冷たい、でもとても気持ちいいわ」
波が私の足の周りを行ったり来たりする。
「そうでしょ。めちゃくちゃ気持ちいいのよ。もっと暖かくなったら泳ぐことも出来るんだから」
「そうなのですか!ぜひ泳いでみたいですわ」
子供の頃、湖で泳いだことがある。あの時も気持ちよかったけれど、きっと海はもっと気持ちいいのでしょうね。
「そうね…機会があったら泳ぎに来ましょう…」
そう言ったオルビア様は、一瞬物凄く悲しそうな顔をしたが、すぐに元の笑顔に戻った。今の悲しそうな顔は、一体何だったのかしら?私の中で、小さな違和感が芽生えたが、この時は特に気にせずに海を楽しんだ。
「オルビア、シャーロット嬢、ここに居たんだね」
声のする方を見ると、そこには陛下とアルテミル様が居た。
「お兄様もアルテミルも、こんなところに来て何お仕事をさぼっているのかしら?」
オルビア様が2人に文句を言っている。
「さぼっていないよ。もう終わったの。オルビアが気になって見に来たのに、酷いな~」
アルテミル様がオルビア様の腰に手を回しながら言う。そこからは、もう2人の世界だ。私は邪魔しないようにこっそり二人から離れる。
「ごめんね、シャーロット嬢。あの2人、すぐにああやってイチャつくんだ」
陛下が苦笑いしながら説明してくれる。
「恋人同士が仲が良いのは、ごく当たり前の事ですわ。陛下だって婚約者と仲良くしますでしょ?」
「俺には婚約者も恋人もいないよ」
えっ、嘘だ。陛下って確か21歳だよね。普通結婚していてもおかしくない年齢だし、そもそも顔もめちゃくちゃカッコいいのに、恋人すらいないなんて。もしかして、あっち系なのかしら。
私の考えていた事を察したのか
「別に男が好きな訳ではないから!ちょっと理由があって恋人は作らないだけだから!」
物凄い勢いで否定された。あら、違うのね。
「でも、陛下ほどのお方だったら、女性の方は放っておかないのではありませんか?だって、とってもカッコいいですもの」
しまった、つい思ったことを口にしてしまった。失礼だったかしら!
「シャーロット嬢、ありがとう。君にそう言ってもらえると嬉しいよ」
にっこり微笑む陛下。やっぱり素敵ね、この人。
「陛下、もっと奥に行ってみませんか?あっちの方が波が…あっ」
私はバランスを崩してしまった。このまま海にダイブ!
と思ったのだが。
「大丈夫かい?シャーロット嬢」
陛下にしっかり抱き止められていた。陛下の心臓の音が聞こえる。しっかり鍛えられた胸板。それになんだかいい匂いがするわ。
「すまない」
真っ赤な顔をした陛下に突き放された。私、何を考えていたのかしら。相手は陛下よ。私が触れて良い相手ではないのに。
「私こそ申し訳ございませんでした」
深く頭を下げる私。なんだか心臓がうるさいわ!落ち着いて、私の心臓!
「そろそろ冷えて来たし、王宮に戻ろうか」
陛下はそう言うと、手を差し伸べて来た。きっとまた転びそうになると危ないと言う意味よね。そうよ、きっと深い意味はないはずよ。私は自分に言い聞かせると、陛下の手を取った。
温かくてがっちりした手。なんだか心地いいわ。
気が付くと私は行きに乗った馬車とは別の馬車に乗り込んでいた。それも陛下と二人でだ。
いけない、オルビア様は?そう思い窓の外を見たが、当たり前のようにアルテミル様と一緒に馬車に乗り込む姿が目に入った。無駄な心配だったようだ。
陛下と二人っきりで馬車に揺られる私。何か話さないと…でも、何を話せばいいのかしら?う~ん
「シャーロット嬢、街や海は楽しかったかい?」
気を遣ってくれたのか、陛下が話しかけてくれた。
「はい、街ではオルビア様が沢山の珊瑚を買ってくださいましたし、お昼に食べたお魚料理も本当に美味しかったですわ。特にお刺身は格別でした」
「それは良かった。では、王宮でも刺身を出すように手配しよう」
「まあ、それは嬉しいですわ」
「それと、もし必要なものがあったら、何でも俺に言って欲しい。すぐに手配するから」
「ありがとうございます、陛下!」
それにしても陛下は本当に優しい。それに、窓から差し込む夕日の光に照らされた陛下、とても素敵だわ。て、私は何を考えているのかしら。そもそも私は罪人で、婚約破棄されたばかりなのに。身の程知らずな考えは持ってはいけないわ!
そうこうしているうちに、王宮に帰ってきた。
私は自室に戻ると、すぐに今日買って来た珊瑚を手に取る。本当に宝石のように美しいわ。こんなに美しいのに、比較的安価で購入できるなんて、なんだか勿体ないわね。
さてと、早速この珊瑚を使って魔力を放出させてもらおうかしら。私は珊瑚を握ると、一気に魔力を珊瑚に込める。次の瞬間、珊瑚が一瞬光を放った。
どうやら成功したようだ。そう、私は溢れんばかりの自分の魔力を、この珊瑚に込めたのだ。珊瑚に込めることで、衝撃を抑えつつうまく魔力を放出することも出来る。
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私は今日の出来事を思いだす。転びかけた私を優しく受け止めてくれた陛下、素敵だったな…
て、何考えているのよ。そうだわ、半年以上も元家族や元婚約者から迫害を受けていたから、きっと私愛に飢えているのよ。ちょっと優しくされたくらいでドキドキするなんて、きっとそうよね。
それにどんなに陛下が素敵でも、彼は国のトップ。私はただのシャーロット。どう考えても釣り合わないわ。そもそも、理由があって恋人は作らないって言っていた。だから、私にはこれっぽっちも脈なんて無いんだから。
私は自分に何度も何度も言い聞かせた。そうすることで、自分に芽生え始めた感情を、何とか隠そうとしたのだった。
~あとがき~
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「今日は街や海に連れて行ってくださり、ありがとうございました。とても楽しかったです」
「喜んでもらえて良かったわ。それより、途中でアルテミルたちが乱入してきてごめんなさい」
「いえ、全然大丈夫です」
「あら、シャーロット、顔赤くない?お兄様と何かあった?」
「えっ、いえ何もないです!」
真っ赤な顔で否定するシャーロット。
「ふ~ん。帰りもさっさと2人で馬車に乗りこんじゃうし。本当に何もなかったの?」
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