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第37話:アンジュ嬢ともっと一緒にいたい~ダルク視点~
裏庭に着くと、心配そうな顔のスカーレット様と、なぜか木に登っているアンジュ嬢の姿が。一体何をしているのだろう。
と、その時だった。アンジュ嬢がバランスを崩して、木から落ちたのだ。
危ない!
間一髪、彼女を受け止める事が出来た。ただ…令嬢とはこんなに柔らかいものなのか…それに、いい匂いもするぞ。
今まで感じた事のない何とも言えない胸の高鳴りが、私を襲った。落ち着け、取り乱してはいけない。そう自分にいいきかせる。
どうやら彼女は、巣から落ちていた雛鳥を巣に戻してあげていた様だ。すっかり彼女の優しさに魅了されたスカーレット様が、アンジュ嬢に今までの酷い態度に対して謝罪をしている。
一方、スカーレット様が大好きな王太子殿下は、醜い嫉妬心からか、彼女を信じられないと言った事で、2人は喧嘩を始めたのだ。
おっとりした見た目のスカーレット様だが、意外と気が強く、頑固なのだ。まあ、いつもの事なのだが。ただ、そんな2人を見て、オロオロしているアンジュ嬢。怪我をしている様で、血が滴り落ちている。
結構酷い怪我をしているじゃないか。とにかく医務室に連れて行かないと。万が一痕でも残ったら大変だ。
応急処置として、傷口をハンカチで巻いた。やはりこの子の肌は柔らかいな…
すぐに彼女を医務室に連れて行こうと思ったのだが、私たちの様子に気が付いたスカーレット様が割り込んできたのだ。結局4人で医務室に向かおう事になった。
アンジュ嬢は、どうやら男を忘れるために、留学に来たとの事。きっと心に深い傷を負って、少しでも環境を変えようとこの地に来たのだろう。それなのに私たちは、彼女に酷い事をしてしまった。
改めて、彼女に酷い事をした事を後悔した。スカーレット様も同じ気持ちなのだろう。何度もアンジュ嬢に頭を下げていた。
気を取り直して医務室に向かうと、念のため病院に行った方がいいと言われ、アンジュ嬢は病院へと向かう事になった。
スカーレット様が付き添うと言い出したが、嫉妬深い王太子殿下に阻まれている。その上、当のアンジュ嬢は、1人で大丈夫だと私たちに頭を下げて病院へと向おうとしているのだ。
彼女はこの国に来てまだ1ヶ月足らず。きっとこの国の事をよく分かっていないだろう。
そう思い、私が一緒に病院に付いて行く事にした。私に迷惑を掛けたことがよほど気になるのか、アンジュ嬢が何度も頭を下げている。そんなに気にしなくてもいいのだが…
今までの私たちの酷い態度を考えれば、致し方ないのかもしれないな。
幸い怪我自体は大したことなく、定期的に消毒を行えば大丈夫との事。治療が終わると、再び私に頭を下げるアンジュ嬢。本当に謙虚な子だ。そう思っていると、血相を変えて走って来るメイドの姿が。
どうやらアンジュ嬢の専属メイドの様だ。よほどアンジュ嬢が心配だったのだろう、涙を流しながら“家族や友人が待っている国に帰ろう、酷い虐めにこれ以上耐える必要は無い”と、必死に訴えていた。
メイドの心が、胸に突き刺さる。このメイド、きっとアンジュ嬢が大好きなのだろう。本来、主でもある令嬢にメイドが意見する事などほとんどない。でもこのメイドは、涙を流しながら必死に訴えている。それだけ2人が強い絆で結ばれているという事でもある。
彼女は間違いなく、心優しいいい子なのだ!メイドの訴えを聞いて確信した。
興奮するメイドを優しく宥めるアンジュ嬢によって、やっと私の存在に気が付いたメイド。私が挨拶をすると、それはそれは嬉しそうに話しかけて来た。メイドの話では、どうやらアンジュ嬢を傷つけた男は”デイビッド殿“と言う様で、メイドも嫌っている様だ。
さらに何度も何度もメイドが“お嬢様をどうかお願いします”と頭を下げてくる。きっとこのメイドも、私たちの酷い仕打ちに心を痛めていたのだろう。彼女に安心して欲しくて、スカーレット様の事を伝え、私はその場を後にした。
「ダルク、それでアンジュ嬢はどうだったのだい?」
宿舎に戻ると、殿下に話しかけられた。
「怪我は大したことは無かったようです。毎日消毒は必要なようですが。それから、彼女のメイドが来ておりました。アンジュ嬢はメイドからも慕われている様です」
「そうか…やはり彼女は、スカーレットの言う通り、悪い令嬢ではないのかもしれないな。ダルクも随分と気に入っている様だし」
「私は別に!」
「否定しなくてもいいよ。ダルクは僕以外の人間には、全く興味を示さなかっただろう。そんな君が、誰かに興味を示しているのが嬉しいんだよ。僕はダルクを応援するから」
勝手な事を!でも、確かにアンジュ嬢が気になる。この気持ちは一体…
翌日から、スカーレット様と王太子殿下のおかげで、少しずつクラスに溶け込んでいくアンジュ嬢。
私も彼女の力になりたいが、何分口下手で人とのかかわりを避けて来た。だから、どう接していいのか分からないのだ。それでもアンジュ嬢は、私にも皆と変わらない笑顔を向けてくれる。
それが嬉しくて、もっと彼女の傍にいたい、話がしたいと思う様になった。その気持ちは、日を追うごとに大きくなっていったのだった。
と、その時だった。アンジュ嬢がバランスを崩して、木から落ちたのだ。
危ない!
間一髪、彼女を受け止める事が出来た。ただ…令嬢とはこんなに柔らかいものなのか…それに、いい匂いもするぞ。
今まで感じた事のない何とも言えない胸の高鳴りが、私を襲った。落ち着け、取り乱してはいけない。そう自分にいいきかせる。
どうやら彼女は、巣から落ちていた雛鳥を巣に戻してあげていた様だ。すっかり彼女の優しさに魅了されたスカーレット様が、アンジュ嬢に今までの酷い態度に対して謝罪をしている。
一方、スカーレット様が大好きな王太子殿下は、醜い嫉妬心からか、彼女を信じられないと言った事で、2人は喧嘩を始めたのだ。
おっとりした見た目のスカーレット様だが、意外と気が強く、頑固なのだ。まあ、いつもの事なのだが。ただ、そんな2人を見て、オロオロしているアンジュ嬢。怪我をしている様で、血が滴り落ちている。
結構酷い怪我をしているじゃないか。とにかく医務室に連れて行かないと。万が一痕でも残ったら大変だ。
応急処置として、傷口をハンカチで巻いた。やはりこの子の肌は柔らかいな…
すぐに彼女を医務室に連れて行こうと思ったのだが、私たちの様子に気が付いたスカーレット様が割り込んできたのだ。結局4人で医務室に向かおう事になった。
アンジュ嬢は、どうやら男を忘れるために、留学に来たとの事。きっと心に深い傷を負って、少しでも環境を変えようとこの地に来たのだろう。それなのに私たちは、彼女に酷い事をしてしまった。
改めて、彼女に酷い事をした事を後悔した。スカーレット様も同じ気持ちなのだろう。何度もアンジュ嬢に頭を下げていた。
気を取り直して医務室に向かうと、念のため病院に行った方がいいと言われ、アンジュ嬢は病院へと向かう事になった。
スカーレット様が付き添うと言い出したが、嫉妬深い王太子殿下に阻まれている。その上、当のアンジュ嬢は、1人で大丈夫だと私たちに頭を下げて病院へと向おうとしているのだ。
彼女はこの国に来てまだ1ヶ月足らず。きっとこの国の事をよく分かっていないだろう。
そう思い、私が一緒に病院に付いて行く事にした。私に迷惑を掛けたことがよほど気になるのか、アンジュ嬢が何度も頭を下げている。そんなに気にしなくてもいいのだが…
今までの私たちの酷い態度を考えれば、致し方ないのかもしれないな。
幸い怪我自体は大したことなく、定期的に消毒を行えば大丈夫との事。治療が終わると、再び私に頭を下げるアンジュ嬢。本当に謙虚な子だ。そう思っていると、血相を変えて走って来るメイドの姿が。
どうやらアンジュ嬢の専属メイドの様だ。よほどアンジュ嬢が心配だったのだろう、涙を流しながら“家族や友人が待っている国に帰ろう、酷い虐めにこれ以上耐える必要は無い”と、必死に訴えていた。
メイドの心が、胸に突き刺さる。このメイド、きっとアンジュ嬢が大好きなのだろう。本来、主でもある令嬢にメイドが意見する事などほとんどない。でもこのメイドは、涙を流しながら必死に訴えている。それだけ2人が強い絆で結ばれているという事でもある。
彼女は間違いなく、心優しいいい子なのだ!メイドの訴えを聞いて確信した。
興奮するメイドを優しく宥めるアンジュ嬢によって、やっと私の存在に気が付いたメイド。私が挨拶をすると、それはそれは嬉しそうに話しかけて来た。メイドの話では、どうやらアンジュ嬢を傷つけた男は”デイビッド殿“と言う様で、メイドも嫌っている様だ。
さらに何度も何度もメイドが“お嬢様をどうかお願いします”と頭を下げてくる。きっとこのメイドも、私たちの酷い仕打ちに心を痛めていたのだろう。彼女に安心して欲しくて、スカーレット様の事を伝え、私はその場を後にした。
「ダルク、それでアンジュ嬢はどうだったのだい?」
宿舎に戻ると、殿下に話しかけられた。
「怪我は大したことは無かったようです。毎日消毒は必要なようですが。それから、彼女のメイドが来ておりました。アンジュ嬢はメイドからも慕われている様です」
「そうか…やはり彼女は、スカーレットの言う通り、悪い令嬢ではないのかもしれないな。ダルクも随分と気に入っている様だし」
「私は別に!」
「否定しなくてもいいよ。ダルクは僕以外の人間には、全く興味を示さなかっただろう。そんな君が、誰かに興味を示しているのが嬉しいんだよ。僕はダルクを応援するから」
勝手な事を!でも、確かにアンジュ嬢が気になる。この気持ちは一体…
翌日から、スカーレット様と王太子殿下のおかげで、少しずつクラスに溶け込んでいくアンジュ嬢。
私も彼女の力になりたいが、何分口下手で人とのかかわりを避けて来た。だから、どう接していいのか分からないのだ。それでもアンジュ嬢は、私にも皆と変わらない笑顔を向けてくれる。
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