変わり者転生令嬢は国一番の美少年王子に溺愛される

Karamimi

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第1話:変わり者令嬢と言われています

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「お嬢様!お嬢様!」

お気に入りの場所で作業をしていると、私を呼ぶメイドの声が。

「ファリサ、私はここよ」

「お嬢様、またこんなことろにいらしたのですか?それに、またそんな変な服を着て!こんな生活を送っていらしているから、変り者令嬢と呼ばれるのです」

顔を真っ赤にして、ファリサが怒っている。

「あら、この服のどこが変なの?とても動きやすくて、作業がしやすいわ」

「あなた様は、侯爵令嬢なのですよ。そんな男性でも履かないような、緩んだズボンを履くだなんて。本当に嘆かわしい限りですわ」

そう言って頭を押さえているファリサ。もう、大げさなのだから。

「ファリサ、これはジャージと呼ばれる服よ。そもそもドレスじゃあ、ぬか床をかき回せられないでしょう。見て、とても美味しそうなぬか漬けが出来たわ。それに、味噌もいい感じで発酵しているし。本当に、これを作るのに何年かかったか…」

「何度も申し上げますが、あなた様は侯爵令嬢なのです。それなのに、そんなものを作るだなんて。とにかく、来週には貴族学院への入学が控えているのですよ。制服の最終確認をさせていただきますので、至急お部屋にお戻りください!」

そう言うと、プリプリと怒って、ファリサは屋敷内に戻っていった。そうか、来週には貴族学院に入学するのね…面倒な事この上ないわ…

重い足取りで、屋敷に戻る事にした。

私の名前は、ジュリア・スリーティス。スリーティス侯爵家の次女として産まれた私は、物心ついた時から、前世の記憶を持っている。前世の私は、お酒大好き、和食大好き、部屋着はジャージと言う、自由な生活を送っていた。見た目もあまり気にしないタイプだったため、男性と付き合った事などない。

一体どうして命を落としたのか分からないが、気が付いたら今の生になっていたという訳だ。

そもそも今世は、まるでアニメの世界に入り込んでしまった様な見た目を皆している。初めて自分の姿を見た時、びっくりして腰を抜かしそうになった。なんと、金色の髪にエメラルドグリーンの瞳をしていたのだ。それに、アニメ顔だし…

もちろん、メイドのファリサをはじめ、両親やお兄様、お姉様もアニメ顔。まさか自分がアニメの世界に入り込んでしまうなんて。それもこの国の男女は、皆美男美女ばかり。慣れるまで、本当に大変だった。

特に若い人たちは、まるで全員がヒーロー・ヒロインの様に美しい。はっきり言って、誰が誰なのかよく分からない。ずっと一緒にいれば、何となく見分けがつくのだが、たまにしか会わない人は、髪や瞳の色で見分ける様にしている。


その為、周りが“あの人素敵ね。とてもカッコいいわ!”と言っていても、正直よくわからない。だって、皆同じ美男美女なのですもの。

さらに前世の記憶が鮮明に残っている私は、とにかく日本食が恋しくてたまらない。この国では、主食はパンだ。毎日パンとスープが出る。もちろん美味しいのだが、私は米とお味噌汁、お新香が食べたいのだ。

でも、この国にはそんな物はない。最初はものすごく落ち込んだが、ないならそれに近い物を作ればいいじゃない!そう思いついた私は、侯爵令嬢という身分を利用し、早速米や大豆などを栽培している国を探させた。

そして、なんとかして手に入れた。久しぶりにお米を食べた時、涙が出るほど美味しかった。今では侯爵家の領地で、米や大豆の生産も行っている。でも、問題はみそ汁やお新香だ。特にみそ汁は、味噌を作るところから始めないといけない。その為、ものすごく苦労した。

それでも、研究に研究を重ね、やっとそれらしいものが出来たのだ。完成した時、嬉しくて皆で手を取り合ったものだ。

さらにドレスではなく、動きやすい格好をと、自前でジャージも作った。普段はジャージで生活する事も多い。

たまたま遊びに来ていたお兄様やお姉様の友人に、ジャージ姿を見られる事もしばしば。そのたびに、お母様やファリサが鬼のような顔で怒り狂うが、私は私、そう思って割り切っている。

もちろん、お茶会も興味がないため、ほとんど参加する事はない。でもそのせいで、私は社交界から変り者令嬢と呼ばれるようになってしまったが、それはそれで仕方がない。そもそも私はお茶会より、家でぐーたらしている方が好きなのだから。

ちなみに末娘という事もあり、お父様からは溺愛されている為、私の言う事は何でも聞いてくれる。

「ジュリアは好きな事をして過ごせばいいんだよ。もし結婚できなくても、お父様がずっと面倒を見てあげるからね」

そう言ってくれている。そんなお父様は、私の研究にも協力的で、私専属の料理人を雇ってくれたり、研究用に小さな建屋まで建ててくれたのだ。ただお母様は

「あなたは侯爵令嬢なのよ。お父様はああいっているけれど、いい加減令嬢らしくしなさい!」

と、耳にタコが出来るくらい言われる。その為、侯爵令嬢としてのマナーやダンスレッスンは、みっちりと受けさせられていた。まあ、日本人だった頃も学校や仕事はちゃんと行っていたし、こう見えて意外と根は真面目な方なのだ。

そんな事を考えながら、部屋に向かっていると、お母様に出くわしてしまった。

「ジュリア、あなたまたそんな恰好で歩いてるの?来週には貴族学院に入学するのよ。ただでさえ世間では、あなたの事を変り者令嬢と認識されているのに!いい加減…」

「お母様、私は今から制服の試着がありますので。これで」

私の姿を見て物凄い勢いで文句を言うお母様を軽くかわし、急いで自室に向かう。後ろでまだギャーギャー文句を言っているお母様の声が聞こえたが、そっとしておくことにしたのだった。



~あとがき~
ご無沙汰しております。
新連載を始めました。
どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m
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