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第28話:マリアナのリュカ様は仲が悪いです
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お昼休み。
いつもの様に、マリアナと一緒にテラスに行こうとした時だった。
「ジュリア、今日は僕と一緒に食べよう。マリアナ嬢、兄上が教室の外で待っているよ。早く行った方がいい」
「あら?今日は生徒会の集まりがあると言っていたけれど…ちょっと確認してくるわ。ジュリア、待っていて」
そう言って教室の外に出て行ったマリアナ。
「今のうちだ。さあ、行こう」
私の手を取り、走り出したリュカ様。
「リュカ様、マリアナは…」
「嫉妬深い兄上の事だ。そのままマリアナ嬢を連れていくだろう。せっかく僕たちは婚約をしたんだ。今日は2人でゆっくり食べよう」
確かに王太子殿下ならきっと、マリアナを離さないだろう。リュカ様のいう事に納得し、そのまま2人でお弁当を食べる事になった。
今日の私のお弁当も、もちろん日本食がたっぷり入っている。今日は鮭のおにぎりと、卵焼き、生姜焼きに煮物、さらにお新香だ。お味噌汁も持ってきている。
「ジュリアのお弁当、とても美味しそうだね。これも君が考えたのかい?」
「はい、もしよろしければ、リュカ様もどうぞ」
この前私の料理を絶賛してくれたリュカ様に、せっかくなら食べてもらいたい。そう思い、お弁当を進める。
「いいのかい?嬉しいな。早速頂くよ」
嬉しそうにおにぎりを頬張っている。
「これ、冷めているのにとても美味しいね。このお肉とおにぎりが、よく合う。お味噌汁も相変わらず美味しいし。この黄色いの、甘くていける。ジュリアは本当に天才だ。こんなおいしい料理が作れるなんて」
私のお弁当を大絶賛され、つい頬がゆるむ。
「そんなに喜んでいただけるのでしたら、明日も作って来ますわ」
「本当かい?それは嬉しいな。こんなおいしい料理が明日も食べられるなんて」
リュカ様が私のお弁当を食べてしまったので、私は王宮のお弁当を頂いた。うん、こっちもとても美味しいわ。
その後、私が持ってきたデザートの、あんこの入ったお饅頭を食べている時だった。
「ジュリア、こんなところにいたのね。随分探したのよ。もう、待っていてと言ったでしょう!」
やって来たのは、マリアナだ。後ろには王太子殿下もいる。
「ごめんね。きっとマリアナは王太子殿下と一緒に食事をすると思ったから…」
「どうせリュカ殿下が連れ出したのでしょう?て、それ。お饅頭じゃない!どうしてリュカ殿下が食べているのですか。そのお饅頭は、私のなのに!」
そういえば今日のお饅頭は、マリアナからのリクエストを受けて作って来たのだった。
「マリアナ、大丈夫よ。まだお饅頭は残っているから」
「そういう問題じゃないのよ。もしかして、お弁当もリュカ殿下が食べてしまったの?今日は生姜焼きを作って来るって言っていたから、楽しみにしていたのに」
「ああ、僕が美味しく頂いたよ。そもそも、どうしてマリアナ嬢がジュリアのお弁当を当てにしているんだい?いくら親友だからって、少し図々しいんじゃないか?」
「ちょっと、誰が図々しいですって!私とジュリアは親友なのですよ。それにジュリアは私の為に作ってきてくれたのに。それをバクバク食べるあなたの方が図々しいのではなくって。ねえ、リューゴ様」
珍しく空気になっていた王太子殿下に話しを振ったマリアナ。
「えっ?僕?えっと…マリアナもリュカも図々しくはないよ。そもそもスリーティス嬢がたくさん作ってこない方が問題だ。大体、訳のわからない料理を僕の可愛いマリアナや王族のリュカに食べさせるなんて、どういう了見だ。変なものでも入っているのではないのか?」
なぜか私に文句を言う王太子殿下。さすがに言いがかりだろう…他の2人も同じことを思ったのか
「リューゴ様、ジュリアは全く悪くありませんわ。そもそも、ジュリアの料理は世界一美味しいのです。それをけなすのはお止めください」
「マリアナ嬢の言う通りですよ、兄上!そもそもジュリアを呼び出して、文句まで言ったそうじゃないですか?ジュリアに付きまとっているのは、マリアナ嬢の方です。文句ならマリアナ嬢に言うのが筋でしょう。それから、ジュリアは僕の大切な婚約者なのです。今後ジュリアに暴言を吐くようなら、僕が許しませんからね」
すぐさま王太子殿下に抗議をしている。
「ぼ…僕はそんなつもりじゃなかったんだ。とにかく、2人とも落ち着いてくれ」
珍しくアタフタしている王太子殿下。なにこのおかしな光景は…
「とにかくジュリアは私の親友なのです。その事はお忘れなく。さあ、ジュリア。お弁当はリュカ殿下が食べてしまった様だから、お饅頭を頂くわ」
すかさず私の隣に座ると、リュカ様をギロリと睨んだマリアナ。リュカ様も、マリアナを睨んでいる。そんなマリアナの横に、遠慮しがちに座るのは王太子殿下だ。
「リューゴ様、ジュリアの作ったお饅頭、とても美味しいのですよ。さあ、あなた様もお一つどうぞ。リュカ殿下も、食べてもよろしくてよ」
「なんでジュリアが作ったお饅頭を食べるのに、君が許可を出しているんだ。このお饅頭は、ジュリアのものだぞ」
「あら、ジュリアは私の為に作ってきてくれたのだから、私の物でしょう。それをリュカ殿下にも差し上げると言っているのです。それなのに、文句を言うなんて」
再び喧嘩が始まった。
「いい加減にしないか!とにかく、この饅頭と呼ばれるものは、スリーティス嬢が作ったのだろう?それなら、スリーティス嬢に許可を得て食べるのが普通だろう。スリーティス嬢、僕も一つ貰ってもいいだろうか?」
「はい、もちろんです」
我に返った王太子殿下が、珍しくまともな事を言っている。そういえばこの人、マリアナの事以外では、非常に優秀で冷静に物事を判断できるって、お兄様が言っていた。
そんな王太子殿下が、早速お饅頭を一口。
「外はしっとりした生地に、中はあまい粒粒が入っているんだね。おせんべいも美味しかったが、これも美味しいな…」
どうやら王太子殿下も、おせんべいを食べていた様だ。さっき訳の分からない料理とか言っていなかったかしら?
「そうでしょう、リューゴ様。ジュリアの作るお料理は、本当に美味しいのです。このお饅頭も美味しいわ。ねえ、ジュリア、今度はこしあんで作って欲しいわ」
こしあんか…確かに滑らかな舌触りのあんこも美味しいわよね。
「おい、マリアナ嬢。ジュリアを何だと思っているんだい?次から次へとリクエストして。そんなに食べたいなら、自分で作ってみたらいいじゃないか」
「私は料理が出来ないのです。そもそもジュリアは、こういったお料理を作るのが好きなのだから、別にいいでしょう。本当に、ケチな男は嫌ですわ」
「人聞きの悪い事を言わないでくれ!僕はジュリアが君にこき使われている事を心配しているんだ」
「誰がこき使っているですって!」
再び喧嘩が始まった。この2人、かなり仲が悪い様だ。さすがの王太子殿下も、頭を抱えてしまった。
「あの、2人とも落ち着いて下さい。リュカ様、私を気遣ってくださり、ありがとうございます。でも、私は料理が好きなので大丈夫ですわ。そうだ、リュカ様も何かリクエストがあれば、作りますよ」
「リクエストか…それなら、果物を使ったお菓子が食べたいな。実は僕、果物が好きなんだ」
果物か…そうだわ!
「分かりました、それでしたら、イチゴ大福を作って来ますわ。みずみずしいイチゴを柔らかいお餅と白あんで包んだ大福です」
「まあ、イチゴ大福ですって。私も大好きなの。楽しみだわ」
なぜかマリアナが嬉しそうに笑った。それが気に入らないリュカ様が、マリアナを睨んでいる。
「それじゃあ、イチゴ大福と言う奴を、今度は作って来てくれ。リュカもマリアナも、それでいいな?」
「「はい、もちろんです(わ)」」
最後は何だかんだで息があった2人。私を目の敵にしていた王太子殿下も、今日の出来事がきっかけで、少し柔軟になった気がする。ただ…
まだ睨み合っているマリアナとリュカ様を見て、複雑な感情を抱くのであった。
いつもの様に、マリアナと一緒にテラスに行こうとした時だった。
「ジュリア、今日は僕と一緒に食べよう。マリアナ嬢、兄上が教室の外で待っているよ。早く行った方がいい」
「あら?今日は生徒会の集まりがあると言っていたけれど…ちょっと確認してくるわ。ジュリア、待っていて」
そう言って教室の外に出て行ったマリアナ。
「今のうちだ。さあ、行こう」
私の手を取り、走り出したリュカ様。
「リュカ様、マリアナは…」
「嫉妬深い兄上の事だ。そのままマリアナ嬢を連れていくだろう。せっかく僕たちは婚約をしたんだ。今日は2人でゆっくり食べよう」
確かに王太子殿下ならきっと、マリアナを離さないだろう。リュカ様のいう事に納得し、そのまま2人でお弁当を食べる事になった。
今日の私のお弁当も、もちろん日本食がたっぷり入っている。今日は鮭のおにぎりと、卵焼き、生姜焼きに煮物、さらにお新香だ。お味噌汁も持ってきている。
「ジュリアのお弁当、とても美味しそうだね。これも君が考えたのかい?」
「はい、もしよろしければ、リュカ様もどうぞ」
この前私の料理を絶賛してくれたリュカ様に、せっかくなら食べてもらいたい。そう思い、お弁当を進める。
「いいのかい?嬉しいな。早速頂くよ」
嬉しそうにおにぎりを頬張っている。
「これ、冷めているのにとても美味しいね。このお肉とおにぎりが、よく合う。お味噌汁も相変わらず美味しいし。この黄色いの、甘くていける。ジュリアは本当に天才だ。こんなおいしい料理が作れるなんて」
私のお弁当を大絶賛され、つい頬がゆるむ。
「そんなに喜んでいただけるのでしたら、明日も作って来ますわ」
「本当かい?それは嬉しいな。こんなおいしい料理が明日も食べられるなんて」
リュカ様が私のお弁当を食べてしまったので、私は王宮のお弁当を頂いた。うん、こっちもとても美味しいわ。
その後、私が持ってきたデザートの、あんこの入ったお饅頭を食べている時だった。
「ジュリア、こんなところにいたのね。随分探したのよ。もう、待っていてと言ったでしょう!」
やって来たのは、マリアナだ。後ろには王太子殿下もいる。
「ごめんね。きっとマリアナは王太子殿下と一緒に食事をすると思ったから…」
「どうせリュカ殿下が連れ出したのでしょう?て、それ。お饅頭じゃない!どうしてリュカ殿下が食べているのですか。そのお饅頭は、私のなのに!」
そういえば今日のお饅頭は、マリアナからのリクエストを受けて作って来たのだった。
「マリアナ、大丈夫よ。まだお饅頭は残っているから」
「そういう問題じゃないのよ。もしかして、お弁当もリュカ殿下が食べてしまったの?今日は生姜焼きを作って来るって言っていたから、楽しみにしていたのに」
「ああ、僕が美味しく頂いたよ。そもそも、どうしてマリアナ嬢がジュリアのお弁当を当てにしているんだい?いくら親友だからって、少し図々しいんじゃないか?」
「ちょっと、誰が図々しいですって!私とジュリアは親友なのですよ。それにジュリアは私の為に作ってきてくれたのに。それをバクバク食べるあなたの方が図々しいのではなくって。ねえ、リューゴ様」
珍しく空気になっていた王太子殿下に話しを振ったマリアナ。
「えっ?僕?えっと…マリアナもリュカも図々しくはないよ。そもそもスリーティス嬢がたくさん作ってこない方が問題だ。大体、訳のわからない料理を僕の可愛いマリアナや王族のリュカに食べさせるなんて、どういう了見だ。変なものでも入っているのではないのか?」
なぜか私に文句を言う王太子殿下。さすがに言いがかりだろう…他の2人も同じことを思ったのか
「リューゴ様、ジュリアは全く悪くありませんわ。そもそも、ジュリアの料理は世界一美味しいのです。それをけなすのはお止めください」
「マリアナ嬢の言う通りですよ、兄上!そもそもジュリアを呼び出して、文句まで言ったそうじゃないですか?ジュリアに付きまとっているのは、マリアナ嬢の方です。文句ならマリアナ嬢に言うのが筋でしょう。それから、ジュリアは僕の大切な婚約者なのです。今後ジュリアに暴言を吐くようなら、僕が許しませんからね」
すぐさま王太子殿下に抗議をしている。
「ぼ…僕はそんなつもりじゃなかったんだ。とにかく、2人とも落ち着いてくれ」
珍しくアタフタしている王太子殿下。なにこのおかしな光景は…
「とにかくジュリアは私の親友なのです。その事はお忘れなく。さあ、ジュリア。お弁当はリュカ殿下が食べてしまった様だから、お饅頭を頂くわ」
すかさず私の隣に座ると、リュカ様をギロリと睨んだマリアナ。リュカ様も、マリアナを睨んでいる。そんなマリアナの横に、遠慮しがちに座るのは王太子殿下だ。
「リューゴ様、ジュリアの作ったお饅頭、とても美味しいのですよ。さあ、あなた様もお一つどうぞ。リュカ殿下も、食べてもよろしくてよ」
「なんでジュリアが作ったお饅頭を食べるのに、君が許可を出しているんだ。このお饅頭は、ジュリアのものだぞ」
「あら、ジュリアは私の為に作ってきてくれたのだから、私の物でしょう。それをリュカ殿下にも差し上げると言っているのです。それなのに、文句を言うなんて」
再び喧嘩が始まった。
「いい加減にしないか!とにかく、この饅頭と呼ばれるものは、スリーティス嬢が作ったのだろう?それなら、スリーティス嬢に許可を得て食べるのが普通だろう。スリーティス嬢、僕も一つ貰ってもいいだろうか?」
「はい、もちろんです」
我に返った王太子殿下が、珍しくまともな事を言っている。そういえばこの人、マリアナの事以外では、非常に優秀で冷静に物事を判断できるって、お兄様が言っていた。
そんな王太子殿下が、早速お饅頭を一口。
「外はしっとりした生地に、中はあまい粒粒が入っているんだね。おせんべいも美味しかったが、これも美味しいな…」
どうやら王太子殿下も、おせんべいを食べていた様だ。さっき訳の分からない料理とか言っていなかったかしら?
「そうでしょう、リューゴ様。ジュリアの作るお料理は、本当に美味しいのです。このお饅頭も美味しいわ。ねえ、ジュリア、今度はこしあんで作って欲しいわ」
こしあんか…確かに滑らかな舌触りのあんこも美味しいわよね。
「おい、マリアナ嬢。ジュリアを何だと思っているんだい?次から次へとリクエストして。そんなに食べたいなら、自分で作ってみたらいいじゃないか」
「私は料理が出来ないのです。そもそもジュリアは、こういったお料理を作るのが好きなのだから、別にいいでしょう。本当に、ケチな男は嫌ですわ」
「人聞きの悪い事を言わないでくれ!僕はジュリアが君にこき使われている事を心配しているんだ」
「誰がこき使っているですって!」
再び喧嘩が始まった。この2人、かなり仲が悪い様だ。さすがの王太子殿下も、頭を抱えてしまった。
「あの、2人とも落ち着いて下さい。リュカ様、私を気遣ってくださり、ありがとうございます。でも、私は料理が好きなので大丈夫ですわ。そうだ、リュカ様も何かリクエストがあれば、作りますよ」
「リクエストか…それなら、果物を使ったお菓子が食べたいな。実は僕、果物が好きなんだ」
果物か…そうだわ!
「分かりました、それでしたら、イチゴ大福を作って来ますわ。みずみずしいイチゴを柔らかいお餅と白あんで包んだ大福です」
「まあ、イチゴ大福ですって。私も大好きなの。楽しみだわ」
なぜかマリアナが嬉しそうに笑った。それが気に入らないリュカ様が、マリアナを睨んでいる。
「それじゃあ、イチゴ大福と言う奴を、今度は作って来てくれ。リュカもマリアナも、それでいいな?」
「「はい、もちろんです(わ)」」
最後は何だかんだで息があった2人。私を目の敵にしていた王太子殿下も、今日の出来事がきっかけで、少し柔軟になった気がする。ただ…
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