大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました

Karamimi

文字の大きさ
9 / 61
第1章

第9話:騎士団員が遊びに来るそうです

しおりを挟む
隣の街に買い物に行ってから、2週間が過ぎた。あれ以降グレイ様は、デビッドが売り払ってしまった私の私物を探してくれている様で、先日イヤリングが帰って来た。
 
「すまん、スカーレット。捜査に手間取っていて…」
 
そう言って申し訳なさそうに謝るグレイ様。
 
「わざわざ調査をしていただき、ありがとうございます。このイヤリング、母から譲り受けた大切な物だったので、これが帰って来てとても嬉しいです。もう本当に大丈夫ですので、どうかこれ以上は…」
 
「いいや、そんな訳には行かない!どれもスカーレットにとって大切な物なのだろう?後2つだけだ。何が何でも見つけ出すから!」
 
俄然張り切るグレイ様。本当に、私の為にこんなに一生懸命動いてくれるなんて…そう思ったら、また心の奥が温かいもので包まれた。
 
ただデビッドと離縁してから、1ヶ月ちょっとしか過ぎていないのに、他の男性にこんな気持ちを抱くなんて…そう思っても、どうしても胸の高鳴りを抑える事が出来ない。きっとグレイ様もこんな気持ちを抱かれていると知ったら、迷惑がるだろう。
 
それでも今の私には、グレイ様の家を出ると言う決断が出来ない。もう少しだけ、グレイ様の優しさを感じていたい…もう独りぼっちになりたくない。そんな思いを抱えながら、ここ数日過ごしている。
 
「スカーレット、今週末なのだが、騎士団員たちが家に遊びに来ることになってな。と言うより、皆スカーレットが俺にイジメられていないか心配なようなんだ。本当に失礼な奴らだ。もし嫌だったら、出掛けてもらっても構わないから」
 
申し訳なさそうにそう言ったグレイ様。騎士団員がこの家に遊びに来るのか。それなら、しっかりもてなさないとね。でもきっと私がもてなすと聞いたら、グレイ様が遠慮するだろう。ここは内緒で準備をしておこう。
 
「わかりましたわ。それで、いつ頃いらっしゃるのですか?」
 
「昼過ぎまで稽古があるから、それ以降だな。夕食までには追い返すから、本当に気を使ってもらわなくてもいいから」
 
昼過ぎか。グレイ様はああ言っているけれど、ここはしっかりもてなさないとね。
 
そして迎えた週末
「それじゃあ、行ってくる。今日はうるさいのが来るが、よろしく頼む。イヤなら本当に出かけていてくれてもいいからな」
 
「ありがとうございます。でも、いつも食堂に来て下さる方たちですよね。せっかくなので、私も色々とお話がしたいので、皆様が来るのを待っておりますわ」
 
「そうか…わかった」
 
そう言うと、騎士団へと向かったグレイ様。よし、早速準備に取り掛からないと。今日は幸い食堂は休みだ。朝からしっかり準備が出来る。まずは掃除と洗濯からだ。最近忙しくて、しっかり掃除が出来ていなかった。
 
その為、隅々までしっかり掃除をする。さらに今日は快晴だ。せっかくなので、シーツや枕カバーなども洗濯した。全て終わった時には、もうお昼前だ。これはまずい。
 
急いで市場に買い物に行き、早速料理作りに取り掛かる。昼ごはんは食べてくるだろうから、夜ご飯の下準備をしないと。そうだわ、お茶請けのお菓子も焼かないとね。
 
早速クッキーを焼いた。今日は牛タンのワイン煮込みとチキンの照り焼き、サーモンとタイのカルパッチョ。さらに、サンドウィッチとホットサンドも作ろう。よし、ある程度下準備も出来たし、後はお客様を待つだけだ。その時だった。
 
ガチャリと鍵が開く音が聞こえる。ついに来たわ。急いで玄関へと向かうと
 
「スカーレットちゃん、遊びに来たよ」
 
「本当に団長の家にスカーレットちゃんがいる」
 
「スカーレットちゃん、団長にイジメられていない?俺ら心配で様子を見に来たんだ。ほら、あの人鬼みたいに怖いだろう?」
 
「おい、誰が鬼みたいに怖いだ。スカーレット、すまん。うるさい奴らで」
 
すかさず謝るグレイ様。見た感じ騎士団員は10人ほどだ。お料理、足りるかしら…きちんと人数を聞いておけばよかったわ。
 
「今団長、スカーレットちゃんの事呼び捨てにしたぞ。まさか団長、スカーレットちゃんを無理やり…」
 
「おい、変な想像をするな。俺は指一本触れていない!」
 
顔を真っ赤にして団員に訴えるグレイ様。ここはフォローしないとね。
 
「グレイ様の言う通りですわ。そう言う事は一切ないので、ご安心ください。さあ、よくいらっしゃいました。どうぞ中へ」
 
せっかくなので、騎士団員たちを客間に通す。そして、すかさずお茶とお菓子を出した。
 
「このお菓子、旨いな。どこで買ったの?」
 
早速お菓子を食べ始める団員達。自分の作ったお菓子を褒めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
 
「その菓子はスカーレットの手作りだ。スカーレット、こんな奴らに手作りのお菓子なんて、わざわざ出さなくてもよかったのに。そこら辺の安い菓子で十分だ」
 
「ひっでぇなぁ~、団長は。へ~、このお菓子、スカーレットちゃんが作ったんだ。メチャクチャ美味しいじゃん。もう一個食べよ」
 
「俺も~」
 
「お前たち、ガツガツ食うな。俺の分が無くなる!」
 
「別に団長はいつでも食べられるのだから、いいじゃないですか。あっ、もうなくなっちゃった」
 
出したお菓子が数秒で無くなった。これはまずい。
 
「ごめんなさい、もう一度焼いてくるので、少し待っていてくださいね」
 
急いで台所に向かおうと思ったのだが
 
「スカーレット、そんなに気を使わなくてもいい。こいつらが食いしん坊なんだ!おい、スカーレットの様子も見たし、菓子も食ったのだからもういいだろう。お前たち、帰れ」
 
そう言ったグレイ様。えっ?もう帰るの?さすがに早すぎない?
 
「え~、もう帰るんですか。イヤですよ」
 
「今来たばかりですよ。まだお茶も飲んでないし」
 
ブーブー文句を言う騎士団員たち。さすがにもう帰ってもらうのは申し訳ない。それに、晩御飯の準備もしたし。
 
「あの、実は晩御飯の準備もしてあるので、ゆっくりして行ってください」
 
そう伝えると
 
「さすがスカーレットちゃん、それじゃあお言葉に甘えて。そうそう、俺たちまだ昼ごはん食べていないんだよね。そうだ、今から酒持ってきて、少し早いけれど夕食にしようぜ」
 
「それいいね。よし、俺今から酒買ってくるわ」
 
「俺も行く」
 
完全に盛り上がり出した騎士団員たち。今からごはんという事は、急いで準備をしないと!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。

橘ハルシ
恋愛
 ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!  リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。  怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。  しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。 全21話(本編20話+番外編1話)です。

離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています

腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。 「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」 そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった! 今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。 冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。 彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――

忘れられた幼な妻は泣くことを止めました

帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。 そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。 もちろん返済する目処もない。 「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」 フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。 嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。 「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」 そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。 厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。 それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。 「お幸せですか?」 アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。 世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。 古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。 ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。 ※小説家になろう様にも投稿させていただいております。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした

風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。 一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。 平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません! というか、婚約者にされそうです!

【完結】殿下は私を溺愛してくれますが、あなたの“真実の愛”の相手は私ではありません

Rohdea
恋愛
──私は“彼女”の身代わり。 彼が今も愛しているのは亡くなった元婚約者の王女様だけだから──…… 公爵令嬢のユディットは、王太子バーナードの婚約者。 しかし、それは殿下の婚約者だった隣国の王女が亡くなってしまい、 国内の令嬢の中から一番身分が高い……それだけの理由で新たに選ばれただけ。 バーナード殿下はユディットの事をいつも優しく、大切にしてくれる。 だけど、その度にユディットの心は苦しくなっていく。 こんな自分が彼の婚約者でいていいのか。 自分のような理由で互いの気持ちを無視して決められた婚約者は、 バーナードが再び心惹かれる“真実の愛”の相手を見つける邪魔になっているだけなのでは? そんな心揺れる日々の中、 二人の前に、亡くなった王女とそっくりの女性が現れる。 実は、王女は襲撃の日、こっそり逃がされていて実は生きている…… なんて噂もあって────

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~

香木陽灯
恋愛
 「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」   貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。   カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。   ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……  「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」   クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。   負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。   カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。   そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。  「お前を虐げていた者たちに絶望を」  ※念のためのR-15です  ※他サイトでも掲載中

恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。

長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様! しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが? だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど! 義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて…… もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。 「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。 しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。 ねえ、どうして?  前妻さんに何があったの? そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!? 恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。 私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。 *他サイトにも公開しています

処理中です...