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第1章
第9話:騎士団員が遊びに来るそうです
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隣の街に買い物に行ってから、2週間が過ぎた。あれ以降グレイ様は、デビッドが売り払ってしまった私の私物を探してくれている様で、先日イヤリングが帰って来た。
「すまん、スカーレット。捜査に手間取っていて…」
そう言って申し訳なさそうに謝るグレイ様。
「わざわざ調査をしていただき、ありがとうございます。このイヤリング、母から譲り受けた大切な物だったので、これが帰って来てとても嬉しいです。もう本当に大丈夫ですので、どうかこれ以上は…」
「いいや、そんな訳には行かない!どれもスカーレットにとって大切な物なのだろう?後2つだけだ。何が何でも見つけ出すから!」
俄然張り切るグレイ様。本当に、私の為にこんなに一生懸命動いてくれるなんて…そう思ったら、また心の奥が温かいもので包まれた。
ただデビッドと離縁してから、1ヶ月ちょっとしか過ぎていないのに、他の男性にこんな気持ちを抱くなんて…そう思っても、どうしても胸の高鳴りを抑える事が出来ない。きっとグレイ様もこんな気持ちを抱かれていると知ったら、迷惑がるだろう。
それでも今の私には、グレイ様の家を出ると言う決断が出来ない。もう少しだけ、グレイ様の優しさを感じていたい…もう独りぼっちになりたくない。そんな思いを抱えながら、ここ数日過ごしている。
「スカーレット、今週末なのだが、騎士団員たちが家に遊びに来ることになってな。と言うより、皆スカーレットが俺にイジメられていないか心配なようなんだ。本当に失礼な奴らだ。もし嫌だったら、出掛けてもらっても構わないから」
申し訳なさそうにそう言ったグレイ様。騎士団員がこの家に遊びに来るのか。それなら、しっかりもてなさないとね。でもきっと私がもてなすと聞いたら、グレイ様が遠慮するだろう。ここは内緒で準備をしておこう。
「わかりましたわ。それで、いつ頃いらっしゃるのですか?」
「昼過ぎまで稽古があるから、それ以降だな。夕食までには追い返すから、本当に気を使ってもらわなくてもいいから」
昼過ぎか。グレイ様はああ言っているけれど、ここはしっかりもてなさないとね。
そして迎えた週末
「それじゃあ、行ってくる。今日はうるさいのが来るが、よろしく頼む。イヤなら本当に出かけていてくれてもいいからな」
「ありがとうございます。でも、いつも食堂に来て下さる方たちですよね。せっかくなので、私も色々とお話がしたいので、皆様が来るのを待っておりますわ」
「そうか…わかった」
そう言うと、騎士団へと向かったグレイ様。よし、早速準備に取り掛からないと。今日は幸い食堂は休みだ。朝からしっかり準備が出来る。まずは掃除と洗濯からだ。最近忙しくて、しっかり掃除が出来ていなかった。
その為、隅々までしっかり掃除をする。さらに今日は快晴だ。せっかくなので、シーツや枕カバーなども洗濯した。全て終わった時には、もうお昼前だ。これはまずい。
急いで市場に買い物に行き、早速料理作りに取り掛かる。昼ごはんは食べてくるだろうから、夜ご飯の下準備をしないと。そうだわ、お茶請けのお菓子も焼かないとね。
早速クッキーを焼いた。今日は牛タンのワイン煮込みとチキンの照り焼き、サーモンとタイのカルパッチョ。さらに、サンドウィッチとホットサンドも作ろう。よし、ある程度下準備も出来たし、後はお客様を待つだけだ。その時だった。
ガチャリと鍵が開く音が聞こえる。ついに来たわ。急いで玄関へと向かうと
「スカーレットちゃん、遊びに来たよ」
「本当に団長の家にスカーレットちゃんがいる」
「スカーレットちゃん、団長にイジメられていない?俺ら心配で様子を見に来たんだ。ほら、あの人鬼みたいに怖いだろう?」
「おい、誰が鬼みたいに怖いだ。スカーレット、すまん。うるさい奴らで」
すかさず謝るグレイ様。見た感じ騎士団員は10人ほどだ。お料理、足りるかしら…きちんと人数を聞いておけばよかったわ。
「今団長、スカーレットちゃんの事呼び捨てにしたぞ。まさか団長、スカーレットちゃんを無理やり…」
「おい、変な想像をするな。俺は指一本触れていない!」
顔を真っ赤にして団員に訴えるグレイ様。ここはフォローしないとね。
「グレイ様の言う通りですわ。そう言う事は一切ないので、ご安心ください。さあ、よくいらっしゃいました。どうぞ中へ」
せっかくなので、騎士団員たちを客間に通す。そして、すかさずお茶とお菓子を出した。
「このお菓子、旨いな。どこで買ったの?」
早速お菓子を食べ始める団員達。自分の作ったお菓子を褒めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
「その菓子はスカーレットの手作りだ。スカーレット、こんな奴らに手作りのお菓子なんて、わざわざ出さなくてもよかったのに。そこら辺の安い菓子で十分だ」
「ひっでぇなぁ~、団長は。へ~、このお菓子、スカーレットちゃんが作ったんだ。メチャクチャ美味しいじゃん。もう一個食べよ」
「俺も~」
「お前たち、ガツガツ食うな。俺の分が無くなる!」
「別に団長はいつでも食べられるのだから、いいじゃないですか。あっ、もうなくなっちゃった」
出したお菓子が数秒で無くなった。これはまずい。
「ごめんなさい、もう一度焼いてくるので、少し待っていてくださいね」
急いで台所に向かおうと思ったのだが
「スカーレット、そんなに気を使わなくてもいい。こいつらが食いしん坊なんだ!おい、スカーレットの様子も見たし、菓子も食ったのだからもういいだろう。お前たち、帰れ」
そう言ったグレイ様。えっ?もう帰るの?さすがに早すぎない?
「え~、もう帰るんですか。イヤですよ」
「今来たばかりですよ。まだお茶も飲んでないし」
ブーブー文句を言う騎士団員たち。さすがにもう帰ってもらうのは申し訳ない。それに、晩御飯の準備もしたし。
「あの、実は晩御飯の準備もしてあるので、ゆっくりして行ってください」
そう伝えると
「さすがスカーレットちゃん、それじゃあお言葉に甘えて。そうそう、俺たちまだ昼ごはん食べていないんだよね。そうだ、今から酒持ってきて、少し早いけれど夕食にしようぜ」
「それいいね。よし、俺今から酒買ってくるわ」
「俺も行く」
完全に盛り上がり出した騎士団員たち。今からごはんという事は、急いで準備をしないと!
「すまん、スカーレット。捜査に手間取っていて…」
そう言って申し訳なさそうに謝るグレイ様。
「わざわざ調査をしていただき、ありがとうございます。このイヤリング、母から譲り受けた大切な物だったので、これが帰って来てとても嬉しいです。もう本当に大丈夫ですので、どうかこれ以上は…」
「いいや、そんな訳には行かない!どれもスカーレットにとって大切な物なのだろう?後2つだけだ。何が何でも見つけ出すから!」
俄然張り切るグレイ様。本当に、私の為にこんなに一生懸命動いてくれるなんて…そう思ったら、また心の奥が温かいもので包まれた。
ただデビッドと離縁してから、1ヶ月ちょっとしか過ぎていないのに、他の男性にこんな気持ちを抱くなんて…そう思っても、どうしても胸の高鳴りを抑える事が出来ない。きっとグレイ様もこんな気持ちを抱かれていると知ったら、迷惑がるだろう。
それでも今の私には、グレイ様の家を出ると言う決断が出来ない。もう少しだけ、グレイ様の優しさを感じていたい…もう独りぼっちになりたくない。そんな思いを抱えながら、ここ数日過ごしている。
「スカーレット、今週末なのだが、騎士団員たちが家に遊びに来ることになってな。と言うより、皆スカーレットが俺にイジメられていないか心配なようなんだ。本当に失礼な奴らだ。もし嫌だったら、出掛けてもらっても構わないから」
申し訳なさそうにそう言ったグレイ様。騎士団員がこの家に遊びに来るのか。それなら、しっかりもてなさないとね。でもきっと私がもてなすと聞いたら、グレイ様が遠慮するだろう。ここは内緒で準備をしておこう。
「わかりましたわ。それで、いつ頃いらっしゃるのですか?」
「昼過ぎまで稽古があるから、それ以降だな。夕食までには追い返すから、本当に気を使ってもらわなくてもいいから」
昼過ぎか。グレイ様はああ言っているけれど、ここはしっかりもてなさないとね。
そして迎えた週末
「それじゃあ、行ってくる。今日はうるさいのが来るが、よろしく頼む。イヤなら本当に出かけていてくれてもいいからな」
「ありがとうございます。でも、いつも食堂に来て下さる方たちですよね。せっかくなので、私も色々とお話がしたいので、皆様が来るのを待っておりますわ」
「そうか…わかった」
そう言うと、騎士団へと向かったグレイ様。よし、早速準備に取り掛からないと。今日は幸い食堂は休みだ。朝からしっかり準備が出来る。まずは掃除と洗濯からだ。最近忙しくて、しっかり掃除が出来ていなかった。
その為、隅々までしっかり掃除をする。さらに今日は快晴だ。せっかくなので、シーツや枕カバーなども洗濯した。全て終わった時には、もうお昼前だ。これはまずい。
急いで市場に買い物に行き、早速料理作りに取り掛かる。昼ごはんは食べてくるだろうから、夜ご飯の下準備をしないと。そうだわ、お茶請けのお菓子も焼かないとね。
早速クッキーを焼いた。今日は牛タンのワイン煮込みとチキンの照り焼き、サーモンとタイのカルパッチョ。さらに、サンドウィッチとホットサンドも作ろう。よし、ある程度下準備も出来たし、後はお客様を待つだけだ。その時だった。
ガチャリと鍵が開く音が聞こえる。ついに来たわ。急いで玄関へと向かうと
「スカーレットちゃん、遊びに来たよ」
「本当に団長の家にスカーレットちゃんがいる」
「スカーレットちゃん、団長にイジメられていない?俺ら心配で様子を見に来たんだ。ほら、あの人鬼みたいに怖いだろう?」
「おい、誰が鬼みたいに怖いだ。スカーレット、すまん。うるさい奴らで」
すかさず謝るグレイ様。見た感じ騎士団員は10人ほどだ。お料理、足りるかしら…きちんと人数を聞いておけばよかったわ。
「今団長、スカーレットちゃんの事呼び捨てにしたぞ。まさか団長、スカーレットちゃんを無理やり…」
「おい、変な想像をするな。俺は指一本触れていない!」
顔を真っ赤にして団員に訴えるグレイ様。ここはフォローしないとね。
「グレイ様の言う通りですわ。そう言う事は一切ないので、ご安心ください。さあ、よくいらっしゃいました。どうぞ中へ」
せっかくなので、騎士団員たちを客間に通す。そして、すかさずお茶とお菓子を出した。
「このお菓子、旨いな。どこで買ったの?」
早速お菓子を食べ始める団員達。自分の作ったお菓子を褒めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
「その菓子はスカーレットの手作りだ。スカーレット、こんな奴らに手作りのお菓子なんて、わざわざ出さなくてもよかったのに。そこら辺の安い菓子で十分だ」
「ひっでぇなぁ~、団長は。へ~、このお菓子、スカーレットちゃんが作ったんだ。メチャクチャ美味しいじゃん。もう一個食べよ」
「俺も~」
「お前たち、ガツガツ食うな。俺の分が無くなる!」
「別に団長はいつでも食べられるのだから、いいじゃないですか。あっ、もうなくなっちゃった」
出したお菓子が数秒で無くなった。これはまずい。
「ごめんなさい、もう一度焼いてくるので、少し待っていてくださいね」
急いで台所に向かおうと思ったのだが
「スカーレット、そんなに気を使わなくてもいい。こいつらが食いしん坊なんだ!おい、スカーレットの様子も見たし、菓子も食ったのだからもういいだろう。お前たち、帰れ」
そう言ったグレイ様。えっ?もう帰るの?さすがに早すぎない?
「え~、もう帰るんですか。イヤですよ」
「今来たばかりですよ。まだお茶も飲んでないし」
ブーブー文句を言う騎士団員たち。さすがにもう帰ってもらうのは申し訳ない。それに、晩御飯の準備もしたし。
「あの、実は晩御飯の準備もしてあるので、ゆっくりして行ってください」
そう伝えると
「さすがスカーレットちゃん、それじゃあお言葉に甘えて。そうそう、俺たちまだ昼ごはん食べていないんだよね。そうだ、今から酒持ってきて、少し早いけれど夕食にしようぜ」
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完全に盛り上がり出した騎士団員たち。今からごはんという事は、急いで準備をしないと!
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