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第2章
第5話:旅立ちの日を迎えました
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翌日、朝食の時間になっても全く起きてこないグレイ様が心配になり、部屋に向かう。
コンコン
「グレイ様、おはようございます。大丈夫ですか?グレイ様?」
すると
「おはよう、スカーレット。すまん、昨日は少し飲みすぎた様で…」
青い顔をしたグレイ様が出て来た。どうやら二日酔いの様だ。
「大丈夫ですか?朝ごはんには野菜ジュースとヨーグルトを準備しました。それくらいなら食べられますよね?」
「ありがとう、スカーレット。本当に何から何まですまなかった。昨日はせっかくの初夜だったのに…クソ、俺は一体何をやっているんだ…」
何やらブツブツと文句を言っているグレイ様。よく聞こえないが、とりあえずは大丈夫そうね。
早速2人で朝食を済ませる。ちょうど食べ終わった頃、荷物を運んでくれる専門業者の方がやって来た。よく使うものだけは、ギリギリに詰めようと思っていたのだが、まさかこんなに早く業者さんが来るなんて。急いで片づけて小物類を箱に詰めないと。
専門業者が次々に大きな荷物を積んでいる間に、残っていた小物たちを詰め込んでいく。何とか間に合い、無事小物たちも大きな馬車に乗せられ、一足先に出発した。
全ての荷物が運び出され、何もなくなった部屋を2人で見渡す。
「こうやって荷物が無くなると、なんだか変な感じがするな…」
そうぽつりと呟いたグレイ様。
「確かに、なんだか別の家の様ですわね。でも今までお世話になった家です。せっかくなら、綺麗な状態で返したいので、今から掃除をしますね。グレイ様は二日酔いが辛いでしょうから、どこか適当なところに座って待っていてくれますか?」
そう伝えたのだが
「朝食の野菜ジュースとヨーグルトが効いたみたいで、体調も大分マシになった。この家には随分と世話になったからな。俺も一緒に掃除をするよ」
「それではお願いします」
その後2人で家の隅々まで掃除をした。そしてお昼、家を大家さんに引き渡すと、私が働いていた食堂に向かった。
「店長、皆、今まで色々とありがとうございました。これ、大したものではないけれど、皆で食べて下さい」
「まあ、スカーレットちゃん、わざわざ挨拶に来てくれたの?ありがとう。ごめんね、さすがに店を2日も休むことが出来なくてね。それで、今から旅立つのかい?」
そう言ってくれたのは店長だ。さらに仕事仲間たちも、私たちの周りに集まって来た。
「はい。でもその前に、このお店のお料理を最後に食べたくて、グレイ様と一緒に来ました」
「そうかい、わざわざ食べに来てくれたんだね。すぐに料理を持ってくるから待っていて」
そう言うと、急いで厨房へと戻っていった店長。
「スカーレットさん、やっぱり行ってしまうのね。寂しいわ」
話しかけて来たのはリンダさんだ。彼女には本当に色々とお世話になった。
「また手紙を書くわ。それからリンダさん、本当に色々とありがとう。あなたには感謝してもしきれない程の恩があるわ。また、私たちの新居にも遊びに来てね」
「お礼を言うのは私の方よ、あなたのお陰で、こんな素敵な食堂で働けたのですもの。沢山の仲間も出来たし。本当にありがとう。必ず遊びに行くわね」
そう言って寂しそうに微笑んだリンダさん。
その後店長が作ってくれたお料理を、グレイ様と一緒に頂く。昨日も食べたけれど、やっぱり店長の料理が一番おいしいわね。
「それでは皆さん、本当にありがとうございました。お元気で」
「スカーレットちゃんも元気で。騎士団長、スカーレットちゃんをどうかよろしくお願いしますね」
「「「「さようなら」」」」
わざわざ皆がお店の外に出て来て見送ってくれた。なぜかお客さんたちもだ。それがとても嬉しかった。
「さあ、スカーレット、そろそろ行こう」
グレイ様に差し出された手を握り、向かった先は騎士団の本部だ。グレイ様の話では、本部から私たちの為に馬車が準備されているらしい。その馬車に乗って、赴任先まで向かうのだ。
騎士団に着くと、沢山の騎士団員たちが待っていてくれていた。
「団長、遅いですよ。待ちくたびれましたよ~」
「やっぱり昨日飲みすぎて起きられなかったのですか?」
すかさず話しかけてくる団員達。
「色々とこっちにも準備があるんだ。相変わらずうるさい奴らだ。でも、わざわざ見送りに来てくれたんだな。ありがとう」
「当たり前でしょう。団長、次の街でも頑張ってくださいね。スカーレットちゃん、団長の事頼んだよ」
「はい、足を引っ張らない様に頑張りますわ」
「それじゃあ、俺たちはそろそろ行くよ。皆、これからも頑張ってこの街をしっかり守ってくれ。それじゃあ」
グレイ様と一緒に馬車に乗り込んだ。そしてゆっくり動き出す。皆が馬車に向かって手を振ってくれる。もちろん、私とグレイ様も窓を開けて手を振る。18年過ごしたこの街とも、いよいよお別れだ。
懐かしい街並みを見つめていると、本当に今までの事を思い出す。両親の事、デビッドに裏切られ涙を流したこと、グレイ様に助けられたこと、食堂で楽しく働いた事、リンダさんと仲良くなった事、本当に色々な事があった。
そんな中、この街で心から愛するグレイ様に出会えた。そしてこれからは新しい街で、グレイ様と生きていく。
さようなら、私の故郷、そしてありがとう。
見慣れた街並みを見つめながら、そっと別れを告げるスカーレットであった。
コンコン
「グレイ様、おはようございます。大丈夫ですか?グレイ様?」
すると
「おはよう、スカーレット。すまん、昨日は少し飲みすぎた様で…」
青い顔をしたグレイ様が出て来た。どうやら二日酔いの様だ。
「大丈夫ですか?朝ごはんには野菜ジュースとヨーグルトを準備しました。それくらいなら食べられますよね?」
「ありがとう、スカーレット。本当に何から何まですまなかった。昨日はせっかくの初夜だったのに…クソ、俺は一体何をやっているんだ…」
何やらブツブツと文句を言っているグレイ様。よく聞こえないが、とりあえずは大丈夫そうね。
早速2人で朝食を済ませる。ちょうど食べ終わった頃、荷物を運んでくれる専門業者の方がやって来た。よく使うものだけは、ギリギリに詰めようと思っていたのだが、まさかこんなに早く業者さんが来るなんて。急いで片づけて小物類を箱に詰めないと。
専門業者が次々に大きな荷物を積んでいる間に、残っていた小物たちを詰め込んでいく。何とか間に合い、無事小物たちも大きな馬車に乗せられ、一足先に出発した。
全ての荷物が運び出され、何もなくなった部屋を2人で見渡す。
「こうやって荷物が無くなると、なんだか変な感じがするな…」
そうぽつりと呟いたグレイ様。
「確かに、なんだか別の家の様ですわね。でも今までお世話になった家です。せっかくなら、綺麗な状態で返したいので、今から掃除をしますね。グレイ様は二日酔いが辛いでしょうから、どこか適当なところに座って待っていてくれますか?」
そう伝えたのだが
「朝食の野菜ジュースとヨーグルトが効いたみたいで、体調も大分マシになった。この家には随分と世話になったからな。俺も一緒に掃除をするよ」
「それではお願いします」
その後2人で家の隅々まで掃除をした。そしてお昼、家を大家さんに引き渡すと、私が働いていた食堂に向かった。
「店長、皆、今まで色々とありがとうございました。これ、大したものではないけれど、皆で食べて下さい」
「まあ、スカーレットちゃん、わざわざ挨拶に来てくれたの?ありがとう。ごめんね、さすがに店を2日も休むことが出来なくてね。それで、今から旅立つのかい?」
そう言ってくれたのは店長だ。さらに仕事仲間たちも、私たちの周りに集まって来た。
「はい。でもその前に、このお店のお料理を最後に食べたくて、グレイ様と一緒に来ました」
「そうかい、わざわざ食べに来てくれたんだね。すぐに料理を持ってくるから待っていて」
そう言うと、急いで厨房へと戻っていった店長。
「スカーレットさん、やっぱり行ってしまうのね。寂しいわ」
話しかけて来たのはリンダさんだ。彼女には本当に色々とお世話になった。
「また手紙を書くわ。それからリンダさん、本当に色々とありがとう。あなたには感謝してもしきれない程の恩があるわ。また、私たちの新居にも遊びに来てね」
「お礼を言うのは私の方よ、あなたのお陰で、こんな素敵な食堂で働けたのですもの。沢山の仲間も出来たし。本当にありがとう。必ず遊びに行くわね」
そう言って寂しそうに微笑んだリンダさん。
その後店長が作ってくれたお料理を、グレイ様と一緒に頂く。昨日も食べたけれど、やっぱり店長の料理が一番おいしいわね。
「それでは皆さん、本当にありがとうございました。お元気で」
「スカーレットちゃんも元気で。騎士団長、スカーレットちゃんをどうかよろしくお願いしますね」
「「「「さようなら」」」」
わざわざ皆がお店の外に出て来て見送ってくれた。なぜかお客さんたちもだ。それがとても嬉しかった。
「さあ、スカーレット、そろそろ行こう」
グレイ様に差し出された手を握り、向かった先は騎士団の本部だ。グレイ様の話では、本部から私たちの為に馬車が準備されているらしい。その馬車に乗って、赴任先まで向かうのだ。
騎士団に着くと、沢山の騎士団員たちが待っていてくれていた。
「団長、遅いですよ。待ちくたびれましたよ~」
「やっぱり昨日飲みすぎて起きられなかったのですか?」
すかさず話しかけてくる団員達。
「色々とこっちにも準備があるんだ。相変わらずうるさい奴らだ。でも、わざわざ見送りに来てくれたんだな。ありがとう」
「当たり前でしょう。団長、次の街でも頑張ってくださいね。スカーレットちゃん、団長の事頼んだよ」
「はい、足を引っ張らない様に頑張りますわ」
「それじゃあ、俺たちはそろそろ行くよ。皆、これからも頑張ってこの街をしっかり守ってくれ。それじゃあ」
グレイ様と一緒に馬車に乗り込んだ。そしてゆっくり動き出す。皆が馬車に向かって手を振ってくれる。もちろん、私とグレイ様も窓を開けて手を振る。18年過ごしたこの街とも、いよいよお別れだ。
懐かしい街並みを見つめていると、本当に今までの事を思い出す。両親の事、デビッドに裏切られ涙を流したこと、グレイ様に助けられたこと、食堂で楽しく働いた事、リンダさんと仲良くなった事、本当に色々な事があった。
そんな中、この街で心から愛するグレイ様に出会えた。そしてこれからは新しい街で、グレイ様と生きていく。
さようなら、私の故郷、そしてありがとう。
見慣れた街並みを見つめながら、そっと別れを告げるスカーレットであった。
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