大好きだった旦那様に離縁され家を追い出されましたが、騎士団長様に拾われ溺愛されました

Karamimi

文字の大きさ
42 / 61
第2章

第10話:男性を助けました

しおりを挟む
翌日眠い目をこすり、何とか目を覚ました。昨日眠るのが遅かったため、物凄く眠いが、今日はグレイ様の初出勤の日。寝坊する訳にはいかない。早速朝ごはんの準備に取り掛かる。

そしていつもの様に朝練をしているグレイ様の為に、お風呂も沸かさないと。とにかく朝は時間との勝負。朝からしっかり食べるグレイ様の為に、お肉と野菜のスープとサラダ。ホットサンドを作った。

ちょうど机に並べ終わった頃、お風呂から上がったグレイ様がやって来た。

「昨日は遅かったのに、こんなにも沢山の朝食を作ってくれたんだな。ありがとう。早速頂こう」

グレイ様が席に着いたところで、朝食開始だ。

「今日も多分遅くなると思うが、なるべく早く帰る様にするよ。もし遅くなる様なら、先に食べていてもらって構わないから。それから、昨日も見たと思うが、この街はとても治安が悪い。市場は昼間の人の多い時間に出来るだけ行って欲しい。それから、カバンは手で持つのではなく、首から下げるタイプがいいだろう。出来るだけ、人が通る通路側にカバンが来ない様にすることも大切だ。そうすることで、奪われにくくなる。後、夜は絶対に外には出てはいけないよ!これだけは約束して欲しい」

「大丈夫ですわ。グレイ様に迷惑を掛けない様、私も細心の注意を払って生活をいたしますので、安心してください」

極力迷惑を掛けない様に生きて行かないとね。

「とにかく、気を付けるんだぞ。それじゃあ、俺はそろそろ行ってくる。俺が出掛けたら、内側からしっかり鍵を掛けてくれ」

「はい、わかりました」

グレイ様を見送ると、しっかり内側から鍵を掛ける。さあ、引越しの片づけをしないとね。そう、昨日片づけが終わらず、まだ箱に入った荷物がたくさんあるのだ。早速箱から荷物を取り出して、並べていく。

意外と荷物が多く、全て片付け終わった頃には、お昼を過ぎていた。いけない、買い物に行かないと。あらかじめ準備しておいたパンとスープを口の中に放り込み、急いで市場に買い物に行く。確か肩掛けカバンがいいのよね。それから、人があまり通らない方に置くのよね。

細心の注意を払いながら、買い物に向かう。と言っても、徒歩3分の距離なんだけれどね。あっという間に市場に着いた。早速買い物を済ませ、後は近所にあるパン屋さんに寄って帰るだけだ。確かうちの近くに、美味しそうなパン屋さんがあった。あそこで買って帰ろう。

家に向かって歩いていると、人通りの少ない通路で、1人の男性が4人の男に絡まれているではないか。これはもしかして、喧嘩?その瞬間、男性が男に殴られた。人が殴られる瞬間なんて、初めて見たわ。恐怖で体が震え、その場から動く事が出来ない。

しっかりするのよ、私はグレイ様の妻なのだから!そうだわ、こんな時は。

「騎士団員さん、こっちです、こっちで喧嘩をしています。早く来てください!」

自分でもびっくりする程大きな声で、そう叫んだ。

「ちっ、騎士団員が来たみたいだ!逃げるぞ」

4人の男が物凄い勢いで逃げていく。どうやらうまく行った様だ。でも…

恐怖から、その場にへたり込んでしまった。まだ震えが止まらない。それでも、喧嘩を止める事が出来たのね。

そんな私に近づく男性。

「おい、大丈夫か?お前、そんなに震える体でよく叫んだな。でも、ありがとう。助かったよ。俺はベス。見かけない顔だけれど、この辺りの人間か?」

いけない、いつまでも震えていてはダメよね。何とか立ち上がり

「私はスカーレットと申します。昨日この街に引っ越してきました。どうぞよろしくお願いします。それよりも、唇が切れておりますわ。少しじっとしていてください」

カバンから消毒液と絆創膏を取り出す。昨日の事件を目の当たりにして、いつケガ人に出くわしてもいい様に、ちょっとした救急セットを持ち歩くことにしたのだ。

「別に大したことはないからいいよ」

「いいえ、よくありません。とにかくジッとしていてください」

ハンカチに消毒液を付け、切れている唇に当てる。そして絆創膏を傷口にはった。よし、とりあえずはこれでいいだろう。

「スカーレットだっけ?カバンにそんなもの入れているのか?でも、ありがとう」

なぜか顔が赤いベスさん。一体どうしたのかしら?まあいいわ。とにかく早く帰らないとね。

「それではベスさん。私はこれで失礼します」

そう言って立ち去ろうとしたのだが

「待ってくれ。助けてもらって手当てまでしてもらって、はいさようなら何て、行く訳ないだろう。せめて家まで送らせてくれ」


「ありがとうございます。でも、家はこの近くですし、パン屋さんにも寄っていきたいので」

「パン屋だって。それなら家のパンを持って行くといい。実は俺、パン屋の息子なんだ。こっちだ」

私の荷物を持つと、スタスタと歩き出したベスさん。少し歩くと、私が行こうとしていたパン屋さんの中に入って行く。まさかこのパン屋さんの息子さんだったなんて。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。

橘ハルシ
恋愛
 ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!  リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。  怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。  しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。 全21話(本編20話+番外編1話)です。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~

香木陽灯
恋愛
 「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」   貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。   カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。   ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……  「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」   クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。   負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。   カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。   そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。  「お前を虐げていた者たちに絶望を」  ※念のためのR-15です  ※他サイトでも掲載中

離婚したい! 元平民だった侯爵令嬢の、たった一つの願い

雲乃琳雨
恋愛
 バートン侯爵家の跡取りだった父を持つニナリアは、潜伏先の家から祖父に連れ去られ、侯爵家のメイドとして働いていた。  18歳になったニナリアは祖父の命令で、従姉の代わりに元平民の騎士アレン・ラディー子爵に嫁ぐことになる。ニナリアは母のもとに戻りたいので、アレンと離婚したくて仕方がなかったが、結婚は国王の命令でもあったので、アレンが離婚に応じるはずもない。しかも、アレンが初めから溺愛してきたので、ニナリアは戸惑った。ニナリアは、自分の目的を果たすことができるのか?  元平民の侯爵令嬢が、自分の人生を取り戻す、溺愛から始まる若夫婦のラブラブストーリー。

はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」 「……あぁ、君がアグリア、か」 「それで……、離縁はいつになさいます?」  領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。  両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。  帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。  形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。 ★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます! ※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-

七瀬菜々
恋愛
 ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。   両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。  もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。  ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。  ---愛されていないわけじゃない。  アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。  しかし、その願いが届くことはなかった。  アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。  かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。  アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。 ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。  アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。  結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。  望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………? ※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。    ※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。 ※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。  

旦那様、政略結婚ですので離婚しましょう

おてんば松尾
恋愛
王命により政略結婚したアイリス。 本来ならば皆に祝福され幸せの絶頂を味わっているはずなのにそうはならなかった。 初夜の場で夫の公爵であるスノウに「今日は疲れただろう。もう少し互いの事を知って、納得した上で夫婦として閨を共にするべきだ」と言われ寝室に一人残されてしまった。 翌日から夫は仕事で屋敷には帰ってこなくなり使用人たちには冷たく扱われてしまうアイリス…… (※この物語はフィクションです。実在の人物や事件とは関係ありません。)

処理中です...